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新たな中学生達の炒飯作成生活

 休みだったのにあまり休まることが出来ませんでした。理由は間違いなく、あのモデルの件でしょう。ですが、それを理由に仕事の質を落とす、なんてことがあったらいけませんので、仕事はエナジードリンクを飲んで対応するとしましょう。

(どうしてエナジードリンクを飲む際、年齢制限があるのでしょう?)

 エナジードリンクの中には、年齢制限のせいで飲む量が制限されているエナジードリンクもあります。まったく、どうして年齢によって飲む量を制限するのでしょう。もちろん、なにかしらの理由があるのでしょうが、そんな制限なんて考えずに飲みたいものです。社会人は時として、自分の体を気にせず仕事に集中しなければならない時がありますからね。集中したら、その後は集中した分だけ休養する必要がありますが。そうでなければブラック企業になってしまいますからね。私が勤めている会社はブラック企業ではないので、残業させて残業代を支払わない労働環境ではありません。まるっきりホワイトな環境かと聞かれると返答に少し困りますが、ブラックではないと断言出来ます。

(だって、私の事情を汲んで休ませてくれるんですもの。)

 私が今もこうして登校出来るのは、確実に菊池先輩方のおかげでしょう。本当、先輩方に今までの恩を返しきることが出来るのでしょうか?私の人生の全てを使っても返し切れるか自信がありません。

(て、今はこのことより学校の事を考えるとしますか。)

 菊池先輩方のおかげでこうして学校に通う事が出来ますからね。学校の事を考えるといっても、何を考えればいいのか分かりません。

「早乙女君って、本当に何でも出来るのね。もう私がいなくても大丈夫なんじゃないかしら?」

「いえ、ここでの人間関係に関しては、完全に失敗していますので、少なくとも何でも出来る、なんてことはないと思いますよ?」

「あ・・・。なんか、ごめん。」

「別に構いません。私は気にしていませんので。」

 学校で人間関係を構築することは諦めています。何せ学校中に、私が常時カンニングするカンニング魔と呼称までされてしまいましたからね。その上、ほとんど学校に来ることが出来ませんからね。仕方のないことだと思います。先輩方が休んでもいいと言ってくれているのですが、私に仕事を回してくれている方々の期待を裏切るわけにいきませんので・・・、

(おっと。今は学校の事に集中集中。)

 いつの間にか仕事の事について考えていました。今は学校の事を考えましょう。

「・・・なんか、大丈夫?」

「何が、でしょうか?」

「なんか疲れているような、考え込んでいるような、そんな顔をしているからつい、ね?」

「・・・そんな顔をしていたのでしょうか?」

 私としては無自覚でした。他の人が心配するほど考え込んでいた自覚はないのですが。

「ええ。他の人は分からないけど、少なくとも私はそう見えたわ。」

「そう、ですか。」

 私は無意識に周囲の方々を心配させていたのですね。

「次からは気をつけます。ご忠告、ありがとうございます。」

 私は保健室の先生に頭を下げます。

「いや、わざわざ頭を下げなくていいから!ほら上げて、上げて!」

 保健室の先生の言葉に従い、私は頭を上げます。

「たく、早乙女君は・・・。それで、今日の同好会は参加出来るの?」

「はい。」

 今日は同好会に出席しても問題ないようにしてきましたので大丈夫です。大丈夫なのですが、心配になってきましたね。一応確認してみますか。私は手帳を見て、本日の予定を確認します。・・・良かった。本日は同好会に出席しても問題なさそうです。

「それじゃあさっそく、同好会に顔を出しましょうか?」

「承知しました。」

 それでは、同好会に必要な物を持って、移動しましょう。

「ちなみにだけど早乙女君、チャーハンは作れる、よね?」

「?作れますけど、それがどうかしたのですか?」

「いや、もしかしたら早乙女君、チャーハンが作れないとかないかな~とか考えていたけど、杞憂だったみたいね。」

「私を心配してくれるだけでも嬉しく思うので、杞憂ではないと思います。」

 時に気持ちは、人を支えてくれますからね。その気持ちで救われるも場面もあると思いますので、そのような行動が無駄に終わることはないと思います。

「ありがとう。」

 保健室の先生の言葉に、

「いえ、こちらこそです。」

 私はお礼の言葉を言う。私も、この先生には助けてもらっています。なので、私がこの先生に対して感謝の言葉を述べるのは当然の事でしょう。

「さ、着いたわよ。」

 どうやら目的地である家庭科室に着いたようです。保健室の先生は無言で扉を開けた。すると、

「あ!」

 そこには見知った顔の人物、桜井さんがいました。

「ようやく来たわね。」

「待ちかねたぞ。」

「なんだか久々に見る気がするわ。」

 それだけでなく、風間さん、太田君、神田さんもいます。

「そうですね。私もなんだか久しく感じます。」

 先週末の出来事がとても色濃く思い出として残っていますからね。それ以前の出来事が遠い記憶の出来事のように感じてしまいます。私も年をとってしまったのでしょうか?

「それじゃあ早速、本日の料理、チャーハンを作っていきましょうか?」

 保健室の先生の言葉に、

「「「「はい。」」」」

 桜井さん、風間さん、太田君、神田さんが返事をしました。

 さて、みなさんがどんなチャーハンを作るか、様子見させていただきましょう。


 最初、みなさんだけでチャーハンを作るかと思っていたのですが、

「まずは早乙女君に見本、見せて欲しいな~。」

 そんな桜井さんの言葉と、

「「「「・・・。」」」」

 風間さん、太田君、神田さん、保健室の先生の視線が訴えてきました。なので私は、

「シンプルなチャーハンでよろしければお作りしますが、それでよろしいですか?」

 私のこの回答に、

「「「「うん!!!!」」」

 桜井さん、風間さん、太田君、神田さんの返事と、

「それで全然問題ないから作って。」

 という保健室の先生の言葉で、私はチャーハンを作りました。

(そういえば、たまに夕飯で作った事がありましたね。)

 工藤先輩にふるまうと、「やっぱスプーンで食べる飯は楽でいいな。箸が面倒くさく感じてしまうな。」と言っていたことを思い出します。あの工藤先輩の言葉はあの時冗談だと思っていましたが、まさか本気で述べていたわけではありませんよね?・・・ちょっと後で確認してみますか。

 私がみなさんにチャーハンを作った後、次はみなさんでチャーハンを作り始めました。

「私、この時だけ、この同好会の顧問になって良かったと思うわ。」

 保健室の先生は調理に参加しませんでした。私達が安全に調理出来るよう監視する必要があるからでしょう。正確な理由は知りませんが。

「私の家のチャーハン、確かエビが入っていた気がする。」

「うちはベーコン入っていた気がするわ。」

「俺は確か、人参ととか茸とか油揚げとか入っていたからそれらを持ってきたぞ。」

「・・・太田君、それってもしかしてチャーハンじゃなくて炊き込みご飯じゃない?」

「え?そうなの?」

 そんな会話をしつつ、みなさんのお手伝いをしながら、それぞれのチャーハンを作り終え、試食し始めました。

「う~ん。みんなが作ったチャーハン、どれも美味しいわね。」

 ちゃっかり、保健室の先生も試食していました。先生、一度も手伝っていなかったような気が・・・?いえ、私の気のせいですね。きっと、私が見ていないところで手伝ってくれたのでしょう。

「それにしても、やっと中間テストが終わったねぇ。」

「ええ。テストでなんとかいい成績を残す事が出来て良かったわ。」

 そして話は、中間テストの話になりました。私は黙って桜井さん達の話を聴いていました。

「まさか太田君が学年トップの成績を収めるなんて、思いもしなかったわ。」

「本当にそれね。普段は平均より少し低いくらいだったのに。みんな驚いていたわ。」

「太田君、高得点の秘訣を聞いてもはぐらかしていたけど、私達はなんとなく分かるわ。」

 その後、桜井さん、風間さん、神田さんが私を見ました。

「「「早乙女君でしょう???」」」

 と、名指しで呼ばれました。

「な、なんで分かんだよ。」

「だって、ねぇ?」

「急に成績が上がれば疑うわよ。」

「そして、太田君の成績を急上昇させる事が可能な人は、早乙女君しかいないと考えたわけ。太田君、塾に行っていないし、家庭教師もつけていないからね。」

 そんなことを言われてしまいました。太田君は、私に困ったような視線を送ってきました。何をどう言えばいいのか困っているのかもしれません。私が助け舟を出すとしましょう。

「確かに私は太田君のお手伝いをしましたが、最終的には太田君のやる気、努力の賜物だと思いますよ?」

 私は正直な事を述べてみました。太田君が塾に行っているのかどうか知りませんし、家庭教師を雇用しているのかは不明です。ですが、太田君が頑張った事は確かです。ですので、その事を言っておきました。

「「「「嘘。」」」」

 そしたら、何故か全員嘘と断言されてしまいました。嘘ではないのですが、どういえば伝わるのでしょう?

「・・・ねぇ?早乙女君、さっきお手伝いをしたって言ったけど、具体的には何をしたの?」

「具体的に、ですか?」

 私は、太田君に何をしたのか、具体的に話してみました。途中、太田君の顔が変色していたように見えましたが、私の気のせいでしょう。

「その資料というもの、私達にも見せてくれないかしら?」

 そう風間さんが言ってきました。

(と言われましても、その資料、今私は持っていないのですが。)

 紙で印刷した物は全て太田君に全て渡してしまいましたし。まぁ、電子データで保存していますから、それをお見せしますか。

「現物はありませんが、電子データとして保存しているモノがありますから、それを見てみますか?」

「「「「みる。」」」」

 私の言葉に、桜井さん、風間さん、神田さんだけでなく、何故か保健室の先生も見ると言ってきました。なので私は自身の持っているパソコンを開き、電子データを開きました。途中、「え?」とか、「この学校、パソコン持ってきてよかったっけ?」等聞こえてきましたが、私の気のせいでしょう。開いたデータをみなさんに見えるようパソコンを移動させ、みなさんに見えるようにしました。

「「「「・・・。」」」」

 少し見せた後、4人は太田君を見始めました。

「な、なんだよ?」

「早乙女君からこんな素敵な資料をもらっているなんて、ずるい。」

「そうね。こんな夢のような資料があれば、太田君のあの好成績も納得ね。」

「太田君だけ卑怯な手を使っている感じがするんだけど?」

「これは凄い、わね。圧巻するしかないわね。」

 太田君の発言に続き、桜井さん、風間さん、神田さん、保健室の先生も続々発言していきます。

「というか早乙女君、これ本当に早乙女君が全て作ったの?まさか、事前にテスト用紙を盗んで・・・?」

「そんな下らないことはしていないので、そのような考えこそ杞憂ですよ。」

 保健室の先生が下らないことを発言してきたので、即座に否定しておきました。

「それと、この資料があったところで太田君の成績は伸びません。きっと、太田君のやる気が今回の成績に繋がったのだと思いますよ?」

 私は、今私自身が思っている事を述べてみました。

「そりゃあそうだけど・・・、」

「それにしてもずるいわ。」

「私、綾ちゃんや洋子ちゃんに負けるとは思ったけど、まさか太田君にまで負けるなんて・・・。」

桜井さん、風間さん、神田さんはそれぞれ不満を持っているようです。ですが、こればかりはどうしようもないと思います。なにせ、中間考査は既に終わっていますからね。終わった出来事を変える事は不可能ですからね。

「それなら、期末テストはみんな、早乙女君に見てもらえばいいんじゃないかしら?それこそ、中間テストの時の太田君みたいに。」

 保健室の先生の言葉を聞いた桜井さん、風間さん、神田さんは私を見てきました。

(これはもしかしなくても、私の返事待ちですかね。)

 私は少し考えてから、まずは質問することにしました。

「期末考査はいつありますか?」

「確か・・・来月下旬ね。夏休み前にあるはずよ。」

「来月下旬、ですか。」

 つまり7月の下旬ということですね。来月であれば、今月末に行われる大学祭も終わっている事でしょうし、モデルの大会も8月も言っていましたし、問題ないでしょう。

(あのことだけは言っておきましょう。)

 私はあることを考えながら言いたい事を言う事にしました。

「条件付きでよろしければいいですよ。」

「条件って?」

 保険室の先生が聞いてきました。その質問は想定していましたので、慌てることなく回答します。

「やる気がある事です。どんなにお手伝いしても、結局は本人のやる気次第ですからね。やる気の有無で結果はまったく異なりますからね。それでよければ見ますが、どうしますか?」

 私の言葉に、桜井さん、風間さん、神田さん、太田君は互いの顔を少し見合い、

「「「「よろしくお願いします。」」」」

 と、言われました。やる気がある事はいいですし、みなさんの期待には出来るだけ答えるとしましょう。

「私の出来る範囲でよろしければ、こちらこそよろしくお願いいたします。」

 私のこの言葉に、

「やった!これで早乙女君と一緒に勉強が出来る!」

「良かったわね、綾。私も成績が上がるし、嬉しいわ。」

「これで太田君に負けなくて済みそうね。今度は負けないんだから!」

「おいおいおい!?今度は俺の負けとか、絶対嫌だからな!」

 みなさん、それぞれの反応をしていました。あくまで私はみなさんのお手伝いをするだけであること、覚えているのでしょうか?成績が上がるのは自身次第であることを自覚してほしいところですが、今は言わなくてもいいでしょう。

「それでは時期になりましたら、期末考査の範囲が分かりましたら、その範囲と、それぞれが今まで解いてきた問題や解答を見せて下さい。そこからどのような問題が苦手か、どのような問題がよく出来ているか把握致しますので。」

 その言葉で、他の人が驚いていました。どうして驚いているのか謎です。

(さて、そろそろ片付けでもしますか。)

 みなさんもチャーハンを食べ終えているご様子みたいですし、食器を片付けても問題ないでしょう。私は席を立ち、食器を片付け始めようと移動し始めました。

「早乙女君、凄い・・・。」

「まるで専属の家庭教師みたい・・・。」

「塾でもここまでしてくれるのかな?」

「な?早乙女の奴、凄いだろう?俺、早乙女のおかげであの点数をとったと言っても過言じゃないからな。」

 何か話し声が聞こえてきましたが、あまり聞き取ることが出来ませんでした。

「私も手伝うわ。ただ飯を食らうためだけにここにいるわけじゃないからね。」

「ありがとうございます、先生。」

 先生の気遣いに感謝です。

 さて、いいリフレッシュも出来たことですし、気を引き締め直すことにしますか。

次回予告

『成人している女性達の大学祭準備生活』

 リフレッシュ出来、気を引き締め直した早乙女優は仕事をいつも通りにこなし、先輩方の恩を返していく。

 そんな平日を過ごした後の休日、早乙女優にはある用があり、菊池美奈と共にある者の家に向かう。その家の中には菊池美奈と同年代の女性、下田光代、峰田不二子、川島優香の3人がいた。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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