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中学生達の御礼電話生活

 工藤直紀達社会人が大型連休前に働いている一方、桜井綾達は何をしているのかと言うと、

「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

 4人で集まって、夏休みの課題をこなしていた。

 4人の得意科目、苦手科目の問題を解きに教え、時に教わり、課題を進めていく。


 そして、

「ふぅ。」

 この太田清志のため息により、

「どうしたの、太田君?」

 神田真紀の手が止まる。

「いや、ちょっと休憩しようぜ。さっきからずっと頭回転しっぱなしで頭がもう動かん。神田のベッドで寝ていい?」

「駄目に決まっているでしょ!!!??何言っているの!!!???」

「じょ、冗談だって!冗談で場を和ませようとしたんだって!ちょ、神田お前、何持っているんだ?悪かったって。も、申し訳ない・・・。」

 そんな二人を見て、桜井綾と風間洋子も手を止め、自然な笑みを作りながら見る。

「たく。それじゃあそろそろ休憩する?」

「賛成!賛成!!さんせーい!!!」

「・・・。」

 神田真紀は太田清志の強過ぎる主張を見た後、桜井綾と風間洋子に視線を移す。

「いいよ。休憩しよう。」

「そうね。いい気分転換になると思うし。」

「それじゃあ休憩。」

 桜井綾と風間洋子の同意を得て、神田真紀は休憩を宣言する。

「うし!じゃあ早速ダラダラタ~イム!」

 太田清志は思う存分リフレッシュしようと、上半身を横にする。

「それじゃあ、せっかく私の家で勉強しているし、お土産ももらっているわけだし、ちょっとスイーツを・・・、」

「スイーツ!?俺、チョコケーキをワンホール!」

「・・・太田君、それは食べ過ぎだよ・・・。」

 太田清志の要望に神田真紀は呆れる。

「みんな、ちょっと待っていてね。」

 そして神田真紀が自室を出て数分。

「お待たせ―。」

 神田真紀が持ってきたのは、神田屋で並んでいるようなスイーツだった。

「おお!?」

「美味しそー。」

「でもいいの?これって真紀ちゃんのお家で売られている商品なんじゃ・・・?」

「いいんだって。お父さん達に聞いてみたら、これらは全部試作品だから、後で味の感想を聞かせてほしいって。」

「そう言われちゃ、全部食って感想を言わないとな!」

 太田清志は、神田真紀が持ってきたスイーツ全てを食べるつもりでいた。

「太田君駄目だよ!これはみんなで食べる分だよ!太田君一人で全部食べちゃ駄目なんだからね!」

「そ、そうだな。悪い。」

 太田清志は桜井綾と風間洋子に謝罪する。

「ううん、気にしないで。」

「私は気にしていないわ。みんなで食べましょう?」

「だな。」

 こうして4人は休憩中にスイーツを食べる。

 そしてスイーツを食べなら、4人はある者に関する話をする。

「そういえば早乙女君、大丈夫かなぁ?」

 桜井綾はある者、早乙女優に関する話を始める。

「確かにそうよね。あの年上の男達数人を目の前にしても全然ビビらなかったわよね。」

「お、俺だってビビらなかったし!立ち向かったし!!」

「そうだね。年上の男達に立ち向かっていく太田君、かっこよかったよ。」

「・・・あんがと。」

「「・・・。」」

「な、なんだよ?」

「綾ちゃんに洋子ちゃん?どうして急にそんなニヤニヤしているの?」

「「ええ~~??べっつに~~??」」

 桜井綾と風間洋子は神田真紀と太田清志のやりとりにニヤニヤする。

「?それにしても早乙女の奴、大丈夫だったかね?」

 その言葉で周囲の空気が少し重くなる。

「・・・そう、よね。早乙女君は今どうしているのかしら?」

「出来れば連絡をとりたいんだけど、保険の先生からじゃないと繋がらないんだよね。私、早乙女君の携帯番号とかお家の番号、住所とか知らないし。」

「私も早乙女君にお礼を言いたいんだよね。早乙女君のおかげで助かったし。」

「ん~・・・。だったら今日の午後から学校に行って、保健室の先生にお願いして、早乙女君に電話してもらうようお願いしてみる?」

「そんなことしていていいのか?今日集まった理由って・・・。」

「ええ。今日の午前中は真紀ちゃん家で夏休みの課題をして、午後はそのまま真紀ちゃん家で今月出場予定の料理大会の練習をする予定よ。」

「午後から学校行くとなると、予定がかなり変わって、料理大会に向けた練習が出来なくなるんじゃないのか?」

「そうだけど・・・やっぱりお礼は出来るだけ早く言うべきだと思う。真紀ちゃんと綾はどう思う?」

「私は・・・まだ早乙女君にきちんとお礼を言っていないから、ちゃんとお礼を、感謝の気持ちを伝えたい。」

「私も!ちゃんと早乙女君にありがとうって!」

「なら午後から学校に行ってみる?保健室の先生なら学校にいるんじゃないかしら?」

「俺達は夏休みなのに、先生は大変だな。」

「でも私達だって大変だよ。学校ないのに勉強しなくちゃいけないんだからね。」

「違いないな。」

「それじゃあさっさと夏休みの課題を終わらせて、午後は学校に行くわよ!」

「「「おーーー!!!」」」

 こうして4人は、午後の予定を一部変更し、学校に向かう事にした。


 時刻は午後。

 夏休みの課題を進ませた桜井綾、風間洋子、神田真紀、太田清志の4人は学校に入り、保健室に入室する。

「いらっしゃい。早速だけど一体どこを・・・て、え?」

 保健室の先生は桜井綾、風間洋子、神田真紀、太田清志の訪問に驚く。

「・・・急にどうしたの?確か同好会の活動は来週末だったと思うんだけど?」

「それで合っています。今日は、お願いがあって来ました。」

「お願い?一体何かしら?」

「早乙女君に電話してほしいんです!」

 保健室の先生と風間洋子が話をしているところに桜井綾が口を挟む。

「・・・どうして急に電話?早乙女君に会うのであれば、来週でもいいんじゃない?確か来週の同好会に出るって話だったと思うけど?」

「それじゃあ遅いんです!私は出来るだけ早く、早乙女君にお礼が言いたいんです!」

「お礼?」

 ここで保健室の先生は桜井綾のお礼、という言葉に疑問を抱き、風間洋子を見る。

「ええ。詳しい事は言えないけど、数日前に早乙女君が私達を助けてくれたの。それでお礼が言いたいのだけど、私達、早乙女君の電話番号も家の住所も知らないから、先生に連絡してもらおうと思って。いいですか?」

「・・・来週に感謝を伝える、じゃ駄目なの?」

 保健室の先生は確認する。

「駄目です!」

 桜井綾の真っすぐな目を見て、言葉を聞いて、

「・・・かけてはみるけど、出るかどうかは分からないわよ。それでもいい?」

 保健室のこの言葉を聞き、

「!はい!!」

 桜井綾は笑顔になる。

 そして保健室の先生は早乙女優に電話をかける。

(言ってみたはいいけど、あの子、本当に出るのかしら?)

 保健室の先生は、早乙女優が電話に出るのか心配になりつつ、着信音を注意しながら聞き続ける。

 すると、その不安はすぐに取り除かれる。

「あ、早乙女君?今ちょっといい?」

 早乙女優がすぐ電話に出たからである。

「え?誰かって?私よ私。・・・そう、保健室の先生をやっている寺田静香よ。・・・もしかして本当に覚えていないの?」

 保健室の先生は、自分を覚えてくれていない事に対して不安になりつつ本題に入る。

「桜井さん達が何かお礼を言いたいそうなのだけどいい?ありがとう。」

 そう言い、保健室の先生は桜井綾に携帯を渡す。

「はい。」

「ありがとうございます。」

 桜井綾は保健室の先生から携帯を受け取る。

「もしもし、早乙女君?急にごめんね?あのね、助けてくれてありがとう。・・・うん。それでね、洋子や真紀ちゃん、太田君もいるから代わるね。」

 そして風間洋子、神田真紀、太田清志は順に、早乙女優に電話越しでお礼を言う。

「それじゃあ・・・ん?」

 お礼を言い終えた太田清志は、電話を切ろうと指を動かす。だがそのタイミングで保健室の先生が待ったをかける。

「なんか先生が代わってくれって言っているから代わるぞ。はい、先生。」

「ありがとう、太田君。」

 保健室の先生は太田清志から携帯を受け取る。

「もしもし早乙女君。一応聞いておくけど、来週の同好会は出席出来るのよね?大丈夫よね?・・・分かったわ。桜井さん達にちゃんと伝えておくわ。それじゃあこれで私達からの用件は以上よ。早乙女君から何かある?・・・分かったわ。ちゃんと伝えるわ。それじゃあ出来たら来週に会いましょうね。」

 そう言い、保健室の先生は電話を切る。

「早乙女君、何か言っていましたか?」

 桜井綾の質問に、

「そうね・・・もしかしたら来週の同好会を欠席するかもしれない、と言っていたわ。」

「「「「!!!!????」」」」

 保健室の先生の言葉を聞いた4人は、

((((絶対にあの日の出来事のせいだ!!!!))))

 先日の件の影響だと確信する。

「そう、ですか・・・。教えてくれてありがとうございます。それじゃあ先生、さようなら。」

 桜井綾は分かりやすく落ち込みながら保健室の先生にお礼を言う。

(?どうしてそこまで落ち込んでいるのかしら?)

 保健室の先生は、桜井綾だけでなく他の3人も落ち込んでいることに疑問を抱く。

「それでみんなは夏休みの課題、終わっているのかしら?」

 保健室の先生は分かりやすく話を変える。

 その後、保健室の先生を交えて世間話を少しした後、

「それでは先生、今日はありがとうございました。」

「「「ありがとうございました。」」」

「別にこれくらいいいわ。それより来週の同好会、みんな休まずに来るように。」

「「「「はい。」」」」

 そして桜井綾、風間洋子、神田真紀、太田清志の4人は保健室の先生にお辞儀をしてから、保健室を退室した。

「・・・。」

 保健室の先生は、4人が出ていった後、保健室にあるコーヒーを飲む。そして携帯のあるニュースを見る。

(確か昨日、近辺で起きた事件があったわね。確か・・・あった。これね。まさか早乙女君、この事件と何かしら関わっているんじゃないでしょうね?)

 保健室の先生、寺田静香は小さな会社員を密かに心配するのであった。

次回予告

『女子中学生モデルの急病心配生活』

 女子中学生モデル、潮田詩織は、じき開催される番組のリハーサルに臨んでいた。そんな時、早乙女優が急病でリハーサルを欠席することを知る。潮田詩織は急病で休んだ早乙女優を心配する。一方、峰田不二子は、早乙女優が急病で休んだとはにわかに信じられなかった。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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