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目覚めた世界が私の生きる場所  作者: 月陽
第3章 決意を新たに
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244 今後のために


「ヴィクセル伯爵家の令嬢をそのままにしたらしいな」



 今日は久しぶりにお祖父様と純粋にお話しがしたくて訪れたのに、お祖父様と楽しくお茶会、というわけにはいかなかった。

 怒っているわけではないけれど、疑問なのか少し険しい顔のお祖父様が待ち受けていた。



「彼女から直接話を聞いて、(わたくし)が大丈夫だと判断しました」

「両辺境伯から報告を受ける前にか?」

「はい」

「せめて二人の意見を聞いてからにしなさい」



 お祖父様は呆れたように話す。



「もし問題があるならば、お二人共事前にいらっしゃったでしょう?」

「まぁ、それはそうだろうな。あの二人が問題児をお前の側近に許すはずがない」



 それでも心配なのか、お祖父様は納得されていない。



「それはあの二人から話しを聞けばいいだろう」

「え?」



 そこにその二人が到着したと、部屋に入ってきた。



「先王陛下、並びに王女殿下にご挨拶致します」

「急に悪かったな。先ずは座れ」

「失礼いたします」



 その二人とは、シベリウス、セイデリア両辺境伯だ。



「伯父様達がいらっしゃるとは思いませんでしたわ」

「ステラから手紙を貰い直ぐに二人に今日来るよう伝えたからな」



 それって二人に拒否権ないって事、よね。

 私、ちょっと余計な事しちゃったのかも⋯⋯。

 伯父様達に心の中で謝る。


 

「伯父様、セイデリア辺境伯。今回は(わたくし)の側近に訓練をつけて頂き感謝しますわ」

「とんでもありません。やはりお預かりして正解でした」

「お前達から見てどうだ。使えるようになったか?」



 あぁ、お祖父様は私と一緒に確認をする為に二人を呼んだのね。

 私としてはただ楽しくお祖父様とのお話しを楽しみにしていたのだけれど、本当に、思っていた休日ではなくなったと諦めた。



「私が預かりました二人、クロムヘイム卿とルイス嬢は頭の回転が速いく、実践より座学を中心に、後は体力づくりと実力が伴わない時、殿下を護り逃げ方を中心に教え込みました。二人共飲み込みが早く、優秀でしたよ。あれなら足手まといにはならず、その時、何をすべきかの状況判断を素早く出来るでしょう」

「適材適所だな」

「はい」

「で、問題のヴィクセル嬢はどうだったのだ?」



 お祖父様が一番気になっているのはそこだろう。

 本人からの報告と、実際彼女を見てきた伯父様の意見が同じだとは限らない。



「初日は散々たるものでしたね」



 ――そんなに酷かったの!?



 伯父様はその時を思い出し酷かったのだと話す。



「それで?」

「早朝訓練後に座学を、騎士としての心得を学び、午後からは只管訓練をさせました。一番の問題が対人戦ですので実戦形式で、相手をする騎士達には令嬢に対して容赦なく相手をするよう伝えていましたので、騎士達の殺気を初めて浴びた後、数日剣を握れなくなりました」



 レオンお従兄様から聞いたから知っているけれど、伯父様から聞くと特に不思議な事ではないと感じる。



「イェルハルド様もご存じの通り、これで騎士達の力量を図る目安ともなります。令嬢は四日で克服しました。彼女の様子を見て訓練の期間中に握れるようになるか、訓練始めの頃は心許無いと思っておりましたが、彼女は思ったより心が強いようです。そして一度決めた事は曲げない信念を持っております」

「ほう。その令嬢は見た事がないが、報告で聞いていたのと違うな」

「そうですね。私も実際ここまで関わったのは初めてですが、普段少し楽天的な所が見受けられましたので、座学も令嬢にとっては厳しく指導いたしました」



 厳しいと噂の伯父様の指導を受けたディオはよく頑張ったのだろう。

 意外だと言わんばかりにセイデリア辺境伯が感心している。



「学園の成績は優秀だからな。だが理解したといってもそれが身になっていなければ無意味だぞ」

「勿論です。それこそ盗賊団の中へ放り込みましたよ」

「は?」



 聞き間違えなのか、お祖父様は聞き返した。

 私もおもわず伯父様を見るが、お祖父様の視線を平然と受け止めていた。



「丁度盗賊団の討伐を予定しておりましたので、少数で根城に放り込みました。何事も実戦に勝るものはありません」

「それはそうだろうな」



 若干呆れ顔だが、お前らしいと納得しているお祖父様。

 私はと言うと、伯父様のその容赦ない行動に驚くばかりだ。 



「まぁ、お前達二人がステラを護れないような奴を許すとは思えん。お前達を納得させたのならいい」

「信用して頂き感謝します」



 お祖父様が両辺境伯を信頼している事にほっとすると同時に、お祖父様もそうだけれどそう思われる二人を尊敬する。



「ステラ」

「はい、お祖父様」

「お前にも言いたい事がある」

「何でしょう⋯⋯」



 何だかお祖父様が怖い。

 その声音にさっと居住まいを正す。

 叱られる様なことしたっけ?

 あの件ならもうお父様にお母様から叱られたので、そのうえお祖父様から叱られうのは遠慮したい。

 勿論私が悪いのだから叱られて当然と言えば当然なのだが、だからと言って叱られたいとは思わない。

 


「身構えているが、叱られる様な事を仕出かしたのか?」

「え? いえ、ない⋯⋯筈ですが⋯⋯」

「何だ? ない、と言い切れないのか?」

 


 探るように見られて居心地がとても悪い。

 それに加えて伯父様とセイデリア辺境伯からの視線も痛い。



(わたくし)が気付いていないだけで、何か仕出かしていましたでしょうか?」

「お前は叱られると思っているのか」



 呆れたように言われてしまったけれど、その通りだ。

 何か叱られるのではと身構えてしまい、少し恥ずかしくなってしまって視線が泳ぐ。



「伯父様達、笑わないでください」

「笑っていませんよ」

「殿下が可愛らしいと思っているだけですので、その様に拗ねないでください」



 ――あの顔は絶対笑いを堪えているわ!



 伯父様はいいとして、セイデリア辺境伯にも笑われてしまったのが一番恥ずかしい。

 


「ステラ」

「はい」



 お祖父様に声を掛けられたので私は気を引き締めた。


 

「お前の側近問題は程々に解決したとして、ステラ。お前も成長しなければならんぞ」

「はい、お祖父様」



 分かっているのかと探られるが怯むことなくぐっと力を入れてお祖父様の視線を受け止める。



「お前は人を利用する事を覚えた方が良い」



 急に何を言うかと思えば人を利用するって⋯⋯。

 私、結構そうしていると思っていたのだけれど、違うの?

 思ってもみない事を言われたのでお祖父様に言葉を返せなかった。



「その顔を見るにステラは人を利用していると思っていたようだが、お前は人を利用していたとは言わん。ただ頼ってお願いしていただけだ」



 そう言われてしまってはぐうの音も出ない。



「今は逆に利用されているだろう?」

(わたくし)がですか?」

「あぁ。公爵達にな」



 ――うっ、確かに。


 

 それを言われてしまっては更に言葉に詰まる。

 だけどあれは⋯⋯あの公爵相手に何か出来る気がしない、というのが正直な気持ちで、お父様や公爵達に利用される事で役に立てるならと思っているのだけれど、それではいけないのか⋯⋯。



「ステラがあの者に態々対抗しようとする必要はないが、ただ公爵達の思惑に利用され過ぎるのも良くないぞ。逆に奴らを利用してやらんとな。特にヴォルゴート公爵を喜ばせているだけではないか」



 それは私がガラス製品に対して提案を行った事を指していた。



「お祖父様、公爵からはその見返りを頂いておりますわ」

「それでは割に合わん。王女であるお前が提案した事に対して最優先で注文を受けるといっても、お前は別に注文をせんだろう」

「それは⋯⋯」



 確かに何かを注文する事はないと思う。

 私は特に何も必要としていない。



「相手が公爵達だからお前を蔑ろにすることは無いだろう。だが、この先も同様では舐められるぞ」



 この先、というのは国内だけでなく国外との交流をするようになればだろう。

 お祖父様の仰っている事も理解できるけれど、私のやり方ってそんなに駄目なのかな。



「ステラ、お前の優しさ、相手を思いやる心は美徳だが、公爵達のような者達だけではない。貴族の多くは狡猾な連中のほうが多いという事を覚えておけ。お前がそうなれと言ってるのではない。ただ、優しさを見せるばかりでは駄目だという事だ。まぁお前に対して甘い連中が周囲に多いのが問題と言えば問題か⋯⋯」

「それはイェルハルド様も同様ですよ」

「確かに言えてますね」



 お祖父様の言葉に対して伯父様とセイデリア辺境伯がきっぱりと言い返した。

 言い返されたお祖父様はひとつ咳払いをして誤魔化す。



「アルノルド、大体お前がシベリウスでステラを甘やかしていたのが原因だろう」

「そこまで甘やかしてはおりませんよ。可愛がっておりましたが教育に手を抜いた覚えはありません」



 伯父様達の教育に関してはそれなりに厳しかったと思う。

 当たり前の事なのだが、そこに関しては甘やかされてはない。

 間違った事に関してはちゃんと叱られもした。



「お祖父様、伯父様もそのように言い合いしないでくださいませ。お祖父様から見て(わたくし)が甘いと仰るならそうなのでしょう。ですが、相手にもよりますわ」

「相手により判断をするのを悪いとは思わん。だが、優しさだけではいかんぞ。ヴィンスは相手が此方側の人間だとしても相手をそれなりに利用し、使っている」

「お兄様が?」

「あぁ」



 それは知らなかった。

 常に一緒にいるわけでもないし、お兄様の執務室に訪れたとしても、そのような場に出くわしたことが無いし見聞きしていないので知らなくても当然だろう。



「ステラ、お前も成長せねばならんぞ。特にこれからは他国の連中と交流が増えるだろう。勿論国内の貴族ともな。その時に対応を間違えれば侮られるだけではなく、お前の地位も危ぶまれるだろう。それは王家に対しての威信にも関わる。お前は常に周囲から一挙一動を見られている事を覚えておけ。今回の学園での対応もそうだ。周囲に学生がなくて良かったが、あれでは貴族達の格好の餌食だ」



 確かにあの場に他の生徒がいれば、私の対応はダメだろう。

 だけどあの場に他の生徒がいなかったからそうしただけで、もし他の生徒がいたならば、私は違う選択をしていた。

 だがそれは言い訳に過ぎない。

 第三者から見れば、お祖父様の様に心配され今の様に言われても仕方がない事。

 


「アンセ達からも言われただろうが、彼奴等もお前に甘いからな」



 お祖父様と似たような事は元気になってからお説教されたが、甘いのかは私には分からない。

 けれど、お父様達、そしてお祖父様からも同じように叱られるという事は、私の行動、考え方は本当に甘いのだろう。

 皆が訓練をして勉強をし、成長したいるのに私がお父様達に言われた事を受け止め、理解して成長しなければ皆の上に立つ者としては失格だろう。



「ステラ」

「はい、お祖父様」

「お前はこの先の事を考えたら今よりもより一層学び成長せねばならん。私は勿論、お前の両親や此処にいるこの二人もステラがちゃんと成長するだろうと信じているからこそ、こうしてお前の為に動いているんだ。分かっているな?」

「はい。お祖父様達に見放されないように学びます」

「あぁそうだ。言っておくが、お前は彼奴等みたいに腹黒になる必要はないからな」



 腹黒って、誰を指しているのか。

 伯父様達を見れば、いつも通りの笑顔。

 お祖母様が仰っていたようにお父様の事なのか⋯⋯。



「殿下、イェルハルド様が仰っている腹黒とは、陛下の事も指していますが、当のご本人の事も指していらっしゃいますよ」

「お祖父様も?」

「おい。ステラの前で何を言うか。お前の腹黒さも相当だろうが」

「まさか。可愛い姪の前でそのような評価を下さないでください」

「私から見たらイェルハルド様と同様にアルも相当だぞ」



 セイデリア辺境伯は普通に伯父様を指摘するが伯父様が笑っていらっしゃるのが怖く感じる。



「王女殿下。殿下の周囲は相当な性格の方々ばかりですので、その者達の対応を参考にされるとよろしいかと」

「参考にするのは構わんが、彼奴等みたいな性格になるなよ」

「殿下なら上手に盗める技術は盗んでも、元の優しさを失うことは無いでしょう」



 セイデリア辺境伯もそう話すって事は、お祖父様が話している事に同意見という事。

 あまり接点がないのにも関わらず、そう言われるのは私に足りない部分を分かっていての発言。

 これからはもう少しお父様達のやり方をしっかりと見て、公爵達の発言にももっと注意深く聞いてみよう。



「お祖父様、伯父様、セイデリア辺境伯。沢山のご指摘と助言をありがとうございます」

「ステラの良い所はそうやって素直に人の話しを聞き礼を言えるところだな」

「人として当たり前のことではないでしょうか」



 お祖父様の言葉に直ぐ切り返したのが面白かったのかは分からないけれど珍しく大笑いされている。



(わたくし)、面白い事を話したつもりはありませんわ」

「分かっている。拗ねるな。ステラは拗ねても可愛いがな」

「全く嬉しくありませんわ」



 ――後でお祖母様に言いつけようかしら。



 心の中で呟いたと思ったが、お祖父様の慌てた様子を見ると声に出てたみたい。



「ステラよ、それは態とか?」

「そのようなつもりはありませんわ。心の中で呟いたつもりが声に出てしまっていたのです」



 ぷいっとそっぽを向くと次は伯父様と笑いを堪えているセイデリア辺境伯の姿が視界に入った。

 笑いを堪える位なら一層の事笑えばいいのに。

 セイデリア卿をジト目で見ていると、それに気が付いたのかこほんと咳払いをして誤魔化した。

 いや、全く誤魔化しきれていないが。



「ステラが人として当たり前だと思っている事は、大半の者はそう思ってはおらん。特に貴族階級の連中はな。それが当たり前だと思っているからだ」

「それはとても残念な人達ですわね」

「そうだな。だがそういった連中が多いのも確かだが、新年度からだろう? ステラの考案した学科を学園で取り入れるのは」

「はい。お祖父様の知っての通りですわ」

「実ると良いな」

(わたくし)もそう願いますが、難しい事も承知しております」



 そう簡単に行くわけがない事は百も承知の事。

 お祖父様も心配しているからこそその話題を出してきたのだろう。

 それは伯父様達も同様で心配そうにしつつも見守ってくれるらしい。

 私はとても心強い人達に囲まれているから頑張れるが、お祖父様の仰ったように、私に足りない事は沢山ある。

 だからこそ忠告をちゃんと聞こうと、それらに気を付けて、ただ流されない様にしっかりと考えて行こうと思う。

 側近の皆が成長しているのに私だけ成長しないわけにはいかない。



「お祖父様、これらも(わたくし)に至らない事がありましたらご指摘、ご指導くださいませ」

「あぁ、勿論だ。お前に成長する気があるならばいくらでも指導しよう」

「伯父様とセイデリア辺境伯も、よろしくお願いしますね」

「承知いたしました」



 伯父様とセイデリア辺境伯も頷いて下さり、周囲に心強い人達がいて本当に嬉しい限りだ。

 お二人は報告が終わり少しお祖父様と会話をされたとお帰りになられた。



「さて、少しばかり説教をしたわけだが、何か言いたい事はあるか?」

「いえ、(わたくし)がまだまだ至らないのは確かです」

「殊勝だな」



 私もまだ十一歳の子供で、それだけではなく公に戻って漸く丸一年だ。

 経験も貴族達との交流もまだ未熟なのは言うまでも無く、お祖父様達を始め、私の事を考え指導して下さる方の意見をちゃんと聞く事は私の中では当たり前のことなのだ。

 だからと言って分からない事等があれば確認はするし、違うと思った事は意見として発言はする。



「お祖父様」

「どうした」

(わたくし)、ちゃんと出来ているでしょうか」

「何だ。自信が無いのか? あれだけの事をしておいて」



 あれだけの事って、何も特別な事はしていない。



「毎日見ているわけではなから普段の事は分からんが、アンセから特に何も言われてないだろう?」

「はい。何も言われないから、少し不安になるのです」

「ステラ、もしお前が何かをやらかしたならアンセが黙ってはいない。娘の事となると親バカになるが、だからと言って王女として目に余る行動や言動があれば、容赦ないだろう。それは何もアンセだけでない。関わりのある公爵達を見ていれば一目瞭然だ。奴等はお前に好意的だろう?」

「そうですね。嫌われてはいないと思いますが、それこそ国の中枢を担う人達ですから、内心、どう思っていらっしゃるかは分かりませんわ」



 私みたいな未熟者と違うので、表面上はとてもよくしてくださっているけれど、実際の所は分からない。

 


「これは貴族だからと括らず、人と接する時、相手の目をよく見る事だ。一般的な話だが、嫌われていたら目を合わせているようで視線が合わないからよく分かる。会話を早々に切りあげたり、相手の話しから自分の話しの引き込む者もいるな。後は話しをしている最中の仕草もよく見ると良い」



 お祖父様の話しでは兎に角相手を注意深くよく見る事だという。

 公爵達ほどになればそれも難しいと思う。



「人間観察は中々に楽しいぞ。相手が自分をどのように感じ、どのような思惑でいるのか分かればなお面白い」

「お祖父様の様に楽しむ事を覚えるまでは道のりが長そうですわ」

「こればかりは経験だからだ。これから注意深く相手を見る事だな。それは今後のステラの為だ。これは身に付けておけ」



 今後の為、確かにこれからの事を思ったら覚えておいた方が良いだろう。



「分かってないな」

「え?」

「今後の為と言ったのは、あれだ。もしもの話だ。仮に、何か間違いが起こり、どうしようも無くなった時、⋯⋯歓迎できないが、お前がどこぞの王太子に、嫁いでしまったら、今話した事が大いに役立つ。ひとつの武器になるという事だ。だがな、それだけじゃないぞ。王女というお前の立場なら、これは身に付けておけ。いいな」

「分かりましたわ」



 ものすごく不機嫌になったお祖父様はぶつぶつと気に食わないだの何処にもやらんとか呟いているが、お祖父様が私を想って仰ってくれているのはとても伝わったので、側近の皆だけでなく、私もこれからの為に教えて頂いた事を身に付ける。

 その為に多くの貴族と関わり、経験を積む事だ。



「お前なら出来る。ヴィンスも最初は苦労していたが、今となってはそれを役立ている。ヴィンスに比べたらステラの一歩は遅いものの、あの公爵達に好かれて会話を楽しんでいる。それはお前の強みだ。気負い過ぎず、身に付けていけ」

「はい、お祖父様。沢山の助言をありがとうございます。あの、もし行き詰まったらご相談してもよろしいですか?」

「勿論だ。アンセの奴は忙しいだろうからな。いつでも来るといい」

「ありがとうございます!」



 最初は楽しいお茶会とならない事に少し残念に思ったが、お祖父様と話しをすると結局のところ最後はとても真剣に話を聞きいるので、私が望んでいる事をお祖父様が察してくださっているのだろう。



「どうした?」

「いえ、お祖父様はやはり凄いと思っただけですわ」

「なんだそれは」



 お祖父様が少し照れている様子がなんだか珍しくて、私が微笑むとお祖父様も誤魔化すように、私と同じように微笑みを浮かべた。


ご覧いただきありがとうございます。


いいね、ブクマ、評価をいただき本当にありがとうございます(ꈍᴗꈍ)

とても嬉しく励みになります。


このお話で第二章完結です。

次回から第三章のスタートとなりますので、引き続きご覧いただけたら嬉しいです。

よろしくお願い致しますm(_ _)m


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