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女子中学生モデルの急病心配生活

 小さな会社員が静養している一方、ある女子中学生はというと、

「それじゃあこれで今日の分の撮影は以上です。お疲れ様でした。」

「「「ありがとうございました。」」」

 仕事をしていた。

 ある女子中学生、潮田詩織は撮影後、自身の携帯電話を見る。

「・・・。」

「詩織ちゃん?携帯見てどうしたの?」

 潮田詩織の様子を見た同年代の者達が話しかける。

「誰かの連絡を待っているんじゃない?」

「誰かって誰よ?」

「う~ん・・・。あ!もしかしてあの子じゃない?優ちゃん!」

「!?」

 潮田詩織は分かりやすい反応をする。

「あー。やっぱりそうなんだー。」

「それにしても優ちゃんの連絡先を持っていて羨ましいなー。」

「そうよね。私達の中で詩織ちゃん以外、優ちゃんの連絡先を知っている人なんていないわよ。」

「うんうん。」

「詩織ちゃんはどうやって優ちゃんの連絡先をゲットしたのー?」

「やっぱり優ちゃんの携帯を無断で拝借して・・・とか?」

「・・・それって犯罪なんじゃないの?まさかあなた・・・?」

「じょ、冗談だから!真に受けないで!!??本当、本当だからそんな目で私を見ないで―!!!」

 冗談を言った女の子は必死に冗談だと弁明する。

「それで、本当は誰からの連絡を待っているの?」

「優よ。あの子、ずっと連絡がないし、今日のリハーサルにも来なかったし。」

「確かにそうだよね。本番来週なのに大丈夫なのかな?」

 潮田詩織達は今日、来週撮影するある番組のリハーサルをしていた。

 その番組は、選ばれたモデル達がモデルのトップを決める為に行われる番組である。その選ばれた者達の中に、早乙女優は選ばれていたのである。

 その番組のリハーサルが本日行われたのだが、潮田詩織のマネージャー峰田不二子の連絡により、早乙女優は急遽休んだのだった。

「急に休むなんて、優ちゃんに何かあったのかしら?」

「誰か詳しい人、いないかなぁ?」

「!?そうよ!それよ!!」

「「「!!!???」」」

 潮田詩織が突然叫んだことにより、周囲のモデル達は驚き、目を見開く。

「ありがとう。それじゃあ私は失礼するわ。」

 潮田詩織は同業者達にお礼を言った後、その場を後にし、早乙女優の事を詳しく知っているかもしれない人物の元へ歩み始める。

「ねぇ?あなたなら何か知っているんじゃないの?」

 潮田詩織は心当たりのある人物、峰田不二子に詰め寄る。

「詩織!?きゅ、急にどうしたの!?」

 急に詰め寄ってきた潮田詩織に峰田不二子は戸惑いを隠す事が出来ない。

「とぼけないで!?優の事、何か知っているんじゃないの!?」

「・・・ごめん。私も突然連絡が来て、詳細を聞いているところなの。だから私は何も知らないわ。」

「詳細は知らないという事は、大体は何か知っているんじゃない?大体でもいいから教えて!」

 潮田詩織の切羽詰まった様子に、

(まさかこの子がここまで気にするなんて・・・。)

 峰田不二子は、潮田詩織に大切な人が出来たのだと思い、内心喜ぶ。

(でも大まかに、か・・・。)

 峰田不二子は自身の携帯を見て、先日送られてきたメールを確認する。

「・・・なんでも急病で休む、みたいよ。」

「急、病?」

「ええ。」

 潮田詩織の疑問に峰田不二子は答える。

「なんでも昨日、病気にかかったみたいで、日にちが経過しても治りそうにないから休むことに決めたそうよ。本人は大丈夫だと豪語していたらしいんだけどね。」

「・・・優、大丈夫なの?」

 潮田詩織は早乙女優を本気で心配する。

「大丈夫。なんだってあの子にはあいつが、誰よりも優ちゃんを大切に想っている人がいてくれているからね。」

「・・・そう。それならその人に伝えてほしいの。」

「?いいけど何を伝えてほしいの?」

「優の事、よろしくお願いしますって。あの子には来週、絶対出てもらうんだから。」

「だったら自分で直接連絡を入れたらいいんじゃない?確か詩織、優ちゃんの連絡先を持っていたんじゃない?」

「・・・そういえば持っていたわ。気が動転していてそこまで考えがいかなかったわ。」

「なら改めて、詩織が直接優ちゃんに連絡すればいいんじゃないかしら?私も直接あいつに連絡してみるから。」

「・・・そうね。そうしてみるわ。ありがとう。」

 潮田詩織は峰田不二子の元を去る。

(本当、大丈夫なのよね?)

 一人になった峰田不二子は改めて自身の携帯画面を見る。

(急病、ねぇ・・・。)

 そこにはこう書かれていた。


“明日のリハーサルの件だけど、優君は急病で参加出来ないからそう伝えておいて。今日は悪いわね。後の事は任せるわ。詳細は後で私から直接伝えるから、今はなんとか誤魔化しておいて。”


(本当に急病なのかしら?)

 峰田不二子は、菊池美奈から送られた連絡アプリの文言を見る。

(出来る事なら直接早乙女君に連絡をとりたいけど、急病なら簡単に出られるわけないわよね。それにあいつがこんな嘘をつくとは思えない。かといって、早乙女君みたいな子がそうそう風邪にかかるとは思えない。)

 峰田不二子はある可能性に辿り着く。

(まさか、何かに巻き込まれた、とかじゃないわよね?)

 そう考えた瞬間、峰田不二子の脳にある情報が呼び起こされる。

 その情報は、今朝見たばかりのニュースで、ある青年3人が警察署で警察官に暴行し、現行犯逮捕されたニュースである。

(確かあの警察署って・・・やっぱり!?あいつが住んでいる場所の近くじゃない!?まさか・・・まさか!!??)

 峰田不二子はふと、菊池美奈が住んでいる場所に顔を向ける。

(この事件に関わっているとか、そんなわけ、ないわよね?)


 一方、

「・・・よし。」

 一人になった潮田詩織は、今も心配している同業者、早乙女優に向けて自分の今の気持ちを文面として送る。

「これで見てくれたらいいけど・・・。」

 潮田詩織は自身の携帯を握り直す。

「今どんな状態か分からないけど、来週は絶対来なさいよ、優。」

 その想いが届くかどうかは、来週の早乙女優次第となる。

次回予告

『小さな会社員の有名番組出演準備生活』

 当日に行われるリハーサルとミーティングを終え、モデルなら誰もが一度は出演したい番組に早乙女優は出演する。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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