254 優待
日が過ぎ、ゼフィール国とヴァレニウス国の王太子が訪れる日を翌日に控え、私とお兄様、当日私達の側に控える側近は陛下に呼ばれ集まった。
お兄様の側にはベリセリウス卿とマルクス卿の二人だ。
エドフェルト卿がいなくて少し驚いたが、お兄様の執務室にはエドフェルト卿が必要なのだろう。
「さて、皆揃ったな」
お父様が部屋へ入っていらっしゃって、私達は一度立ち上がったが、直ぐ座る様にと促される。
今日集まったのは、お父様と最側近であるベリセリウス侯爵。
宰相であるエドフェルト公爵と彼の府と懐刀であるダールグレン子爵。
お兄様の側にはベリセリウス卿とマルクス卿で私の側にはティナとレグリスが一緒だ。
流石にレグリスもこの場ではいつもの気楽な感じを全く感じさせず、別人みたいにきりっとしている。
「先に伝えていた通り、明日の午前中にヴァレニウスからヴァレンティーン王太子、午後にゼフィールからジェラルド王太子とエクレール第二王子が来訪する。出迎えはヴィンセントとエステルの二人に勤めて貰う。エスエルにとっては初の他国の要人と接する事となるが、問題ないな?」
「はい。グランフェルト国の王族の一人として恥じないよう、務めさせて頂きます」
私の言葉を聞き頷く。
宰相から滞在中の予定が改めて伝えられる。
来訪されたら順次お父様との謁見を行い、その日の夜は歓迎の晩餐会が開かれる。
そこに出席するのはお披露目の済んでいないフレッド以外の王族とお父様の側近のベリセリウス侯爵、宰相とシベリウス、セイデリアの両辺境伯だ。
その翌日はこの場にいる者達と両国の王太子を交え目的の情報共有の話し合いが行われる。
三日目の午前中は国王と会談を行い、午後からはお兄様と私、両国の王太子と王子でお茶会を開く。
次代の者達で交流を図るのが目的だ。
四日目の午後には帰途に着く。
「今回の訪問は日程が短い為予定は詰まっているが、滞りなく行えるように準備は整っているな?」
「はい。問題ございません」
「二人も大丈夫か?」
「はい。此方もぬかりなく」
「最終確認も終わっております」
宰相や私達の言葉に頷く。
「あぁそうだ。エステル」
「はい、陛下」
「今回来訪する三人に現在婚約者がいない」
急に何を言いだすのかと思えば婚約者?
ヴァン様にいらっしゃらないのはよく知っているが、ゼフィールの王太子に婚約者がいないのは知らなかった。
確か妹君はご結婚されたはず。
「前にも言ったと思うが、現在我が国が他国との政略結婚は必要としていない。今の所お前を他国へやるつもりはないから余計な事を言われたら直ぐ報告するように」
「畏まりました」
何だかいつも以上に厳しい目をしたお父様がちょっと怖い。
そうそう言い寄られる事ないと思うのだけどね。
心配性なお父様には素直に頷いておく。
お父様の言葉に皆は苦笑していたけれど、お兄様だけはお父様に激しく同意していた。
「他に質問は?」とのお父様の問いに特に無いので最終確認は異常で終わった。
私は一度執務へ顔を出し、急ぎの書類に目を通す。
その後、ティナとレグリスに明日出迎える時間の一時間前に王宮の私の宮へ来るよう伝える。
夕食後、お父様から再度忠告を受けるも、しつこいとお母様に窘められていた。
それでもわたしの事が心配なのか、うじうじとしていたが、流石に格好良くないと私もぼそりと呟くとしょんぼりと肩を落とした。
今夜は早く休むようにと、早々に宮へ戻り眠りにつく。
そして翌日の朝早く、私は恒例のモニカ達に磨かれていた。
眠い、と言うのが今の感想。
この張り切った彼女達に何かを言うものなら言い返されるので大人しくされるがままとなる。
「仕上がりましたわ!」
「あぁ、今日も可愛らしい、いえ美しいですわ!!」
「美しいけれど、可憐ですわ」
「両国の王子方も殿下に見惚れますでしょう」
――それはない。
きっぱりと心の中で突っ込みを入れる。
口にしないのは、口にすればそれ以上の反論を受けるからだ。
一応王女なのに⋯⋯。
「ほら、貴女達。殿下み見惚れるのは結構ですけれど、少し前髪が乱れていますよ」
モニカの鋭い指摘に彼女達はささっと私の前髪を整える。
それ程乱れていなかったと思うが、モニカは少しの乱れも見逃さなかった。
「殿下、側近のベリセリウス嬢とセイデリア卿がいらっしゃいました」
時間より少し早いが来たのならばと私も二人が待つ部屋へと向かった。
部屋へ入ると、二人共立ち上がる。
「おはよう」
「おはようございます」
「二人共素敵ね。レグリスは雰囲気が変わるわね」
「ステラ様には負けますよ。いつも以上に可愛いです」
「レグリスに褒められるのは珍しいわ」
くすくすと笑いながら席に着く。
本当に二人共格好いいのだ。
特にティナは美人な上にきりっとした護衛の制服はよく似あっていて、女性受けする事間違いなしだ。
「先に来訪されるのはヴァレニウスの王太子殿下でしたわね」
「ティナはお会いした事があるの?」
「えぇ、一度だけ。お会いしたといっても父に付いてご挨拶をしただけですわ」
「どのような方なのですか?」
レグリスは興味津々でティナに質問をするが、ティナはあまり興味なさそうだ。
「そうね。少し冷たい方の様に見受けたわ。他者をあまり寄せ付けない、特に女性を遠ざけていらっしゃったわね。まぁ竜王国の方は番である女性以外に興味ないのでしょう。外見はとても整っていらっしゃって人気のある方よ。けれど、とても鋭くて、何というか、私は少し苦手だわ」
「へぇ。ティナ様も苦手な人っているんですね」
「普通にいるわ。その筆頭が父よ」
「それ、何となく分かる」
レグリスったら、それは流石に失礼だ。
けど当のティナは「でしょう?」と返している。
「それはそうと、ゼフィールの、レグリス君にとっては従兄弟でしょう? 王太子殿下方はどういった方なの?」
「⋯⋯⋯⋯会えばわかりますよ」
「私にヴァレニウスの王太子殿下を聞いてきたというのに答えられないの?」
「俺、執務室にお留守番が良かった⋯⋯」
項垂れる様にがっくりするレグリスに、私とティナは仲良く「往生際が悪い」と心の中で突っ込んでしまった。
「ステラ様にお願いがあります」
「何かしら?」
「絶対俺の事、ゼフィールに売らないでください!」
「どういう事?」
「何も言われなければいいんです」
「レグリス、はっきり言わないと分からないわ」
それ以上口を開かず、時間になり、お兄様が迎えに来て下さったので、一緒にエントランスへ向かった。
ヴァレニウスの方々は王宮から少し離れた位置にある開けた場所があり、そこに飛竜を留めておき、馬車でこちらに向かってくる手筈となっている。
「時間的にそろそろいらっしゃるね」
「そうですわね。⋯⋯あ、お見えになられたようですわ」
馬の蹄の音が聞こえてくると、段々と馬車の姿が見えてきた。
「ステラ、分かっているね?」
「はい、勿論ですわ」
お兄様がこそっと私に耳打ちをした。
本当に心配性だ。
大丈夫、これが公初の他国の方と交流で、ただ相手はヴァレンティーン殿下。
皆に悟らせない様にしなければならない上、少しばかり緊張する。
馬車が停まり、ヴァレニウスの近衛が馬車の扉を開く。
先ず下りてきたのはアリシア時代に会った事のある方で、ヴァン様の最側近である、ラインハルト・エーベルヴァイン侯爵だ。
その後にヴァレニウスの王太子殿下である、ヴァレンティーン・ブリッツシュラーク・ヴァレニウスが下りてきた。
その姿を見て一瞬鼓動が跳ね上がる。
久しぶりに見るその姿は全く変わりなく、相変わらず麗しい。
何時もう時とは違い、私の姿を見ても全く表情は変わらなかった。
――流石だわ。
私もうまく隠せているだろうか。
表情を取り繕えているだろうか。
不安に思うが、表に出さずにお兄様の後を付いて行く。
「遠い所をようこそお越し下さいました。ご無沙汰をしております、ヴァレンティーン殿」
「歓迎痛み入る。久しぶりだな。ヴィンセント殿は背が伸び更にグランフェルト王に似てこられた」
お兄様は丁寧に接するが、ヴァン様は気安くお兄様と言葉を交わす。
そしてちらりと私に視線を向ける。
「ヴァレンティーン殿。紹介が遅れました。隣にいるのは私の妹でグランフェルト第一王女、エステル・ヴィルヘルミーナ・グランフェルトです」
「お初にお目にかかります。エステル・ヴィルヘルミーナ・グランフェルトと申します。ヴァレニウス竜王国の王太子殿下にお目にかかれますこと、とても嬉しく光栄に存じます」
私はお兄様に紹介され、右手を胸に置き、左手でドレスを優雅に持ち上げて片足を引き膝を折る。
ヴァレニウスの方々だけをお迎えするときは彼等の礼法でお辞儀をする。
そうする事で友好国に対し尊重しているという主張をし、誰の目から見ても分かりやすくするのだ。
「とても美しいヴァレニウスの礼での挨拶嬉しく思う。私はヴァレンティーン・ブリッツシュラーク・ヴァレニウス。此方こそ、噂の姫に会う事が出来、とても光栄です」
ヴァン様は、以前私と初めてあった時と同じく、私の差し出した右手に唇を寄せた。
ただの挨拶に過ぎないので私は全神経を集中させ平然を装う。
「噂、とはどのようなものでしょう? お耳汚しではお恥ずかしいですわ」
「あぁ、シベリウス辺境伯と夫人がしきりに姪が可愛いと言っていたので、会えるのを楽しみにしていた」
――あ、元凶は伯父様達ね。
お兄様と、きっと私も似たような表情をしている。
伯父様達に呆れてしまった。
「では早速陛下の元へ案内させて頂く」
私とお兄様はヴァレニウス一行を陛下のおられる謁見室まで案内をする。
その中で、世間話をするお兄様とヴァン様は時折私にも話を振るので気は抜けない。
まぁ、気を抜く事は無いのだけれどね。
謁見室に着き呼ばれるまでソファに掛けて待つ、といっても案外直ぐに呼ばれたので扉が開かれ中へと入る。
私とお兄様は玉座へ上がる階段の下でお父様へ頭を下げ、左右に分かれて立つ。
ヴァレニウス一行は壇上の陛下に礼を尽くす。
「表を上げられよ」
執務で見る顔とはまた違うお父様を見る事に新鮮さを覚えるが、やはり一国の王なのだと改めて感じる一幕だ。
「よくぞ参られた。息災のようで何よりだ」
「陛下に置かれましてもお変わりなく。此度は我がヴァレニウスとゼフィールの提案をお受けいただき感謝申し上げます」
「いや。我等も警戒を怠っていないが、こうして情報を齎してくれた事、感謝している。詳しくは明日の会議で伺おう。今宵は歓迎の晩餐を開く故、是非お受けいただきたい」
「有難く。参加させて頂きます」
「夕刻までゆるりと休まれよ」
「感謝します」
謁見はこれで終了だ。
此処からの案内は侍従が務める。
謁見の間からヴァレニウス一行が出て扉が閉まると、私は内心ほっとした。
「ヴィンス、ステラ。此処まで問題なかったな?」
「はい。ありませんでした」
お兄様は若干目が座り気味にお父様へ報告を行うが、何故そんな表情をするのか⋯⋯。
あれが原因かな。
けどただの挨拶だしなぁとちょっと遠い目になったのは許してほしい。
一旦ティナ達と共に宮へと戻り、昼食はお兄様達と共に頂く事になった。
「レグリス、今朝の話の続きなのだけど⋯⋯」
「ステラ様、蒸し返さないでください」
「何の話だ?」
お兄様に聞かれたので今朝の話を伝えたら、お兄様達も気になったようで、というか興味津々にレグリスへ視線を向けるとたじたじになっていた。
「レグリス、気になるような言い方をすれば気になって仕方ないだろう? それにステラの側近なのだから、何かしら問題があるならステラにちゃんと言わないとね」
お兄様は尤もらしい事を言っているが、ようはお兄様も気になるから聞きたいのだ。
「あー、はい。言います」
観念したようにはぁと一息ついた。
「ご存知のように、母がゼフィール国王の妹ですので何かしら構われるんですけど⋯⋯」
構われるって、可愛がられてるってことなのかな。
けど、レグリスの様子では少し違うのか。
「母上曰く、陛下が私をゼフィールに連れていきたいと言っているらしくて。半分本気だと話していました。よく考えたら、ジュリーあ、ジェラルド殿下からたまに手紙が届くのですが、それらしい事書いていたなぁと」
曖昧な言い方に皆は呆れかえっている。
「レグリス、ちゃんとお手紙に目を通しているの?」
「⋯⋯流し読み、いえ、ちゃんと読んでいますよ!」
――最初に流し読みって言ってしまってるよ?
レグリスらしいと言えばらしいのかな。
「それで、レグリスは嫌なのか?」
「私はステラ様の側近です。それに忠誠を誓っていますのでゼフィールには行きません」
きっぱりと言い切ったレグリスにお兄様はにこりと笑った。
「そういう事なら何があってもきっぱりと断れるね」
あっ、これは自分でちゃんと断ることができるよね? と言っている。
「出来ます!」
お兄様はレグリスに答えを求めていなかったけど、つられて答えてしまい、しかもそれに気付いてない。
マルクス卿はやれやれといった風だ。
昼食後、少し休憩してからエントランスに向かった。
ゼフィールの方々はセイデリアから馬車で来られるので直接此方までいらっしゃる。
どのような方々なのか気になるところではあるが、レイ様によく似た方なのだろうか。
今朝よりも気持ち的に余裕を持って待っていた、のはほんの十数分前の話だ。
今、目の前には青筋の立てた王太子殿下とレグリスがいて、隣では冷ややかな眼差しで見下しているお兄様。
下へ視線を移せば二人に殴られ地面へ突っ伏している第二王子殿下、と場が凍りついている。
――何故こんな事に。
そう思うも、原因は下で転がっている第二王子だ。
こうなった経緯を振り返る。
ゼフィールの殿下方を乗せた馬車が到着し、お二人が降りてこられて王太子殿下との挨拶後、第二王子殿下の挨拶を受けている時。
「王女殿下は話に聞いていた通り、月の女神の如く美しいですね。是非、僕の伴侶になっていただけませんか」
その初対面で始めの挨拶の後にこの爆弾発言後、私の手を握ったまま口付けされそうになったか、素早くお兄様が私を後ろへと隠し、レグリスが手刀で第二王子の手首を打ち、王太子殿下は彼の頭を殴ったのだ。
そしてそのまま第二王子は地面にゴンッ! となんとも痛そうな、頭蓋骨は大丈夫なのかと心配になる音と共に地面に仲良く転がっている、というのがこの状態を作り出した経緯だ。
「王女殿下、愚弟が申し訳ない。少々、思った事を感情のまま行動する悪癖があり迷惑をお掛けした。滞在中、また迷惑をかけるようなことがあれば直ぐに教えてほしい。嫌なら殴ってもらっても構わない」
流石に殴る事はしないけど、悪癖って⋯⋯。
「問題ありません。何かあれば私が対処しますので」
今まで聞いたことのないような声音でレグリスが断言した。
王太子殿下はレグリスをちらりと見て、頷いている。
「王子殿下は大丈夫でしょうか⋯⋯」
「これぐらい問題ありません。おい、いつまで寝転がっているつもりだ。さっさと起きろ」
王太子殿下は助ける素振りもなく、声だけかけるとむくりと起き上がってきた。
「兄上、殴るなんて酷いですよ! レグリスまで!」
「「お前が悪いからだ!!」」
王太子殿下とレグリスの声がハモったが、流石にマルクス卿がレグリスを窘めた。
従兄だけど一応公の場なので、事態が事態だけれどレグリスは一応謝った。
「ゼフィール第二王子殿、我が妹に婚約など早すぎる。可愛い妹に迂闊なことを言わないで下さると有り難いですね」
にこやかに釘を刺すお兄様に第二王子は一応頷くも、その表情は全く同意したわけではないだろう。
一体どうなることやら。
なんだかどっと疲れてしまった。
その後、謁見が滞り無く終わったが、先程のやり取りを謁見室でお兄様がお父様に即報告をする。
「ほぉ。第二王子の評判はそれなりによかったと思うが実は馬鹿なのか?」
そう問いかけるようにマルクス卿とレグリスに目で問いかける。
「恐れながら申し上げます。第二王子は浅はかと言うより直情型です。あれでも頭は良いので王太子の右腕として有能ですが、たまに突っ走る所はあります。今回の王女殿下への言葉もそれです。思った事、思いついた事を口にしたのでしょう」
「と言うことは、本心からの言葉、ということか?」
「そうだと思います」
頭が痛いと言わんばかりにため息を付く。
「ステラ、分かっていると思うがあの者に対して言動はくれぐれも気をつけるように。王女の側近二人はあの王子から王女を護れ」
「「畏まりました」」
護れと言っても何かされることはないと思いたい。
何かあっても王太子殿下が止めて下さるだろう。
無事に両国の王太子を迎え、謁見も無事に終わった為、この後は晩餐会だ。
まだ時間がある為、私はティナとレグリスと共に執務室へと向かった。
部屋を守る騎士が扉を開け、私達中へと入る。
「あら、ステラ様?」
「何か問題でもございましたか?」
暫くは賓客の相手をするべく、こちらにはあまり顔を出さないと話をしていたが、初日からこちらに来たものだからルイスとロベルトは驚いていた。
「何も問題ないわ。マティお従兄様は何処へ?」
「書類を届けるついでにフィリップ様に宮廷の案内をしているのですが、そろそろ戻って来るかと思います」
先に書類の説明等をしていたので宮廷の案内が未だだった。
戻って来るまでの間は書類を片付ける。
「おや。ステラ様、いらっしゃっていたのですか?」
「お従兄様を待っていたのですわ」
「私を?」
不思議そうにするお従兄様はフィリップに指示を出し私に近寄った。
「ヴァレニウスの王太子殿下より、明後日のお茶会にお従兄様をご指名なの。その日はティナの代わりに参加してくださいね。開始は十四時からですので、一時間前に私の宮へいらしてください」
「畏まりました」
ふとティナがお従兄様を意味ありげにいると、何か察したのか目が座っている。
「マティアス様。お茶会に参加されましたら、ゼフィールの第二王子殿下に注意してください」
「⋯⋯まさかと思うが」
「そのまさかですわ」
察しの言いお従兄様ははぁと大きな溜息をついた。
「ステラ様は可愛らしいですから魅かれるのも無理はありませんが、あの様に直情的に口に出すとは思いませんでしたわ」
ティナは呆れた口調で言うけれど、最初の言葉は要らないかな。
「初対面の他国の王女に向かって直情的に物を言うなんてね。お茶会でステラ様には近づけさせない様にしよう」
「何かあっても、俺とジュリー従兄上で止めますし、多分今頃こんこんと叱られているはずだから、多分さっきみたいなことはないと思います。⋯⋯多分」
「だといいけどね」
マティお従兄様はこういった時、私の話をあまり聞いてくれないので、マティお従兄様にお任せしよう。
伝えるべき事は伝えたので、そろそろ王宮に戻らなければ、モニカとエメリから昏々と叱られそう。
後を任せて私は王宮へと戻った。
ご覧いただきありがとうございます。
ブクマ、いいねをいただき、とても嬉しいです!
ありがとうございます(ꈍᴗꈍ)
次話も楽しんでいただけたらと思います。
よろしくお願い致します。





