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付録① 惑星あさぎり世界地図

挿絵(By みてみん)

 惑星あさぎり全図(テレストリアル・スター号 地表観測班作成)


 惑星あさぎりには西半球のアルファ大陸、東半球のベータ大陸の二つの超大陸が存在する。アルファ大陸とベータ大陸という名称は発見者のセドナ丸乗組員が仮に命名したものに過ぎず、今後変更を検討されている。二つの超大陸の他には、二つの島大陸と、数多くの群島が存在している。


 惑星あさぎり内部のマントルはいまだ冷え切っておらず、プレートテクトニクス的に活性を保持している。そのため現在でも地殻プレートの移動にともなって各大陸は動き続けている。


 アルファ、ベータ両大陸ともに北極から南極にかけて惑星を縦断する形で広がっている。

 惑星全体の気温は現代の地球よりもはるかに温暖なため両極に氷床は発達していない。しかし北極群島(図中央上端付近の島々)の高山地帯には氷河が存在する。着陸隊が設置したベースキャンプはアルファ大陸北半球のかなり高緯度に位置しているが、これでも気温は20℃以上と暖かく快適に過ごせる。


 いずれの超大陸も、北半球に広大な砂漠または乾燥地帯が広がっている。砂漠の周辺部は地球のサバンナに相当すると推測される背の低い植生に覆われた草原へと推移している。


 さらに南側はこの惑星に特徴的な地形が広がっている。

 宇宙からの観測では、くすんだ緑色の平原に暗色の斑点が散らばり、多数の筋状の構造物が走っているように見える。惑星の他の地域と比べても、その雰囲気はかなり異質である。ある種の植物の群落または特異な生態系が存在すると推測されるが、その正体は現時点では不明であり、今後の調査研究の進展が待たれる。


 アルファ大陸は草原の南側で東西に走る大山脈で分断されている。かつてのアルファ大陸は南北二つの大陸に別れていたが、それが一億年から数千万年前に衝突し、衝突箇所が山脈となって隆起したと考えられる(地球のヒマラヤ山脈やアルプス山脈も同様のメカニズムで誕生した)。


 東西山脈よりも南側には、赤道をまたいで広大な大森林地帯が広がっている。

 東西山脈および、大陸の西と南側をぐるりと縁取るように走る大山脈帯に水源を発する大河がいくつも中央の平原に流れ込み、そこに豊かな大森林を育んでいる。この大森林地帯はこの惑星でも生物多様性が特に高い地域と見積もられている。

 大河が流れ込む先は大陸棚の上に広がる熱帯の浅い海で、大河が運ぶミネラルや有機物を栄養分に、海中でも地球のサンゴ礁に相当する豊かな生態系が築かれていると予想される。

 しかし大陸南方についてのデータは現時点ではまだ少なく、ほとんどが地表観測衛星を使った周回軌道上からの観察に頼っている。今後、着陸隊により詳細な現地調査が行われれば、予想外の実態が明らかになる可能性がある。


 アルファ大陸と大洋を挟んで東側に位置するベータ大陸も、南半球には大森林地帯が広がっている。宇宙からの観測ではアルファ大陸の森林地帯との差異は見られなかったが、おそらく植物および動物の構成種はかなり異なっているものと考えられる。ベータ大陸西海岸には南北に数千キロの山脈が走っている。おそらく海洋プレートがベータ大陸のプレートの下に沈み込むのに伴って隆起したと考えられる(地球のアンデス山脈と同様)。


 地球と異なり、南極に陸地は存在しない。海流の関係か水温も温かく氷山もない。海底には平均深度八千メートルにおよぶ深海平原が広がっている。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 地図すごい!あさぎりの全体図が分かり今後の展開がいっそう楽しみです。
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