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新中学生達の外泊生活~その1~

 4月第3週。

 この週の初め、ある中学生達は朝早くから学校に集まっていた。その学校には、普段停まっていないバスが停車している。

「みなさーん。それではバスに乗りますよー。」

「「「はーい!!!」」」

 中学生達がバスに乗り始める。その中学生達の中に、ひと際小さな中学生がいた。

(ねむ。)

 その小さな中学生は、とても眠そうな表情をしており、立っているにも関わらず、今にも寝そうである。

「・・・。」

 小さな中学生は、自分が座るべき席に座ると、真っ先に荷物を抱きかかえながら目を閉じる。小さな会社員が眠るのに時間はかからなかった。

「隣、失礼する、ね?」

 そして、小さな中学生の隣に座ろうとしている女子中学生、桜井綾は小さな中学生、早乙女優の様子に疑問を浮かべていた。

「もしかして早乙女君、寝ちゃった?」

 桜井綾は早乙女優の顔を覗いたり、頬をつついたり、肩を軽くゆすってみたいしたが、起きる気配は一向にない。

「どうしたの、綾?」

 いつもと異なる様子の桜井綾に風間洋子は声をかける。

「早乙女君がもう寝ちゃったみたいなの。」

「寝た?」

 桜井綾は、風間洋子にも早乙女優の寝顔が見られるよう体の位置を調整する。

「…本当だ。」

 風間洋子は、早乙女優の眠っている様子を見て、桜井綾の言葉が真であることを確認する。

「それになんか、目の下にクマ、出来ていない?」

 風間洋子はそう言い、早乙女優の目の下を指す。

「ほんとだ。なんであるんだろう?」

「もしかして、今日を楽しみにしていた、とか?」

「私、その気持ち分かるな~。私も今日を楽しみにしていたから。」

「どうして?」

「洋子と一緒だから、だよ♪」

 そう言いながら、桜井綾は笑顔で風間洋子の顔を見る。

「そ、そう。それは、嬉しいわ。」

 風間洋子は照れながらも桜井綾に感謝の言葉を述べる。

「早乙女君、きっと昨日眠れなかったんだろうけど、昨日は一体何をしていたんだろう?」

「さぁ?今日持っていく荷物の確認でもしていたんじゃないかしら?」

 そう言い、風間洋子は桜井綾の後ろの席に座る。桜井綾は早乙女優の隣の席に座り、風間洋子と話を始める。

 やがてバスは出発し、目的地へ向かう。


 一方、同刻の社内にて。

「はぁ~。優君がいなくなっちゃったわ。」

「お前、今日でそれを言うの十回目だぞ?いい加減仕事をやれよ。」

「仕事はやっているわ。でも、優君がいないと仕事の意欲が十億分の一なのよ。」

「はぁ~。お前がそんなことだから、社内の空気も若干暗くなるだろうが。少しはやる気を出せよ。」

「やる気・・・そうね。このままじゃあ、優君に合わせる顔がないもの。ここは一生懸命に仕事をこなすことにするわ!」

「・・・そう言いながらお前は一体何をやっているんだ?」

 早乙女優が出勤していないことで、菊池美奈のやる気が急激に下降していた。菊池美奈は少しでもやる気をだそうと動き出した。動き出した先は、早乙女優が普段から使っている机である。

「この椅子、サイズを変えられるし、頑丈だから助かるのよねぇ~♪」

「お前、まさか!?」

 菊池美奈は、早乙女優が普段使っている椅子を、自身の机の前まで持っていく、自身が先ほどまで使っていた椅子と交換する。そして、座る。もちろん、菊地が座ったのは、さきほど交換した椅子である。

「はぁ~♪これが、普段優君が使っている椅子の感触なのね♪」

 菊池美奈は椅子に座ると、椅子の感触に恍惚とする。

「「「・・・。」」」

 その様子を、三者三様で見ていた。

 ある酒好きな成人男性は、思いっきり頭を抱え、「俺、今から頭痛薬を追加で買ってこようかな。」と言う。

 ある入社2年目の社員は、「さ、さすがは菊池先輩です・・・。」と、褒めているような褒めていないような声をかける。

 プリンが好きな成人男性は、菊池美奈を少し見た後、すぐ仕事を再開した。

 色濃い社員達の上司にあたる役職付きな成人男性は、「工藤君、私の分の頭痛薬も頼む。」と、酒好きな会社員に買い物をお願いする。

「それにしても優君、今日はやけに疲れた顔をしていたけど、一体どうしたのかしら?」

 周囲の異様な雰囲気に、元凶たる菊池美奈は気づかず、今朝の早乙女優を思い出す。そして、仕事をしながらも、早乙女優の事を心配し始めた。

次回予告

『新中学生達の外泊生活~その2~』

 学校行事当日、早乙女優は遅刻することなく学校に登校するも、バス乗った後、すぐに眠ってしまう。その元凶は、数日前の出来事にあった。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?

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