愚兄とCランク一行
前回に一部修正がありまして鶏を架空の生物のイゼロスリというものに変えさせていただきました。鶏をモチーフにしていますのでイメージは鶏のままで大丈夫です。
「さて、それじゃあ作戦会議と行くか。先輩方の敗因は何だったんですか?」
依頼に失敗したCランクのパーティリーダーの男にクトゥーは質問する。
「出すもん出してくれたら答えるぞ。」
「んじゃいいや。行くか。」
「え。」
Cランクのリーダーの催促を無視してクトゥー、ジュティと苦笑いのセミコが立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待って。」
慌ててリーダーの男がクトゥーの肩を掴み止める。
クトゥー達は振り返りながら立ち止まる。
「何すか。」
「え、食い下がらないの?」
「え、別に何か出す程聞きたいわけじゃないので、失礼します。」
一礼して再度進もうとする。
「待て待て待て待て。分かった言うから何もいらないから話させてくれ。」
「ありがとうございます。そこの席にでも座りますか。」
完全に立場が逆転したが、二つのパーティがテーブルに対面で座る。それぞれ一杯ずつ飲み物を注文した。お代は流石にクトゥー側で持つと言った。
「んで、敗因だが遠距離攻撃の火力不足だな。うちのパーティは前衛が3人後衛が2人のパーティだ。」
「攻撃方法は?」
「前衛は剣、槍、後は盾役が一人、後衛は、弓が一人と魔法が一人。魔法は炎と雷だ。相手は火を扱う鳥だからな水の魔法が必要になるだろうな。」
「成程。どうだったんだ?」
「近距離は話にならない熱くて近寄ることができない。」
「通常の火より熱いのか?」
「いや、普通の火だが常に燃え盛っているからな水魔法で濡らしながらなら戦えると思う。だからこそ水魔法が使える一人が必須なんだ。」
「決めつけは良くないだろう。」
「無理だ。」
真剣な表情できっぱりと言うリーダー、自分達の経験則によるものだ。余裕な表情を変えずに肩をすくめるクトゥーにイライラが募る。
「それでお前のパーティの編成はどうなっているんだ。」
「ん?こっちか。」
振り返りジュティを見る。
「私は、一人でやっていた時代もあったからね、風魔法なら遠距離も打てるわよ。」
「わかった。」
再度リーダーを見る。
「全距離が一人、近距離が一人、癒し枠が一人、運搬担当が一人の四人です。」
「はぁ?癒しってことは医学や薬学にでも通じてるのか、それにお前ら四人しかいないじゃないか。」
「もう一人は外で荷車兼小屋を見てるよ。癒し枠はかわいいってだけです。」
バンッとテーブルを強くたたきリーダーが立ち上がり怒り狂った様子でクトゥーを怒鳴る。後ろのパーティメンバーも怪訝な顔を浮かべている。
「ふざけるのもいい加減にしろ。そんなメンバーで何をしようっていうんだ。バランスよく集まった俺達だって勝てなかった相手だぞ遠足気分でできる仕事じゃないんだCランクだって嘗めるんじゃないぞ。」
「別に嘗めている訳じゃないですけど。」
「もういい、お前達に付き合った俺達が馬鹿だった。」
その場を立ち去ろうとするCランク一行そのメンバーをクトゥーは呼び止める。
「最後にどこにいたんですか。」
「東の森だ、さっさと行ってさっさと死んで来い。」
捨て台詞のように言って立ち去ってしまった。
「あーあ。怒らせちゃって。」
「俺が悪いのかな。別に水魔法がなくても水は存在するし、実態があるわけだし武器が通らないわけじゃないんだろうから何とかなると思うんだけどな。」
「まあ、歯が立たなかった人からしたらかなりふざけた態度だったと思うけどね。」
「しょうがないか。軍資金ってどのくらいあるっけ?」
立ち上がり移動しながらジュティに話す。
「依頼報酬が50万ギューツだし、10万くらいは使えるわよ。」
「その依頼そんなに高いのか?」
「被害も出てるし何度も失敗してるみたいだからね。これでもBランクパーティの依頼と考えたら少ないわよ。Cの高めの依頼ってラインかな。」
「そうか、んじゃ、夕飯食べながら作戦会議な。」
「私をメインにして。」
「いいよ。もともとそういう予定だから。」
小屋に戻りクディに引っ張ってもらいながら食材と大量のバケツを買った。
そのまま町の領域外に出て荷車を固定した。
「あ、夕飯は私が作りますよ、戦闘は何もできないのでこのくらいはさせてください。」
「それじゃあ、お願いするよ。」
台所にセミコは立ち、クトゥーとジュティそれにクディは外で地図を広げながら作戦会議を始めた。
「よし、それじゃあ作戦を発表する。意見があれば随時口をはさんでくれ。」
「了解。」
「がう。」
・・・
「みんなご飯できたよ。」
セミコが入り口から顔を出し三人に声をかける。
三人は地面に突っ伏して倒れていた。
「どうしたんですか!?」
ジュティに駆け寄り体をゆすりながら声をかける。
「ん?んーご飯できた?」
「できましたよ。」
「はぁー、ほらクトゥー、クディ起きろご飯だぞ。」
「んお、出来たか。」
「がぁぁああう。」
ほかの二人もゆっくりと体を起こしながら動き出す。
「え、寝てたんですか。」
「ああ、会議が満場一致でスムーズに進んだからな余った時間寝てた。」
「20分くらいしかたってないですよ。」
呆れた顔をしながら三人を見ていた。不図視線を向けると地面には何かを消した跡が残っていた。
「クディも中で食うか?」
「がうぅ。」
首を横に振り拒否する。クディは一度も小屋の中に入ったことはない。
「だろうな。んじゃ持ってくるよ。」
「どうしてクディは中に入らないんですか?」
「人工的につくられたものが苦手らしい、町とかの広いところは平気だが小屋みたいな閉鎖的な人工物は苦手らしいな。何か先祖の血とかでも影響してるんじゃないか。」
「へぇ。」
夕飯は肉を中心として山菜やキノコなどを使ったメニューだった。スフォーヒは森や山に囲まれ山菜等の山の幸が豊富である。
「美味いな。セミコは料理上手だな。」
「おいしい、私じゃこんな手の込んだもの作れないよ。」
「お口に合って良かったです。これからも戦闘できない分こういった面でサポートしていきますね。」
楽しい雰囲気で食事は進んで行った。セミコは気になることを質問した。
「そういえばヴィツチジェ狩りはいつ行くんですか?」
「今夜。」
「そうですか。え。」
セミコの箸が止まる。
「早いですね。」
「ああ、まず会って見ないとわからないことだらけだし、まず思いつく対策をぶつけながら対策を考えてみるよ。
あ、そうだ。セミコこの後俺達寝るから見張りよろしく何かあったら俺を起こせ。」
「はい。分かりました。」
日はまだ落ち切ってはおらず、夕方頃の時間帯である。
「ごちそうさまでした、おやすみ。」
「ごちそうさまでした、んじゃ、セミコちゃんあとよろしくおやすみなさい。」
「あ、はい。おやすみなさい。」
食べ終わると流れるように眠る二人。驚きながらもセミコは受け入れながら食器の片づけを始めた。
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「くぁあふ。」
セミコは大きな欠伸をする。二人が寝てからしばらく時間がたち日は完全に沈み夜中になる。ランタンの明かりだけが部屋をともし眠気覚ましにお茶を飲みながら見張りを続ける。
「・・・夜か、良く寝たな。」
クトゥーが静かに目を覚ます。立ち上がり眠そうなセミコに近づき声をかける。
「セミコお疲れ、待たせたな。後は俺達に任せろお前は安心してゆっくりと眠れ。」
「・・・ふぁぁい。」
クトゥーが起きたことに気づきぐっと眠気が襲うようになり、セミコは半目でぼーっとしながらベッドに移動して眠った。
「ジュティ起きろそろそろ行くぞ。」
「・・ん。ふぁあ。そうね、今、目を覚ますわ。」
「クディ起こしてくるよ。」
「はーい。」
クディを起こし荷車の固定を外す。
ランタンの火を消しジュティも入り口から出てくる。
「おはよう。いい夜ね。」
「おはよう。こちらの都合だけで言うと雨が降っていたほうが楽だと思うが。」
「相手の本調子で勝つのが本当の勝利よ。」
「そういうのはわからないな。」
脳筋のジュティの言葉を聞き頭を掻きながら聞き流す。
「まあ、いいか。それじゃあ、始めよう。」
「がう。」
「ええ、焼き鳥を食らいに行きましょう。」
三人は真剣な顔になり体を慣らす。
月明りだけが照らす静かな夜、寒くも熱くもない過ごしやすい夜に闘志を燃やす三人の姿があった。
「今日の任務を確認するぞ。一つ焼き鳥の討伐、二つお姫様の熟睡。異論は?」
「ないわ。」
「がう。」
「よしそれじゃあ、各々状況に応じて対応してくれ狩りの始まりだ。」
その言葉を皮切りに三人は動き出した。
ジュティは東の森に、クトゥーとクディはその場で西の方向を向いた。
ジュティ活躍回の始まりです。セミコは戦闘をしない予定です。これから先も魔法を覚えたり、戦闘力が覚醒したりするということは考えていません。セミコの覚醒を望んでいる方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。




