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小学生達の自由研究案発案生活

 8月。

 それは暑い日が多く、暑さが苦手な人にとって、最も生活しづらい月となることでしょう。そんな8月になったばかりの週末。私は、

「・・・。」

 学校から出された課題をこなしていた。もちろん、課題の内容自体はそれほど難しくないし、量もそれほどではない。何日も夜通ししてようやくあと数ページまで、というところまできたのだ。

「・・・ふぅ。」

 これで夏休みの宿題は終わった、かな?一応確認しておきましょう。…うん、大丈夫みたいですね。これでやっと、

「あ、そういえば今日が約束の日、でしたね。」

 日が昇り始めて数時間経過し、生活リズムを崩していない人ならば朝食を食べ始める時間に、私は手帳を見て、今日のスケジュールを確認する。ついでに昨日漬けておいたきゅうりを朝食のおかずにしましょう。後は、

「あ、そろそろ共同リビングに行きますか。」

 私は自室を出て、共同リビングに向かう。


「あ。おっはよ~。愛しの優君♪」

「朝早くにおはようございます、菊池先輩。」

 休日にも関わらず、こんな朝早くに起きてくるなんて、菊池先輩の生活リズムは正しいようですね。

「それでは、朝食の準備をしましょうか?」

「ええ。今日は何にするの?」

「今日はきゅうりの漬物と味噌汁、人参のキンピラ、ですかね。」

「うんうん♪とってもヘルシーで素敵だと思うわ。」

「ありがとうございます。それでは用意して、一緒に食べましょうか?」

「ええ。」

 こうして、私と菊池先輩は2人で朝食を食べ、私は寮を出る。もちろん、起きてくるかもしれない工藤先輩の分の朝食を用意しておきました。今日は珍しく起きてこなかったみたいですけど、何かあったのでしょうか?少し心配です。


 そんなことを考えながら歩いていると、あっという間に学校前に到着した。学校前には、

「…それでねー。」

「うんうん。だったら…。」

 とある二人が話をしていた。私は静かに近づき、

(急に声をかけたら驚いてしまうだろうし、話が終わるまで待っていましょう。)

 静かに本を開き、読むことにした。

 待つこと数分。

「あ、洋子ちゃん!綾ちゃん!」

「おう。三人とも来ていたのか。」

 どうやら残りの二人も来たようですね。

「「え??」」

 ここで、桜井さんと風間さんはこっちを見るなり、

「「うわ!!??」」

 二人は驚き、数歩下がった。

「さ、早乙女君いたの!?」

「もう!いたなら声をかけなさいよ!びっくりしちゃったじゃない!」

「え?す、すいません…。」

 私自身、楽しそうに話をしている二人を邪魔しないよう配慮したつもりだったことだが、そのことがどうやら裏目にでてしまったらしい。今度からは声をかけるようにしましょう。

「いや。そこまで気にしなくていいわよ…。」

「うん。私も気付かずにごめんね?」

「いえ。今度から気を付けますので。」

「?どうした?」

「何かあったの?」

「ううん。なんでも。」

「そうね。とにかく、全員集まった事だし、行きましょうか?」

 と、風間さんがこの場を動こうとする。

「そうね。それじゃあ行こう!」

 そして、桜井さんも風間さんに付いて行くように足を動かしていく。

「そういえば、どこに行くんだ?」

「え?子の人数で話し合う場所といえば、あそこでしょ?」

「…あ、そうか!」

「ね?あそこなら資料もたくさんあるし、調べものも出来るし、一石二鳥でしょ?」

「…そこってどこなんだ?」

 私も同意見です。この人数が話し合いをしても迷惑にならない場所。

(どこかの会議室でも借りているのでしょうか?)

 ですが、会議室には資料となる書物はあまり置かれていませんし。調べものならネットを使えばいいはず。う~ん・・・。一体、私はどこに向かっているのでしょう?そんな疑問を持ちつつ、4人の後を追うように歩いて行った。


 歩いて約十分。

「なるほど。確かにここなら多少騒いでも問題なさそうですし、資料もたくさんありますね。」

「でしょ?」

 着いた場所は図書館。それも、大きな部屋に着いた。どうやら事前に風間さんが予約していてくれたらしく、私達はこの部屋を数時間、使うことが出来るみたいだ。

「さて。それじゃあまず、自由研究について話をしようと思うけど、いいかしら?」

「「「うん!!!」」」

「はい。」

 そうですね。この集まりは元々、自由研究に何をするか話し合うためのものですからね。それにしても、自由研究、ですか。具体的に何をすればいいのか考えどころですね。私としては日々、料理がどのように美味しくなるのか、またはどんな風に掃除をすれば綺麗になるのかを研究していますが、それとは別方向から研究を行うのでしょう。これは周りの意見を聞き、是非とも参考にしておきたいところですね。

「まずは自由研究の課題なんだけど…早乙女君は何かある?」

「・・・え?わ、私ですか?」

 正直、他の人がどんなものを研究しているのか知ってから考えようと思ったのですが。

「うん。私達じゃいいものが思い浮かばなくて…。」

 と、下を俯く4人。私だって困るのですが…。

「私も、こういった課題は初めてですので、どういったものを研究すればよいものか…。」

「そ、そうなの?」

「はい。解析は色々やってきたのですが…。」

「か、解析?」

「いえ。何でもありません。」

「「「「「・・・。」」」」」

 桜井さん、風間さんとの対話で空気が重くなってしまった。だけど、本当に困っている。大学では、ある学問を追及する、と聞いたことはありますが、得意な学問はこれといってありませんし、研究したいという意欲も沸きません。せめて、日常生活に役立ちそうなものでしたらいけそうな気がするのですが。例えば…、

「だ、だったらさ!け、ケーキとか、いいんじゃない!?」

 不意に女の子が話しかけてきた。

「え?け、ケーキ、ですか?」

 自由研究でケーキの研究をしてよいのでしょうか。いや、自由、とついているくらいです。何を研究していても文句は言われないのでしょう。だから、ケーキを研究する、ということですか。

「うわ!?もう~。真紀ちゃん、急に声あげないでよ!」

「ご、ごめん。でもさ、やっぱりケーキにしてほしいというかなんというか…。」

「…ま、どうせ聞くつもりだったからいいけど。」

「だよね!」

「それで早乙女君。ケーキは作れるの?」

「…作れますよ。」

 なんか、話が急に変わりましたね。もしかして、先ほどの話は、ケーキを除いて、どんなことを自由研究のテーマにするか、ということを考えていたのでしょうか。それにしても、どうしてケーキを自由研究の対象にしたのでしょう?偶然、でしょうか?

「「「「ほんと!!!!????」」」」

「!?ほ、本当です。」

 急に4人が身を乗り出してきたので驚いてしまいました。何故こんなに食いつくのでしょうか。

「それじゃあさ、自由研究に向いているようなケーキとか、ないかな?」

「と、言われましても…。」

 自由研究に向いているケーキ、ですか。答えを探し出すのが難しそうです。

「なら、お前がこれまで作ってきたケーキの中で一番凄いと思ったケーキってなんだ?」

「少し、待ってください。」

 私は男の子の言葉を受け、これまでの人生から、自分が良かったと思うケーキを探す。

 ・・・。

「あ!そういえばさ、うち、今月限定の新作ケーキが完成したんだ!後でうちのところに寄って買おうよ!」

「今月限定のケーキ!?食べたい!」

「そうね。帰りに買いに行きましょう。」

「うん!」

「俺はまだいいや。」

 …もしかして、真紀ちゃん、という方の家が、ケーキに関するお店、ケーキ屋とか甘味処とか、そういった類の店を切り盛りしているのでしょうか。いわゆる、自営業、というやつですね。なるほど、だから自由研究の研究対象にケーキが上がったわけですか。納得です。

 て、今はそんなことより集中です。

 ・・・。

「…経費も手間も度外視したものでよろしければ、一つありますよ?」

 私は心当たりがあるそのケーキを思い浮かべながら言う。

「…つまり、金も時間もかかるが、お前が一番凄いと思えるケーキが作れる、ということでいいのか?」

「…正確には、見た目が、です。味は絶品、とは言えませんが、美味しいと思いますよ?」

 確かあのケーキは、おめでたい日に作っていたはず。それに合わせるよう、見た目を凝りに凝ったのでしたっけ?味は…見た目を追及し過ぎてあまり覚えていません。不味くはなかったはずです。

「ねぇ?それってどんなケーキ?私にも作れる?」

「え?」

 私はこの…真紀ちゃん、と呼ばれた方の料理の腕を知らないのですが。

「ある程度料理慣れしている方と一緒に料理すれば大丈夫かと。」

 あのケーキを作ったとき、途中からだったけど、菊池先輩も一緒に作ってくれたからね。おかげでかなり制作時間を短縮出来ましたし。一人ですと…丸一日?くらいかかりそうです。ですがそれは…、

「そう。なら、早乙女君と一緒に作れば大丈夫よね!」

「え?」

「…え?違うの?」

「…親御さんと一緒に作られた方がよろしいかと…。」

 私は、料理の腕はある程度ある、と思っている。それは、菊池先輩が鍛えてくれたからに他ならない。だが、それはある程度での話である。自営業、ましてや本職の方々より美味しいケーキを作ることが出来る、なんて断言できるわけないし、事実として存在しないでしょう。

「う~ん…。うちの親、結構忙しいから、無理だと思う。」

「そ、そうでしたか。」

 やはり、自営業は年中無休、とまではいかなくとも、公務員や会社員より働いている日数は多そうです。それに、お祝いごとに休日なんて関係ないわけですから、精神的にもつらい一面はあるのかもしれません。

「だからさ、早乙女君と一緒に作りたいなって、ダメかな?」

「…スケジュールが合えば構いませんよ?」

「「「「ほんと!!!!????」」」」

 とは言っても、あのお手製料理本を見ないと何も言えません。

「…大丈夫、かと。」

 それにしても、何度も4人が声を合わせるって凄いことですよね?

「それじゃあ後は…。」

「ええ。次はどこで会うか。それと、」

「どこで作るか、よね?」

「それならうってつけの場所があるじゃん?」

「え?それって…まさか!?」

「そ。神田の家で作ればそれでよくね?」

「わ、私の家で!?む、無理よ!?」

「う~ん…。確かに営業中は無理かもだけど、休日なら、てことはないかしら?」

「休日。ちょっと後で聞いてみるよ。」

「真紀ちゃん、よろしくね。」

「うん、任せて。後は…。」

 ここで4人は私を見る。

「肝心のケーキとその材料だが、ここは五等分して…。」

「いえ。材料費は全額負担しますよ。」

 あのケーキ、結構材料費がかさむうえ、かなりの金額になったはず。となれば、ここは割り勘ではなく、私が全額負担することで…、

「そんなのダメだよ!きちんと五人でやらなくちゃそんなの、ダメだよ!」

「…そうね。全部早乙女君に任せちゃダメよね。私は綾の意見に賛成よ。」

「私も!」

「俺も同感だ。」

 …まさか、ここで断られるとは思いませんでした。ですが、

「…分かりました。」

 妙に納得してしまいました。理由の一つも言わなかったのに、何故か、桜井さんの方が正しいと思えてしまいました。何故、でしょうか?

 ・・・。

 ま、後でわかるでしょう。

「よし。これで後は今後の計画か。」

「そうね。真紀ちゃんが親に聞いてきてくれないとどうしようもないし、次に集まるのはいつにしよっか?綾は何かある?」

「う~ん…。真紀ちゃんがいつ空いているかによると思う。私達ならいつでも大丈夫だし。」

「一人を除いて、だけどな。」

 ここでまたしても4人は私を見る。確かに最近はかなり忙しいですが、みなさんはそんなに暇なのでしょうか。やることはたくさんあると思うのですが。

「私は来週からある盆休みまでの平日は基本的に空いていません。なので、次に集まるとしたら来週の休日、もしくは明日ですね。」

 とは言っても、明日までに、あのケーキに必要な材料を全て揃えることは無理なので、ケーキを作るのは早くとも来週になりそうです。

「明日、か。神田はそれでいいか?」

「休日に使えるかどうか聞くだけなら、大丈夫だと思う。」

「なら、決まりだな。」

「ええ。」

「うん!」

「あ、早乙女君はケーキのレシピとか材料とかをメモして持ってきてくれる?」

「分かりました。」

 ケーキを作るのに必要な場を用意してくれるのであれば十分です。

「明日、また学校前に集合ってことで!」

「「「うん!!!」」」

「はい。」

 こうして、明日の予定も決まった。

「それじゃあまだ時間もあるし、ここで宿題をやっちゃおうか?」

「「「賛成!!!」」」

 こうして4人は事前に持ってきていたのか、夏休みの宿題をやり始めた。

 私はというと、

「・・・。」

 英単語の復習をした。

 

 勉強の時間も終わり、

「それじゃあさよなら~。」

「ええ。」

「うん!」

「おう。」

「はい。」

 5人はそれぞれ帰路につく。


「ただいまー。」

「あ、おかえりー。」

 うち、神田真紀はあれから家に帰り、綾ちゃんと洋子ちゃんに新作ケーキを買ってもらってから家の中に入る。

「さっきの子達って、あなたの同級生よね?後で感想聞いてきてね?」

「うん。それはいいよ。それでね、一つ頼みがあるんだけど、いいかな?」

「いいけど、何?」

「うん。それはね…。」

 真紀は母親に今日の経緯を話す。


「…なるほどねぇ。」

「う、うん。それでどうかな?」

「そうねぇ…。お父さんにも聞いてみないとねぇ。」

「そ、そうなんだ…。」

 お父さんとは出来るだけ話したくなかったけど。

「この店は私とお父さん、二人で何とかしたの。だから、お父さんにも話をしてみないとね。」

「うん…。」

「今日の仕事もまだ残っているから、終わってから聞いてみるといいわ。」

「分かった。ありがとう、お母さん。」

「ううん。」

 こうして私は、お父さんが暇になる時間まで待つことにした。


「ふぅ~…。やっと一息つけるぜ。」

「お疲れ、あなた。」

「おう。夕飯は?」

「出来ているわ。それより、真紀があなたに話があるそうよ?」

「…俺にか?」

「ええ。」

「…分かった。夕飯食いながらでいいよな?」

「ええ。真紀が待っているわ。」

「分かった。」

 こうして、真紀の両親はリビングへと向かう。

「あ、お父さん。」

「おう。真紀もいたのか。」

「う、うん。」

「「・・・。」」

 気まずくなってしまった二人の雰囲気を、

「そ、それじゃあ夕飯を食べようか?」

 母親は間を取り持ち、話を促していった。


「なるほどな。」

 父親は真紀の話を聞き、難しい顔をしていた。

「ダメ、かな?」

「う~ん…。確かにケーキを作ることに関しては、家は適しているけどな…。」

 父親は少し考えてから、

「あのな、真紀。いい機会だからこれを機に話すぞ?」

「う、うん。」

 その言葉とは裏腹に、

(あ~あ。こうなると思ったから聞きたくなかったんだよな~。)

 真紀は嫌な顔せず、心の中に留めておきながら父親の話を聞く。

「あれは父さんと母さん二人の努力の結晶なんだ。だから、どこの馬の骨とも分からないやつにそうそう使わせたくないんだ。分かってくれるか?」

「…うん。分かった。それじゃあ無理だって伝えておくよ。」

「ちょ!?あなた…!それは言い過ぎよ。それに、私達のうち、どっちかが見張ればいいことじゃない!」

「…それもそうだな。」

「え?」

 母親の援護に父親が賛同したことにより、真紀は驚く。

「それに、これがきっかけで真紀が真剣に家業を継いでくれるかもしれないのよ?それを思えば、ね?」

「・・・。」

 真紀本人は、ケーキ作り事態はそこまで嫌いではない。だが、両親という、最も身近で遠い存在を知りたくなかったのだ。ケーキ作りにおいて、明らかに真紀と両親との差は決定的なのだ。だから、真紀自身も自らレジに回り、ケーキ作りを避けていたのだ。

「それで、その日はいつなの?私かあなたがいるようにするからね。あなたもそれでいいでしょう?」

「…そうだな。」

「あ、ありがと。」

 真紀は厨房を使わせてありがとう、というより、両親の魂胆が丸見えになり、不安になっていた。

「それより、何を作るつもりだ?やはりケーキ、だよな?」

 父親の今更過ぎる質問であった。

「うん。何でも、早乙女君が飛びっきり凄いケーキを作ってくれるって…、」

「「飛びっきりすごいケーキ!!??」」

 そして、

「あ、あなた。確かその日は…。」

「ああ。それは後日に回そう。な~に、一日二日くらいはどうってことないだろう。それより、」

「「飛びっきりすごいケーキ!!」」

 真紀は自身の発言に、

(あ。これはもしかして…?)

 真紀が考えた通り、常に真実を追い求める探偵のような目で両親はその後話し続ける。

(それにしても、この話、さっきしていた気がするんだけどなぁ…。)

 真紀は目の前の光景を見ず、さっきの発言を思い出し、疑問点を頭に思い浮かべながら箸を動かしていった。


 そして、

「それにしても、来週はあいつらとケーキ作りか。」

 早乙女優と同じ班の男の子、太田(おおた)(きよ)()は少し憂鬱になっていた。

「ただいまー。」

「おかえり、清志。」

「おやつあるー?」

「もう少しで夕飯になるからそれまで待ちなさい。」

「はーい。」

 こうして、清志は自分の部屋に戻る。

「はぁ。それにしても、まさかこの俺がケーキ作り、ねぇ?」

 清志自身、実感は沸いていなかった。料理とは無縁の生活を送っていたからである。

 休日は大抵ゲームか友達と一緒に遊びに出掛ける。宿題もたまにやり忘れたり、友達と馬鹿なことで騒いだりと、普通の学校生活を送ってきていた。家庭科の授業も、ケーキ作りなんて無茶ぶりはせず、せいぜい調理実習でご飯とみそ汁、簡単な野菜炒めくらいである。そんな小学生にケーキを作ることが出来るのだろうか。そんな不安が清志を覆っていたわけだったが、

「ま、何とかなるだろ。さて、夕飯が出来るまでゲームでもしよっと♪この時間帯だとレアなあいつが出てくるんだよな~。」

 そう言って、自分の机からゲーム機を取り出す。

「あ。ケーキ作りだから、エプロンを用意しなくちゃ、か。」

 そんなことを思いつつ、

「お♪レアキャラ出現♪これは今すぐゲットだ!」

 夕飯までという時間の中、ゲームを思いっきり楽しむ。

 実に小学生らしい、遊戯欲にまみれた生活を過ごしていった。


「・・・ふぅ。新作ケーキ、美味しかったね、洋子♪」

「そうね。酸味は効いているけど甘みもあり、後味もくどくなく、てところかしら?」

「うん!」

 桜井綾、風間洋子も帰りに新作ケーキを買いに神田真紀の家に寄り、ケーキを複数個買い、その内の2つを手に取り、2人で食べていた。

「それにしても、見た目が凄いケーキ、か。」

「楽しみよね。あの子が一番凄いと思うケーキ。」

「うん!だってあの早乙女君が言っているんだもん!凄くないわけがないよ!」

「…随分、あの子のことを信頼しているのね。」

「だって、あの子、本当に凄いんだから。でも、」

「でも?」

「あの子はどうして、あんなに色々出来るんだろう?」

 それは、あの場にいた4人全員が思っていたことでもある。

 何故、早乙女優はあそこまで知っていて、実際に出来るのだろうか、と。

「…そういえばあの子、今年から学校に行き始めたって話だけど…、」

「それじゃあ、家のことで何かあったのかな?」

「一体、何があればあんな出来る子になるのかしら?」

「そうだね。早乙女君…。」

 こうして二人は、早乙女優の異常性を改めて認識しつつ、後日となったケーキ作りを楽しみにした。

次回予告

『小さな会社員のお盆予定吟味生活』

 8月。それはお盆の季節である。本来、多くの会社員達が休みなのだが、小さな会社員はその予定を吟味し、お盆の予定を決め、うめていく。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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