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愚兄と呼ばれた男の自由な旅  作者: おこめi)
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愚兄と金色の扉

洞窟探索も佳境になってきました。

 螺旋の通路を降り、次のフロアへとやってきた。

 そこは先程のフロア同様まっすぐの通路だった。


「またか。」

「ソナーは止めとく?」

「まあ、そうだな。」


 前例もあるためソナーを使わずに警戒しながら歩みを進める。しばらく進むと

いつもの扉に到着する。


「あれ?」

「何か見逃したかしら。」


 クトゥーは錫杖を刺し声を出す。


「いや、特に何も無いな。」

「まあ、そういうのもあるでしょ。ボーナスステージみたいな。」


 扉を開け次のフロアへと降りる。


「?ここもか。」


 またしてもまっすぐな道が続く。今度は戦闘覚悟で声を発してみる。


「何も無いな。」

「急にどうしちゃったのかしら。」

「全部終わる前に入口作っちゃったとかですかね。」

「どうだろうな。」


 罠に気をつけながら慎重に先に進んだ。その後まもなくして扉に直面する。


「やっぱり何も無いか。」


 扉を開け更に奥へと進んだ。次のフロアにも何もなかった。


「なんか昨日が昨日なだけあって拍子抜けしちゃうな。」


 クトゥーは顎に手を当て考えている。


「クトゥーどうしたの。」

「いや、なんでもない。次に行こうか。」


 扉を開け次のフロアへと降りた。

 待っていたのはまたもや一本道だった。


「どうして?つまらない。」


 ジュティが嘆きながらクトゥーたちは奥に進むと一つの宝箱がぽつんと置かれ

ていた。


「あ、宝箱。」


 近づくと宝箱には文字が書かれていた。


“宝を取るか、命をとるか。意思真ん中に手を当て道を決めろ”


「何これ?」

「そのまんまだろ。中身を取ると殺されるってことだろう。後半はまあ、良く考えろってことかな。」

「開けるだけなら問題ないわね。」

「おい。」


 ジュティが宝箱に手を掛け蓋を開ける。開け始まったところからまぶしい光がこぼれる。ジュティはその光に胸を躍らせもったいぶるようにゆっくりと蓋を開いた。


「おおお。」

「これは凄いな。」

「きらきらです。」


 そこには綺麗に並べられ美しく輝く金塊があった。吸い込まれるような黄金の輝きに三人は目を奪われる。大きさもあり、見るだけで重いというのが手に取らずともわかるような重量感がある。


「成程な。」

「何かわかったの。」

「さっきの3フロア分の謎が何となくな。」


 ジュティはまぶしすぎるので一度蓋を閉めクトゥーの方を向く。


「おそらくあのフロアには罠が張り巡らされてあるんだ、その金塊をスイッチにして。

 宝箱にも書いてあるとおり明らかに重い金塊だスピードも鈍るだろう。そうなったところを罠で仕留める。

 そうでもしないとここまで降りてきて何も無い部屋が続く理由がわからない。

 あの輝きを見ると確かに欲に負けリスクを冒したくなる気持ちもわかるな。」

「成程ね。それじゃあ、この宝は諦めて先に行ってみますか。」


 ジュティは立ち上がりクトゥー達はさらに奥へと進んでいった。

 そこには石の壁があった。


「行き止まりか。」

「行き止まりね。」

「がうぅ。」

「行き止まりですか。」


 何も無い平らな壁にクトゥー一行は立ち尽くした。


「何だ、それじゃあ別に最後までもぐる必要なかったわね。それじゃあ引き返しましょうか。」


 クトゥーは壁の前に立って考え事をして動かない。


「どうしたの?」

「いやぁ、本当にこれで終わりなのかなぁと思ってな。何か神の戯れとか言われてるのにこんな終わり方が味気ないのかなと。」

「そうね。私も最後まで潜ったのは初めてだしどうなのかしらね。」


 ジーっと壁をなめるように見る。

 長方形の同じ大きさのブロックが互い違いに綺麗に積み重ねられている。隙間なくきっちりと積まれておりどこかに穴があるようにも見えない。ジュティもセミコもつられるように壁を見続ける。

(何かヒントみたいなものでもあればな。さっきの奴か。でも何も関係ないよな。意思選択の問いだったよな。)


「いや、まさかな。」


 クトゥーは壁の端々から上下左右の中心の位置となる場所を見る。


「あ。」


 そこにはパッと見は長方形のブロックのように見えるが真ん中に細い切込みの様なものが入っている。

 クトゥーはいや、まさか、そんなことないと思いながらもブロックに手を伸ばした。

 届かなかった。壁に寄りかかりながら崩れるように膝をつく。


「何?神にお祈りをささげる感じ?」

「いや、違う。」


 急な奇行にジュティが驚きながらクトゥーに質問する。

 クトゥーは少し悲しそうな渋い声を出しながらジュティに返した。


「ジュティあそこのブロックに手を当ててみてくれないか。」

「ん?どれ?」

「あそこあそこ。その真ん中に切れ目があるやつ。」

「あ、本当だ。良く気付いたわね。」


 そう言いながらジュティはブロックに手を伸ばした。そのブロックに両手で触れる。触れ続けていると壁の中心から開くように石の壁が音を立てながら横へとずれていった。その奥にはまだ先がある通路があった。


「さあ、先に進むか。」


 その言葉に合わせて全員は先に向かって足並みをそろえた。

 開いた壁の先に向かって歩いていく、壁を過ぎるとまた音を立てながら壁は閉まっていった。そのまま先に進むと今までとは違う赤い扉を見つけた。


「なんか今までと違うな。」

「最後のフロアの合図かしら。」

「がぁあ。」

「可能性はありそうですね。」

「何が来るかわからない、気引き締めておけよ。」


 クトゥーがその扉に手をかけゆっくりと開いた。

 その先には今までも見てきた下へと続く螺旋状の通路があった。


「先に進むってことでいいよな。」

「異議なし。」

「がう。」

「行きましょう。」


 そうしてクトゥー達はそのまま螺旋の通路を降りて行った。


「何だこりゃ凄いところに出たな。本当に洞窟か?」


 通路を抜けるとそこは緑に覆われていた。高々と木々や植物が元気に育ち、天井には魔法によって光源が保たれている。洞窟自体が別の場所に繋がるトンネルで山の中の森に出たかのような開放感がある。


「綺麗ね。」

「見たことある植物もありますね。」


 それぞれの観点で周囲を確認する。特に何かが襲い掛かってくるようなことも無いようだ。

 洞窟内とは思えない光景にクトゥー達は状況を整理することにした。


「ここは、洞窟内だよな。」

「多分。」

「そうでなかったらみんなまとめて死んじゃったとかですかね。」


 セミコが不吉なことを言う。


「それは無いと思うが。洞窟内はこういうのもあるものなのか?」

「あんまり深く潜って無いからなぁ。」


 腕を組んで頭を抱えるジュティ。

 まずは周囲を探索しようということになり、クトゥーを先頭にまっすぐ歩いてみる。洞窟とは違い隠れられたりそもそも植物が襲ってくる可能性があるためジュティは後ろ向きで歩く。

 

「お。」


 しばらく歩いていると目の前に自然物で無いものがクトゥーの目に映る。

 映ったものは扉だった。くすんでいるわけではないが眩しいと思うような輝きはなく、主張しない落ち着いた金色で大地や光といった風景に溶け込もうとしているような扉だ。


「扉だ。」

「どれどれ。あ、本当だ。」

「がぁぁぁ。」

「さっきの塊とは随分きらめきが違いますね。」


 周囲の警戒をそのままに4人は扉まで歩いていく。誓う区に連れて何かが暴れまわっているような音が近づく。


「ん?何の音だ。」


 その音は遠く扉のほうから聞こえてくる。扉の前まで来たときにははっきりと理解できるまでに音がしていた。

 扉の奥で何かが戦っているようだった。


「どうやら何かがよろしくやってるみたいだけどどうする?」

「扉も頑丈そうだし覗いてみますか。」

「がう。」

「えええ、危ないですよ。」

「何とかなるだろう。」

「そうよ。後セミコちゃんは私とクディが守るから安心して。」

「がうぅ。」

「不安ですがわかりました。」


 クトゥーは金色の扉に手をかけ扉を開いた。

 扉を開くと全長10m程の黒くごつごつとした肌に覆われた生物が立ち上がっている。腕が長く太く人間の様な間接になっているが指が三本である。体に対して足が極端に短く全体的に筋肉質な体つきをしている。尻尾もしなやかに動かし、長い腕と尻尾で軽やかに動き攻撃をしている。顔は少しとがっていて鋭い牙が並んでいる。


「すごいのがいるな。あれ?あそこで戦ってるのAランクパーティとBランクにいたパーティ。あとビフォアットュ副町長じゃないか。」

次回は洞窟のボスとの戦いになりますね。どのくらいの長さになるか全く見当がついていません。次々回くらいで決着がつくと思っています。

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