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小さな会社員達の会食満喫生活

 あれから私は完治して、仕事に没頭した。というのも、最初から別に体調が著しく悪かった、というわけではありません。あくまで、寝不足と過労に目眩でしたからね。一晩に近い時をずっと寝ていたので、体調も元通りです。ですが、体調が元通りになった後、菊地先輩や工藤先輩に散々説教されてしまいました。なんでも、

「優君が倒れちゃって私…!」

 とかだけでなく、

「どうして倒れるくらい練習するんだ!?」

 何故か、私が演奏直後に倒れてしまったことを認知していたらしい。気付いたきっかけとして、私がクマを隠す際、化粧道具を少々使ったのですが、私が車内で寝ていた時に菊池先輩が気付いたらしく、その後の話で色々ばれてしまったらしい。毛利さんめ、余計なことを…。そして、何故そんな無茶をしたのか、その理由を話すように強制されましたが、私が徹底的に口を閉ざそうとしました。ですが、菊池先輩の「・・・そんなに私のことが信用できないの?」という言葉に負け、つい話してしまいました。その結果、「…私のためだからと言って、そこまで無茶しないでよ。でも、ありがとう。」や、「くそ!これじゃあ優をしかるに叱れないじゃないか!」等言われました。ですが、これほどしても、結局は先輩方に迷惑をかけてしまいましたし。これでまた返さなくてはならない恩が増えたと思います。

 それで今度は、菊地先輩と工藤先輩が今回のイベントに際しお礼をするので、今週の金曜日に予定を空けて欲しいと言われました。当然、先輩方のためであれば予定を出来る限り空けようと思いますよ。幸い予定が無いので、是非ともお礼を受け取りましょう。

それにしても、先輩方のお礼とは、一体何なのでしょう?もしお礼が物であるならば、すぐに手渡しできそうなものだと思うのですが…?だとしたら、物じゃない何かを私に渡そうとしているのでしょうか?でも一体何を…?いえ、お礼の品についての考察はこれくらいにして、後は当日のお楽しみに致しましょう。あの先輩方なら、私が喜ぶような物を用意してくれるはずです。期待して待つことにしましょう。こうして、当日の金曜日まで、私は仕事をしつつ、楽しみを募らせていった。

 金曜日当日。

「今回も工藤先輩が車を運転するんですね。」

「まぁな。今回、お礼をするには、あそこが適地だと思っていてな。」

「適地、ですか。」

 現在私達は、工藤先輩が運転する車におり、どこかに向かっていた。おそらく、そのむっかっている先で何かしらお礼をするのでしょう。工藤先輩はさきほど、適地、と言っていましたしね。

「ち。余計なことを言いやがって。この阿保が。」

 …菊池先輩、なんか最近、工藤先輩にあたりがきつくなっているような気がします。気のせい、ですかね。気のせいだと信じましょう。

「それにしても優。本当に連れてきてよかったのか?」

「え?ええ。というか、工藤先輩からお願いしてきたじゃないですか。」

「ま、そうだが。ああいうことはやはり、人数が多い方が楽しいしな。」

 ?つまり、人数が多い方がメリットのお礼をしてくれる、ということでしょうか?

「また余計なことを…!」

「ひ。」

 どうやらあまりの苛立ちに、菊池先輩は工藤先輩を睨み、その睨みに工藤先輩は恐怖してしまったみたいです。二人の関係って一体…?

 とまぁ、工藤先輩のお願いにより、

「・・・あの。本当に私達が付いてきてよかったのですか?」

「俺ら、関係ないのでは?」

 こうして、菊池先輩、工藤先輩、私だけでなく、桐谷先輩、橘先輩も車に乗っている。ちなみに、この車は4人乗りである。本来、私を含めた5人が乗れるはずなんてないが、

「関係ないわ!そのおかげで、正々堂々と優君を私の膝の上に乗せることが出来るわ!」

「「「「・・・。」」」」

 …菊池先輩の言い分はともかく、私は背が小さいので、こうして菊池先輩の膝の上に乗ることで、全員が車に乗れるのである。…ですが、後ろを少し詰めることができれば、私一人くらい座れそうな気がします。それをあえてせず、私を膝の上に乗せた、ということは…。きっと、後ろに座っている桐谷先輩、橘先輩に気を使わせないためですね。さすが菊池先輩です。

「それにしても菊池先輩、今日は一体どこに連れて行ってくれるのですか?」

「ん?それはもちろん、」

 菊池先輩は指一本を唇に優しく当て、

「な・い・しょ♪」

 …なんだか、前にも似たようなことを言われたような気がします。まぁ、菊池先輩が酔狂な理由で黙っているわけありませんし、私のことを想って内緒にしてくれているのでしょう。であれば、私は菊池先輩の意に従うまでです。

「分かりました。」

「…え?優君、興味ないの?」

「ありますよ?ですが、私のことを想っての行動ですよね?であれば、私は菊池先輩の意見を尊重したいと思いまして。」

 おっと。つい考えていたことを話してしまいました。ま、聞かれても問題ないと思いますし、深く考えないようにしましょう。

「優君…まじ天使!」

 私がそう発言した後、菊池先輩は私を思いっきり抱きしめてきた。どうしてそんな発言を?

(ま、菊池先輩だし、そこまで気にしても仕方がなさそうですね。)

 私は菊池先輩を放置し、目的地がいつでも見られるよう前を向いて、到着の時を待った。


 工藤先輩が運転する車に揺られること十数分。着いた場所は、

「ここは…食べ物屋、ですか?」

 どこかの店のチェーン店、でしょうか?

「そうよ。私がこのためにきっちり調べたんだから♪」

 と、菊池先輩は私にウィンクをしてくる。私のためにそこまで…。ありがとうございます。

「さ、もう予約済みだから入りましょう。」

 菊池先輩の掛け声により、

「「「「はい。」」」」

 私を含めた全員が返事をし、先導する菊池先輩の後に続いた。

 店内に入った瞬間、

(何だか甘い香りが…。)

 食事処、というより甘味処に近い甘い香りがします。そういえばさきほど、私が食事処ですか、という質問をしたら、菊池先輩はあっさりと返事を返していましたね。となると、ここは食事処、ということになります。確かに食事はできると思いますが、かなり開けた場所ですね。確かにいくつか敷居がありますが、それ以外はオープンスペースになっています。そのオープンスペースが何故ここまで広いのでしょうか?

「いらっしゃいませ。」

「予約していた菊池ですけど。」

「5名様で予約なされている菊池様ですね。今確認します。…確認いたしました。それではご案内いたします。」

 と、店員さんがどこかに案内してくれた。それにしても、私のお礼ってやはり食事、なのでしょうか?それでしたら、すぐに言ってくれればよかったのにと思ってしまいます。ですが、そのことを黙っているあたり、何かしらの意図を感じます。何の意図かは正確には分かりかねますが。

「こちらになります。」

 通された席は普通、というより、一般的な食事処で使われているであろう場所だった。ま、場所に関していちいち文句を言うなんてことは致しません。そもそも、文句を言えるほど家具に詳しくありませんしね。

「桐谷と橘はそっちね。それで、あんたは窓側、私は通路側。そして優君は、私とあいつの隣よ♪」

 ・・・菊池先輩が何考えているかはともかく、みんな、菊池先輩の指示通りに座った。工藤先輩がそれでいいのか確認をとったが、桐谷先輩と橘先輩は二人とも、「大丈夫です。」と言ってくれた。もしかしなくとも、菊池先輩に気を遣ったんでしょうね。ですがここにいる五人は、席を勝手に決められたことで怒り狂う変人はいないですからね。みなさん、心が広いです。もしくは、菊池先輩を敵に回したくなかっただけ、かもしれませんがね。

「では、何を食べるか決めましょうか?」

 私は窓際にあるメニュー表を取り、見てみる。そこには、

「・・・あれ?」

 詳しく書かれていませんでした。書かれているのは主に3種類。

 松、竹、梅。

 これだけだった。

(もしかしなくとも、この3種類の中から選べ、ということですよね?)

 まさか、松、竹、梅それぞれを食べる、という意味ではありませんよね?梅だけで数千円かかるなんて、どれほど高級な梅を使ったのでしょうか。

「メニューが決まり次第、店員に声をかけ…、」

「全員松で。」

「え?」

 私がメニュー表に記載されている意味を考えていると、菊池先輩が勝手に決めてしまいました。それにしても菊池先輩、メニュー表を一切見ずに注文するなんて、なんて無謀、いえ。そういえば、菊池先輩は事前にこの店を調べていたんでしたね。だとすれば、この店の雰囲気、メニュー、品ぞろえ、評価等、様々なことを把握したうえで言っているのでしょう。

「あ、勝手に言っちゃったけど、全員松で言いわよね?」

 う~ん・・・。正直、メニューを見てから決めたいところですが、見る限り、菊池先輩のおすすめでしょうし、ここは菊池先輩の提案に乗ることにしましょう。菊池先輩のおすすめに外れはありませんからね。ただ一つの例外を除いて、ですが。

「はい。私は構いません。」

「優に同じく。」

「私も依存ありません。」

「右に同じ。」

 どうやらみなさん、菊池先輩の提案に賛成みたいです。菊池先輩はほんと、こういうことに関しては絶大な信頼がありますからね。なのに、どうして私を何度も女装させたがるのでしょうね。私、男の子ですのに…。

「かしこまりました。それでは、こちらをどうぞ。」

 店員さんから渡されたのは、松と書かれた木の板5枚だった。

 ・・・。

 一瞬、これに数千円の価値があるのかと思いましたが、そんなわけありませんよね。もしかしたら、みなさんとの外食で無意識に浮かれているのかもしれません。ひとまず落ち着きましょう。

(すー…。はー…。)

 落ち着いたところで、改めて渡されたこの松と書かれた木の板について考えるとしましょう。食事処でこれを渡された意味を考えるとなると、この店において、この木の板は貨幣扱い、もしくは無料パスポート、と位置付けて考えるべきでしょう。これを見せることで何かしらいただける、という意味でいいのでしょうか。さらに、この店が食事処であることを踏まえると、この木の板を見せることで、何かしらの料理をいただける、ということでしょう。最大の問題は、何の料理がいただけるのか、ということです。私、これから何を食べることができるのでしょうか?甘みのある食べ物、という認識は間違っていないと思いますが、詳細はつかめていません。何かしようにも、通路側は菊池先輩が塞いでいるので動けません。こうなったら、トイレに行きたいと言って、こっそり見に行っていくのもいい手かもしれません。…いえ。この方法ですと、菊池先輩を裏切る行為になってしまいそうです。ここはおとなしく待っていることにしましょう。

「桐谷、橘。悪いが、全員分の飲み物を取ってきてくれるか?」

 ここで、工藤先輩が桐谷先輩と橘先輩に指示を送った。ここで何故お二方に席を外させるのでしょうか。単なる考え過ぎでしょうか?それとも…。

「はい、分かりました。」

「了解。」

 こうして、二人は飲み物を取りに向かった。

「あ。」

 と思ったら、桐谷先輩は足を止め、こちらに向き直した。

「飲み物のリクエストとかありますか?」

 と、桐谷先輩が聞いてきた。と言われましても、何の飲み物があるのか知らないのですが。

「私はお茶ね。」

「俺はビー…、じゃなくってお茶で。」

「優君は何にするの?」

「…それでは、お茶で。」

「分かりました。それでは橘先輩、一緒に行きましょう。」

「ああ。」

 とりあえず、菊池先輩と同じものを頼んでおくことにしました。ま、後で取りにいけばいいことです。

「ごめんね、優君。できれば飲み物だけでも教えておけばよかったわ。」

「別に、飲み物一つでどうこう言いませんよ。」

 飲み物一つで愚痴をこぼすほど、私はそんな思考を所持していません。

「ほんと、優は天使みたいに優しいよな。」

「優君、マジ天使!ありがとう!」

「もう。抱き着かないで下さいよ。」

 ですが、不思議とそこまで嫌悪感はありません。それに今回は、私のためにここまでしてくれているので、私がわがままになるのはおかしいことでしょう。

 飲み物が無事についた。となると、これから乾杯の音頭を誰かがとるわけですか。一体誰が…、

「それじゃあ今日は、優君の偉大な貢献に、かんぱ~い!」

「「「かんぱ~い!!!」」」

 そういい、先輩方4人はグラスをぶつけ合う。

「ほら優君も。」

 私がグラスをぶつけていないことに気付いたのか、私の近くにわざわざグラスを向かわせてくれた。もしかしなくとも、私のことを気遣っての行動、ですよね。ありがたいです。

「か、乾杯。」

 私がグラスをテーブル中央にもっていくと、

「「「「乾杯♪♪♪♪」」」」

 全員、私のグラスと接触してくれた。4回衝撃が来たにもかかわらず、自身の手にあまり振動が来ませんでしたね。そこもおそらく、私を気遣っての行動、なのでしょう。本当、私の周りには素敵な大人の方が多いです。

「それじゃあ先に私達3人で取りに行ってくるわ。少し時間がかかるけど、いいかしら?」

と、菊池先輩が桐谷先輩、橘先輩に話を振る。

「あ、はい。もちろん構いません。」

「ゆっくり、選んできてください。」

「ありがとう。それじゃあ優君、酒豪馬鹿、行くわよ。」

「あ、はい。」

「・・・え?もしかしなくとも、酒豪馬鹿って俺のことか?おい!」

「うるさいわよ。」

「…すみません。」

 こうして、私、菊池先輩、工藤先輩はテーブルを一時離れた。残った二人はというと、

((工藤先輩・・・。))

 工藤に同情の視線を送った後、

「それにしても優さんのあの演奏、凄かったですよね。」

「だな。あれで初心者とか、とても思えん。」

 二人で優の話を始めた。今回のメインとなる話題、優の演奏についての感想を言い合い、雑談を交わしていく。


「あの、本当に私達だけ先に取りに行ってよかったのでしょうか?」

 桐谷先輩、橘先輩になんだか申し訳ない気持ちが募ってしまいます。

「別にいいのよ。先に一人帰らせればいいだけだし。」

「?」

 どういう意味でしょう?

「さて、着いたわ。」

「着いたって、どこ、に…?」

 私の目の前には、あるショーケースがずらりと並んでいた。もちろん、空のショーケースがただ置かれているのではなく、ショーケースの中にはあるものがあり、そのあるものとは、

「これって、もしかして…?」

「そ、アイスよ。」

「これ、全部が、ですか?」

 見たところ、ショーケースが5,6あります。一つのショーケースに10種類のアイスがると仮定しても…50種類は最低でもあるってことですか!?なんて…なんて天国なのですか!!??もしかしてこれが、私のお礼、ということなのでしょうか?だとしたら、菊池先輩、工藤先輩。こんな素敵なお礼をしてくださりありがとうございます!

「これって、食べ放題ですよね?」

「ええ。この松の札は持っているわよね?」

「はい!」

 菊池先輩に言われたので、きちんと持ってきています。

「なら、ここにあるアイス、全種類食べ放題よ。」

「!?」

 何ですって!?なんて、なんて幸せな場所なのでしょう!ここにあるアイス、全て食べ放題だとは!

「では、行ってきますね!」

「え、ええ。行ってらっしゃ…、」

 私は菊池先輩に一声かけ、お盆を持って、全ショーケースを見てまわる。

「王道のバニラ、ストロベリー、チョコレートはもちろんのこと、ヨーグルトに…こ、これは!?」

 某乳酸菌飲料が元となっているアイスまで!なんて、なんて素晴らしいのでしょう!

「このケーキゾーン?というのは一体…?」

 ケーキゾーンと記されているショーケースを見てみると、ショートケーキ味、チョコレートケーキ味、ティラミス味、ベイクドチーズケーキ味と並んでいる。

「まさか、このショーケースにある味のモデルって、全てケーキ!?」

 となると、

「この隣の飲み物ゾーンは!?野菜ゾーンも!果物ゾーンも!」

 すごい!本当にすごいです!!

「…案の定、ああなったな。」

「ええ。アイスのことになると時々、周りが見えなくなるわよね。」

「ま、優にも子供っぽさはあるってことだな。」

 一方で、優の興奮した姿に子供っぽさを覚える二人がいた。優についてきた菊池と工藤である。

「あの時の優は、何をするか分からないから、俺が見とくよ。」

「それは別にいいわよ。あんたが先に料理取って、席に戻っておいて。」

「…いいのか?あの様子じゃ優、しばらくショーケースから離れないぞ?」

「別にいいわ。優君のあんな姿が見られて私も幸せだし♪」

「…あ、そう。それじゃあ俺は先に料理を取って、席に戻るわ。」

「はいはい。行った、行った。」

 工藤は最後に、

「野菜ゾーンでは、カボチャ味にキュウリ味、それに大根味まで!?しゅ、種類が豊富です!」

 こんな優の発言に、

(カボチャ味はまだしも、キュウリ味に大根味って…。)

 工藤はちょっと不安感を覚えつつ、自身の食べたい料理を探すため、アイスゾーンを離れる。その工藤の背には、

「ミカン味にリンゴ味、ナシ味にライチ味にライム味まで!?」

 優の驚く声が存在した。


「ただいま。」

「あ、おかえりなさい。」

「お疲れ様です。」

 工藤の帰還に、二人は挨拶を交わす。二人は工藤だけの帰還に少し気を乱したが、できるだけ気にしないようにした。

「おう。…てか橘。これは仕事じゃないから、お疲れさまじゃないだろう。」

「あ、すみません。」

 工藤の指摘に、橘は気まずそうに自身の頭を触る。

「まぁ気にするな。それより俺が来たから、二人も行ってきていいぞ。」

「それじゃあお言葉に甘えさせていただきますね。」

「…優と菊池先輩はどこにいますか?」

 ここで橘は気になっていたことを聞く。それもそのはず。三人で行ったはずなのに、帰ってきたのは一人だけだったのだ。気にもなるだろう。

「優と菊池、か。優は今、アイスゾーンで瞳を輝かせているぞ。菊池はその優の付き添い。」

「「あー・・・。」」

 工藤の言い分に、二人はすぐに納得した。桐谷も橘も、優がアイス好きだと、これまでの生活で分かっているためだ。それも、狂気的に、である。

「だからお前らは気にせず好きなもの取ってこい。」

「はい。」

「それじゃあ荷物、よろしくお願いします。」

「はいよ。」

 こうして、桐谷と橘は退席し、

「それで橘先輩。さっきの話の続きですけど…、」

「ああ。俺的にはやっぱ、主人公の…、」

 バイキングを楽しみつつ、二人だけのラノベ談議を続行する。

 時間が十分近く経過し、ようやくテーブルに全員が着席した。

「それじゃあ食べるか。」

「「「「はい!!!!」」」」

 工藤の一声を皮切りに、みんな、それぞれ取ってきた料理を各自いただく。

「う~ん。この魚のムニエル、美味しいです。」

「どれどれ…確かに、これは美味しいわ。取っておいてよかったわ。」

 桐谷と菊池は野菜、肉、魚等バランスよくとり、

「・・・♪」

 橘はから揚げにハンバーグと、肉料理中心にとり、

「あ~あ。これで酒が飲めれば最高なんだけどな。」

 工藤は枝豆、ちくわにスルメ等、酒のおつまみに合いそうな料理中心にとり、

「あ~♪こんなに大量のアイスがいっぺんに食べられるなんて、幸せですぅ~♪」

 優は、自身の皿いっぱいに、アイスを乗せ、幸せそうに食べていた。そのアイスの量は、

(優さん。アイス、好き過ぎませんか?)

(…これって夕飯だよな?おやつ、じゃないよな?俺、間違っていないよな?)

(あの量を目の前にして、あんなに幸せそうな顔になるとか、優のアイス好きもここまでくるとすごみを感じるな。)

(優君…。)

 この場にいる大人全員が引くほどであった。優が大好きな菊池も、優の異常な皿の状態に少し引いてしまうほどである。

「橘先輩は肉料理好きなんですか?」

「ああ。肉のジューシーな感じとか好きかな。そういう桐谷は、何が好きなんだ?」

「私、ですか?そうですね。今日は結構とっちゃいましたけど、やっぱり、カロリー控えめの食材とかが好きですね。」

「…こんにゃくとか、ところてんとか?」

「そうです。菊池先輩はどうですか?」

「私?私は、優君が作ってくれた料理が一番好きね。」

「な、なるほど。」

 菊池の一言により、会話が終了してしまった。

「く、工藤先輩は、好きな食べ物とかあります?」

 ここで橘は助け舟をだし、工藤に好きな食べ物を聞く。

「そうだな~・・・。やっぱ酒と酒のつまみだな。…これ、前にも言った気がするな。」

「確か、俺が入社してきた時の自己紹介で言っていたと思います。」

「…ああ。そういえば言っていたな。」

 そんな話を、大人達は一往復目によそった料理を食べながら話し続ける。その間、

「あぁ~♪野菜ゾーンのアイスも美味しかったですが、やっぱり肉ゾーンのアイスも素晴らしいです!このジューシーさをアイスで再現できるなんて、日本のアイス技術は革新的で安心です♪」

 優は、二往復目によそった、肉ゾーンのアイスを食べていた。

「この鶏肉味のアイスはさっぱりしているのに、牛肉味のアイスは、コクがあって深い味わいになっています。それに、このマグロの赤身味、というのも美味しそうです♪」

 近くにある大量のアイスを大人達が見て、

((((何を目的にそんな味のアイスを製作したのだろう????))))

 徹底的に異をてらうアイスの数々と、それらを喜々として食べる子供の姿に、畏怖の念を覚えていた。

 結局、大人達が3往復目に突入するまで、全員、食事の手を緩めず、口に食物を運び続けた。

 

 三十分ほど経過し、

「…ふぅ~。結構食べました~。」

「お、もういらないのか?」

「そうですね。後はゆっくり食べようと思います。」

「俺もそうするか。」

 桐谷と工藤は、箸の一旦おく。

「橘はどうだ?」

「…俺も結構満腹です。」

「ならよかった。」

 橘もかなり食したらしく、箸の動きスピードが格段に落ちる。

「さてと、」

 工藤は横を見てみる。そこには、

「あ~♪ケーキゾーンのアイスもとても美味しいです~♪」

「嬉しそうにアイスを食べる優君、素敵♪」

 あれから三十分。ずっと、ずっとアイスを食べ続けている見た目幼稚園児の小学生と、その食べるさまを見てニコニコしている大人の女性がいた。その光景に、

「はぁ。」

 工藤はため息をつく。それもそのはず。アイスを食べ続けている見た目幼稚園児の小学生、優はあれからもずっとアイスを食べ続けていたのだ。野菜ゾーン、肉ゾーン、ご飯ゾーン、飲み物ゾーン、果物ゾーン、そしてデザートゾーンと、全ゾーンのアイスを制覇しようとしていた。1つのゾーンに20種類のアイスが存在するとして、優は総計120種類のアイスをこの30分で食したことになる。運ぶ時間を考慮しなければ、1分で4種類のアイスを食べたことになる。なにより、

「…おい。あの子供、あの野菜ゾーンのアイスを手に取ったぞ。」

「まじか!?あの、ほとんど誰も手に取ろうともしないあのアイス達を!?」

 この店の従業員が、優の行動に驚くほどである。肝心の優はというと、

「♪~♪♪~~♪♪♪」

 ご機嫌がとてもよく、笑顔でアイスをとっていた。本来、アイスを食べ過ぎると腹を下す可能性があるため、こういう場合は、菊池と工藤のどちらかが止めに入るのだが、

(優のやつ、楽しそうに食べているな。さすがにこのタイミングで止めさせるのは、な。)

(やっぱり優君は、笑顔が一番ね~♪)

 二人とも、止めに入らなかった。菊池に至っては、止める、という考えに至ってすらいない。

「これが最後の、レアチーズケーキ味のアイス。」

 そして優は、120種類目のアイスを口内に運び入れ、

「ふぅ~。どれもこれも、食べ応えのある、実に有意義な時間でした。」

 優は口を拭き、口元をきれいにする。

「「「「・・・。」」」」

「?どうしましたか、みなさん?」

「え?いえ、なんでも、ありませんよ?」

 桐谷は、語尾があがるような返事をし、

「な、なんでもない。」

 橘は、精神が不安定な子供のように挙動不審になり、

「…ま、たくさん食べられてよかったな。」

 工藤は作り笑みを浮かべ、

「優君。す、すごいわね。」

 菊池は驚きの表情を隠せていなかった。

「?さて、後はゆっくり、」

 落ち着くのか、と、誰もが思った。

「アイスを食べますか。」

 優はまた、足をアイスのショーケースに向ける。そしてこの瞬間、誰もが優に、心の中で突っ込む。

((((まだ食うの!!!!????))))

 と。そして優は再びアイスを取りに行き、戻ってみると、

「おかえりー。」

 大人達は話をしていた。

「はい。ところでみなさんは一体、何の話をしているのですか?」

「優君の演奏についてよ!」

 食べ放題の時はまだまだ続く。


「私の演奏、ですか?」

 私は席に着きながら話を聞く。

「はい!今週その動画を見てみたんですけど、とにかくすごかったです!」

 と、桐谷先輩が褒めてくださり、

「だな。俺が小6の頃なんか、ずっとゲームしていたからな。少なくとも、優は俺よりすごいと思う。」

 橘先輩からも褒められ、

「練習している時も、ずっと毛利、プロのアドバイスを吸収し続けていたからな。」

 工藤先輩にも褒められ、

「優君の演奏はもちろんのこと、演奏する姿も妖艶というか美麗というか、とにかく素敵だったわ~♪」

 菊池先輩にも褒められ、結果として、全員に褒められてしまいました。なんだかとっても恥ずかしいです。

「いえ。そんなことありませんよ。みなさんも練習すればきっと…、」

「「「それはない。」」」

「え?」

 何故即答できるのでしょうか?

「私は、優君の素敵な応援があれば、何でも出来るわ。」

 …そして、菊池先輩は相変わらずの菊池先輩であった。私の応援で何でも出来るなんて、言い過ぎではないのでは?ですが菊池先輩のことです。きっと持ち前の器量でどうにかしてしまうことでしょう。仕事のスピードも尋常じゃないですしね。

「私、あの演奏聞いて感動したんです!職場なのに思わず泣きそうになってしまいましたよ。」

「確かに。こう…心にくる演奏だった。」

「うん。橘の言う通り、優の演奏は俺らの心に響いたいい演奏だった。」

「当ったり前よ!何せ、優君の演奏よ!感動しない愚か者なんてこの地球には存在しないわ!」

「そんなことは絶対にないです。」

 そこまで誇張しないでください。ですが、先輩方には届いたのですか。それなら今回の演奏に向けて、頑張ったかいがありました。

「ただ、日ごろお世話になっている先輩方に、どんな形でもいいから恩返ししようと頑張った結果です。」

 寝ずにイメージトレーニングしたかいがありました。努力を欠かさず行ってよかったと、今なら心底思えます。私の演奏が、先輩方を幸せにさせていたのであれば、私はもう充分です。

「…ん?みなさん、何故にやけているのですか?」

 何故でしょう?さきほどの発言から、みなさんの顔が若干緩んでいるような、そんな感じがします。気のせい、でしょうか?

「「「「別にー。」」」」

「・・・?」

 別に、と言いつつ、さらににやけて見えるのは、私の気のせいでしょうか?

 ・・・。

 ま、気にしないでおきましょう。あ。アイスが無くなってしまいましたん。まだ時間もあるみたいですし、

「ちょっと、アイス取ってきますね。」

 私はそう言い、菊池先輩にどいてもらい、アイスを取りに行く。

「…え?もしかしなくとも優、まだアイスを食べるつもり、なのか?」

「?そのつもりですが?」

 まさか、アイスを食べる量に制限がかかっているのでしょうか?…そんなことはないでしょう。なにせここは食べ放題のお店。残すことは問題になると思いますが、残さなければいいだけの話のはず。もしかして、私がこの、食べることによって慈しみを育むことができるこの食べ物を、慈愛の心を大きくさせるこの食べ物、アイスを残すと思っているのですか!?そんなことあり得ません!

「大丈夫です!絶対に食べきれるので!!」

 私は先輩方に力強く言い、アイスゾーンへと向かった。

 だが、それと同時に、大人達はこう思ったことだろう。

(((あんだけ食っておいてまだ食えるの!!!???)))

 そして、

(優君、お腹を下さないか心配だわ。)

 優のことを溺愛し、知り尽くしている菊池でさえ、心配するのであった。

「それにしても優さん、本当に何でも出来ますよね。」

「確かに。仕事にピアノ。それに勉強も、だしな。」

「優さんに欠点なんてないんじゃないですか?」

「?あるわよ、欠点。」

「「「え???」」」

 桐谷と橘の会話に混ざり、菊池は発言する。その発言内容に、桐谷と橘だけでなく、工藤も驚愕する。

「え?ほ、本当ですか?」

「ええ。みんな知っているはずよ。」

「・・・あ。」

 ここで工藤は気づいたらしく、スッキリした顔を顔面に浮かべる。

「ね?」

「なるほど。確かに、優にも欠点はあったな。」

「?優さんの欠点って結局なんなんですか?」

「…もしかして、身長、ですか?」

 恐る恐る発言した橘に、

「正解よ。」

 菊池ははっきりと答える。その瞬間、

「「あー。」」

 桐谷と橘は納得したのか、向かい合っている菊池、工藤にも聞こえるくらいの声が漏れ出て、

「・・・。」

 工藤は既に分かっていたため、首をワンセットだけ上下に振る。

 そんな中、

「ま、それだけじゃないんだけどね。」

 菊池がひそりと言う。その声は誰にも届かず、

「…なぁ?優の奴、何か店員と話していないか?」

「そう、ですね?何を話しているのでしょう?」

「全種類のアイスを制覇したから、何かしらの特典をもらっている、とか?」

「ははは。そんなまさか。…まさか、な?」

 桐谷達の会話にかき消される。

 そして、噂されている当の本人はというと、

「あ、あの!今度出そうと思っている新フレーバーのアイスなんですけど、よかったら味見してみませんか!?」

「え?これ、食べてもよいのですか?見たところ、どのショーケースにも入っていない味みたいですけど?」

「えーっと・・・。お客様はさきほど、全種類のアイスを飲食なさいましたよね?」

「は、はい。」

「その特典として、このまだ店舗に並んでいない新フレーバーのアイスを試食する権利をさしあげようかと思い、まして…。」

「…そういうことであれば、喜んで試食させていただきます!」

 工藤が言っていた通りの事態になり、優は再び、満面の笑みを浮かべながら新フレーバーのアイスを試食し、

「…それで、この新フレーバーのアイスはいかがでしたでしょうか?」

「そうですね。この味は…。」

 店員に味の感想を伝える。こうして優にとって、常に笑顔蔓延る素敵なひと時をおくることとなった。


 帰りの車内。

「今日は二人とも悪かったな。急な誘いに付き合ってくれて。」

「い、いえ!おかげで色んな話を聞けましたし、充実した時間を過ごせました。優さんもですけど、菊池先輩も大変だったんですね。」

「…え?私?」

 まさか振られると思っていなかったのか、急に話の矛先を振られ、菊池の心にさざなみが立ち始める。

「そうです。8月の時の川田先輩との対決、この目で見てみたかったです。」

「あれね。あれは余裕でぶっ潰して、私の圧勝だったわ。」

「そ、そうだったんですか。」

 菊池から戦果を聞き、改めて菊池の凄さを認識しなおす桐谷。

(やっぱ、菊池先輩って凄いんだな。)

 無言で菊池の凄さを再認識する橘。

「はぁ~。帰ったら酒をたらふく飲もう。」

 酒が今も飲みたくて仕方がない工藤。

「うふふ♪よっぽど満足出来たのかしら。食後に寝るなんて♪」

 優の寝顔を満面以上の笑みで見つめ続ける菊池。

「zzz。」

 菊池の胸を借り、今までにないくらい幸せな笑みを浮かべながら眠る優。

 異なる思いを胸に秘めて車内を過ごす。

「…本当に駅前まででいいのか?自宅まで送るぞ?」

「いえ。先輩にそこまで気を遣わせるわけにはいきませんよ。むしろ、ここまで送ってもらってありがとうございます。」

「ありがとうございました。」

 駅前。桐谷と橘は車を降りる。

「優さん。今回は素晴らしい演奏を聴かせていただき、ありがとうございました。」

「優。今回の演奏は…ただ、ただ凄かった。俺が言えることはそれだけだ。」

 そう言うと、

「…ありがとう、ございます…。」

「「「「!!!!????」」」」

 優は拙さが残った返事をする。一瞬、4人の大人は驚くが、

「ほんと。優さんはいい子ですね。」

「だな。」

「そうでしょ!?やっぱり優君は宇宙一いい子だもんね!」

「そんなに声を張り上げると優が起きるぞ。」

 工藤の冷静な突っ込みに、

「そうね。」

 淡白に返し、落ち着きを取り戻す。

「それでは、菊池先輩、工藤先輩、お休みなさい。」

「お休みなさい。それと、今日はありがとうございました。」

そして、桐谷と橘は駅内へと入る。


「さて、俺達も帰るか。」

「ええ。」

 2人の背中を見て、工藤は再び車を走らせる。

「…優君。これで少しはあのこと、気にしないもらえると嬉しいんだけど、大丈夫かしら?」

 菊池が気にしていたのは、コンクールが終わった後のあの発言、

“…あんな演奏するくらいなら、強姦魔に犯されろっての。”

 その発言を聞いた優の心の状態を心配したのだ。菊池は気づいていた。優が自身のせいで、あの事件で被害者が出てしまった、と考えていることに。自身がもっとしっかりしていれば、慈善の心を持っていれば、あの事件は未然に、完璧に防ぐことが出来たのではないのかと。菊池や工藤は、そんなことは絶対にないと断定しているが、優の心境は、人の心はそう簡単に変えられない。だから菊池は優のメンタルを気にしているのだ。優には常に笑顔でいてほしい。それが優に対しての菊池の願い、なのだから。

「…大丈夫だろ?」

「なんでそんなあっけらかんと…!」

「俺は、お前がどのことに対して言っているのかは分からんが、大丈夫だ。大丈夫ならそれでいいし、大丈夫じゃなければ、俺達が大丈夫にさせればいい。だから、大丈夫だ。」

「…ありがと。」

 優を心配しつつ、工藤には普段かけない感謝の言葉を述べる。

「おう。」

 工藤はその言葉に、素直に答えた。その後、二人は社員寮までただただ無言を貫き通した。


 一方、

「優さん、凄い食べっぷりでしたね。」

「だな。まさかあそこのアイス、全種類制覇するとはな。」

 桐谷と橘は帰るため、電車に乗っていた。本来、いつもなら既に家にいる時間である。なので、少し違和感を覚えているが、嫌悪感はなかった。

「橘先輩って、結構肉料理が好きなんですね。」

 桐谷は橘の皿の上にのっていた料理の数々を思い出しながら指摘する。

「まぁな。唐揚げやコロッケ、ハンバーグも好きだな。そういえば桐谷はバランスよく食べていたな。」

 橘は自身の食べた料理を思い出しつつ、桐谷が食べていた料理を思い出す。

「そうですね。少しでも偏った食事をするとその…体重が…気になってしまって。」

 桐谷は自身のお腹に焦点を置いてしまう。

「?そうか?太っているようには見えないんだが?」

 橘は桐谷の腹に目を向けるが、女性のお腹を堂々と見るのはどうかと思い、すぐに目を逸らす。

「…こう見えて、結構やばいかもです。後で運動しないと、です。」

「…良かったら手伝おうか?」

 橘は一瞬、夜の運動かと思ったが、自身の愚かな考えを捨て、桐谷の話に再び耳を傾ける。

「!?い、いいの…ですか?」

「構わない。俺も少しは運動しないと、だし。」

 今度は自身の腹を見て、自身の身体的評価をつける。

(このままだと危ないな。)

 橘の主観で判断すると、少し危ないらしい。

「橘先輩こそ、運動する必要なんてなさそうなんですけど?」

「確かに健康は健康だが、優の飯が美味くて、それで食べ過ぎて、な。」

「それ、すっごい分かります。それじゃあ一緒に運動、頑張りましょう?」

「だな。」

 こうして、二人は運動をする約束を交わし、それぞれの帰路へと足を向けた。

次回予告

『小さな会社員の降誕祭料理検討生活』

 早乙女優は来月にあるクリスマスに向けて、クリスマスに出す料理について検討するため、近くの大型商業施設に足を運び、どのようなクリスマス料理を作るか悩んでいた。同日、同級生の子が来ているとも知らずに。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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