小さな会社員の中学初登校生活?
4月第2週。普段なら仕事をするため、朝早くから出勤準備を行っていますが、今回は違います。本日は登校するため、登校準備をしています。出勤だろうと登校だろぅと、朝に私がやるべきことはあまり変わりません。その変わらない事とは、朝食作りです。平日の朝、共同リビングで朝食を食べる先輩方のために、私は朝食を作っています。
「うふふ♪こうして毎朝優君と朝食を作っていると、なんだか優君と新婚生活を送っている気分だわ♪」
私の隣にいるこの方は菊池美奈先輩。私がとても信頼している先輩で、とにかく私を過剰に溺愛している方です。
「優君のそのエプロン姿も、なんだか新妻っぽいわね♪もちろん夫は私よ♪」
その溺愛具合は、他の先輩方がドン引くくらいです。
料理や仕事等色々出来ますし、色々な事を知っているようです。知っている事に関しては、主に人の弱みみたいですが。また菊池先輩はネット関連にも色々精通しています。私は菊池先輩からパソコンの操作技術、知識を色々教わりました。何故多種多様な知識・技術を習得しているのかは謎ですが、知識や技術面においてはとても頼りになる先輩です。なので会社では毎日、菊地先輩を頼って色んな人が菊池先輩のデスクに訪れます。本当に凄く、頼りになる先輩です。
「はい、ご飯です。」
私は共同リビングのテーブルの上に朝食を並べる。今日の朝食はパンにスクランブルエッグ、ベーコン、ミニトマトです。
「お♪美味そうだな。いただきます。」
今ご飯を食べ始めた方は工藤直紀先輩です。工藤先輩は無類のお酒好きで、平日でも休日でも毎日飲酒しています。なので、工藤先輩の肝臓、体が心配です。私の事を陰ながら支えてくれ、私に色々な常識を教えて下さり、とても頼りになる先輩です。
「本当に美味しいです!さすがは優さんです。」
「美味いな。」
この食卓を囲んでいる人達の中には、私と同じ課で働いている方達、桐谷杏奈先輩や橘寛人先輩もいます。
桐谷先輩は、去年入社してきた新入社員なのですが、新入社員にしては仕事が出来ます。おそらく、他の新入社員より多くの時間仕事しているからでしょう。そして、素直な性格で素敵な女性です。
橘先輩は、桐谷先輩よりも早く入社してきた方で、菊地先輩や工藤先輩に比べ、口数が少ない先輩です。だからと言って気難しい方ではありません。とても人の事を考えており、私のことをとても気遣ってくれる優しい先輩です。
どの先輩も私に尊敬できる先輩で、恩がある先輩方です。私は普段、この先輩方達の恩を返すため、会社で働かせてもらっています。
「はぁ~♪本当、優君の朝ご飯ってどうしてこんなに美味しいの?」
「それはプロ顔負けの菊池先輩が手伝ってくれたからではありませんか?」
「そんなこと言ったら、優もプロ顔負けどころか、プロ以上じゃないか?」
「ですよね!優さんの料理、いつ食べても絶品で最高です!」
「俺も同意。」
「そんなお世辞言っても何も出てきませんよ?」
先輩方で私が作った料理を褒めてくれます。褒めてくれるのは嬉しいですが、私の料理がプロ以上なんて、そんな訳ないと思います。
「?」
なんか、携帯が震えていますね。こんな朝早くに着信があるなんて珍しい。一体誰からでしょうか?
「もしもし?」
私は携帯に出る。
「・・・はい、はい。分かりました。では今日は行かせてもらいます。はい、ではまた後で。失礼します。」
私は用件を確認する。
「どうしたの、優君?」
「はい。何でも、緊急な仕事がさきほどメールで入ってしまったらしく、私に急遽出勤して欲しいとのことです。」
「やった♪これで今日も優君と一緒に仕事が出来る~♪」
「でもいいのか、優?今日は学校に行く予定だったんだろう?それに、優に仕事を振らなくても菊地とか俺に仕事を振っても文句は言わないぞ?」
「課長によりますと、工藤先輩や菊池先輩には別の仕事を振る予定とのことですので、工藤先輩の案は難しいかと。」
「そ、そうか。それは仕方ないな。」
「うふふ~♪優君とのお仕事、今日も幸せ~♪」
「それでは私は出勤準備がありますので、これで失礼します。食器はいつも通りでお願いします。」
「おう。」
「優君、一人で着替え出来る?私が手伝おうか?下着の準備は絶対私に任せて!」
「一人で出来るので問題ありません。」
「そ、そんな!!??朝から優君の下半身を拝み、触りつくそうとしたのに!」
「そんなことは絶対にさせないので気にしないでください。それでは。」
「そんなぁ~。」
まったく。一年経っても菊池先輩は変わりませんね。そして私は、出勤準備を済ませ、会社で今日仕事を全うした。仕事をお願いした課長からは「ありがとう。君のおかげで助かった。」と、お礼を言ってくれました。私としては当たり前のことをしたのでお礼を言われるのはちょっと照れくさかったです。
「そうよ!なんて言ったって優君はこの会社の全てを掌握しているのだから!」
と、菊地先輩は訳の分からないことを言っておりました。私個人が会社の全貌を把握なんて出来るわけないのに。
「菊地君はともかく、お得意様は早乙女君の能力を信頼しているから、ご指名の仕事が入ってくるんだ。その点に関しては流石だと思うぞ?」
という課長の言葉を聞き、私は課長に感謝の言葉を伝え、仕事を続けました。
「はぁ、はぁ、はぁ。優君の仕事姿、本当に最高♪最高過ぎて鼻血出そう。」
「お前、よくそんな様子で仕事ができるよな。本当に謎なんだけど。」
そして私は緊急の仕事を終わらせた翌日に登校することとなった。明日から学校ですか。そういえば学校の詳細な情報を所有していませんでしたね。本日は、私が通う学校に関する情報を獲得しますか。
次回予告
『小さな会社員の中学初登校生活』
中学校に初登校しようとしたものの、急な仕事が舞い込んでしまい、初登校が後日となってしまう。
そして後日、早乙女優は初登校する。そしてある先生に出会うのだが、その先生はある者の身内であることを知る。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?
 




