新中学生達の外泊生活~その4~
今のこの状況を簡単に言うと、泊まる部屋がなく、外泊するしかない、という状況です。このままですと外で寝なくてはならなくなります。確か去年少し調べた時、飯盒の他にも寝袋がありましたね。あれを使えば、外で寝る事になっても多少寝る環境が改善されると思います。ですが、今の私は寝袋なんて持っていません。持っているのは、今朝大量購入したパンと、一泊する際にかえる下着類、入浴後に体を拭くタオルが2,3枚、後は水分補給のための飲み物、もしもの時のための金銭ぐらい、ですかね。他に携帯を持っているので、近辺に宿泊施設があるか調べてみますか。
「・・・ない。」
どうやら徒歩圏内には、宿泊施設はないようです。車に乗って移動すればありますが、どうやって車に乗せてもらうかです。
(ここに宿泊出来なくなったので、他の宿泊施設を使おうと考えています。なので、他の宿泊施設まで車を出してもらえませんか?)
このように、素直に言えば、車をだしてもらえるでしょうか?
いえ、無理ですね。私が通っている中学校の同級生と先生のほとんどは、私のことをカンニング魔、と蔑んでいます。本当にカンニングをしたのであれば自業自得で済むのですが、冤罪です。そのことを説明しようにも、私の話を一切聞かずに頭から否定していきます。とてもじゃないですが、私の話や意見を何も聞かず、
「あなたの勘違いじゃないの?そうでなくても、カンニングなんてしたあなたが悪いんじゃなくて?」
なんて言われそうです。あくまで私の想像ですけど。
なら、キャンプ場で一緒にカレーを作り、食べた男の子である太田君なら助けてもらえるのではないでしょうか?
いえ、この案もあまり良くはないでしょう。例え太田君がよくても、太田君と一緒の部屋にいる男の子達が私の事をよく思っていないでしょう。私が強行すれば私はもちろんのこと、太田君も嫌われる可能性があります。
(太田君も嫌われる可能性がある以上、この案は没ですね。)
私だって、太田君を巻き込んでまで部屋に泊まりたいなんて思いません。私が野宿すれば問題ないのですから。
「はぁ。」
考えた結果、これから野宿することが濃厚そうです。野宿する際には、何が必要ですかね。まだ夏ではないとはいえ、虫対策を講じた方がよろしいでしょうか?
「はぁ。」
せっかく、今日はぐっすり夜に眠れると思いましたのに。非常に残念です。今日ぐらいは快適な環境で睡眠したかったのに。
「はぁ。」
さっきからため息が止まりません。これも普段から私をカンニング魔と罵ってくる同級生や先生達のせいです。
・・・人のせいにしたところで現況は変わりませんので、今をどうするか考えるとしましょう。
「・・・よし。」
まず、寝床をどこにするか決めて、その寝床を清潔にするところから始めるとしますか。
「まずい。」
寝床に最適な場所の確保が思った以上に難しく、なかなか寝床が見つかりません。最悪、この修憲館の廊下やロビー等で一夜明かすことも考えた方が良さそうです。
まてよ?この修憲館に勤めている職員に話を通し、ロビーや廊下で眠る許可をもらうことが出来れば、安全な建物内で睡眠をとることが可能になります。
いえ、これも駄目ですね。
もし職員の方が引率の先生方に話を入れたら・・・ろくでもないことになりそうです。おそらく、「先生に迷惑をかけるな。」と言われ、説教をくらってしまうでしょう。なので、ここの職員に頼む案は愚策と言えるでしょう。
「それじゃあどうする?」
職員の方々に黙って行動に移せばいけるのではないでしょうか?・・・これから何も思いつかなかった場合は、職員の方々に黙ってロビーや階段を寝床代わりに使わせていただきましょう。
まずは、もしもの時を考え、寝床代わりになり、職員の方々に見つからないベストな寝床を見つけるとしますか。
そして、私が今晩を乗り越えるための寝床を探し始めた時、
「・・・。」
遠くから、女性の姿が見え始めました。あの女性も今晩、この修憲館に泊まる方なのだろうと少し考え、すぐに思考を切り替えました。何せこっちは、今晩の寝床を確保しなくてはならなくなりましたからね。
「・・・あれ?あの子、どこかで・・・?」
何やら声が聞こえてきます。気のせい、ですかね。
「やっぱり!優さんじゃないですか!?」
「ん?」
この声、どこかで聞いた覚えがあります。どこだったでしょうか?私は記憶を少しずつ引き出しながら、声がした方向に顔を向ける。
「・・・。」
すると、見知った方がいました。私個人としては、気楽に話してはならないと思い、無視を貫き通すつもりでした。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
私の近くにいた女性は、私が素通りしようとしていることに気付き、私の腕を掴んできました。今日で腕を掴まれるのは2度目ですね。3度目がないことを祈りましょう。
「まさか、私のこと、忘れたの!?」
その女性は自身が発言した後、悲しそうな目で私を見てきました。
・・・。
私、あなたのことを忘れたわけではないんですよ?ただ、私から話しかけないようにしていただけですよ?出来れば、このまま何の関りを持たずにいられればよかったのですが、そんなわけにはいかないようですね。
「・・・それで、どうしてここにいるのですか、美和さん?」
私は先ほどから私の腕を掴んで離さない女性、美和さんに自分から質問を振ります。
「いや、それはこっちのセリフだよ!?優さんこそどうしてこの修憲館に!?」
これは馬鹿正直に、
“私が今ここにいるのは、中学の行事の一環でここに宿泊することになったからです。”
なんて言ってしまうと、私が中学生だってことが美和さんにばれてしまいますからね。
「ちょっと・・・はい。」
かなり濁して言ってみました。これで大丈夫でしょうか?深く突っ込まれたら・・・その時考えるとしますか。
ちなみに、美和さんは私を中学生ではなく大学生と認識しています。その判断材料は確か、見た目の年齢と精神の年齢を足して2で割るとそのくらいになるから、でしたっけ?まぁそんなところです。
「なるほど。そういうことだったんですね。」
どうやら美和さんは理解してくれたみたいです。何をどう理解したのかは不明ですが、今はこれで良しとしましょう。
「あ。私は大学の付き合いでここに宿泊する予定なんです。」
美和さんは、さきほど私がした質問の返答をしてくれました。そういえば美和さん、大学を受験していたんでしたね。この様子ですと、他の同級生の方々と上手くっているようですし、良かったです。
「それは楽しそうでなによりです。」
今の私の状況と真逆と言っていいくらい充実しているみたいで、本当に羨ましいです。
「それで優さんはこんなところで何をしているの?落とし物でも探しているの?」
と、美和さんは私の周囲を見る。別に落し物はしていないんですよ。ただちょっと、
「寝る場所が・・・!?」
しまった!?つい声に出してしまいました。さきほどの声、聴かれていないでしょうか?
「寝る場所?もしかして寝る場所がない、とか?」
どうやら口にだしてしまったようです。これもきっと、睡眠不足が原因でしょう。睡眠不足だから、思ったことがつい口に出てしまったのです。そう考える事にしましょう。後悔しても聞かれてしまったものは仕方がありません。悟られないような態度をとるとしましょう。
「そんなわけないじゃないですか。」
私は出来るだけ平静を心得、反論してみる。
「いや、さっきそう言ったじゃないですか。」
冷静な突っ込みが返ってきました。
「いえいえ。私があくまで言ったのは“寝る場所が・・・。”までであって、寝る場所がないなんて一言も言っていませんよ?」
「つまり今日、寝る場所がないと。」
「・・・あれ?」
そんなこと一言も言って・・・あれ?さっき言っていますね。言わないつもりだったのに、つい言ってしまいました。これも睡眠不足が原因でしょう。・・・さっきから都合の悪いことは全て睡眠不足のせいにしている気がしますが、これも睡眠不足のせいにしておきましょう。
「それって大変じゃないですか!?」
あ~あ。もしかしなくとも、私が今日寝る場所に困っていることがばれてしまいましたね。何故あんな簡単に自白してしまったのか。過ぎてしまったことをいくら悔いても遅いので、これからどうするか考えるとしますか。
「いえ、私は別に・・・、」
「別に、なわけないじゃないですか!?優さんだってお年頃の女性なんですよ!…もしかして、この辺で寝ようとか考えていたんですか?」
と、美和さんは近辺にあるソファーを指差す。
「ここなら階段で寝るより安眠出来るかなと思いまして。」
「階段!?優さん、階段で寝るつもりだったの!?」
なんか美和さんと話しているとどんどんボロを出していく気がします。下手な嘘がつけなくなっているのでしょうか。
「そんなの駄目!ちょっと来て!」
「あ。ちょっと。」
私は美和さんに腕を掴まれ、ロビーを後にしました。
(私、どこに連れて行かれるのでしょう?)
そんなことを気にしながら、
「・・・。」
ずっと黙っている美和さんの背中を見続けていた。
美和さんに引っ張られ、着いた場所はというと、
「ここ、使って!」
見る限り、個室のようです。
「ここは?」
「ここは、私が今日泊まる部屋なの。本当は2,3人で泊まる予定だったんだけど、急なキャンセルが出て、私一人でこの部屋に泊まることになったんだ。」
「なるほど。」
それなら安心・・・安心?このままいけば、私はこれから一晩、美和さんと過ごさなくてはならなくなる、ということですね。
まずくないですか?
美和さんは私のことを女子大生と思っていますが、本当は男子中学生。つまり男です。男女が同じ部屋で一晩明かすって間違いなく異常です。これ、ばれたら私、犯罪者認定されますよね?訴えられる案件ですよね?
「なので、優さんは思いっきりこの部屋でくつろいで♪」
(絶対にばれるわけにはいけませんね。)
私は、美和さんがくつろいで言っていますが、くつろいで自分の性別が男だとばれたらやばいので、くつろげない一晩になること確定だと思いました。
「それにしても、本当にここに泊まってよろしいのですか?」
泊まる前提で色々考えましたが、本当に泊まってよろしいのでしょうか?
「はい!あ、もちろんみなさんには話してあるので大丈夫ですよ!」
一瞬、美和さんの言うみんなが、私の同級生かと思いましたが、そんなはずはないと否定します。何せ、私の同級生の顔や年齢が分かれば、私の年齢も芋づる式に判明してしまいますからね。となると、美和さんの言うみんなは、美和さんとここに来た同じ大学の方、と考えた方が自然でしょう。
「どのように話しているのですか?」
「え?それは、昔私を助けてくれた恩人が困っているから、私が使っている部屋に泊まらせてもいいかって。あ。」
「え?」
何ですか?その最後の“あ。”は。どう考えても嫌な予感しかしないのですが。
「ちょっとまずいかもしれない。」
「どういうことですか?」
「さきほど私、優さんをここに連れて来る間に、同学年の人に連絡をしていたんです。」
「それで?」
「その連絡をする際、どうしても優さんと私の関係を大雑把に話しまして。」
「・・・まぁ、事細かに話していないのであれば、いいんじゃないですか?」
優さんと私の関係、ですか。おそらく、去年起きたストーカーの件を話したのでしょう。
「それで、その時の話や、優さんについて話を聞きたいと言っておりまして・・・。」
「え?どういうことですか?」
「それで、こっちに来るそうです。」
「こっちに、ですか?」
こっち、ということは、私と美和さんが今いるこの部屋のことでしょう。
「うん。話を聞きに。」
「話って何の話ですか?」
「・・・弁護士や、法律に関する実践的な話。」
「?どうしてそれを聞きたいのですか?」
「私もだけど、今日ここに泊まっている人達、弁護士サークルだからじゃないかな?」
「弁護士サークル?」
そのサークルは一体・・・?
「ねぇ?ちょっといい?」
「さっき僅かだけど話し声が聞こえたからいるのよね?」
その声が部屋の外から聞こえました。
「あ、どうぞ。」
「ちょ・・・、」
私が待ってもらおうと声を出す前に、美和さんが声をだしてしまいました。その美和さんの声を合図に、複数の女性が入室してきました。
「ねぇねぇ?美和さんが行っていた子ってこの子?」
「うわー!同年代とは思えないくらい小さくて可愛い!!」
女性方は、私の顔を触ったり、腕を触ったりしてきました。・・・なんだかこの女性方、やっていることが菊池先輩と似ている気がするのは私の気のせいでしょうか?
「ねぇねぇ?なんであなたはここに一人で来たの?」
そして、ある女性は私にこんな質問をしてきました。私、別に一人で来たわけではないんです。まぁ馬鹿正直に事情を説明したら警察を呼ばれそうなので、かなり誤魔化して喋るとしますか。
「実は・・・、」
そして私は、何故一人で寝床になるような場所を探していたことについて説明することにしました。
私がある程度事情を話し終えると、
「「「・・・。」」」
みなさん、黙ってしまいました。
おかしい。そこまで重くならないよう、自分が常日頃からカンニング魔と蔑まれ、同級生のほとんどから悪口を言われていることは言っていないはずです。それなのにどうして・・・?
「うぅ。優さんも色々苦労しているのですね。」
美和さんを始め、女性の方々は涙を流しておりました。私、そこまで感動するお話をしたわけではないのですが、どうしてそこまで涙をながしているのでしょうね。私には分かりません。
「あの、本当にここに泊まってもよろしいのですか?」
「「「うん。」」」
私の質問に、女性方全員が答えてくれました。まさか全員が返答してくれるとは思いませんでした。
「こんな可愛い子を・・・許さない!」
「そうね!」
なんか、話が物騒になりそうな気がします。私の考え過ぎかもしれませんが、話を変えるとしますか。
「ところであなた達は弁護士サークルに所属しているらしいですが、弁護士サークルとは何なのですか?」
「弁護しサークルっていうのは、弁護士を目指す私たち女性が入れるサークルなの。それでね・・・、」
そして、美和さんが話を続ける。
弁護士サークルに関する説明は簡単に受けたので、次は活動内容について聞きました。どうやら、主な活動内容は、弁護士になるため、日夜勉強する、ということらしいのです。そして、私の話が聞きたいのは、私が弁護士とかかわりがあるからで、その際の話が聞きたいらしいです。私が関わったのはストーカー案件ばかりですし、そこまで深く関わっていたわけではないので、そこまで詳細な話は出来ません。深く関わっていたとしても、詳細に話すことはしませんが。
なので私は、詳細に話すことは出来ませんが、女性方が要望しているので、弁護士の仕事に関する話をしました。弁護士に関する話と言っても、私が知っている弁護士は下田さん達だけなので、情報に偏りがあると思います。それでも構わないか聞いてみたところ、
「「「ぜひ!!!」」」
ということでしたので、私は下田さん達弁護士に関する話をしていきました。
さらに、私が弁護士に関する話をし続ける事1時間。
「す、すごい。」
「流石は現役弁護士。そのようなこともやるのですね。」
「私達もいずれ、みなさんの役に立てるよう仕事をしていきたいです。」
と、いつの間にか広げていたお菓子に手をつけながら聞いていました。みなさん、いつの間にお菓子を食べていたのですか。まったく気づきませんでした。
「て、もうこんな時間。そろそろお風呂、入りに行こうか?」
「「「賛成!!!」」」
「もちろん優さんも一緒に行くよね?」
と、美和さんは私に肯定を求めるような質問をした。
(絶対に無理ですね。)
何せ私は男。美和さん方は女性。これが一緒に入浴出来ない理由です。この理由を言わず、出来るだけ柔らかく断るとしましょう。
「私はその、今日・・・。」
出来るだけ意味深な答えをしました。これでいい意味で誤解してくれると嬉しいのですが、誤解してくれるでしょうか。
「あ、なるほど。分かった。」
「なんか、ごめんね?」
「体、お大事に、ね?」
そう言い、私を置いて出ていきました。もしかしなくとも、入浴するために部屋をでたのでしょう。
(なんとか誤魔化せた~。)
どのような誤解をしたのかは不明ですが。誤解してくれて助かりました。お風呂は・・・まぁ一日くらい入らなくても大丈夫でしょう。
(一晩くらい顔を見せなくても問題ないでしょう。)
あの同級生のことです。私がいなくて清々していることでしょう。
「それでは、美和さん達のお言葉に甘え、この部屋で一晩を過ごすとしますか。」
お世話になりましょう。そういえば、この部屋の宿泊代っていくらでしょう。私も泊まるからには宿泊代を支払わないとなりませんからね。
(やはり現金は持ってきておいて正解でしたね。)
とんだ出費になってしまいましたが、諦めるとしましょう。これも思い出を作るための必要経費と考えれば・・・。
(いい思い出を作るにも、お金ってかかるのですね。)
この際、金銭面に関する考えは行わないようにしましょう。今日はこれから、男だとばれないように楽しみますか。
お風呂から出た美和さん達は、さきほどとは様子が変わり、髪を下ろしていました。菊池先輩もお風呂上りは髪を下ろしていましたからね。髪が長いと色々大変なのですね。
「あれ?布団、しいてくれたの?ありがとー♪」
ちなみに、美和さん達が入浴している間に布団をしいていました。なので、美和さんに感謝されているというわけです。
「私も今日、こっちで寝ようかな?」
「あ!それいい!私も布団持ってくるわ!」
「それじゃあ私だけあの部屋に一人だけ?そんなの嫌!私もー!」
そう言い、他の女性方もこの部屋に来て、布団をしきました。見た感じ二人部屋に五人分の布団は窮屈ですが、なんとかスペースを確保しました。その後、「弁護士とか法律の話を聞かせて!」というオーダーを受けたので、私は法律に関する知識を述べていきました。途中から、誰が好きなのか、新入生で誰が最も格好良いのかについて話していました。確か・・・コイバナ?でしたっけ?そんな話をしていました。
そして、日付が変わってから少し時間が経過。
「「「・・・。」」」
他の女性方は眠っていた。話し疲れてしまったのでしょう。
「みんな寝ちゃったね。」
「そうですね。」
私個人としては、女性の寝顔を男性が見ていいのかどうか分からず、なんだかいけないものを見てしまった感じがするのですが、思わないようにしましょう。
「ちょっと、出ようか?」
そう言い、美和さんは布団から出た。
「はい。」
美和さんがどういう意図で出ようかと誘ったのかは分かりませんが、美和さんには美和さんの考えがあると思い、美和さんの言葉に従う事にしました。
美和さんの後を追っていると、いつの間にか外に着きました。数少ない街灯や自販機があり、美和さんは自販機の前で何やら財布を取り出し、小銭を入れ始めました。
「はい。」
「あ、ありがとうございます。」
美和さんは私にお茶を差し出してくれました。私は美和さんの厚意を受け取り、お茶を受け取ります。美和さん自身も何か飲み物を購入していました。飲み物は・・・どうやら私と同じお茶のようです。
「美味し♪」
美和さんは一口飲むと、お茶の感想を述べていました。私も一口いただきますか。
(確かに美味しいです。)
そういえば、本来眠るべき時間帯のはずなのに、眠気があまりありませんね。変な時間帯に眠っていたからでしょうか。このままですと、睡眠時間が不規則になってしまう恐れがあるので、気をつけるとしましょう。
「話が、あるの。」
私が睡眠の規則性について考えていると、美和さんが重々しい雰囲気で私に話しかけてきました。
「話、ですか?」
「うん。いつか話そうと思っていたけど、偶然にも今日会ったから今日話すね。」
と、美和さんはお茶のペットボトルを握り、話し始めました。
(一体、どんな話をするのでしょうか?)
「あのね、優さんと私のこれからについて、話したい事があるの。」
次回予告
『新中学生達の外泊生活~その5~』
早乙女優は、風間美和に抱いている罪の意識により、今まで避けてきた。
その罪の意識を変えようと、風間美和は話を始める。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?




