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目覚めた世界が私の生きる場所  作者: 月陽
第2章 学園生活の始まり
132/264

132 真剣な話し合い


 早速お父様は私に話をするよう促す。

 表情はいつものお父様だけれど、目は私を見据えていて、私の考えを表情から読み取ろうとしているのが分かる。

 父というよりは一国の王の顔つきだ。

 私は一息つき、話し始める。

 確認すべき事、それは五歳の頃に毒を受けてからシベリウスで暮らし始めた経緯はアウローラ様からの指示、という事だけれど、決してそれだけではないはず。

 他の、本当の理由を教えて欲しいと、それだけでなく、まだ私を王宮に戻さない本当の理由を⋯⋯。

 お父様のお考えを聞かせて欲しいと、何も知らないままではなく、隠さずに、私も知って納得したいという事をお父様の目を見て伝えた。



「お父様、(わたくし)は本当の事を知りたいのです。何も知らないままで守られて過ごすのはもう終わりにしたいのです。甘やかされたままでいたくありません。理由をお聞かせください」



 私がそう切実に話すと「ステラの気持ちは分かった」と一言言い、目を閉じ、深く息を吐いた。

 ほんの少しの間、考えているお父様を待つ時間がとても長く感じる。



「その前に質問をする。その考えに至ったのは、精霊界で何か言われたからか?」

「それはきっかけにすぎません。⋯⋯本当はずっと心に引っ掛かっていたのです。ですがお父様達の足を引っ張らない様に、そう決められたのなら理由も聞かずに従っていればいいのだと、甘えていたのです。ですが、ヴァレンティーン殿下のお話を聞いて、もし、私が殿下に嫁ぐようなことがあれば、私はグランフェルトの王族の一人として責務を全うするのは難しく、何よりもお父様達と一緒にいられる時間も本当に短いです⋯⋯私は⋯⋯」



 お父様達が私に甘く、大切にしてくれているのは嬉しく、お父様達の想いもきちんと理解している。

 けれど⋯⋯。



「私は、必要ないのでしょうか? お役に立たないのでしょうか⋯⋯」

「馬鹿なことを! そんなわけ無いだろう⋯⋯何故そうなる」

「理由を知らないからです。勿論影の皆に調べてもらうようにお願いをしたら良かったのかもしれません。ですが、お父様達を調べるるように言うのは違うと、これは(わたくし)が自分で聞かなければいけない事です」

「ステラ、勘違いするな。必要ないとか、役に立たないとかでは無い。娘をそのように思うことは無い。これは絶対だ!」

「では、何故なのか⋯⋯教えて下さい。(わたくし)が知ってはいけないことに関してはお聞きしません。ですが、(わたくし)がお聞きしている事は(わたくし)には決して言えないようなことなのですか?」



 お父様は逡巡している様だった⋯⋯。

 やはり教えていただく事は出来ないのでしょうか。

 とても残念な、とても寂しく⋯⋯勿論中には私に言えないこともあるでしょう⋯⋯でも、全て言えない、と言うことはないはず。

 そうだとしたら、中途半端に私に構わず、ただ、私を切り離したらいいだけなのに⋯⋯。

 シベリウス領から出さず、学園にもいかず、ただ、捨て置けば良かったのです。

 何も話そうとしないお父様を暫く待ったけれど、話す素振りを見せない。

 やはり話してはくださらない⋯⋯のかな。

 話せないなら話せないと言えばいいだけなのにそれすらも無いなんて⋯⋯。

 


「陛下、話せないのでしたら無理にとは言いません。⋯⋯このような事で貴重なお時間を割いていだき、ありがとうございました」



 お父様が言えないのでしたら、私は自分で調べます。

 遠慮せずに⋯⋯。



「エステル」

「はい」



 私が心の中で決意し、暇の挨拶をしようと立ち上ろうとした時、お父様に呼ばれたので戸惑いながらも居住まいを正した。

 その声は普段のお父様ではなく、王としての呼びかけ⋯⋯。



「今から伝える事は他言無用だ⋯⋯全く楽しい話ではない」



 そう前置きし、話し始めた。


 時は私の五歳の時の毒事件に遡る。

 あの事件は私の侍女が闇の組織に唆された連中が私の侍女を利用した⋯⋯と聞いていたが、間違ってはいないが、その唆された連中というのが問題なのだそうだ。

 グランフェルトも平和かつ、穏やかに見えるが、貴族内部は派閥がある。

 国王派と国王の伯父、私から見たら伯祖父で名をルードヴィク・ノルドヴァル、現在はノルドヴァル公爵だが、その公爵が王位を狙っているのだという。

 これはお祖父様が王太子となったときから続いていて、今は自分の孫を使って王家を我が物にしようと虎視眈々と狙っている。

 そもそも何故そうなったかというと、お祖父様は三人兄妹の次男で通常何事もなければ、兄である現公爵が王位を継いでいたのだが、かなりの野心家で当時の王であるお祖父様の父、曾祖父様はかなり厳しく注意し更生させようとしたが全く忠言を聞かなかったらしく、ただかなり王位に執着をしている上、態度が横柄で友好国に心証も悪く、国内においても双璧と言われるシベリウスとセイデリアの猛反対と、そして本人の粗暴な言動や他人に対して手が早く彼に傷つけられた者も多く、また、独裁的な思考の持ち主だった為に王位継承権を剝奪された上で臣籍降下となった。

 彼の弟であるお祖父様はその反対に貴族達からの支持も厚く、人望もあり、穏やかだが芯の通った方で、粗暴な兄にも苦言を呈し手を挙げられても怯まず立ち向かえる程だったので、王位を継ぐにふさわしいという事で王太子となり、王となった。

 

 ルードヴィクは幼少時より気の強さや少し乱雑な所があったようなのだけれど、そこまで酷いものではなかったという。

 元来の性格も多少あったのかもしれないけれど、成人前に事件があり、その事件が引き金となり、前述のような粗暴の悪い有様となった。

 学生だった頃のノルドヴァル公爵、当時十四歳の王子は他国の侯爵令嬢に心を寄せていて、その令嬢はグランフェルトの留学生で、とても明るく親しみやすい方だったそうだ。

 だが、彼女には既に親が決めた婚約者がいたのだが、王子は諦めず人目を憚らずに好意を伝えていたという。

 令嬢はというと婚約者がいると言う事で全く相手にしていなかったが、友としてならと伝えた上であくまで友人という付き合いをしていたが、周囲から見ると王子が令嬢に翻弄されているように見えていたらしい。

 幾度となく王子に直接、令嬢には執着しないようにと周囲の者たちも諌めたが聞き入れられる事もなく、令嬢の留学が終わり国に帰るまで執着を見せていた。

 令嬢が国に帰国した事で彼の恋も終わったら良かったが、そうもいかなかったのだ。

 その令嬢はまさか自国で婚約者から婚約破棄を言い渡され、不誠実な令嬢という話が蔓延し、侯爵家からも絶縁を言い渡され行き場を失った彼女はグランフェルトに戻って来た。

 そもそも何故婚約破棄をされたかというと、令嬢は色んな男性に粉を掛けていたのだという。

 留学先である学園内、自国でもそうだったからと聞くとその神経の図太さ、不誠実だと言われても納得できる。

 行き場の無い令嬢が助けを求めたのはグランフエルトで親しかった王子ではなく、王子の最も信頼を寄せていた側近で側近くにいた伯爵家の三男だった。

 実はその側近は王子を諌めつつ、王子の見えない所で令嬢とかなり親密に接していたという。

 令嬢も婚約者がいるにも関わらず、その者に特に心を寄せていたらしく、それを知った王子は激昂し二人を瀕死になるほどの傷を負わせた。

 その三男に関しても誠実さに欠ける令嬢に傾倒した事、また王子の側近として仕えていたにも関わらず、他国の令嬢、しかも婚約者がいるので王子に執着しないように諌めていたにも関わらず、自らは王子を欺き続けた愚か者として、伯爵家から追放された。

 結局令嬢は修道院送りとなり、追放された三男は無一文で出されたが、それなりに腕が立つのでギルドに所属し冒険者として他国を放浪しているという。

 信頼していた者の裏切りもあり、王子は先の話した通りの有様になったという。

 自らを律し、冷静な判断が下せたなら良かったが、側近の愚かな行いもあるが、自らが蒔いた種もあるというのに、逆恨みして未だにこちらを狙っているのだ。

 だが、公爵の息子は苛烈な父を恐れて真逆の小心者で言いなりになっており、いい歳だろうに引き籠りがちだという。

 孫は二人いるのだが、男の子と女の子の双子で、今は学園の二学年に在籍中だという。

 この二人は公爵に育てられている為、思考が公爵よりで、要注意人物として警戒対象、なので学園では気を付けるようにと念押しされた。

 未だにごく一部の貴族たちは彼の配下にいるらしく、私に毒を盛るよう指示を出したのはその一部の貴族の内一人だという。

 まぁ、中にはそういった危険志向の持ち主に惹かれる人達っているので、その公爵を取り除かない限りは難しいでしょう。

 ただ、頭は良いので、断罪できる証拠が今の今までも無いので対処できないでいるようだ。

 そして私の問題だが、私が毒のせいで未だに離宮で過ごしている、というのは私を使えない人間だとノルドヴァル公爵に印象付ける為に学園へ通っていない、というのもそれ故だ。

 今はヴィンスお兄様に焦点を絞っていて、何かとお兄様を懐柔しようと色んな手を講じているという。

 まぁヴィンスお兄様は全く相手にしていないし、それに乗る事も無いとお祖父様とお父様は確信しているので、相手がぼろを出すようそのままにしている、ヴィンスお兄様を囮にしていると言ってもいい状況。

 フレッドについては、王家の色を持っていないので今のところ手を出されることなはいだろうが、利用される事が無きにしも非ずなので、教育をしっかりと行っている。

 これが今の現状で、私を未だに王宮に戻さない理由だという。


 

「全く楽しい話ではないだろう?」

「楽しいお話だとは思いませんが、伯祖父様は可哀想な方ですね。勿論庇うわけではありませんが」



 お父様は面白くもなさそうに、どちらかと言うと不愉快な感じで溜息をつく。 


 

「お話しくださってありがとうございました」

「いや、私が話さなければステラは自分で調べるだろう? そうすると、あやつにステラの事がバレて狙われる可能性があるからな。それを潰しただけだ。理由は納得したか?」

「はい。理由は納得出来ました」



 お家騒動もいいところね。

 いい歳でしょうに未だに王位に執着するなんて、迷惑極まりない。

 お父様は私を探るようにじっと見つめてくる。



「ステラはどうしたい?」

「理由は分かりましたので、お父様のお考えにもよります。(わたくし)をこのまま社交界デビューまで現状維持でその間に動かれて、そこに(わたくし)の存在が邪魔なのであればこのままでもよろしいですが、何も進展がなく、更に相手の隙をつくりたいのであれば、(わたくし)の存在は格好の餌食でしょう。それを利用するのもひとつの手段だと思います。何より、伯祖父様は⋯⋯闇の者と繋がっている可能性があるのではないでしょうか?」

「ステラを囮にはしない。が、それも案としては挙げていた。そして闇の者と繋がっている可能性についてだが、大いにある、というよりも繋がっているだろうと言うのが我々の見解だ」



 あの者達にとっては伯祖父様のような存在は利用しやすいでしょう。

 伯祖父様は逆に闇の者を利用している側だと思ていそうだけれど⋯⋯。

 あれらはそんな単純な存在じゃない。

 それがこの国に巣食っているならば、早々に対処した方がいいと思う。

 今までも時間がかかっているという事はあちらも慎重になっている、もしくは⋯⋯。



「今後はどのようになさるのでしょう?」

「そこが問題だ。今はこれといって大きな動きが無いからな」

「あちらも慎重になっている、という事でしょうか。ですが、闇の者と繋がっているのならば、今回(アリシア)が攫われた事も分かっているはず。そして学園ではヴィンスお兄様とも全く話をしない、という事はありませんもの。(エステル)ではなくとも、(アリシア)がお兄様の弱点になるのではないでしょうか」

「それもありうる。だからヴィンスには極力生徒会以外でアリシアに接触しないようには伝えてある。ヴィンスもそれが分かっているから、かなり我慢しているな」



 私が王宮に戻っても今のままでも、どちらにしても伯祖父様には狙う隙を与えるかな⋯⋯。

 それなら今のままでいてる方がまだこちらにはやりようがあるかしら。

 相手の出方次第ではあるけれど。



「ステラ?」

「いえ、お父様の仰る通り、まだ(アリシア)としている方が、色々と動けそうだと思いまして」

「ステラ、危険なことに自ら突っ込むようなことはするなよ」

「流石にそのような無謀な事は致しません。ですが、相手が(わたくし)に直接手を出してきたならば、容赦は致しませんわ」

「⋯⋯はぁ。全く、お前もやはり私達の娘だな。頼もしい限りだ。これからはステラにも話せることに関しては隠さずに話す。何も話さずにいると、今のステラは一人で暴走しそうだしな。私達に対して遠慮が無くなったのは良いが⋯⋯ちょっと遠慮を残ししておいてもよさそうな気がしてきた」



 お父様、ちょっと酷くありませんか?

 暴走まではしませんが、けど、一人で色々と動いたかもしれません。

 それに最後の方は一体何を仰ったのでしょう?

 よく聞こえませんでしたよ。

 ちょっとお父様は笑っていたけれど、次の言葉でその笑みも無くなり冷ややかになった。

 


「話は変わるが、ヴァレニウスのヴァレンティーン殿との事だが⋯⋯」



 私はその話になるとは思わず、動揺する。

 そんな私を尻目に話が進む。



「あの者に話を聞いたのか?」

「はい。きちんとお話を聞いてまいりましたわ」

「それで?」

「お父様達の想いがよくわかりました。そして(わたくし)がそれを分かっていなかった事、自分の事でいっぱいになって、お父様達の気持ちに全く気付いていなかったです。本当に申し訳ありません」

「私達のステラを心配する気持ちが分かってくれて嬉しい。ただ、それでもステラの想いが変わらないことも分かっている。そして、理解したことで私達の複雑な想いとステラも今の表情を見ればわかるが、私達は皆ステラを置いていくことになる。そしてステラは皆を見送る方だな。それが想像するとどれだけ寂しく、孤独であるか。まぁそこはあの者が責任をもって埋めるだろうが⋯⋯、全く! だから竜族に嫁がせるのは嫌なんだ。ただの柵のないそれなりの者だったらグランフェルトに婿に貰えれば良かったが、相手が王太子だからな。どうにもならんな」

「ごめんなさい⋯⋯」



 ヴァン様には番と認定されていて、私も惹かれてしまった。

 離れるのは難しいと感じる程に⋯⋯。

 お父様もそれは理解しているからあのように心で鬩ぎ合っているのが分かる。

 


「いや、謝るな。親としては喜ばしくないというのと、竜族の愛は一途だから他の心配をしなくて済むのはいいんだが、王としても友好国との政略もなしの婚姻は手放しで喜べる。だがなぁ⋯⋯娘を手放したくないという、親心はずっとあり続けるぞ。そもそも早すぎるんだ! 本当に⋯⋯複雑なんだ。この件に関してはステラには悪いがずっとこんな感じだ」

「お父様⋯⋯」

「さっきも言ったが謝るなよ」

「はい。この件に関しては、お父様の小言も甘んじてお受けします」



 お父様が気のすむままに、愚痴は沢山聞きます。

 それは私の事を本当に慈しんで下さっている証拠だから。

 それともうひとつ⋯⋯。



「お父様にお伝えときたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」

「どうした?」

「今まではずっと遠慮して、あまり何も言えずにいましたが、これからはもっとお父様達に言いたい事、聞きたいことがあれば変に遠慮せず、関わろうと思いますがよろしいですか? 駄目だと言ってもそうしますが本気で駄目だと言っていることに関しては大人しくします。⋯⋯多分」

「はっ、ははは! ステラ、それでいい。漸く憂いなく話してくれたな。父として嬉しいぞ。五歳の、毒を受ける前の本来のステラにようやく戻ったな」

「⋯⋯そんなに違いましたか?」

「あぁ、あの頃は天真爛漫でとても生き生きとし、私達にも遠慮はなかった。それに時々鋭い事をいう子でもあった。だが、あの後のステラはずっと大人しかったからな。勿論、勉学に対する意欲や強くなりたいという欲求は素直に出ていたが、それ以外の事に関しては全く違っていた。どうしたらいいのかと、私達もずっと気を揉んでいたんだ。だが、それも漸く安心できるな」

「ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした」



 何だか今まで見てきたお父様と少し雰囲気が違って見える。

 お父様も私に遠慮していたのかしら。



「これからはきちんとステラにも話しをするよ。中には言えないこともあるが、一人の王族として、私の娘として、これからの行動に期待する」

「ありがとうございます」

「最後にひとつ、あれを伯祖父として敬う必要なはい。ただの公爵として扱うように。名前でも分かるだろうが、あれはもう王族でもなんでもない。事実上の絶縁関係だ」

「分かりましたわ」

「さて、沢山話をしたからお腹が空いたろう。昼食を頂こうか」



 お父様はそういうと、侍女たちに指示を出して、ここで一緒に昼食を頂いた。

 食事中は先程の真剣な話ではなく、最近の学園の事や交流会の事等を話をし、お父様は交流会最終日の社交会別対抗試合を見に来るからヴィンスお兄様と私の活躍を楽しみにしていると仰り、そして次はお母様も交えて話をしようと約束してくださって、食事が終わると、お祖父様と少しお話をされた後王宮へと戻って行った。

 その後、お祖父様に少し話をしようと、執務室に連れていかれた。

 


「アンセとしっかり話が出来たようだな。ステラの雰囲気も格段に良くなった」

「お父様にも同じことを言われましたわ。そんなに、違うものなのでしょうか?」

「あぁ、顔つきが違う。だが、アリシアの時は今まで通りで通せ。理由は、言わなくても分かるだろう?」

「はい」

「ルード、奴のせいですまんな」

「お祖父様が謝られる事ではないのでは?」

「いや、私の代で奴をさっさと処断しておけば、お前達に苦労させることもなかったんだがな」

「一番苦労しているのはお祖父様でありお父様ですわ。(わたくし)はまだ直接害はありませんもの。ですが、直接何か仕掛けてきましたら、容赦は致しません」

「その時は遠慮せずに始末をつけるがいい」

「そう致します」



 そう言うと、ふっとお祖父様が笑みを浮かべた。

 不思議に思うと、「それでこそ王家のものだ」と安心したようにそう零した。



「さて、今訓練場でマティ達が訓練をしているが、見学に行くか?」

「はい。ついでに(わたくし)の事も鍛えていただきたいです」

「いいだろう。着替えておいで」

「はい!」



 私は言いたい事、聞きたい事を聞けてスッキリとした気分で、久しぶりに訓練をつけていただくべく、着替えに部屋に戻り訓練場へと急いだ。


ご覧頂きありがとうございます。

ブクマ、評価、いいねをありがとうございます。

とても嬉しく、励みになります。

本当にありがとうございます。

次回は二十二日に更新致しますので、よろしくお願い致します。

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