236 背後にいる者
「そろそろ出てきたらいかがです?」
私は姿なき者達に声を掛けるが動きを見せない。
「フェルセン卿、下がるのは今しかありませんよ」
「殿下は私を臆病者にしたいのですか?」
心底嫌そうに話す彼はこの場に留まるようだ。
普段の様子と違いとても頼もしく思う。
私は自分の身は自分で守って下さいと伝えておく。
私達のやり取りを見ていたリドマン嬢は、最近聞いたことのあるような質問をしてきた。
「どうして、怖がらないの?」
彼女は私が全く怖がる素振りを見せない事がとても忌々しいようで顔を歪めている。
私はその様子を見て引っかかりを覚えたがそれを表には出さずに彼女の質問に取り敢えず答える。
「貴女が雇ったのはただの暗殺者。怖がる必要がありますか?」
「なっ、今から貴女は殺されるのよ!」
「矛盾していますね。私を殺したいのは本当に貴女の願いなの?」
「えっ? 何を言っているの?」
虚を突かれたように場違いにきょとんとする。
フェルセン卿も私の言葉が理解できない様子。
「そうに決まっているわ! 貴女がいなくなったら彼は戻って来るもの!」
「その根拠はあるのかしら? 不確かな言葉、自分でも分かっていないような口振ですね」
「は?」
「それで、貴方達の目的は何かしら。そろそろ姿を見せて欲しいですわね」
私はまだ姿を現さない者達へと声を掛ける。
「令嬢を利用してどうするのです?」
「私は利用なんてされてないわ! 私が利用してるのよ! 皆王女王女って、本当何なのよ!! お父様も王女と仲良くしろとか言うし、お継母様は王子に好かれなさいとか、何なのよ! 知らないわよ! どうして皆そんな事言うの? 私、私はレキス様の側にいたいだけなのに⋯⋯」
とうとうキレてしまった。
たが今のが本音だろう。
彼女は項垂れブツブツと呟いている。
次の瞬間、剣と剣のぶつかり合う音が響いた!
「なっ!? 殿下! お下がりください!」
前回よりも手練れのようだ。
全然分からなかった。
敵の剣を防いたのはアステールだ。
「フェルセン卿、注意して下さい!」
気は抜けない。
下手に私が手を出すことや下手な行動は皆の邪魔となる。
姿が見えない者は私だけでなく、側にいるフェルセン卿へと攻撃をするが彼はそれを何とか防いだ。
勤めて冷静に対処しようとしているように見える。
今声を掛けるのは彼の邪魔になりそうだ。
前回襲ってきた者達は此方と言葉を交わしたけれど、今回は全く話そうとしない。
目の前に姿を現したのは二人だけれど、まだ潜んでいる者はいる。
令嬢は令嬢で私を襲おうとこちらに向かってくる。
『令嬢は私が相手をするから皆は他をお願いね』
『姫様、今のあれは何をするか分かりません。決して油断なさらないでください』
『分かっているわ』
彼等には暗殺者に集中してもらい、私は私で令嬢と対峙するがフェルセン卿が私の前にでる。
「殿下はお下がりください」
「いえ、下がるのは貴方です。彼女の相手は私がします」
「しかし、あれは正気を失っていますよ」
「分かっていますわ。けれど、何か細工があります。それを見つけて外す必要がありますから」
「細工、ですか?」
「えぇ。彼女の意識を撹乱させている魔石を持っているはず」
先程感じた不快な気配は何も暗殺者だけじゃなかった。
それは目の前の彼女からも色濃く感じる。
まだ手遅れではない。
「⋯⋯んで」
彼女は何事かを呟きながらこちらに歩いて来る。
その目はフェルセン卿が言うように正気は無い。
フェルセン卿は警戒をしながら私を護ろうとするが彼女の放つ異様な雰囲気に戸惑っている。
「殿下、本当に彼女と対峙するのですか?」
「そのままにするわけにはいかないでしょう」
どうやって探そうかな。
直接聞いたとしても答えるとは思えないし、話しが通じるかどうかも怪しい。
ずっと私に対して死んで、と繰り返している。
「そんなに私にいなくなって欲しいの?」
「死んで欲しい‼ そうしたら皆からうるさく言われることは無いもの!」
「そう。では私がいなくなる前に、ひとつ教えて欲しい事があるの。嘘偽りなく話してくれるなら考えてあげます」
流石にここまでしてしまったらどちらにしても彼女はただでは済まない。
「⋯⋯本当にいなくなってくれるの?」
「先程も言ったけれど嘘偽りなく私の質問に答えるなら、ですわ」
私の言葉でぴたりと動きが止まった。
少し、ほんの少し彼女の瞳に色が戻った。
「質問ってなに?」
「最近、誰かに贈り物を貰って身に付けている物があるでしょう。それを見せて欲しいの」
「ど、どうして知っているの?」
「そうね、この間あった時よりも貴女が輝いて見えたから、かしら」
適当過ぎるかと思ったけれど、褒められて嬉しくないわけがない。
彼女は私の言葉で喜色が広がった。
私はいつでも動けるように体重を移動させる。
彼女はそんな私に気付かず、それを取り出す。
出てきたのは禍々しい気配を放つ魔道具だ。
彼女にはそれが普通の首飾りだと思っている事だろ。
それはフェルセン卿も同じのようで、注意深く見守っている。
「とても綺麗でしょう? お父様から頂いたの」
「そう、子爵にね⋯⋯」
私は憑かれたように魅入っている彼女にさっと近づいていつも持ち歩いている短剣でそれを切り取りとった。
そして素早く回収してそっと後ろに距離を取る。
一瞬何をされたの気付かなかった彼女は私の手に握られた首飾りを見て顔を歪めて私を睨む。
「な、なにをするの!? 返して‼」
これを切り離しただけでは直ぐには元に戻らないみないで、その証拠に先程よりも殺気をだして私に襲い掛かってきた。
「殿下、お下がりください!」
「フェルセン卿、出来たらで良いので気絶させてください」
彼女の動きは素人なのでフェルセン卿はあっさりと気絶させ拘束した。
その手際の良さに状況をが状況なのに呑気に凄いと感心してしまったが直ぐに眼前に意識を戻す。
さて、此方は片付いたけれど、向こうは卑怯な手で距離をとりつつこちらを伺っている。
令嬢を捕えたというのにあれらはまだ私を狙っているところを見れば、先程の言動からもリドマン子爵が絡んでいる可能性が高い。
「フェルセン卿、令嬢を見ていてください」
彼に令嬢を託し、私はアステールとセリニが対応している暗殺者へと視線を向けると、地面には二人転がっていた。
当初三人だけで後は一人かと思ったけれど、まだ隠れているようだ。
「殿下! ご無事ですか⁉」
此方の状況をきちんと察せず、大きな声が聞こえた。
その声でディオが先にこの場へ着いたのだと悟ったが、こう言っては何だけど、ディオ以外に来て欲しかった。
だけど、マティお従兄様達は簡単確か試験会場にいる為、抜け出せないのだろう。
「ディオ、この間よりも手練れです。今日は下がっていなさい」
「いえ! 護衛の身で殿下より下がるわけにはいきません!」
今のディオでは空回りするだけで、今も転がっている暗殺者を見て抱いた不安を勢いで押し殺しているだけに見えた。
それでは足手まといになる。
『敵は後何人くらい?』
『後四人です。一人は誰かに報告に行くのかこの場を去ったので、ルアノーヴァが追っています』
そして今しがた一人が地面に転がった。
「ディオ! 下がりなさい!」
私は思わず彼女に向かって叫ぶ。
魔獣が五体こちらに向かってきたのだ。
私は直ぐに魔獣に向けて攻撃する。
ディオは相手が魔獣だからか躊躇せず剣で切り捨てていく。
魔獣相手だと鮮やかな剣捌きだ。
思わずディオを見直していると身体が思わずビクッと反応する。
咄嗟に体が反応する。
最後の一体を切り伏せたディオを私は突き飛ばす。
「⋯⋯つっ!」
「なっ、姫様‼」
セリニは私の腕を掠った刃の先にいた暗殺者を仕留める。
そして残った一人が傷を負った私に向かってきたが、それをこちらに走ってきたレグリスが躊躇わずに切って捨てた。
目の前で切り捨てられ血が舞ったのを見てディオが恐怖するのを目の端で捉える。
「ステラ様! 大丈夫ですか⁉」
レグリスは私の傷の心配するも本当に掠っただけなので、少し痛むが我慢できる痛さなので私はレグリスに安心するように笑いかける。
「掠っただけよ。それよりもフェルセン卿も無事ね?」
「はい、ですが⋯⋯」
彼は私が傷を負った事に顔を歪め、私としては巻き込んでしまったがフェルセン卿に怪我が無い事にほっと安心する。
「全員殺したの?」
「申し訳ございません」
「そう。これと、そこのリドマン嬢を情報局へ連れて行き、これの取り扱いに注意するように必ず伝えなさい」
「畏まりました」
セリニは私から禍々しい気配を放つ首飾りを受け取り、フェルセン卿が捕まえた令嬢を引き取ってこの場を後にした。
「ステラ様、傷の手当てを⋯⋯」
「姫様!」
レグリスは私が腕に負った傷を見ようと私に近づこうとした時、アステールの切羽詰まった声が聞こえた。
何故そんなに慌てているのか分からず、けど先程から徐々に腕が焼けるような、ズキンッズキンッとした鋭い痛みに変わり、意識が傷へと持っていかれる。
今迄訓練で何度もこのような傷を負った事があるが、こんなに痛むことはなかった。
痛いけれど、今の様に腕が焼けるような痛みに段々と目が霞んできているきがする⋯⋯。
そこでようやくアステールが慌てている理由に気付く。
――これって、毒、なのかも。
そう思ったのを最後に体の力が抜けた。
「姫様‼」
「ステラ様‼」
アステールとレグリスの焦った声が聞こえる。
意識はあるものの声を出す事が出来ない。
『アステール、大丈夫⋯⋯』
『大丈夫ではありません‼ 直ぐに王宮へお連れします』
彼に大丈夫だと伝えるも大丈夫ではないときっぱり言われてしまった。
毒を知っている彼だからこそ私の言葉を信用してくれない。
遠くでアステールがレグリスに何かを話し、直ぐに転移したと感じる。
次の瞬間、王宮にいる事は分かった。
先程までの空気と一変して澄んだ優しい気配を感じるが、段々と耐えがたい痛みにうめき声が出る。
アステールは私をそっとベッドに寝かせたのか、柔らかい感触が伝わってくる。
音は聞こえるがもう誰が何を話しいるのか聞き取れない。
熱さで腕が焼ける様だ。
私の心の中は痛くて痛くて叫びたい!
耐えていたがもう無理だ⋯⋯。
またお兄様達を悲しませると思ったのを最後に意識を失った。
***
ステラ様の影であろう者から軽く現状を聞き、彼はステラ様を抱いて直ぐに転移した。
何故ステラ様が毒を受けたのか、遠目に見えていたがディオ様を庇ったのは確実で刃に毒が付着していたのだろう。
状況をきちんと確認する必要がある。
必要はあるが⋯⋯。
――だから切って欲しかったんだ!
今更何を言っても遅い。
現にステラ様は傷ついた。
心の中で盛大に悪態をつくが、今怒っても仕方ないと努めて冷静に先輩に目をやった。
「なぁ、現状把握したいんだけど、フィリップ先輩はステラ様と見回りをしてたんだよな?」
「そうだよ。そしてここでリドマン嬢と遭遇した」
「それで、ステラ様を狙った暗殺者も現れたわけか」
「そう、そして魔獣もね。私は殿下の命でリドマン嬢を拘束し彼奴等に殺されない様見張っていた。そして⋯⋯」
「ディオ様が先に駆けつけた?」
「そう。ヴィクセル嬢は魔獣を蹴散らしたが最後の一頭を始末したと同時にその隙をついて彼女目掛けてナイフが飛んで来たんだけど、殿下が庇って刃を受けた」
「何でステラ様が庇うんだよ! あぁもう! マティ様達が異常に過保護になるのも頷ける⋯⋯」
どうしてあれだけ過保護になるのか、納得出来てしまう行動だ。
思わず叫んでしまったがすっと冷静になる。
「先輩、此処での事は内密にお願いしますよ」
「分かっているよ。フェルセン家の名に懸けて決して口外しないと誓う」
先輩は分かっていると直ぐに頷いた。
フェルセン家は子爵家と爵位は低いが歴史は長く、現子爵家当主は情報局の副局長を務めている。
生粋の王家派だ。
ふと周囲に目を遣ると転がっていた死体が綺麗さっぱり無くなっていた。
護衛を庇うステラ様もどうかと思うが、護る対象から庇われるなんて俺だったら自身に対して怒りしか湧いてこない。
だがディオ様の様子を見るとただただ衝撃だったのだろう。
この間の非じゃない位の落ち込みようだ。
だからと言って慰める気はさらさらない。
「はぁ。ヴィンセント殿下は既に事の詳細をご存じだ」
「そっか、ヴィンセント殿下と一緒に見回っていたのはレグリス君だったね」
「そうだよ」
第三者の声が聞こえた。
そこには今迄見た事のない表情のヴィンセント殿下がいらっしゃった。
声は何時もの殿下だけど表情を見た瞬間ぞっとするようなその冷ややかさに冷や汗をかく。
「ステラはリドマン嬢を宮廷へ連れゆき、事の顛末を陛下に報告へ行ったとする。下手な事を言って要らぬ憶測を呼ぶわけにはいかないからね」
その話し方も何時も通りなのにいつもと全く違う。
視線で分かったねと問われたので俺達は了承した。
入学試験初日は滞りなく終わり、生徒会室ではマティ様がいつも通り、ヴィンセント殿下の仰ったように説明をし、騒ぎ立てない様にと釘を差して終わった。
その後、俺は邸に戻った。
宮廷に顔を出したいがヴィンセント殿下に止められた。
余計な行動はするなという事だ。
下手にいつもと違う行動をとれば貴族達の格好の餌食になる事は間違いない。
邸に戻ってからというもの、俺は荒れていた。
庭で一人鍛錬を行う。
何かをしていないと余計な考えで奇怪しくなりそうだった。
「あぁ、くそっ!」
情けない。
その場にいなかったことへ、護れなくて目の前で崩れ落ちるステラ様の姿が何度も目に浮かぶ。
地面に転がり目を閉じる。
心を落ち着かせようと大きな息を吐く。
どれくらいそうしていたか⋯⋯。
パッと目を開き剣を一振りすると、金属のぶつかる音と衝撃を受ける。
「危ねぇな!」
「よく受けたな。落ち込んでるんじゃないかと思ったが、思ったより元気そうだ」
「煩い! ⋯⋯ってクソ親父、何か知ってるのか!?」
「全くお前は⋯⋯。どうしてそんなに言葉遣いが悪いんだ? 先ずは汗を流してこい。話しはそれからだ」
おや、じゃなくて父上はその土まみれの姿をどうにかしろと言わんばかりに俺を浴槽においやった。
言われるがまま汗を流しさっぱりすると、少し冷静になれた。
そして父上の執務室へと向かう。
「父上、入ります」
「あぁ」
部屋に入るとそこには母上もいて条件反射で体がビクッと反応した。
「えっと、何で母上が此処に?」
「私がいてはなにか不都合でもあるの?」
「いえ、そんな事は⋯⋯ありません」
自分の母にも関わらず、苦手意識が高い。
父上や兄達に言わせれば俺は母上に似ているらしいが、あまり嬉しくない。
「レグリス、お座りなさい」
母上に言われて取り敢えず向かい側のソファへと座る。
「お前も気になったいるだろうから先に伝えておく。王女殿下はご無事だ」
「良かった⋯⋯」
俺はほっとして深い息を吐く。
「そうだな。一先ず命に別条がない事は安心だが、毒の影響でかなりの高熱が出ている為に暫く絶対安静。お前達側近は明日の入学試験二日目終了後に執務室へ集まる事。そこでベリセリウス侯爵から話があるそうだ」
「あるそうだって、父上は何の話か分かってるだろう?」
「ある程度はな。詳細は明日侯爵から話されるのだから今は我慢しろ。今私が知っている情報から更新される可能性が高い。事態は今も動いている」
という事はリドマン嬢だけではなく、その背後の事だろう。
一介の令嬢が暗殺者を雇うなど考えられない。
「そういえば、俺達全員でなくても誰か殿下のご様子を、見舞いとか⋯⋯」
「従兄であるマティアス君とベリセリウス嬢だけが許されている。様子が知りたければ明日にでも聞くといい」
「レグリス、そもそも貴方は男なのに王女殿下のご寝所に入れるわけがないでしょう」
呆れたように母上に突っ込まれたがそんな事は分かっているし、別に俺が見舞いに行きたいとかの話しじゃない!
「わ、分かってるよ! マティ様は分かるけど、クリスティナ様も?」
「女性且つ側近の中で殿下に心からの忠誠を誓っているのは彼女だけだからだ」
「えっ⁉ いつの間に⋯⋯」
全く知らなかった。
側近の中でティナ様とマティ様が別格だとは思っていたけど、ステラ様に心からの忠誠を誓っているとは思わなかった。
ただ側近だからと殿下に仕えるのではなく、心からの忠誠。
生涯を王女殿下にだけ命を捧げ、王女殿下の為だけに心を砕き、側近として王女殿下が動きやすいよう助け力となる。
将来殿下がご結婚されたとしてもそれは変わらない、という事。
その事実を聞いて俺の心が騒いだ。
セイデリアは兄姉が多いので俺は末っ子なのもあり結構自由だが、それとこれとは話しが違う。
ティナ様が羨ましいと思った。
「レグリス」
「何ですか?」
「貴方は自由にしていいのですよ」
「は? 急に何を⋯⋯」
「今の話を聞いて心が動いたのでしょう? ベリセリウス嬢に対して嫉妬した、違うかしら?」
見透かされている。
それは父上も同じか。
「レグリス、お前が将来辺境領を一緒に支えてくれるならばジスランは心強いだろう。アスも領に残ると既に宣言している。それを抜きにしてもお前は好きに生きていい。末っ子の特権だし、そもそも嫡子以外は自分の進路は己で決めなければならない。他家ならば親の意向が大いに入るかもしれないがな。お前が仮に王女殿下にお仕えするなら生半可な気持ちで仕えるな。忠誠を誓うならばよく考えてからにしろ。殿下の将来を見据えてな」
父上から真剣に言葉を貰い、俺は同じく真剣にその言葉を反芻した。
「レグリスが殿下にお仕えするなら、お兄様は悔しがるでしょうね」
母上の言うお兄様とはゼフィールの陛下のことだ。
たけど、何故陛下が悔しがるのか全く分からない。
「叔父上が? なんで?」
「将来貴方をゼフィールに連れて行きたいと言っていたわ。半分冗談半分本気よ」
「いやいや、俺がゼフィールへ行ったってなんも役に立たないだろ」
「それも最終お前が決める事だ。まぁよく考えるといい」
衝撃的な言葉に驚くも、父上達は俺に将来の事を強制しない。
自分で決めていいという。
これは貴族家にとっては破格の事だろう。
そもそも辺境伯家に生まれたとうのに末っ子だからと自由に決めていいなど、親に感謝だ。
父上達が言ったようによく考えよう。
俺が今後どうしたいのか。
殆ど心は決まっているが、今はステラ様の早い回復を願うばかりだ。
ご覧いただきありがとうございます。
ブクマ、評価、いいねをいただき、とても嬉しいです!
励みになります。
ありがとうございます(ꈍᴗꈍ)
次回、リドマン家の処遇が決まります。
次話も楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。





