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社長の甥の会社出現生活

 峰田さんと潮田さんとの話を終え、仕事をこなしていきました。本来、社会人は平日に働いています。働き方によっては平日休みを取得している方もいるかもしれませんが、会社に出勤している方は平日、会社で仕事をしています。ですが、平日でも自由に行動出来る方々がいるらしいです。

 それが、大学生です。

(確か今年、美和さんは大学生でしたね。)

 何故突然、大学生に関して考えているのかというと、

「こんにちは~っす。」

 何故か私達が勤めている会社に大学生が来訪したからです。その方の横には、あまり来ない社長も一緒にこのオフィスに来訪しております。

「今日は邪魔にならない程度に会社を見学したいらしい。邪魔だと思えるなら容赦なくぶん殴って構わないから。」

「ちょ!?おじさん、俺の扱いひどくないっすか~?」

「それと早乙女君と菊池君にお願いがあるらしい。勤務時間外によろしく頼む。」

「承知しました。」

「優君に仇成すお願いなら、容赦なく叩き潰すから♪」

「そ、それはもちろん承知しているっす。」

 何故、一大学生が社長に一緒に来訪しているかと言うと、大学生は大学生でも、ただの大学生ではないからです。

「毎回言っていますが、自分、社長の甥ですが、気兼ねなく接してほしいっす。」

「は、はい。こちらこそよろしくお願いします。」

 入社二年目の桐谷先輩に挨拶しているこの大学生は自身でも名乗っていた通り、社長の親戚なのです。この方の身分に他の社員は委縮してしまうので、対応を私と菊池先輩に委託しているのです。ちなみに、私と菊池先輩は既にこの大学生の方と顔見知りです。何故顔見知りなのかと言うと・・・、

「それでは今日、お世話になりまーす!よろしくお願いしまっす!」

「あ、はい。」

 まぁ、この方と私達の出会いはまた後で。今はこの状況をなんとかするとしましょう。

 そして、私達とこの社長の甥との仕事生活が始まる。

「と言っても、今の森さんには特に出来る事がございませんので、新入社員用のプログラムでもこなしてもらいますか。あれなら問題ないでしょう。せっかくの機会ですし、桐谷先輩が森さんに教えてみますか?」

「え!!??わ、私が、ですか!!!???」

「はい。入社2年目ですし、桐谷先輩の今の力なら可能だと思うのですが、課長はどう思いますか?」

「うむ。好きにやらせてやるといい。責任は私が持とう。失敗するビジョンが見えないがな。」

「という事ですので、桐谷先輩が教えてあげてください。」

「で、でも・・・。」

「これも2年目研修の予行練習と思えば出来ると思います。頑張ってください。」

「この方、社長の親族、ですよね?何か粗相でもしたら・・・、」

「大丈夫です。何か理不尽な事があれば私か菊池先輩に言ってください。事と次第によっては・・・分かってますね?」

 私は分かってますね、と発言しながら森さんの方を見る。

「!!??も、もちろんっす!」

「だから安心してください。」

「は、はぁ・・・。」

 桐谷は早乙女優とさきほど来訪した社長の親族を交互に見て考える。

(この2人、一体どういう関係なんだろう?)

 その疑問は今聞かず、

「そ、それじゃあ教えますね。」

「うっす!よろしくお願いしまっす!」

(大丈夫かなぁ?)

 こうして、桐谷杏奈は社長の親族に仕事を教える事になった。


 仕事を教える事数時間。

(この人、本当に社長の親族なのでしょうか?)

 桐谷杏奈はある疑問を抱いていた。それは、今日来訪した社長の甥が、本当に社長の甥なのか、という疑問である。というのも、桐谷杏奈の個人的見解として、社長の親族はみんな、身内に社長がいる事で物事を傲慢に考える存在かと考えていた。だが、実際は違った。

「桐谷先輩、これでいいですか?」

「桐谷先輩、お茶、淹れてきますね。」

「桐谷先輩、これでどうでしょう?」

 常に平身低頭な姿勢で桐谷杏奈と会話をしていた。周囲にいる早乙女達も、桐谷杏奈と社長の甥との会話を聴き、どのような状況なのかを出来るだけ把握していく。

 そして、昼休憩。

「それじゃあもう昼休憩なので、今から1時間休憩しましょう。」

「うっす。」

「ふぅ。」

 桐谷杏奈は疲れ果てたのか、深く椅子に座る。そのタイミングで早乙女優はお茶を桐谷杏奈に差し出す。

「お疲れ様です。」

「あ、優さん!」

「貴重な体験をしてどうでしたか?」

「今までで一番気疲れしました。失礼な事を言ったりしたりしないよう常に気を張っていました。」

「そこまで気を張らなくてもよかったと思いますよ?」

「ですけど、あの人は社長の甥で・・・、」

「少なくとも私や菊池先輩の前で失礼な事をしないと思います。そう教えましたからね。」

「・・・え?もしかして、あの方に何か教えたのですか!!??」

「まぁ、色々な事情がありまして。」

「その話について、詳しく聞いてもいいですか?」

「私個人としては話してもいいですけど、本人が許可するかどうかは・・・、」

「別にいいっすよ。」

「本人の許可がとれたので話しますか。」

 こうして早乙女優はお昼休憩の間に、桐谷杏奈に自身と社長の甥との出会いを話すことにした。

次回予告

『社長の甥のかつての生活』

 早乙女優と菊池美奈は以前、社長の甥と会ったことがある。

 その経緯と言うのは、森社長からのあるお願いだった。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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