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国民達の大型連休生活~中学生達の連休~

 大型連休。社会人にとって嬉しい休みだが、子供にとっても嬉しい休みである。

「それにしても綾、今日もオムライス作るの?」

「うん♪だって美味しいオムライス作って、早乙女君をビックリさせたいんだもん♪」

「確かに、早乙女君が驚く顔、見てみたいわね。」

「でしょう?早乙女君、あんまり感情が顔に出ないんだもの。」

 今年中学生になった女子中学生、桜井綾と風間洋子は料理に打ち込んでいた。2人は大型連休明けの部活で、オムライスを作ることになっている。その部活動で小さな会社員がオムライスを教える事になっている。

 だが桜井綾は、教わる前にオムライスを出来るだけ作れるようにし、小さな会社員を驚かせようと企んでいるのである。

「それじゃあまずは一品作っていくね。味見よろしく。」

「分かったわ。」

 こうして桜井綾は、オムライスを作り始めた。

「やっぱり、オムレツを上手く作れるだけあって、オムライスも上手ね。」

「へっへーん♪元々オムレツは上手く作れるからね。何回か作ればオムライスだってうまく作れるもん♪」

「そのオムレツも、元をたどれば早乙女君に教わったんだけどね。」

「う!?それを言われると弱いんだけど・・・。」

 何回か練習してみたところ、桜井綾はオムライスを作ることが出来るようになった。桜井綾は1年近く前からオムレツを作ることが出来ていた。なので、オムレツの延長線上にあるオムライスも、何回か練習するだけで作ることが出来るようになったのである。

「ここまで美味しく作るとなると・・・誰かに作ってみたくならない?」

「誰かに?う~ん・・・早乙女君は大型連休明けに驚かせたいし・・・誰に食べさせようかな?」

「それなんだけど、早乙女君以外の同好会メンバーに試食してもらうとかどう?」

「つまり、太田君と真紀ちゃんにってこと?」

「そう。名案だと思わない?」

 そう言い、風間洋子はいたずら好きな子供のように笑う。

「・・・うん、いいと思う!」

 桜井綾は風間洋子の案に乗り、太田清志と神田真紀に連絡をとり始めた。


 一日経過。

「・・・それで俺達を呼んだってわけか。」

「まぁ私は別に大丈夫だよ。お店の方も、私がいなくてもまわっているみたいだし。」

 太田清志と神田真紀は、桜井家に来ていた。桜井綾がオムライスを食べて欲しくて呼んだのである。

「太田君も真紀ちゃんも来てくれてありがとう。まずはオムライスを作ってみるから食べてみてよ。」

「おう。味見ぐらいならいつでもいいぞ。俺は食べる専門だからな。」

「私も問題ないよ。家で宿題していただけだし。」

「宿題?何それ?」

「「「・・・。」」」

 太田清志の発言に、この場にいた女子3人は太田清志を見つめる。その目には、

“太田君、宿題全部終わらせられるかな?”

 と、宿題が完全終了出来るか不安な視線を送る。だが、宿題に関しては完全に本人の問題なのでスルーした。

「それじゃあ作ってくるね。」

 桜井綾は、風間洋子、神田真紀、太田清志の3人にオムライスをふるまう。

「「美味い!!」」

「ありがとー♪」

 神田真紀と太田清志は、桜井綾のオムライスを一口食べて、正直な感想を発言した。2人の発言に、桜井綾は素直に喜ぶ。

「これ美味いな。」

「ねぇ~?」

 美味しいオムライスを食べ、太田清志と神田真紀の会話が弾む。

「美味しいって言ってもらえてよかったね、綾。」

「うん!」

 桜井綾は2人の誉め言葉に満足する。

「それじゃあ、せっかく集まった事だし、」

「遊ぶか!?」

「違うわよ。」

 太田清志の遊びたい欲望を、風間洋子は言葉一つで否定する。そして、机に出したのは、

「・・・なぁ?その筆記用具は何に使うんだ?箸代わりに使うのか?」

「違うに決まっているでしょう?」

 筆記用具の数々である。太田清志はどこかで別の可能性を考えていた。だが、その可能性を考えたくないばかりに、筆記用具を箸代わりに使用する、なんて言葉を口にしてしまったのである。

「勉強で使うに決まっているじゃない?」

 勉強。それは、今の太田清志が最も聞きたくない言葉である。

「嫌だ!俺は勉強なんてしたくない、したくないぞ!」

 太田清志は勉強をやりたくないと強く主張する。

「「「・・・。」」」

 その主張を、3人の女子は可哀そうな目で見つめる。

「太田君。来月にはいよいよ中間テストがあるんだよ?ずっと遊んでいるわけにはいかないんだよ?」

 桜井綾が太田清志を哀れむように言う。

 小さな会社員が通っている中学校では、6月に中間テストがある。桜井綾はその中間テストのことを言っているのである。桜井綾や神田真紀も、風間洋子同様に筆記道具を用意し始めている。

「おいおいおい。本当に勉強、するのか?」

 太田清志は驚いた顔で3人を見る。

「初めてのテストで低い点はとりたくないもの。」

「うん。それに、独りで勉強するよりみんなで勉強した方が楽しいし捗ると思うよ?」

「う!?でも・・・、」

 太田清志はまだ渋る。

(俺、頭悪いしなぁ・・・。)

 太田清志は、ここにいる女子達より頭が悪いと考えている。なので、自分がここで勉強するのが迷惑なのではないかと考えている。

(それに、やっぱり勉強したくないしなぁ。)

 太田清志はまだ中学生。遊びたい年頃なのである。

「私が勉強見るからさ。一緒に勉強しようよ?」

 神田真紀が太田清志を勉強に誘う。

「う~ん。でもな~~~。」

 太田清志はまだ渋る。

「テストでいい成績とったら、お母さんお父さんが頑張ったご褒美に狩ってくれるかもよ?」

「・・・それってゲームソフトも入っているのか?」

「頑張り次第によっては、買ってもらえるかもしれないよ?」

「・・・分かった。やる。」

「「「♪♪♪」」」

 太田清志は神田真紀の言葉に乗せられ、勉強することにした。男子中学生にとって、ゲームというのは勉強するのにいい餌なのかもしれない。

 こうしてオムライスを食べた中学生達4人はその後、勉強することになった。途中雑談したり、勉強について不明な箇所について話し合ったり、風間洋子の姉である風間美和が参戦し、「誰だこの美女!?俺、将来こんな美人な人と結婚したい!」と、太田清志が宣言したり、太田清志の発言に、神田真紀が少し拗ねたりと色々あっが、勉強は確実に進んでいった。


「久々にオムライス食べたわ。」

「そうね。オムライス、美味しかったね。」

 同日、オムライスを食べている中学生は他にもいた。その中学生、潮田詩織は今、大型連休にも関わらず忙しなく動いていた。理由は仕事である。潮田詩織はこの大型連休に仕事を数多く入れ、仕事に集中しているのである。

「それにしても、もうそろそろ夏ね。」

「そうね。」

「夏とは関係ないけど、これ、届いていたわよ。」

 峰田不二子はある封筒を潮田詩織に渡す。

「?ありがとう。」

 潮田詩織はよく分からず 峰田不二子から封筒を受け取る。その中身の内容を読んだ潮田詩織は驚いた顔で峰田不二子を見つめた。

「これ、本当、なの?」

「ええ。先日、私にも電話が来たわ。まだ返事はしていないけど、どうする?」

「出たい!けど、どうしようかしら?」

 潮田詩織に届いた手紙の内容は、ある番組へのオファーである。ただの番組なら、潮田詩織が「出たい!」と大きな声を出して意志を伝える事はしなかっただろう。

 今回潮田詩織にオファーが出た番組は、様々なモデルが出場し、最も凄いモデルが誰なのかを競う番組である。この番組に出るだけでも光栄で自身の名前に箔がつく上、成績が優秀なら、より多くの仕事が舞い込むことだろう。だが、この番組で何か失敗すれば、自身のネームバリューを著しく落とす可能性がある。まさにモデル人生を掛け金としたギャンブルみたいな番組なのである。出演依頼があっても出るか出ないかは自由に選べるのだが、ほとんどの人は出演依頼があった場合、その番組に出場する。それほどまでに、成功した場合のメリットが失敗した時のデメリットより大きいのである。そのオファーに潮田詩織は今、躊躇しているのである。マネージャーである峰田不二子は一体どういうことかと心配する。

「どうして悩むの?出ればいいじゃない?」

「う~ん・・・。」

 潮田詩織は何か悩んでいた。

「お腹空いた?それとも痛いとか?お腹じゃない別の個所が痛いとか?」

「そんなんじゃないんだけど・・・。」

 潮田詩織の言葉の歯切れが悪くなる。峰田不二子は色々な状況を推測して潮田詩織に言ってみるが、どれも違うようである。

(まさか・・・?)

 ここで峰田不二子はまだ言っていないことを思い出し、それを口にしてみる。

「もしかして、早乙女君と一緒に出たかったの?」

「!?そ、そんなこと、ない、わよ?」

(図星だったみたいね。)

 潮田詩織の反応で峰田不二子はある程度察する。そして、鞄から同じ型の封筒を取り出す。

「実はもう一つ封筒を預かっているの。内容は同じっぽいけど、誰宛か分かる?」

「まさか・・・優にも来ているの!?」

 峰田不二子の言動はある程度推測した潮田詩織は、推測人物の名前を口にする。

「ええ。」

 峰田不二子は封筒の宛名が見えるよう、潮田詩織に見せる。宛名には、早乙女優、と記載してあった。

「てことは・・・?」

「ええ。早乙女君も一緒に出られるわよ。」

「それじゃあ、さっそく誘ってみるわ。」

 そう言うと、潮田詩織はすぐ自身の携帯電話を取り出し、早乙女優と連絡をとろうと動き出す。だが、

「ちょっと待った。」

 峰田不二子は潮田詩織の動きを止める。

「どうして?」

「せっかくだから、この封筒を見せて驚かせてやりましょうよ。きっと驚くわよ。」

 そう言った峰田不二子の顔は少し悪くなっていた。だが、その悪顔は極悪非道の罪人顔ではない。いたずら好きでやんちゃそうな子供の顔である。

「・・・それもそうね。私も優が驚く顔、見たいわ。」

 長年一緒に行動すると、思考が似るらしい。潮田詩織もいたずら好きでやんちゃな子供の顔になった。

(あいつの驚く顔を見て、思う存分笑ってやるわ!まっていなさい、あの女!!)

 潮田詩織と峰田不二子が驚かせたい人物は違うらしい。潮田詩織は早乙女優なのだが、峰田不二子は菊池美奈らしい。

「それじゃあちょっと時間を調整してくるから、ちょっと待ってて。」

 峰田不二子は席を外す。

(出来れば、優にこのことを伝えたいなぁ。)

 そんなことを心の中で思いながら、峰田不二子の帰還を待つ。

 少し経過。

「話、つけてきたわ。」

 峰田不二子が潮田詩織の近くに戻ってきた。

「それで、どうだったの?」

 潮田詩織は結果が気になり、聞く。

「再来週ならいいって。」

「再来週、か。」

「この番組のオファーの承諾は今月までだから間に合うわよ。」

 潮田詩織にオファーが来た番組の出演要請は5月末まである。この番組で多くの人生が良くも悪くも大きく変動する。決断するにも時間が必要なのだと番組運営組が判断したのだろうか。真意は誰も知らない。

「それじゃあ詩織は早乙女君と一緒、ということでいいかしら?」

「ええ。あの番組に出るのなら、私は優と出たいから。」

 潮田詩織は胸に手を当て、

「そして、私が優に勝って、トップに立つわ。」

 声はそれほどはっていなかったが、正々堂々と発言した。

「そう。それまでも、そしてこれからもサポートしていくから、よろしくね。」

「ええ。こちらこそ。」

 峰田不二子と潮田詩織は早乙女優と菊池美奈に、テレビ出演の件について話すことを決める。

「・・・へぇ?優君にこんなオファーが来るなんて、流石優君ね。惚れ直しちゃう♪」

 一方、テレビ出演について菊池美奈は既に知っていた。どうやって知ったかは不明である。

「・・・そろそろ、新たな家を購入して、不労所得を増やそうかな?購入するにしても、どれを購入しようかな?」

 そして、早乙女優は未だ知らずにいた。早乙女優がテレビ出演の話を聞くのは、これから先のことである。

 そして、それぞれの大型連休が終わり、多くの人が動き出す。

次回予告

『中学生達の料理同好会生活』

 中学生となり、新たに料理同好会を設立し、活動を始める5人。今回作る作る料理は事前に決まってていて、ケチャップライスを卵で包む料理だった。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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