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目覚めた世界が私の生きる場所  作者: 月陽
第1章  大切なもの
29/273

29 訓練開始


 翌日から訓練が始まった。

 教えてくれるのはお祖父様みたい。

 悠々自適な生活をしているからかとても自由に、ステラに教えるの私だ! という事になったみたい。



「では、早速始めるか!」

「はい! よろしくお願い致します」

「うむ!」



 まず教えられたのは、今自分に流れている魔力の流れに干渉すること。

 何故干渉するかというと、流れが速いと疲れやすいのだという。

 なので、まずは自分の身体に合った流れを作ることが大事なのだとか。

 ただし、こういう現象が起こるのは、魔力が多い者に度々表れるそうだ。


 目を閉じて昨日みたいに流れを視る。

 流れの速い自分の魔力に干渉するには、流れる魔力の、自分の力の“質”を知らなければいけない。

 どのような魔力なのか、力の本質を知る必要がある。


 魔力の本質には「火、水、風、地、光、闇、無」がある。

 私は只管自分の魔力を見ていた。

 そうしている内に色がない事に気付いた。

 私の魔力の色は⋯⋯無色透明。

 何色にも属さない、“無”だ。



 私は目を開けた。



「分かったようだな。ステラ、魔力の本質は何だ?」

(わたくし)は“無”です」

「やはりな⋯⋯」

「何か⋯⋯不味かったでしょうか?」



 お祖父様が驚いたので、“無”って何かダメなの?



「いや、“無”属性の者は希少なんだ。もしかしたら⋯⋯と思っていたからな。少し驚いただけだ。心配しなくてもいい」



 私はその言葉にホッとした。



「因みに、ヴィンスも無属性だ。兄妹揃って⋯⋯とは中々珍しいというか、無いな」

「お兄様もですか?」

「そうだ、ヴィンスにも私が魔力操作を教えたからな」



 お兄様と同じだと、ちょっとした事が嬉しい。

 とても単純なんだけど。



「本質が知れたので、次はどのような力なのかを説明しよう。ステラ、それがどのような性質かは知っているか?」

「伯父様の邸で本を読んだので、少しは分かります」



 私はその邸の図書室で借りて読んでいた本の中に魔力に関しても読んでいた。


 力の性質、

 火は、火、熱で風と相性が良く、水と相性が悪い

 水は、水、湿で地と相性が良く、火と相性が悪い

 風は、風、冷で火と相性が良く、地と相性が悪い

 地は、土、乾で水と相性が良く、風と相性が悪い

 光は、光、浄で闇と相性が悪い

 闇は、闇、暗で光と相性が悪い

 無は、何色にも染まらない。


 特殊性質は、光、闇、無の三属性。この三属性は希少部類になる。



 本で読んだ知識をお祖父様に話すと「よく勉強できている」と誉めてくれた。



「では、無属性は何が出来るか分かるか?」

「無属性は何にも染まらない無色透明、言い換えれば、何でも出来ます」

「そうだ、ステラの努力次第で他の属性全て使用可となる。まぁ、そこは追々だな。今急を要するのは魔力の流れを自分の物にすること、身体に合わない魔力を自分に合わせることが大事だからな。これは人各々己に合ったやり方が在るからこれと言う助言が出来ないのだが⋯⋯。私の場合は力ずくだったな」



 力ずく⋯⋯は流石に私には違う気がする。

 お祖父様には合ってると思いますが。



「まぁ、魔力の流れを視て見抜くのも一つの手だ。己と向き合うことだな」

「向き合う⋯⋯。試してみます」

「あぁ、だが疲れたら休憩だ。何事も無理は良くない」

「はい」



 私は先程と同じく目を瞑り、自分の魔力を視る。

 先程よりもより良く自分の中の魔力を視ることが出来た。

 ただ、干渉するのはまだまだ見出だせない。

 只管続ける⋯⋯。



 ⋯⋯どのくらいそうしていたのか、お祖父様に声を掛けられたみたいだが全く気付かず⋯⋯。



「ステラ!!」



 ビクッと、お祖父様の声に驚き体が跳ねた。



「えっ?  あっ、お祖父様⋯⋯」

「ステラ、呼んでも全く反応しないから心配したぞ。少し休憩だ、というか、昼だ」

「申し訳ありません。全く気付きませんでした」

「集中力が半端でないな⋯⋯」



 お祖父様に呆れられた。

 またやってしまった。

 そしてくぅーっと可愛い音がなり、咄嗟にお腹を抑えたがお腹の音はばっちりお祖父様にも届き、笑われた。

 集中してて分からなかったけど、とてもお腹が空いている。



「ははっ、魔力を視るにしても体力も使うからな。それにそんなに集中すれば頭も使っているから腹も減るだろう」

「とてもお腹空きました」

「だろうな、食堂へ向かうぞ」

「はい!」



 お祖父様は私を抱き上げて食堂に向かった。

 いつもとお腹の空き具合が全然違うので、歩こうと思ったら、力が抜けてペタンと座り込んでしまったので、抱き抱えられてしまった。

 それよりも、此処のお料理も美味しいからお昼は沢山食べられそう!

 とても楽しみ!

 お祖父様と話をしながら連れられていたら、食堂に着いた。

 中に入ると、お祖母様がすでにいらっしゃってた。



「あらあら。イルに抱っこされてしまったの?」

「いいだろう? 可愛い孫を抱っこできて幸せだな」

「お祖母様、お待たせしてしまい申し訳ありません。力が抜けてしまい、お祖父様に抱えられてしまったのです」

「ふふふ。頑張った証拠ね。お腹空いたでしょう。さぁ食べましょう」



 私は椅子の下ろされて、お祖父様達が座るのを待ち、お祖父様の合図で食べ始めた。

 昨夜の夕食もとても美味しかったけど、昼食も凄い!

 私はお中が空いてきたので、何時もよりも多く頂いた。

 昼食が終わった済んだら食後のお茶をするために部屋を移動し、ソファに座った。

 お茶と食後のデザートが出て来た、さっき沢山食べたけど、別腹です!

 プチケーキでどれも可愛い!

 私がどれ食べようかと迷っていると、お祖母様が見兼ねて、「お茶の時間にも出してあげるから好きなの食べなさい」と言ってくれた!

 なので、迷わず頂いた。



 そんな私を二人は微笑ましそうに見ていたけれど、食べるのに夢中で気付かなかった。



「美味しそうに食べるな」

「本当にね。可愛いわぁ」

「全くだな」



 そんな会話をされている間に二つ目のプチケーキに手をつけていた。

 本当に美味しい!

 最初は苺が載ったのを食べたけれど、今度はチョコレート。

 ちょっとビターな大人な味だったけれども、いける!



「そういえば、どこまで進んだの?」

「ステラには自分の魔力の本質を視てもらい、今は見極めの最中だ」

「筋がいいわね、もう本質を見抜いたの?」

「あぁ、この分だと流れを抑えるのも早いかもな」

「そうなったら辺境領に戻るのも早そうねぇ。来たばかりなのにもう少しゆっくり覚えてもいいのに⋯⋯」

「そうだなぁ。⋯⋯ただ、あの子は膨大な魔力だけではないだろう」

「どういうこと?」

「さぁ? それはシベリウス辺境領にいれば自ずと分かるだろう」



 お祖父様とお祖母様は何か話をしている。

 何だろうと気にはなるけど⋯⋯。

 うん、これは美味しい!

 プチケーキを三つ食べて満足した私はお茶を飲んでいた。



「美味しかったか?」

「はい! とても美味しくいただきました」

「ふふ、それは良かったわ。料理人も喜ぶでしょう」

「ステラ、一時間休憩後に先程の場所においで」

「わかりました。では、その間図書室に行っても良いですか?」

「構わないよ」

「ありがとうございます! では一時間後に参りますね」



 私はお祖父様達に挨拶をし、モニカと一緒に図書室へ行った。

 モニカには集中して周りが聞こえなくなるから渋られたんだけどね。

 少しでもいろんな事を知りたいのでお願いした。

 そして私は本を読み始めた⋯⋯。

 今読むのは魔力の事、何か手懸かりでもあるといいのだけれど。


 あった!

 何々⋯⋯魔力の本質は性格にもその性質が表れる。

 性質が分かれば御しやすい。

 私の無って⋯⋯何?

 水とか火とかだと分かりやすいのに⋯⋯。

 何だろう、私の性格⋯⋯。




「ステラ様!」

「わっ! なに!?」

「やっと気付かれましたか?」

「モニカ⋯⋯」

「何度も呼んだのですけれど⋯⋯」



 モニカに半眼で見られる。

 本日ニ度目。



「ごめんなさい、モニカ」

「構いませんよ。少しは何か掴めましたか?」

「んー⋯⋯、何となく? 掴めそうで掴めなくて。試してみないと分からないわ」

「左様ですか。そろそろ向かわれませんと遅れてしまいますよ」

「そうね、行きましょう」



 考えるのは後!

 取り敢えず色々試してみましょう!


ご覧いただき、ありがとうございます。

ブクマも本当に嬉しいです。

また次話も楽しんでいただけると嬉しいです。

よろしくお願い致します。

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