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自粛18日目 停戦

『勇者様!! たいへんです!!』


 慌てた様子の王女からの念話が届いたのは、女子会から実質二日目の朝の事だった。


「どったの? そんなに慌てて」

『ま、魔王軍から停戦協定の申し出が来たんです!』

「へぇ」


 王女が言うには、今朝方、自分の元に魔王からの書簡が転送されてきたらしい。

 そこには、人間との停戦および和平交渉を行いたいという旨とその内容が書かれていた。

 書簡には魔王の魔力が付与されており、偽物ということもほぼほぼあり得ないのだという。


『現在、各国念話会議にて、魔王軍への返答を検討中です。正直、状況が状況ということもありますので、とりあえずは停戦の運びになるのではないかと思います』

「おおっ、良かったじゃん」


 まあ、お互いが緊急事態のこの世情だ。

 共通の危機に際して、手を取り合うという選択肢は推奨されるべきものだろう。

 あれ、でも、そうなったら、勇者(私)がここにいる意味なくね?


「王女」

『はい、その……勇者様のお仕事無くなっちゃうかもです』


 だよね。




 王女と再度言葉を交わしたのは、一人夕食を食べ終えた時だった。


『勇者様、各国との協議の結果、やはり魔王からの停戦協定を受け入れることになりました』

「そっか」


 やはりそうなったか。


「じゃあ、やっぱり私はお役御免だね。というか、まだ、何もしてないんだけど」

『勇者様……』

「もう私帰った方がいいかな?』

『ま、まだ、正式に停戦協定が結ばれたわけではありませんし、もう少し……もう少しだけいていただけると助かります! それにあちらにお送りするにしても、人を転移させるにはタイミングもありますので』

「わかった」


 さて、いよいよ潮時だね。

 こちらに来て早半月。

 短かったような。長かったような。

 ここでの生活もあとわずか。

 もう少しだけのんびりさせてもらうことにしよう。

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