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中学生達の料理同好会生活

 大型連休が終わり、通学やら通勤が始まった頃、早乙女優達社会人も通勤し始める。大型連休明けの通勤初日、

「優く~~~ん♪相変わらずメイド姿が最高に決まっていて私、とっても嬉しいわ♪もう嬉しくて目から血が出ちゃう♪」

 あるオフィスレディーがメイド服姿の小さな会社員に抱きつく。

「朝から怖いことを言わないでください。それに、私のメイド服姿は昨日もみたじゃないですか。アイスを餌にして。」

「だって~~~。優君に新作のメイド服を着て欲しくって♪優君が新作のメイド服を着てくれて嬉しかったもの。それに、餌に釣られた優君もあまり人のことは言えないんじゃない?」

「ぐ!?そ、それを言うのは卑怯じゃないですか・・・。」

 どうやら小さな会社員は、仕事の日でないにも関わらず、あるオフィスレディーによってメイド服を着させられたらしい。着させられたと言っても、餌に釣られてしまった小さな会社員も小さな会社員なので、単純にオフィスレディーが悪い、とは断言出来なさそうである。

「相変わらずだな、お前ら。」

「あ、工藤先輩。数日ぶりですね。おはようございます。」

「おはようございます。」

「桐谷先輩もおはようございます。」

「おはようございます。」

「橘先輩もおはようございます。これで全員揃いましたね。それでは、」

「優君を延々と愛でましょう!」

「いや、仕事しろよ。」

 連休明けだからか、朝の挨拶がいつもより長くなったものの、連休前と同じように仕事を始める。その様子はまるで社会人である。まぁ社会人なので当然なのだが。

 そして日数は月曜日、火曜日と進み、日にちは水曜日。この日は、早乙女優が学校に来て同好会に参加する日である。早乙女優は以前の約束通り、学校に来て保健室で授業を受ける。

「・・・とまぁ、簡単に説明したけど、ここまでで分からないことあった?」

「いえ。まったく問題ありません。」

「これで後れを取り戻すどころか、今週分全て教えちゃったわね。かなり詰め込んだのに、よく全部理解出来たわね。」

「いえ、以前学んでいましたので、簡単に理解することが出来ました。」

「・・・早乙女君?あなた、学校に行かないで塾に行っているの?」

「?塾、ですか?行っていませんけど?」

「そう、なんだ。それじゃあもう教える事は教えたことだし、残りの時間はおしゃべりに費やしましょうか?」

「分かりました。」

 早乙女優は、保健室の先生から授業を簡単に受け、残りの時間を話に費やす。話しと言っても、数時間もずっと世間話をし続けているわけではない。互いに知っていることを教え合い、教わり合っているのである。ここまで親密に教え合うことが出来るのは、早乙女優と保健室の先生である寺田静香の2人だからこそ出来る芸当であろう。


そして、時間は放課後まで経過する。

「へぇ~。節税しながらお金を貯める方法ってあるんだ。」

「ええ。その方法はまだ多くの人達が試していないらしいですけど。」

「勿体ないわね。私も試してみようかしら。」

「長期的に見れば利益がありますので、長い目で見て実行してください。」

 お金に関する話をしていると、扉が開きました。

「失礼します。」

 どうやら入ってきたのは桜井さんのようです。その後、風間さん達も保健室に入室してきました。

「そろそろ同好会の時間よ。」

「みんなでオムライス作ろう?」

「俺は早くオムライス食いてぇな。」

「分かりました。先生も行きますか?」

 そういえば、寺田先生は同好会の顧問でしたね。付いてくるのでしょうか。

「ええ。私も行くわ。材料は?」

 寺田先生が桜井さん達に聞くと、

「あります!」

 桜井さんは手元に持っていた白い袋を少し上げる。袋の中身は見えませんが、おそらく袋の中身はオムライスに使用する食材でしょう。他の方々も持っているあたり、オムライスに使用する食材を忘れた人はいないでしょう。

「あれ?早乙女君は?」

 ちなみに私は今、オムライスに使用する食材を持っていません。まぁ持っていないだけであって、学校に持ってきていないわけではありません。

「もちろん持ってきていますよ。ただ、手元にないだけです。冷蔵庫にあります。」

 家庭科室にある冷蔵庫の中に入れてあるはずです。勝手に使用されないよう、袋に名前は記載済みです。

「ならよかった。それじゃあ家庭科室に行こう!」

「「おーー!!」」

 桜井さんが右手を挙げると、それに倣うかのように神田さんと太田君が右手を挙げました。

(どうして右手を挙げたのでしょう?)

 右手を挙げた理由は分かりませんが、とにかく家庭科室に向かうとしましょう。

「やはりありました。」

 家庭科室に着き、私はさっそく冷蔵庫の中身を見ました。すると、私が今朝入れていた袋がそのまま入っていました。名前も私の名前が記載してあるので、私の物で間違いないでしょう。

「それじゃあエプロン着て、手を洗って、と。」

 みなさん、清潔にしていきます。料理をするうえで必須ですからね。

「それじゃあ、同好会スタート!」

 桜井さんが一言言いました。すると、

「「「「「・・・。」」」」」

 何故か全員、私を見てきました。

「・・・。」

 私は訳が分からず、そのまま黙って時間を浪費します。

「・・・えっと・・・オムライスの作り方とかコツとか、教えてくれる?」

「え?私に振ったのですか?」

 まったく気づきませんでした。こういう時、顧問の寺田先生がオムライスの作り方や作る時のコツを教えるべきではないでしょうか。私はそう思い、寺田先生を見ました。寺田先生は私の視線と視線の意図に気付いたのか、口を開いてくれました。

「言っておくけど、私に料理の腕は期待しないでね?あまり出来ないから。」

 ・・・この人、料理出来ないのに、どうしてこの同好会の顧問をやっているのでしょうか。料理が出来ないのであれば、他の同好会の顧問になった方が良かったのではないでしょうか。もしかしたら私のせいかもしれないので、黙っているとしましょう。私自身、この寺田先生に迷惑をかけているのはある程度理解していますからね。そう考えるとなると、他の方に説明してもらいますか。私は桜井さんを見ました。

「私は早乙女君に教わりたいなぁ。」

 と言ってきました。そういう理由であれば仕方がありません。他の方はどうなのでしょうか。私は次に風間さんを見ました。

「私より、早乙女君の方が、料理出来ると思うわ。だから私は早乙女君が教えるのが最適だと思うわよ。」

 この中で最も料理が出来る人が私、ですか。本当にそうなのでしょうか。私は神田さんを見ます。

「私、ケーキ以外ほとんど作ったことないから無理かな~。」

 と、明後日の方向を見てしまいました。そういえば神田さんの親御さんはケーキ屋を営んでいましたね。その影響でケーキを作った事がある、ということなのでしょう。さて、最後の望みは太田君ですが、どうなのでしょうか。私は太田君を見ます。

「言っておくが俺は無理だぞ?何せつい最近まで、オムレツとオムライスが同じ料理だと思っていたからな。」

 ・・・なるほど。これは確かに私が教えた方が良さそうです。あくまで私の総合的な判断ですが。一応確認の為に聞いておきますか。

「私が今後、料理について教えていく、ということでよろしいのですか?」

 私のこの問いに、みなさんは首を縦に振りました。

「分かりました。」

 それではまず、今回作るオムライスについて教えるとしましょう。確か、オムライスの作り方とコツ、でしたっけ。では簡単に教えるとしますか。

 私はここにいる方々に、オムライスの作り方とコツを簡単に教えていきました。ただ、言葉だけで伝えるのは飽きてしまうと考えたので、作りながら教えていきました。

「「「「「おおーーー。」」」」」

 ・・・なんか、照れ臭いです。まぁ仕方がないと思うしかないでしょう。私が見せながら説明した後、みなさんもオムライスを作り始めました。

(上手いですね。)

 一度見て聞いただけでここまでものに出来るとは。みなさん流石です。

「うんうん。」

 ちなみに、寺田先生は料理をしていません。私達を見守っていることしかしていませんが、それでいいのでしょうか。まぁ私が口を挟むのはどうかと思うのでやめておきましょう。先生にしか出来ない仕事をしているのでしょう。私の目にはただ見ているだけ、のように見えますが。

「げ!?おーい、早乙女―。ここ、教えてくれー。」

「はい、分かりました。」

 桜井さん達女子はかなり上手でしたが、太田君は他の女子達に比べて、料理があまり上手ではないようです。ですが、出来ない訳ではないようですので、私が手取り足取り教えていけば問題ないでしょう。料理の楽しさを損なわない程度に教える事ってなかなか難しいものです。

「あんなに早乙女君と近く・・・。太田君、いいなぁ。」

「作戦、失敗だったわね。」

「ま、まだまだだよ!これから早乙女君に驚いてもらうんだから!」

 何故かは分かりませんが、桜井さんが先ほど以上にやる気が上がったみたいです。急にやる気が上がった理由は分かりませんが、やる気が満ちているのはいいことなので放置で問題ないでしょう。

「早乙女君も隅におけないね~。」

 なにやら外野が言っているようですが、内容までは分かりませんでした。私に聞こえない声量で話しているという事は、私に関係ない話なのでしょうね。何の話をしているのかは不明ですが、私が知らなくても問題ないでしょう。

 私の知らないところで私の知らない話が行われていたようですが、私は出来るだけ気にしないよう、太田君を中心に料理を教えていきました。

 そして、全員のオムライスが出来上がり、試食することになりました。

「美味しい―!」

「うん、やっぱ早乙女君に教わってから作った方が美味しいわ。」

「早乙女君って料理を教えるのが上手なんだね。」

「それな。俺、つい最近までオムレツとオムライスの区別すらつかなかったのに作れるようになるなんてな。」

「・・・。」

 私は、それぞれの感想を聞きながら、自作したオムライスを食べます。ちなみに、

「先月、早乙女君のお弁当を少し味見させてもらった時も思ったけど、早乙女君ってとても料理上手よね。オムライス美味しい。」

 寺田先生は、私が作ったオムライスを食べています。寺田先生はオムライスを作っていないので、私のオムライスを食べてもらっています。

(私のオムライス、食べたそうにしていましたしね。)

 見た目、他の人達が作ったオムライスと同じだと思うのですが、何故私のオムライスを食べたがるのでしょうか。謎です。

(ん?)

 何か視線を感じます。寺田先生以外にも、桜井さん達が私を見ていますね。そして、私が作ったオムライスも見ていますね。・・・もしかして、私のオムライスが食べたいのでしょうか?いえ、まさか、ね。

(一応、聞いてみますか。)

「私のオムライス、食べたいのですか?」

「「「「うん。」」」」

(即答ですね。)

 まぁ食べたいのであればいいでしょう。私はオムライスを少し分けました。

「「「「ありがとー。」」」」

 そう言い、桜井さん達は私のオムライスを食べました。

「「「「美味しー♪」」」」

 どうやら、私の作ったオムライスは美味しかったみたいです。口に合ったようでよかったです。

「綾、あれ、忘れているわよ?あげたら?」

「あ!あまりにも早乙女君のオムライスが美味しくて忘れるところだった!ありがとう、洋子。」

 桜井さんは突然、桜井さん自身が作ったオムライスを私に差し出してきました。

「・・・何をしているのですか?」

 もしかして、自慢しているのでしょうか?いえ、そんなことはないはずです。私も桜井さんと同じオムライスを食べているのですから。となると、私の方が美味しいオムライスを作ったから食べてくれ、ということでしょうか?想像の域を出ないので、正解が分かりません。

「私のオムライス、食べてくれないかな?」

 どういうことでしょう?味をみてほしい、ということでしょうか?食べていいのであれば、食べてみますか。調理工程を見ていた限り、おかしな味付けにはなってなかったはずですしね。私が見ていないところでチャレンジ精神をおかしな方向に発動させてなければいいのですが。

「よろしいのですか?」

 私は桜井さんに確認をとる。

「う、うん。」

 ではいただくとしましょう。

「あ、あ~ん。」

「いえ、そのスプーンを私に渡してくれれば食べますので・・・!?」

 私が言い終える直前、誰かが私の肩を叩きました。

「まぁまぁ。ここは桜井さんに従って、ね?」

「綾がここまでやったんだから、黙ってあ~んされなさい。」

 何故か寺田先生だけでなく、風間さんも言ってきました。何故私が桜井さんにあ~んをされなくてはならないのでしょう?

(・・・まぁ、いいか。)

 深く考えるのは辞めるとしましょう。食べさせてくれるのです。これは桜井さんなりの恩返し、だと思いましょう。そう考えると、せっかくの恩を仇として返すのは良くないですからね。

「あ、あ~ん。」

 こんな感じでよろしいのでしょうか?この甘え方、なんだか菊地先輩を相手にしているような、そんな錯覚を覚えます。

「ど、どうかな?」

 正直、あ~んをされたおかげで正確な味が分からないんですよね。まぁある程度分かるので、分かる範囲で答えるとしましょう。

「美味しいと思いますよ。」

 私の舌がよほどおかしくなければ、ですが。

「そ、そう?ビックリするくらい?」

 ビックリするくらい?どういう意味でしょう?美味しいと感じたことはビックリしたことに当てはまるのでしょうか?・・・ここは当てはまると仮定して、ビックリしたと言っておきましょう。

「ええ。」

 私のこの一言で、桜井さんはみるみる笑顔になっていきました。

「そ、そうなんだ。えへへ♪」

「練習しておいてよかったね、綾。」

「うん!」

 練習?

 もしかして、やけにオムライスの調理が手馴れていると思ったのですが、事前に練習していたからなのですか。納得です。

「太田君!私のオムライスも食べてみて!」

「お、おお?それじゃあいただくぞ。」

「・・・どう?」

「まぁ、美味しい、ぞ?」

「そ、そうなんだ。良かった~。」

「「・・・えへへ。」」

「???」

 何故急に桜井さんと神田さんはお互いに見つめ合い、笑い始めたのでしょうか?今日は謎が多い日ですね。

「?何か嬉しい事でもあったのか?」

「早乙女君はもちろん気付いていないけど、まさか太田君も気付いていないとは・・・、」

「女心って学校で教えないからね。人生で大事な事なのに。」

 何故か風間さんと寺田先生は息を合わせていました。私だけでなく、太田君も一緒に責められたような気がします。

「?俺ら、何か悪い事でもしたの?」

「さぁ?」

 太田君が私に質問してきたので、私は自分の現考えを伝えました。

「これでオムライスはばっちりでしょう。それで次回は何を作りますか?」

 私がそう聞くと、オムライスを食べながら、桜井さん達はお互いの目を見つめ合いました。私個人が決めるわけにはいきませんからね。さて、次は何を作るのでしょうか。

「・・・みんなは次、何作りたい?」

 どうやら、桜井さんは私と同じ考えのようです。もしくは何も考えていないか。まぁ前者でしょう。理由はありませんけどね。

「そうね・・・太田君は今、何が食べたい?」

「俺か?え~っと・・・。」

 太田君が何か考え始めました。まさか、今回オムライスを作ることになったのは太田君の言葉があったからなのでしょうか。

「チャーハン、かな。それもパラパラの。」

「チャーハン、ですか。」

 オムライスの次はチャーハンですか。ご飯ものが続いている気がしないでもないですが、偶然でしょう。

「みんなはチャーハンで問題ないかな?」

「ええ。私は問題ないわ。」

「私も同じく。」

「分かった。早乙女君はチャーハン作れる?」

 どうやら、次の同好会でチャーハンを作るみたいです。私としては問題ないので、その旨を伝えるとしましょう。

「ええ。チャーハンで問題ありません。」

「分かった。それじゃあ次はチャーハン、ということでお願いします。」

「「「おー。」」」

 桜井さんの言葉に、寺田先生と私以外の人は返事しました。返事をしなかったあたり、先生は次回も作らないのですね。

「それじゃあ食器を洗って、今日の同好会はおしまいね。」

 こうして、本日の私達の同好会活動は終わりました。

 食器を洗いながら、次の同好会活動について聞きました。何を作るかは決めたのですが、いつ開催するのかはまだ決まっていませんからね。いつ活動するのか聞いてみたところ、「それは早乙女君次第かな。早乙女君はいつ、学校に来れる?」と聞いてきたので、手帳を見てスケジュールを確認してみました。

(今月は大型連休があった分、仕事が多くなっているんですよね。)

 今日来られたのは、月曜日火曜日と、いつもより仕事を頑張ったからなんですよね。とはいえ、少し仕事を工藤先輩や菊池先輩にお願いしてしまいました。学校に行くんんだろう?なら気にするな、と工藤先輩が言ってくれたのですが、私は気にしてしまいます。人に仕事を任せて学校に行く、なんて機会はこれ以上作りたくありませんが、今後絶対にない、とは言い切れません。少なくとも今月はもう仕事に集中するとしましょう。なので私は、今月はもう学校に来られない事を話しました。

「そう、なんだ。」

 なんだか歯切れの悪い返事をされましたが、こればかりは仕方がありません。これも私の生活のためですから。

「それじゃあ中間テスト後にチャーハンをみんなで作ろうか。みんなもそれでいいかな?」

 桜井さんのこの言葉に、

「「「さんせーい!!!」」」

 全員、賛成してくれました。

(私のことを考えてくれたのですね。ありがとうございます。)

 別に私のことは気にせず、同好会の活動をすればいいのに。言葉にはだしませんが、心の中で感謝しておきましょう。

 食器を洗い終え、私は桜井さん達と別れた。

「私ももう帰るわ。」

 別れたと思っていたのですが、寺田先生は途中までついてきました。

「みんな、あなたのことをよくしているわね。」

「そうですね。」

 私の事を考慮しているのは一目瞭然です。その事は嬉しいのですが、私の事は気にしなくてもいいと思ってしまいます。

「ああいう人達を、人の内面を見てくれる人達を大事にしていきなさないね。」

「分かっています。」

 外見でしか判断できない人はこれまで無数に見てきましたからね。会社で働いてきて知っています。

「分かっているならいいわ。あなた、学校がどうでもいいような、そんな態度をとっているように見えたから、ね。」

「・・・私、そんな態度をとっていたのですか?」

 そんな学校生活を諦めた態度をとっている自覚はなかったのですが、無意識にそんな態度をとっていたのかもしれません。今後の態度は要注意するとしましょう。

「ええ。それはもう他の人に比べて、明らかに生気を感じられなかったわ。どこか力を温存しているような、大人みたいに達観視しているような、そんな気がするのよね。」

「そう、ですか。」

 周りからそんな風に捉えられていたのですか。全然知りませんでした。もしかしたら、菊地先輩や工藤先輩も、私の事をそんな風に思っているのかもしれません。ですが、仕方がないと今の私は思います。

「そうでなければ、今私はここにいず、どこかで人知れず死んでいたと思いますよ?」

「!?それって一体・・・?」

「いえ、少し誇張し過ぎて言ってしまいました。今の言葉は忘れて下さい。それでは。」

「え、ええ・・・。」

 ・・・ふぅ。少し、昔を思い出してしまいました。

(あの状態の私を救ってくださった多くの方々に恩を返す為、会社で働くとしましょう。)

 私は早めに帰り、明日の出勤準備を済ませ、副業をまったくせずに就寝しました。明日の仕事を出来るだけこなし、会社に出来るだけ貢献するためです。

 それでは明日に備えて寝るとしましょう。

 お休みなさい。

次回予告

『女子中学生モデルとそのマネージャーの番組出演勧誘生活』

 早乙女優は中学生の同好会活動を終え、仕事に集中する。

 そんな中、菊池美奈の誘いにより、女子中学生モデルの潮田詩織とそのマネージャー、峰田不二子と会う。

 その2二人から持ち出された話は、毎年8月に行われる、ある番組の出演依頼だった。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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