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目覚めた世界が私の生きる場所  作者: 月陽
第2章 学園生活の始まり
170/263

170 シベリウス領へ


 年明けの三日間は宮廷も休日なので、私達はゆっくりと家族の団欒を楽しんでいた。

 この三日間はお父様もゆっくりと休めるので、お母様や私達と一緒に過ごす時間を大切にしてくださり、仕事の話は一切せずに、楽しい話だけをした。

 私が王宮に戻ってからここまでゆっくりと話をする機会も無かったのでこの時間がとても心安らかで大切で嬉しくて、あっという間に過ぎて行った。

 

 新年の休日が明けると、お父様はまた忙しくされていて、私とお兄様は明日からシベリウス領へ行くので、今日は宮廷に来ていた。

 私の側近達は九日からで伝えてあるので、今日此処にいるのは侯しゃ、じゃなかった、エリオット卿とアルネの二人だ。



「ステラ様、新年おめでとうございます」

「エリオット卿、アルネ。新年おめでとう。今日からまたよろしくお願いしますわね」

「こちらこそ、お願い致します。早速ですが、明日からシベリウス領へ行かれるにあたり、エドフェルト卿と娘は本日宮廷の客室に泊まることになっておりますので夕方こちらに顔を出します」

「分かりましたわ」

「では次に⋯⋯」



 私がシベリウス領へ行っている間の仕事の確認等を行い、それが終わると本日持ち込まれた書類に目を通し、出来るところまでお仕事をしていると、アンデル伯爵がいらっしゃったようだ。

 何かと思ったら、新年の挨拶にいらっしゃったようで、挨拶と彼女の件を少し話をして早々に退室していった。

 昼からはヒュランデル公爵を始め、私の側近の親達にエドフェルト公爵が新年の挨拶にいらっしゃった。

 そういえば、私と話をしたいと言っていたけれど、昨年は結局何の音沙汰なかったものね。

 


「エステル殿下、漸くこちらに来ることが出来ました」

「どういう事ですか?」

「ずっと陛下に仕事を押し付けられていましたので来ることが出来なかったのですよ」



 仕事を押し付けられていた?

 お父様に?

 何故?

 疑問ばかりが頭に浮かぶのだけど。



「殿下、陛下は宰相を殿下に近づけたくなかった為に仕事を大量に回していたのですよ」



 そういえば、お兄様が公爵は変態とかなんとか言っていた様な?

 けど、結局何がそうなのか知らないので、私には普通に見えるし、話をしていても特に何も疑問に思うことはない。



「ですが、新年の仕事始まりの本日ならばと、隙を見て挨拶を兼ねて尋ねたのです。本日は挨拶だけで戻りますが、殿下が学園に戻られるのは二学年からですので、お時間のある時に私とお話してくださいませんか? そこにいるベリセリウス侯爵も一緒で構いませんよ。それなら陛下にバレても許してくださいますでしょう」

「殿下、いかがいたしますか?」

(わたくし)は特に否はありませんので、日程を確認してからでもよろしいかしら?」

「勿論です。ただ一点お願いがあります。会うのは学園が始まってからにして頂きたいのです」

「何故?」

「ヴィンセント殿下に阻まれるからです」



 お披露目の時もすかさずに止めていたから、公爵を変態呼ばわりしているお兄様ならば知ればきっと阻むでしょうね。



「分かりましたわ」

「ありがとうございます。そういえば明日からシベリウスへ行かれるのでしたね」

「えぇ。ヴィンスお兄様にはご子息が付いていらっしゃるとお聞きしておりますわ」

「そのようですね。嬉々として準備をしておりましたよ。そろそろ宮廷にも顔を出す頃でしょう。愚息が迷惑をお掛けしたら容赦なくこちらに戻して下さって構いません」

「それは(わたくし)ではなくお兄様に仰ってください。彼はお兄様の側近なのですから」



 私がそう言うと「ではヴィンセント殿下にそうお伝えください」と言って退室していった。

 お兄様に会いたくないのかしら。

 けどお兄様の所にも挨拶にはいってらっしゃるわよね。



「ステラ様、彼はヴィンセント殿下に会いたくないというわけではありませんよ。ステラ様との面会がバレないよう、極力会わない様にしようとしているだけです」

(わたくし)が話さなければバレないのでは?」

「いえ、ヴィンセント殿下はステラ様の事となると勘が良く働きますからね」



 今日は話しただけではお兄様が評している変態と言うのは無かったと思うけれど。

 お兄様が憂う事が無いように私からは黙っておきましょう。

 公爵が去ってから程なく、ティナがやってきた。



「ステラ様、新年おめでとうございます」

「おめでとう。明日からシベリウスへの同行、お願いしますね」

「お任せください」

「ティナ、くれぐれも殿下に迷惑を掛けない様、身辺にもよく注意しなさい。殿下に何かあれば⋯⋯分かっているね」

「勿論です。お父様。殿下の事は必ずお護り致します」



 物凄く真剣に会話をしているところ申し訳ないのだけど、シベリウスに行くだけよ?

 それに伯父様を始め、あちらにも騎士団はいるし、私には影の皆もいる事だし、そもそもご自分の娘に対しての良いようではないでしょうに。



「殿下、何かありましたら、これを盾にお使いください」

「⋯⋯侯爵、(わたくし)はティナをそのように扱う事はしないわ」

「いえ、ステラ様。不測の事態が起きた時は御身の安全を最優先にお考え下さい」

「ティナ、言われなくても分かっています。だけど何かあったとしても貴女を盾に使う事はないわ。あちらには屈強の騎士や魔法師達も揃っています」

「殿下、護られることに慣れてください、と何度もお願いをしているのですが⋯⋯」

「分かっていますが⋯⋯、その言い方が嫌なの」



 他人をそうやって簡単に盾にするとか、そんな事したくないし、そういった言葉も好きじゃない。

 とても嫌な気分になる。

 気軽に前に出るようなことはしないけれど、誰かを犠牲にして助かりたいとも思わない。

 そう言っていられる立場でない事は十分に分かっているので口にすることはしないけど、だけどその言い方だけは嫌なのよ。



「ステラ様」



 いつの間にかティナが私の側で膝をついて、私の手を取っていた。


 

「ティナ?」

「ステラ様はお優しいので(わたくし)がステラ様の代わりに傷つくのがお嫌なのですよね。ですが(わたくし)の事はお気になさらず。影の様なものだと思って下さい。そして父がこのような物言いは小さい頃から聞いておりますので馴れておりますし、ベリセリウス家は王家に忠誠を誓っております。(わたくし)達の役目はお護りし支える事。陛下には父が、ヴィンセント殿下には兄が、そしてエステル殿下には(わたくし)が側に仕えます。離宮でお話した通りこれは(わたくし)の意志で決めた事です。⋯⋯ですが、お気にかけてくださってありがとうございます」


 ティナはそういうと騎士がするみたいに私の手に唇を寄せた。



 ――格好良い。



 ティナが女性にモテるのは知っていたけれど、改めて格好いいと思うしモテる理由がわかる。

 とても様になっている。

 私が斜め上に思考を巡らせていると、ティナは私を見上げてきたその姿を見てちょっとドキッとする。



「ティナの気持ちは分かりましたわ。だけど彼等と同じようには扱いませんからね」



 はぁ。本当にティナが男ならきっとドキドキが止まらないでしょうね。

 見上げられると余計にそう思うわ。

 かくいう私が今そういう状態だからだ。

 恥ずかしいわ。

 それにティナはエリオット卿に似ているから美人だけど格好良い系の美人だ。

 私達の様子を見ていたエリオット卿は満足そうに頷いていた。

 色々とはぐらかされた感じがしないこともないけれど、ティナの目は本気でそれを否定する事は出来ない。



「殿下、ヴィンセント殿下がいらっしゃっております」

「お通しして!」



 ――お兄様!



 とても良い時に来てくださったわ!

 思わず入ってきたお兄様に近寄り抱きついた。



「おっと、ステラどうしたの?」

「お兄様不足です」

「侯爵、ステラに何をしたんだ?」

「何もしておりませんよ。少しお話をしていただけですし、何かしたというならそれは娘です」

「クリスティナ嬢、ステラに何をしたんだ?」

「改めて宣誓しただけですわ」

「本当に?」

「本当です」

「それならいいが⋯⋯」



 お兄様から離れると、後ろにエドフェルト卿も来ていて私と目が合うと挨拶をしてくださった。



「エステル殿下、新年おめでとうございます」

「おめでとう。エドフェルト卿もいらっしゃっていたのですね」

「はい、ご挨拶をさせていただきたくてヴィンス様に付いてきました」

「明日でいいと言ったんだけどな」



 確かに明日会うけれど、挨拶は大事だものね。

 私のお願いで明日シベリウスへ行くことになるので同行してくださる彼にも挨拶はきちんとしておきたい。



「明日からよろしくお願いしますね」

「はい。こちらこそよろしくお願い致します」



 挨拶が済んだので私とお兄様は王宮へと戻って来た。

 夕食の時にお父様とお母様からは伯父様と伯母様によろしくと、あまり羽目を外し過ぎない様にとも釘を指された。

 今回フレッドはお留守番でかなり拗ねていたけれど、お土産を楽しみにしていてと伝えて何とか収まった。

 こちらに帰ってきたらフレッドとの時間もちゃんと作ろうと思う。

 そして翌日、朝食を家族皆で頂いた後、私はシベリウスへ行く準備を整えていると、お兄様が迎えに来て下さった。



「着替え終わったね?」

「はい! いつでも行けますわ」

「では行こうか。そろそろアルヴィンとクリスティナ嬢も来ている頃だしね」



 私達は転移陣のある部屋へと移動する。

 そこにはお母様が見送りの為に来て下さっていて、お兄様の言う通りティナとエドフェルト卿も揃っていた。



「ステラ、お義姉様達によろしくね。いくらシベリウス領だからと言っても周囲には気を付けなさい」

「はい、お母様。行ってきますわ」

「ヴィンスも気を付けるのよ」

「母上、あちらには伯父上もいらっしゃるのですから大丈夫ですよ」

「エドフェルト卿、ベリセリウス嬢。この子達をお願いしますね」

「はい。お任せください」



 私達はお母様に見送られて転移陣から先ず離宮へと移動した。

 離宮に着くとクレーメンスが私達を待っていた。



「両殿下、お待ちしておりました。イェルハルド様の元へご案内致します」



 先ずはお祖父様達に挨拶をしに行く。

 エドフェルト卿はお祖父様にお会いするのは初めてなのか、珍しく緊張しているように思う。

 案内されたのは私達がいつも団欒していた部屋だった。



「イェルハルド様。両殿下をお連れ致しました」

「入れ」



 お祖父様の了承を得て部屋が開かれる。

 お兄様に次いで部屋へ入り、ご挨拶をする。

 私達にとってはお祖父様なので気安くはあるけれど、ティナ、特にエドフェルト卿にとっては初めてお祖父様と会うので緊張気味だ。



「先王陛下、並びに王太后殿下にご挨拶申し上げます。エドフェルト家が嫡子、アルヴィン・エドフェルトと申します。お目にかかれました事、恐悦至極に存じます」

「カシミールの息子か。ヴィンスの側近だったな」

「はい。ヴィンセント殿下の側近を務めさせて頂いております」

「これの側はこれから大変だろうが、よく仕えてやってくれ」

「はい。誠心誠意お仕えさせていただきます」



 エドフェルト卿の挨拶が終え、ティナは恙なく挨拶を終える。

 その後はお祖父様と少し話をするのだけれど、内容は私の事だ。



「ステラ、宮廷では問題なく過ごせているか?」

「はい。今はベリセリウス侯爵が補佐に就いて下さっていますので特に問題ありませんわ」

「そうか。彼奴に手を焼いていないか?」

「彼奴、とは何方の事です?」

「エリオットだ」

(わたくし)が手を焼くようなことは何もりませんわ」

「それならいいがな。あぁそれよりカシミールの方が要注意だな」



 今出た二人の子息と令嬢が此処にいること分かって話してます?

 子供の前で親の悪口とまでは言わないけれどどうかと思いますよ。

 口に出しては言わないけれど。



「問題ないならいい。ステラの事だから彼奴等を惹きつけてるんじゃないかと心配でな」

「惹きつける、とはどういう事でしょうか?」

「お前は年上に異様にモテるから心配なだけだ」



 私が? 年上の方々に?

 侯爵達に何故モテるのか意味が分からない。

 私が不思議がっていると周囲からは「はぁ」と呆れた溜息が漏れていた。

 何この私だけ分かっていないって感じ。



「まぁいい。ステラが分かっていないのなら本人に伝わる事も無いからな」



 それって何気に私を貶していますよね?

 そこは理解できますよ、お祖父様。



「ステラは相変わらずですね。まだ会う人達も限られている事でしょうから仕方が無い事ですけれど。貴方達、ステラをきちんと護ってくださいね。色んな意味で」

「はい」



 お祖母様の言葉にティナ達が返事をする。

 今度何のことかティナに聞いてみようかしら。

 

 

「ステラ、久々のシベリウスだとしても周囲には気を付ける様にな」

「はい、お祖父様。本日はお庭をお貸しいただきありがとうございます」

「いや、次は五日後だな」



 私達は庭の一角に移動する。

 此処から私がシベリウスに転移魔法を使って移動する為、今回離宮のお庭を貸していただく事になった。

 王宮からだと私の魔力で勘付かれる可能性があるのでこれも用心の為、そしてこの中でシベリウスを知っているのが私とモニカだけなのだけど、領を知っている且つ転移を使えるのは私なので私が使用するのだ。



「皆さん準備は宜しいかしら?」

「いつでもいいよ」

「問題ありません」

「では、お祖父様、お祖母様。行ってきますわ」

「あぁ、気を付けてな」

「いってらっしゃい」



 お祖父様達に見送られて私はシベリウス領に意識を集中し、転移魔法を発動させる。

 次に見えた景色は一面真っ白で王都よりも雪が深く積もっている、よく見た景色が広がっていた。

 シベリウス領の領主一族が済む邸の前。

 そこには寒い中、伯父様を始め、伯母様にマティお従兄様達が揃って私達を出迎える為に外に出てきてくださっていた。



「お待ちしておりました。ヴィンセント殿下、並びにエステル殿下。我が領へ足を運んで頂き光栄に存じます」

「寒い中の出迎え痛み入る」

「お寒いでしょう。先ずは邸内へ案内致します」



 伯父様の案内で邸内へと入る。

 この邸もとても久しぶりで、夏季休暇も結局此処には一日といなかったので、此処に住んでいたのがとても前のような感覚に陥る。

 転移でこちらに来たので旅装を解くような事も無く、そのまま部屋へと案内される。

 お兄様と私がソファに座り、対面に伯父様と伯母様、そしてマティお従兄様達も座り、ティナとエドフェルト卿もソファに掛けた。

 私達にお茶を淹れてくれるのは侍女長のロニアとエイラだ。

 少し外に出ていただけだけれど、冷えた身体を温かいお茶で温まる。



「改めてようこそおいで下さいました」

「今日から五日間世話になります」

「両殿下に快適に過ごして頂けるよう尽力いたします。何かございましたらお気軽にお申し付けください」

「ありがとうございます。そろそろ堅苦しい事は抜きにしてください、伯父上」

「分かりました」



 確かに出迎えるのに私達を親戚としてではなく、王族に対するそれだったので、そろそろ何時もの様に接して欲しいと思うのは私も同意するわ。

 伯父様もそれが分かったのであっさりと態度を変える。


 

「今回は視察とかではなく、ステラの希望で伯父上の邸に遊びに来たといった感じだからな。それに私としてはステラがシベリウス(ここ)でどのように過ごしていたかを見て見たかったので丁度良かった」

「では、そのように。ステラ様の希望を事前に伺っていましたが、ヴィンス様との街デートがご希望でしたね」



 伯父様はそう確認の為に聞いてくるが、少し笑っている。

 


「王都の街中ですと許可が下りないでしょう? ですので此処でお兄様と街を歩きたいのです。それに急に王宮に戻りましたので、お世話になった皆さんに挨拶が出来なったことが心残りで、一度こちらに来たかったのです」

「皆も驚いていましたからね。事情を知っている者達は安堵半分寂しさ半分いったところでしょうか。挨拶が出来なかったと残念がっておりましたので、今回の来訪は皆喜んでいますよ」



 私もきちんと挨拶をして帰りたかったのだけれど、それが出来ずじまいだったので、今回の領へ来たことの目的のひとつに皆さんに挨拶をする事が入っている。



「伯父上、シベリウスではステラの事どのくらい浸透しているのですか?」

「ほぼ全領民が知っているでしょうね。王都から来た商人やギルドの者達から伝わったりしています。何よりシアは去年街を護る為にギルドの者達と魔物と相対しているのでこの地の者達はシアの事を誇りに思っているので、ヴィンス様が懸念しているようなことはありません」



 やっぱりもう皆知ってるのね。

 王都から離れているから知らないのではと思ったりしたのだけれど、噂というのはあっという間に広がるものなのね。



「魔道具は忘れずにお持ちいただいてますか?」

「忘れずに持ってきましたわ」

「街に出る際は必ず付けてくださいね」



 先日侯爵から魔道具を渡され、姿はシアの時と同じでヴィンスお兄様の分も預かっている。



「忘れるところだった。変装していると時は、私の事をエリアスと呼ぶように」

「あら、ヴィンス様が自身で付けたのかしら?」

「違いますよ伯母上。ステラが付けてくれた名です」



 お兄様、覚えてくださっていたのですね。

 私は嬉しくてお兄様を見て微笑むと笑顔を返してくれた。

 早く一緒に街に行きたいな。



「ステラは早く街に行きたくてうずうずしているわね」

「この日をずっと楽しみにしていたのですから、ようやくお兄様と一緒にこちらへ来ることが出来て嬉しいです」

「詳しい日程をまだ決めていませんでしたね」

「伯父様が決めて下さっているのでしょう?」

「はい。本日は少し早い昼食後にギルドへ行き、今年初の森の探索へ行きます。それに同行していただこうと思います」

「お待ちください! 流石にお二人が共に森に行くのは危険ではありませんか?」



 そう声を上げたのはエドフェルト卿だった。

 確かに王族の、継承権を持つ二人が一緒に森へ入るのは褒められた事じゃないよね。

 だけど⋯⋯。



「問題ない。魔物の大襲来後の森は基本的に穏やかなんだ。それに年始めの見回りには私も行くので安心していい。で、お二人はいかがですか?」

「ステラも此処にいる時は森の探索に行っていたんだろう? なら問題ないですよ。ステラが経験したことを私もやってみたいからね」

(わたくし)も問題ありませんわ」

「お二人共⋯⋯」

「アルヴィンは此処で待っててもいいぞ」

「そんな事出来るわけないでしょう。私も参ります」



 エドフェルト卿は呆れつつもちゃんとお兄様に付き従うみたい。

 というか、文系の彼が武器を扱う姿ってちょっと想像できなくてちらっと彼を見る。



「如何されましたか?」

「いえ、何でもないわ」

「ステラはアルヴィンが戦う姿を想像できないだけだよ」



 そう言って笑った。

 その通りなのだけれど私の心を読まないで欲しいです!

 お兄様は笑って「まぁ魔物に遭遇したら分かるよ」と話している。

 まぁ魔物に遭遇するかも分からないけれどね。

 今日の日程が決まり、昼食までまだ少し時間があるので昼からに向けて皆其々ゆっくりする事となった。

 

ご覧頂きありがとうございます。


ブクマ、評価、いいねを頂きとても嬉しいです!

十三日はジャンル別日間ランキングで300位以内に入っており、読んでくださっている皆様、応援してくださった皆様のお陰です。

本当にありがとうございます。

嬉しくてテンションが上がりっぱなしです(。>﹏<。)



次回は十九日に更新いたしますので、次話も楽しんでいただけたら幸いです。

よろしくお願い致します。



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