新中学生達の外泊生活~その6~
「まったく。大人の体力は未知数です・・・。」
あれから本当に夜通しおしゃべりし続けていました。一切眠ることなく元気よく、です。私には信じられません。そういえば、夜にお菓子の袋を開けて食べていましたが、体重コントロールが上手く出来ているのでしょうか。私もいくらかお菓子に手をだしてしまったので、後で運動しますか。まずは睡眠のリズムを正してからですけどね。週末から睡眠のリズムが崩壊しているんですよね。早く元に戻したいです。
「それではこの一晩、本当にお世話になりました。」
「こっちこそありがとうだよ。」
「「「ありがとー。」」」
私は一晩お世話になった方達にお礼を言い、部屋を後にした。そして私は同級生の方達と合流した。合流した時、
「お前、本当に一晩、外で過ごしたのかよ。」
「まじ哀れ♪」
私を蔑む視線が出迎えていました。
(ねむ。)
ですが、ろくに寝ていない私からすれば、その視線より睡眠不足の方が体に答えていました。早く寝たいです。
「「「???」」」
女性陣は事情を呑み込んでいないのか、よく分かっていないような顔をしていたが、仕方がありません。これは男性しか知らない事ですからね。もしかしたら世間話として、ある男性が女性に話してしまうかもしれません。私が箝口令をしいても誰かが話してしまうことでしょう。私の悪名がどんどん高まっている気がします。もう気にしないようにしますけどね。
朝食の後、何かしていました。何故何をしていたのか分からないのかと言うと、私はまた別行動で清掃させられたからです。まったく。本当に私は嫌われているのですね。もう学校に期待はしていないとはいえ、このような対応をされて何も思わない、なんてことはないんですけどね。
あらかた清掃を終えた私に、
「いた!」
桜井さんが声をかけてくれました。話を聞くと、もう帰宅するので帰宅準備をして欲しいとの事。伝言ありがとうございます、と桜井さんに伝えたところ、
「ううん!これくらいなんともないよ!」
と言ってくれました。桜井さん、優しいですね。桜井さんみたいな方が弁護士になれば、世の中の法律問題が一挙に無くなるかもしれません。・・・夜通し弁護士関連の話ばかりしてきたからか、少し頭の思考回路がおかしくなっているのかもしれません。これはやはり、睡眠が必要です。桜井さんに連れられ、バスに乗った後、私はすぐに眠った。
(やっと、やっと眠れる・・・。)
そして私は帰りの道中、ほとんど眠ることとなった。
一方、早乙女優がずっと寝ていたバスの中。早乙女優の周囲で桜綾と風間洋子はある話をする。
「そういえば綾、私さっき、お姉に会ったわ。」
「え!?美和お姉ちゃんに会ったの!?でも、一人暮らししているんじゃなかったっけ?」
「そうなんだけどね。なんかサークルの関係でここに泊まりに来たんだって。」
「私もお姉ちゃんに会いたかったなぁ。それで、お姉ちゃんは何か言っていたの?」
ちなみに、桜井綾と風間洋子の姉、風間美和の間に血の繋がりはない。だが、度重なる付き合いにより、桜井綾は風間美和のことを姉と慕っているのである。
「なんでも、恩人に会えたんだって。」
「恩人?どういうこと?」
「さぁ?でも、恩人に会えて、きちんと話が出来たみたい。」
「その恩人ってどんな人なの?」
「一言でいえば、子供のように小さい子、らしいわよ。それなのにお姉と同じ年で、とても知識が豊富なんだって。」
「へぇ。まるで早乙女君みたい。」
桜井綾は隣で寝ている早乙女優を見る。風間洋子も早乙女優を見る。
「確かに早乙女君は小さいし、いろんな知識を持っているみたいだけど、私達と同い年よ?」
「そうだね。お姉ちゃんの恩人、近いうちに会ってみたいなぁ。」
「会わせてくれるんじゃない?お姉が恩人と呼ぶくらいだし、悪い人ではないと思う。」
「だよね!あーあ。早くお姉ちゃんに会いたいし、その恩人さんにも会いたいなぁ。」
そう言い、桜井綾は、風間美和が言っていた恩人の顔を想像する。
「・・・。」
風間美和の言う恩人と、今も桜井綾の隣で寝ている人物が同一人物だと、風間美和と桜井綾は気づくだろうか。その時は来るかもしれないし、来ないかもしれない。
次回予告
『会社員達の大型連休検討生活』
桐谷杏奈の2年目研修の資料作成が順調に進んでいく中、世間はそろそろ大型連休に突入しようとしていた。
その大型連休をどう過ごすか、働き盛りな社会人達は仕事の合間に話し始めた。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?




