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新中学生達の外泊生活~その3~

「・・・くん、おきて。」

 ん?何か聞こえてきましたね。ですが、気のせいでしょう。こちらはまだまだ寝足りないのです。もっともっと寝ましょう。

「さおとめくん、おきて。」

 私の苗字らしい文字の羅列が聞こえてきましたが、きっと気のせいでしょう。もっともっともっと寝ましょう。私の体が睡眠を欲しているのです。今の内に睡眠欲求を思う存分満たしたいです。

「早乙女君、起きて!」

「・・・え?」

 夢の中の出来事かと思ったのですが、現実の出来事でした。あまりの眠さに現実逃避していたようです。まだまだ寝たいのですが、起きるとしますか。

「えと、ありがとうございます。」

 誰が起こしてくれたのかは分かりませんが、起こしてくれたのであれば、感謝の言葉は必須でしょう。それにしても、誰が起こしてくれたのでしょうか?聞き覚えのある声だと思ったのですが、誰の声までかは思い出せません。目を開き、相手の顔を見れば誰の声か分かるでしょう。

「あ。やっと起きた。おはよう、早乙女君。」

「わざわざ起こしてくれてありがとうございます、桜井さん。」

 どうやら起こしてくれたのは桜井さんのようです。どうりで聞き覚えがあったわけですね。

「あ、起きた?」

 桜井さんの後ろから、さらに見覚えのある顔が見えました。

「ええ。桜井さんのおかげで。」

「そう。なら、綾に感謝することね。綾、あなたを起こそうと必死だったんだから。」

「!?も、もう!洋子ったら!そんなことまで言わなくていいから!」

 桜井さんが何か風間さんに言っているようです。そうですか。私、そこまで寝起きがひどかったのですね。こまめに睡眠をとることの重要性を今更ながらに認識しました。今度からは、急ぎの仕事とはいえ、自分の睡眠時間を少しでも確保出来るよう調整しましょう。

「ほ、ほら!早乙女君早く降りないと!」

「分かりました。」

 私はまだだるい体にカツを入れ、バスを降りる準備をする。そして、バスを降りた。降りると、

「はぁ~。カンニングするわ、バスの中で眠り続けるわ、本当にいい加減にしてほしいわ~。」

「ほんと、ほんと。人に迷惑をかけていることが分からないのかね?」

「なんでこいつ来たの?学校に置いてくればよかったのに。」

 ・・・ちょっと思う事はありますが、私のせいで不快な思いをさせてしまったことには変わりません。それも、事情があったとはいえ、私がバスの中で眠り続けたせいで他の人に迷惑をかけたのであれば、それを謝罪するべきでしょう。

「迷惑をかけてしまったみたいで申し訳ありませんでした。」

 私は頭を下げる。

「ち。」

「バスの中で一生寝てろよ。」

「マジでうざい。」

 そう言われてしまいました。

「・・・。」

 まぁ、バスの中で寝ていた私が悪いのですし、仕方ありません。私が我慢するしかなさそうです。

(あれ?)

 ところで、バスの中で眠ることって悪いことなのでしょうか?今回、バスを貸し切っていたので、ずっとバスの中で立ち続けていた人は多分いなかったでしょう。であれば、バスの中で寝ていても問題なかったのでは?

(もしかして?)

 私が寝ている間、いびきをかいていたとか、ですかね?それも、周囲の方々が不快になるくらい大きないびきを。だとすれば納得です。ですが、そうなら一言言ってくれればよかったのに。そうすれば、今後二度と同じ過ちをしないよう何かしらの対策を考えますのに。そもそも私、大きないびきをかいていたのでしょうか?

「なにあれ!ちょっと早乙女君が寝ていただけなのにね!」

「まぁ、岡田君が早乙女君の悪口を違う小学校から来た子全員に話しちゃったから、それを信じちゃっているのよ。」

「そうだとしても、早乙女君を悪く言われるのはなんか嫌だ!」

 今話をしている2人に聞いてみますか。

「私、寝ている時にひどいいびきをかいていましたか?」

 私の質問に、桜井さんと風間さんは少し黙る。そして、2人は顔を見合わせた後、答えてくれました。

「いびき?かいていなかったよ?ねぇ?」

「ええ。後ろの席にいたけど、まったく聞こえなかったわ。」

 ・・・ふむ。となると、私は睡眠中、他の方に迷惑をかけていなかったことになります。なのにあの人達はどうしてあそこまで私にあたってくるのでしょうか?

 ・・・。

 あくまで私の予想ですが、あの人達が私を罵倒していた時、その言葉の中にカンニング、という単語が聞こえてきました。私をカンニング魔だと未だに思い続けているのでしょうね。その歪んだ思いが、こうして私にぶつけられている。こんなところでしょうか?この思考が正解か過ちかなんて分かりませんが、もし正解だとすれば、なんとも自己勝手で我が儘な行動なのでしょう。

(はぁ。)

 ・・・なんか、考える事がバカバカしくなってきました。眠くて考えるのも辛いですし、もうスルーしましょう。

「分かりました。それではこれ以上遅れるといけませんので、行きましょうか?」

「うん!」

「ええ。」

 こうして私、桜井さん、風間さんは他の人達の後を追って行った。


 少し歩き、ある建物に辿り着いた。

 その建物の名前は、修憲館、というらしいです。私が去年まで通っていた小学校では、去年もこの建物を訪れたみたいです。言われてみると去年訪れたような気がします。心あたりはないのですが。思い出そうと考えるのも面倒くさいです。そしてこれから他の人達はこの修憲館の中に入り、中学生になった際の心構え、勉強等の話をするらしい。らしいと言うには理由があります。それは、

「はぁ。」

 それは、私がこの建物、修憲館の清掃をすることになったからです。理由は、

「期初めテストでカンニングした罰。」

 と言っていました。そういえば私、今の今まで担任の顔なんて見たことなかったのですが、担任の顔を見ると、その顔は何度も見たことがある顔でした。その顔は確か一年前、私の担任を務めていた・・・何でしたっけ?

 確か小野、小野・・・駄目だ。これ以上は思い出せそうにありません。今日はあんまり頭が働かないので、これ以上思い出そうとするのは控えましょう。

 そんな成人女性から清掃を命じられたので、色々な個所の清掃をしました。

 玄関、脱衣所、風呂場、室内、ロビー、調理室、管理人室、廊下、階段、その他諸々・・・。もう嫌になります。まだ寝不足で睡眠を欲している体にはきついものです。

「お腹も空きましたし、パンでも食べますか。」

 私はカバンからパンを取り出し、パンを一つ食べる。

 ちなみに、パンは学校に向かう前、コンビニで購入したものです。普段はあまり買わないのですが、5袋も買ってしまいました。普段なら3袋もそうそう買わないのに、です。週末ずっと仕事詰めで食事はほとんどしていなかったので、この大量のパンがありがたいです。私はこの大量のパンを食べながら、清掃をし続けた。

 パンを食べながら清掃し続けた結果、いつの間にかお昼になっていたみたいです。しおりを見て、他の人達がどこにいるのか大体予想し、食道に行ってみました。行ってみたら、誰もいませんでした。代わりに使用済みの食器が置かれていました。既に昼食は食べ終えていたのですか。まぁ、さっきからパンをかなり食べていますし、昼食がなくてもいいんですけどね。欲をいえば、パンとは別の何かを昼食で食べたかったですが、我が儘となってしまうので言葉にはしないでおきましょう。

 ん?どうやら食器の他に何かあるみたいです。これは・・・紙、ですね。何か書いてあるみたいです。

“昼食は既に食べました。あなたというカンニング魔がいなかったおかげで、とても充実したお昼となりました。あなたはここにある食器全てを洗い、食堂を清掃しておくこと。カンニング魔のあなたにふさわしい罰でしょう?分かったらさっさとやりなさい。”

 と、頭を痛くする置手紙がありました。

 ・・・。

 近辺に頭痛薬を販売している薬局、ありましたっけ?

「はぁ。」

 ただでさえ頭が上手く回らないのに、頭を痛くするような出来事がこうも続くとは。やっと一通り清掃を終わらせたと思っていたのに。というか、どうしてここまで私に嫌がらせじみたことをするのでしょう?カンニングはいけない事だと思いますが、カンニングしたからといってここまでやらせるのでしょうか?そもそも前提がおかしいんですけどね。私はカンニングしていませんので、カンニングしただのされただの色々言われるのはおかしいはずです。カンニングしていないと説明したのに理解してもらえなかったのでもう自分から説明することを放棄しました。諦めずにまた根気強く説明を繰り返すべきでしょうか。自分がカンニングしていないことをどのような方法で証明してもらえば納得してもらえるでしょうか?

 ・・・。

「ふぅ。」

 今はカンニングの事より、この汚れている食器を綺麗にしないとなりません。洗わずに知らないふりをすれば、さらに私の立場が悪くなること必須でしょう。やっても皮肉を言われる可能性があります。やらなくてもやっても悪態をつかれる。

「はぁ。」

 自分の現況を少し考えただけでため息が出てしまいます。ですが、ため息をつくだけでは何も事態は好転しません。今はまず、目の前にある食器を洗いましょう。その後は・・・食器を洗った後で考えましょう。

「さて、と。」

 清掃の続きをしますか。

 こうして私は、汚れた食器を洗うだけでなく、キッチンや食堂も軽く清掃した。そういえば午前中に一度清掃したと思うのですが、その後に来て食事をしたのでしょうね。その時、私を呼べばよかったのに。過ぎたことを考えていても仕方がないので諦めますか。


 さらに清掃を行っていく。

「ふぅ。」

 ようやく清掃が終わりました。それにしても、なかなか人と会いませんね。この建物の中に人はいないのでしょうか。そんな訳ありませんか。少なくとも同級生の方がいるはずです。現在どこにいるかは分かりませんが。

「調べますか。」

 といっても、しおりを見て現時刻で何をしているかの把握を行い、そこからどこにいるかを推測するだけです。

「・・・。」

 どうやら今の時間はレクリエーションをしているらしいです。レクリエーションを簡単に言うなら娯楽、でしょうかね。それを今やっているのでしょう。

 それにしても、私に掃除を押しつけ、他の人達は娯楽、ですか。なんとも理不尽な扱いです。ここまで私を目の敵にするのは何故でしょう?私がカンニングしたからだけとは思えません。まぁカンニングなんてしていないのですが。いまからレクリエーションしている場所に向かう事が可能でしょうが、行ったらまた清掃を任されそうです。行きたくないので、その辺の散歩でもしようかな。

「やめますか。」

 この修憲館に来てからずっと清掃し続けているので、この間に少し休憩するとしますか。この休憩の間に、しおりを読むとしますか。

 しおりを読んでみたら、他の人達がどのように行動しているのか、少し分かりました。

 まず、同学年の人達は昼食後、中学生としての心構えについて先生からきいていたみたいです。どのような内容かまでは分かりませんが、小学生とは何かしら違うと思うので、そのことについて何かしら先生が言ったのでしょう。詳細な内容は分かりませんが。後、部活の紹介も先生から軽くあったみたいです。

 私としては、どの内容も聞きたいとは思っていないので聞かなくてもよかったですが、聞くべきだったのでしょうか?話す側も、話をきちんと聞いてくれない人には話したくないでしょうし、これでいいのでしょう。このまま私は何も聞かず、知らないまま中学生生活を始める。何の問題もありません。どこに問題があるか分からない状態ですけどね。どうせ問題があっても教えてくれなさそうですし、諦めるとしましょう。

 それにしても、ようやく少し頭が働くようになってきました。働くようになって思考することがこれからの中学校生活に対する心配や不安に関することですか。自分でも若干ナーバスになっている可能性があります。これはもう、パンでも食べていないとやっていられません。

「いただきます。」

 私は大量購入したパンを口にほおばる。ほおばったパンを咀嚼し、食道に通した後、再びパンを口に入れていった。もう時刻は夕方ごろですし、おやつとしてパンを食しても問題ないでしょう。

「美味しいです。」

 こうして私は、お腹を膨らましていった。


「・・・ほへ?」

 気が付くと、私は眠っていたみたいです。時計を見ると、夕飯時。先ほど見たしおりによると、今の時刻は確か夕飯を作っているはずです。

「夕飯ぐらいなら食べさせてくれるでしょう。」

 昼食は食べられませんでしたからね。代わりにパンをかじっていましたがやはりお腹は空くものです。おやつにもパンを食べていましたが、空くものは空くものです。場所は・・・覚えていないので、しおりを見ますか。

 ・・・なるほど。近場のキャンプ場でしたか。そこで夕飯を作っているのですね。さすがに夕飯をいただいている場に来襲するわけにはいかないので、夕飯を作り終える前に着くよう移動しますか。

 近場のキャンプ場に着きました。チラホラ私より大きい人達がいました。きっと、私より大きいからといって全員大人ではないはずです。

(ほ。)

 どうやら、このキャンプ場にいるのは大人だけではなかったみたいです。同級生と思われる人達が数多くいました。同級生の人達の顔、ほとんど覚えていないので見分けがつきません。私、同学年の人達の顔、ほとんど覚えていないのですね。率先して覚えようという気はないので、別に後悔はしません。それにしても、本当に私は、仕事が絡んでいないと物事を覚えないのですね。生活に必須である家事スキルはある程度覚える事が出来ましたのに。どうしてでしょう?

 ・・・そんなことより、この場で夕飯を作らせてもらうとしますか。私の場所は・・・場所?そういえば私、どこで調理すればいいのでしょう?考えてみれば、私はここに来てからほとんど独り。そんな自分が今更この場に混ざって他の人と料理?

(出来るわけない、か。)

 せっかく会社を休み、ここまで来たというのにやっていることは清掃ばかり。これなら清掃員のバイトをしていた方が有益です。

(もう戻りますか。)

 行くあてはありませんが、この場に私がいることはおかしい、ということは分かります。やはり私は、学校に来ていい人間ではなかったみたいです。来週から休学扱いになるよう手続きでもし始めますかね。菊池先輩、手伝ってくれるでしょうか。

「・・・あ!?いた!!」

 どこのどなたかは存じませんが、誰かが誰かを探しているようです。そして、捜し人を見つけたのでしょうね。どこの誰かが誰を探しているのかなんて知りませんが。それよりもうこのキャンプ場から離れるとしますか。

「あれ!?ちょっと、どこ行くの!?待ってよ!!??」

 どうやら、探されている人は、探している人から逃げているみたいです。理由は不明ですが。経緯も不明なので、逃避行が善行なのか悪行なのか判断がつきません。

「早乙女君ってば!」

 そう言われ、私の腕を誰かが掴んできました。

(一体誰が・・・?)

 私は、さきほどまで見ていたキャンプ場を向き直す。するとそこには、桜井さんがいた。

「あ、こんなところにいたんだ。」

「早乙女君ったら、どこを探してもいなかったもんね。」

「だな。ずっと腹を下してトイレに引きこもっているのかと思ったわ。」

 そして桜井さんの後ろから、続々と見覚えのある方が現れました。

確か、桜井さんとよく一緒にいる風間さん。

 もう一人の女の子は、ケーキ屋の娘の神田さん。

 もう一人の男の子は・・・太田さん。

 記憶が曖昧なので正解かどうかは不明ですが、少なくとも語呂は合っているはずです。

「どうしてこちらに?」

 先ほど見たキャンプ場の様子から察するに、今は夕飯を作っている最中のはず。なのにどうしてここに来たのでしょうか?

「どうしてって、早乙女君と料理したくて。だから、ね?一緒に料理、作らない?」

 桜井さんは最後まで言いませんでしたが、言いたいことは分かりました。

 ・・・。

「分かりました。料理、させてもらいます。よろしくお願いします。」

 私は桜井さんのお願いを聞いて少し考えました。その結果、一緒に料理することにしました。せっかくここまで来たのです。全員と素敵な思い出、とまではいかなくとも、少人数でも素敵な思い出を作りたいですからね。このままですと、中学1年の思い出の一つに、ずっと独りで過ごした思い出を記憶するところでした。これならきっと、楽しい思い出が増える事でしょう。悲しい思い出は増やしたくないですからね。増やしたくなくても増えていくのは嫌なのですが。

 こうして私は、桜井さん達4人とキャンプ場で料理を作ることにしました。作る料理はどうやらカレーらしいです。そういえば去年のここでもカレーを作ろうとしていた気がします。きちんと材料は揃っているのでしょうか?…どうやら今年はきちんと材料を揃えているみたいです。これならカレー無しのカレーライスや、ライス抜きのカレーライスにならずに済みそうです。私達は協力してカレーを作りました。ご飯を炊く際、黒い容器を使用してご飯を炊きました。確か・・・飯盒(はんごう)、でしたっけ?去年の新人歓迎会の後、少しキャンプ道具について調べ、知識を増やしていたのですが、あの時に得た知識がここで活用出来るとは思いませんでした。私は慣れた手つきで飯盒を使ってご飯を炊いていると、「飯盒、使い慣れているね。」や、「早乙女君って何でも出来るのね。」なんて言われました。飯盒の使い方を知っていたのは単なる偶然なので、そのことを強く言っておきました。

「私達も頑張ろうか?」

「うん!」

「こりゃあ早乙女ばかりいいかっこさせられねぇな。俺もやるぜ!派手に肉を焼いて・・・!」

「太田君はこっちで私と一緒に野菜を切ろっか?」

「上等だ!俺の包丁さばきを・・・!」

「ジャガイモの皮をむくなら、ピーラーの方が簡単だと思うよ?」

「なら、俺のピーラー捌きを見せてやろう!」

 こうして、私を含めた5人でカレーを作っていきました。完成したカレーは、一人で作って食べるカレーより美味しく感じました。変ですね。調理方法は自室とほとんど変えていないはずですのに。飯盒を使ったから味が変わったのでしょうか?それとも、知らず知らずのうちに調理方法を変えていたのでしょうか?理由は分かりませんが、そこまで深く考えなくていいか。

「美味しいね、洋子♪」

「そうね、綾♪」

「見ろ!これが、俺が皮をむいたジャガイモだぞ!」

「はいはい、すごいねー。」

 他の方達と和やかにご飯を食する。この行為が、いい思い出に繋がりそうです。この思い出を何か物に残しておきたいです。文字・・・ですと、この風景が鮮明に脳裏に浮かべる事が出来ないでしょう。なら、写真で保存すればいいのではないでしょうか?

(少しだけ、失礼します。)

 私は、自身の目に見える光景をいつでも閲覧出来るよう静かに携帯を取り出し、この光景を画像に収めた。

(これなら、うん。)

 他の人に許可をもらわず、勝手にシャッターを切ってしまいました。これで私を盗撮の容疑で訴えられたら、証拠になりえるこの画像は真っ先に消去しましょう。そんな覚悟を人知れず行い、残りのカレーを食べ終えました。


5人で使用した食器を洗い、今日私が宿泊する部屋に向かった。

 だが、

「お前みたいなカンニング魔が、俺達と同じ部屋に泊まろうとしているんじゃねぇよ!」

 と、私を追い出しました。その後、私をカンニング魔と罵った人の周囲に他の男の子達が集まり、

「そうだ、そうだ。」

「あんなカンニング魔と一緒にいたら、俺もカンニング魔菌に感染しちまうよ。」

 と、言われてしまいました。さすがにここまで反対されても部屋に泊まるほどの図々しさは持ち合わせていないので、部屋を後にしました。・・・ところで、カンニング魔菌ってどんな菌なのでしょうか?そんな名前の菌、聞いたことないのですが・・・。まぁいいです。

(それより、この状況をどうするか、です。)

 本当にどうしましょう?

次回予告

『新中学生達の外泊生活~その4~』

 理不尽な目に遭いつつも、なんとか乗り越えてきたものの、宿泊場所がなく、困ってしまう。そんな時、思いもよらない人物に再開する。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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