男の新人社員から小さな会社員への悪口生活~続~
2月初の投稿です。前々回のいざこざがついに解決します。
そんな優が、悪口を言われている、だと!?
しかも、陰湿に、である。
こんなたちの悪い行為を、あんな小さな子供の優は一人で我慢しているというのか。
橘は優に、過去の自分のように生きてほしくない。
そして優には、このまま俺達と一緒に仕事を続けてほしい。
この場を、優を守りたい。
我儘でもいい。
身勝手でも構わない。
(…もう、なりふり構っていられないな。)
橘は優を守ることを決める。
その日、橘は自分の家に帰り、
「…あった。これだ。」
とあるバッジを握りしめ、
「優は、必ず俺が守る!」
覚悟を決める。
例え、自分が退社することになっても。
翌日、
「ちっ。今日もあいついるのかよ。」
「だよな。いい加減、死んでくれねぇかな。」
と、またもや優の耳元でささやくように言う新人社員達。
一方の優は、
「…すみません。」
と、何故か謝罪の言葉をかける。
その言葉を聞き、
「ふん!そう思うのなら、さっさとこの場から消えてくれよ!」
「ほんと。まじ、ありえない。」
と、捨て台詞を吐かれる優。
あの新人社員達がいなくなった後、
「さぁ~て、今日も頑張りましょう。」
と、独り言を呟く優。
だが、終始観察していた橘は見逃さなかった。
優の目に、光る何かがあったことに。
橘はそれを目にした途端、
(あ。これはもう駄目だ。)
自分の何かのスイッチが入った。
だが、
(次は必ず…!)
感情に任せた行動をとらないよう自制する。
ポケットに忍ばせていたある物を握りしめ、誰にもばれないよう、その場を後にする。
今日も桐谷先輩の仕事指導をしているのだが、
「…。」
橘先輩が不機嫌である。
何故かはまったく心あたりがない。
もしかして、私生活で何かトラブルにでも巻き込まれたのだろうか。
聞こうにも、
「あの、どうしましたか、橘先輩?」
「…なんでもない。いいからお前は仕事しろ。」
と、つっぱねるばかり。
私は、
(どうしたのだろうか?今日は調子が悪いのかな?)
なんて考えながら、とある二人の後始末をしていた。
終業時間も近くなり、
「この後どうする?」
「飲みに行こうよ!」
「いや、今日はあそこのお店の方が…。」
みんなはすっかり気が抜けて、この後どうするかで話が盛り上がる。
そんな中でも、
(…なんで橘先輩は怒っているのだろうか?)
いつにもまして不機嫌だった。
いつもはサングラスをかけて仕事しているのだが、時折サングラスを外し、目頭を押さえた後、
「…。」
こちらを睨んでくるのだ。
…一体、何があったというのか。
「優く~ん。今日も私の疲れを癒してー。」
「…菊池先輩?」
もう、この人は。
何度言っても、私に抱き着く癖が治らないのね。
「ん~♪優君エネルギーが私の体内に補填されていくわ。」
「…私って一体…。」
もう菊池先輩が言っていることは軽く受け流そう。
「…?優君?もしかして、何かあった?」
「?何がです?」
「…そう。」
と、またギュッと抱きしめる菊池先輩。
私は軽く目をつむって深呼吸してから、
(さ、後少しだし、頑張っちゃお。)
私は再びキーボードをたたき始める。
そんな様子の優を見てから、
(…さて、私は明日の分の仕事でも進めようかしら?)
自分のデスクに戻る。
終業時間が過ぎ、優の元を訪れたのは、
「あの、少しいいですか?」
あの新人社員の二人が、柔らかい口調で話しかけてきた。
優は、
「…分かりました。」
と、やや暗めの口調で、自分のデスクを後にする。
(…さて、始めるか。)
そして、橘も三人の後をついていく。
だが、橘は気づかない。
「…。」
橘自身も、尾行されていることに。
優が連れてこられたのは、この会社の資料室である。
普段、この部屋には人の出入りがほとんどない上、鍵がかかっているはずなのだが…?
「さ、どうぞこちらへ。」
と、誘導する新人社員の二人。
優は素直に従い、資料室に入る。
そして、
パアン!
そんな音が響く。
それは、
「なぁ?なんでお前、この会社から出ていかねぇんだ?」
「いい加減、俺達も頭に来ているんだけど?」
優が頬を打たれた音だった。
そして、誹謗中傷の嵐が優に襲い掛かる。
ただでさえ小さい優が、より一層小さくなっていった。
優自身、悪口を言われることも、理不尽な目にあうことも慣れている。
だから、言われ続けている間も、ずっと無表情で俯いていた。
そんな光景を隠れながら見ていた橘は、
(やっぱり、こういう屑はどこにでもいるものだな。)
そう考えていた。
そして、
「おい。いい加減にするのはお前らだろう?」
橘は優と男達の間に割って入る。
「た、橘先輩!??どうして!??」
俺は優の質問を無視し、
「さて、覚悟は出来ているのだろうな?」
自分でも驚くくらい、冷たい声で言う。
「いえいえ。自分達はこの人に教育していただけです。な?」
「え、ええ。ただ、それだけです。」
こいつらは平然と嘘をついた。
こいつら…。
絶対に許さねぇ。
俺と道づれだ。
「へぇ~。これが教育か?」
と、俺はポケットにしまってあったボイスレコーダーを再生させ、今までの発言を聞かせ、
「ずいぶんな教育だな。」
と、俺は冷めた口調で言い放つ。
瞬間、二人の顔に驚きの色が見えたが、
「…それだけで俺達を訴えるつもりですか?確かに教育としてはやり過ぎなところもありましたが、これも愛の鞭ってやつです。な?」
「そ、そうです!もし訴えるつもりなら、こちらも名誉棄損で訴えますよ!」
と、言い返される。
「愛の鞭、か。それで罵倒したり、手を出したりしていいっていうのか?」
「いえ?ただ、言い過ぎてしまったのでこれから謝ろうかと思いまして、な?」
「そうです!ひどい言いがかりです!」
と、勝ち誇ったような顔をする男達。
反省のはの字も見られなかった。
俺はその二人の態度に思わず手を出してしまいそうになるが、今までの経験上、先に手を出すわけにいかない。
俺はなんとか踏みとどまり、ポケットからあるバッジを取り出す。
「…ところで、これ、何に見える?」
俺はバッジを見せながら、男達に問う。
男達は俺からのいきなりの問いに若干戸惑っていたが、
「ば、バッジですよね?」
「それが何だというのですか?」
「…?」
俺以外、このバッジの意味を知らないようで、俺に答えを求めてくる。
俺もその問いに答えよう。
「これは、とある会の名誉会員の印としてもらっておいたバッジだ。」
「そんなバッジを振りかざしてどういうつもりですか?」
「これは『極竜会』の名誉会員のバッジだ。」
「「「『極竜会』???」」」
俺は話を続ける。
「簡単に言えば、ヤクザの組の一つだ。」
「「「!!????」」」
ま、そりゃ驚くよな。
俺はヤクザと繋がっている、と公言したのだからな。
「それで、俺が頼めば、やつらはお前らをボコりに行くが、それでもいいのか?」
「はぁ!?お、お前!自分が言ったことの意味、分かっているのか!?」
「そうだ!この会社にいられなくなるぞ!」
「別にいい。」
と、静かに言ってから、
「だが、お前らも道連れだ!」
と、俺は言い放つ。
「さぁ選べ。このまま会社に残り、ヤクザ達に一生ビクビクしながら働くか、俺とともにこの会社を辞めるか。」
男達は俺を睨み付けるが、俺もサングラスを外し、
「悪いが、その手は通用しねぇんだよ。」
対抗する。
「「ひぃぃ!!ばば、化け物!!」」
化け物、か。
久々に言われたな。
だが、これでいい。
「さぁ。早く選んでもらおうか?ボコられるか、辞めるか?」
俺は全力でこの二人を睨み付ける。
「「や、辞めます!!」」
二人はすっかり俺に怖気づき、ぺたりとその場に尻餅をつく。
俺はその二人を引きずって運ぼうとしたが、
「いいえ。辞めるのはその二人だけよ。あなたは辞めなくていいわ。」
振り返るとそこには、
「き、菊池先輩!??」
先輩がいた。
な、何故ここに!??
「ごめんなさいね。ちょっとそいつらのことを調べていたものでね。おかげで色々分かったから。」
と、菊池先輩は冷めた目で二人を見ながら、カバンから書類を取り出す。
「あなた達はさっきから、優君に教育をしていたと言うけど、優君が今日していた仕事はあなた達新人の後始末よ。」
「「は?」」
「だから、あなた達が出した書類に不備が多くて、わざわざ下げなくてもいい頭を優君は下げて、それらの後始末を全て引き受けてくれていたよ。あなた達に内緒で。」
…ばれていたのか。
ばれずにこっそりやっていたつもりだったのに。
「う、嘘だ!嘘に決まっている!」
「第一、証拠が無いじゃないか!」
「証拠?それなら、今日の優君の業務内容を紙におこせばいいの?それとも、あなた達の間違いだらけの書類と、優君が修正した書類両方を見せましょうか?もちろん、コピーだけど。」
「「…。」」
「それで聞くけど、あなた達は優君にどんな教育をしていたの?」
「「…。」」
「はぁ…。」
菊池先輩はさらに書類を取り出す。
「えーっと、あなた達は我が社のパソコンを使って、旅行の予約をしていたわね。それも、勤務時間中に。」
二人は菊池先輩の発言に驚く。
「他にも、我が社の備品を無断で自宅に持ち込んだり、備品を壊したのにも関わらず申告しなかったり、勤務時間中にゲーセンに言っていたり、色々と不貞行為をやらかしていたみたいね。」
菊池先輩は淡々と言う。
「し、証拠でもあると言うのか!??」
「証拠?なんなら、我が社の防犯カメラやあなた達が使用していたパソコンの履歴でも調べましょうか?ま、私が既に調べつくしたけど。」
「「…。」」
さすが、と言うべきなのか。
相変わらず、と言うべきなのか。
菊池先輩のやることって、いつも飛びぬけているんだよね。
「別にあなた達がいくら不貞行為をしていても見て見ぬふりをしようかと思ったけど…。」
そして再び、菊池先輩は二人を氷のような冷たい目で見て、
「優君に手を出したからには、一切許しはしないわ。早くこの場から去りなさい。今日からあなた達二人は解雇よ。」
と、冷たい声で言い放つ。
「明日には辞職届を出しておきなさい。後、余計な事を一つでも言えば、今度はあなた達の全てをぶち壊してやるから、覚悟なさい。いいわね?」
「「…。」」
二人は着信がきた携帯のようにブルブル震えていて、菊池先輩に返事しなかった。
そのことに気付いた菊池先輩は、
「返事は?」
と、静かに怒気を込めて言う。
「「は、はい!失礼いたしました!!!」」
と、足早に去る新人社員の二人。
さて、私もこの場に乗じて…。
ガシ。
「優君?何逃げようとしているの?」
「き、菊池先輩…。」
逃げられるわけがなかった。
「あ。橘君、ありがとうね。後処理は全部私がやっておくから、今日はもう帰っていいわ。今日はほんと、優君のためにありがとう。」
菊池先輩は頭を下げながら、橘先輩にお礼を言う。
「い、いえ!俺なんかのために頭を下げないでください!俺はただ…。」
「いいの。これは私のけじめだから。後、明日も会社に来なさい。」
「え?でも俺は…?」
「そんなことはどうでもいいわ。明日は絶対に会社に来ること、いいわね?先輩命令よ。」
「は、はぁ…。」
相変わらず、先輩は強引だなぁ。
あ、でも一つだけ。
「橘先輩!」
私は帰ろうとする橘先輩を呼び止める。
「…なんだ?」
「今回は、ありがとうございました。助けてくれて、嬉しかったです。」
「…単なる気まぐれだ。」
そう言って立ち去る橘先輩。
さて、私も、
「優君?何度言ったら分かるの?今日は逃がさないわよ?」
「…あいたたた。ちょっと目眩が…。」
「…。」
私の言い訳に、冷たい目で返す菊池先輩。
「…すみませんでした。」
「とりあえず、謝罪は受け取るわ。でも、まだ、言っていないことがあるわね?全て話しなさい。」
いつものふざけた空気とはまったく違う。
静かに、でも心は怒りで満ちている。
そんな感じだ。
「まず、今回のことはありがとうございました。」
「そんなことはどうでもいいの。さ、早く話して。」
「…。」
私は素直に今回の事を話す。
そして、
「…そう。分かったわ。お仕置きはまた後でするとして、今回の後処理は私に任せて、今日はもう帰って寝なさい。」
「…はい。」
私は素直に頷く。
こうなった菊池先輩は、もう誰にも止められないのだ。
「うん。素直でよろしい。」
と、頭をポンポンされる。
よかった。
いつもの菊池先輩の顔だ。
私は菊池先輩の好意に甘え、退社した。
翌日。
社内ではちょっとした噂が流れていた。
“ねぇねぇ知っている?”
“何が?”
“あの新人の二人、辞めたそうよ?”
“え?なんであの二人、辞めちゃったの!?”
“さぁ~?私も知らない?何か知っている?”
“ううん。私も初めて聞いたわ。”
あの二人が急に辞めたことで、ちょっと波風がたっているみたいだ。
みんな、何故あの二人が辞めたのか不思議に思っている。
ま、
「…なんか、今年の新人の二人が辞めたそうだな。」
「へぇ~、そうなの?そんなことより優君!今日は優君のためにチョコレート作ってきたの!バレンタインじゃないけど、受け取ってくれる?」
「え?あ、はい、ありがとうございます。」
「きゃー!ちょー嬉しいー!もう、死ねる!」
「だから死ぬなって!そんなことより、お前、また何かやっただろ?」
「…何も。」
「…はぁ。」
工藤先輩は気づいているみたいだけど。
「あ、あの、菊池先輩。」
「ん?…あら、橘じゃない。何か?」
「なんで昨日のことが…。」
「しっ!ここじゃなんだし、ちょっと行くわよ。ほら、優君も!」
「え?私もですか!??」
「もちのろんよ!あ、工藤、ちょっと席、外すわね。」
「あ!おい!ちょっと理由を…!」
私達は人気のない場所へ向かう。
「…ふぅ。ここなら誰にも聞かれないわね。」
「そう、ですね。」
「…それで、何故俺がこのまま会社で働けるのですか!?」
橘先輩は若干苛ついているようにも見える。
そんなにここで働くのが嫌、だったのかな?
「そんなの、決まっているでしょ?」
「は?」
「優君を助けてくれたからよ。」
「…それだけ、ですか?」
「ええ、それだけよ。」
狂っている。
そう、橘は考え始める。
だが、
「それでも、あのことをあなたが…!」
そう、橘は懸念しているのだ。
いつ、自分が『極竜会』、ヤクザと繋がっていることをばらされることが。
だから、退社することも考えていた。
「あなたのそんなちっぽけな事情なんて、知ったことじゃないわ。別に興味もないし。」
「!??」
「だから、気にする必要もないわ。それに、最初から知っていたし。」
「は?」
最初から、だと!?
それってつまり…?
「さ、この件についてはこれでお終い。ほら、仕事に戻らないとあの酒豪が怒り出すからさっさと戻りましょう?」
「え?え?」
橘先輩、理解出来ていなさそうだな。
私もビックリしたけど。
「今夜、荷物が届くから、ちゃんと受け取りなさい。それが今回のお礼よ。」
「え。」
そう言い残し、菊池先輩は自分のデスクに戻る。
「今のってどういう…?」
「さぁ?私にも分かりません。」
だけど、
「今回のことは、私だけではなく、菊池先輩も感謝している。それでいいのではないですか?」
「だけど、俺はそこまでのことは…。」
「したから、菊池先輩はここまでしたのではありませんか?」
「…そうだな。」
橘先輩は多分、理解出来ていないと思う。
私だって、菊池先輩のことを十分に理解できているわけじゃない。
だからみんな、歩み寄って理解しようとしているのだと思う。
もっとも、菊池先輩は私に近過ぎなのだが。
「さ、橘先輩も行きましょう?」
「…そうだな。」
私達は持ち場に戻る。
「お?やっと戻ったか。さ、今日も仕事がたんまりあるぞ!気合い入れてやるぞ!」
「はい!」
この生活を守るために。
ちなみに、今日の午後の休憩では、
「はいみなさん。今日のおやつはプリンですよ。」
「「「うっし!!」」」
…ま、私が単なる自己満足で待ってきているだけなので、別にお礼なんて言わなくてもいいけど。
だからと言って、露骨にガッツポーズされると、ハードルが上がって出しづらい。
「はい、橘先輩もどうぞ。」
「…なんか悪いな。色々と気、使わせたみたいで。」
「いえ。これも私の仕事ですので。」
そう言って、橘先輩のデスクにプリンを置く。
「どうぞ。」
「…おう。」
私、知っていますから。
橘先輩の好きな食べ物が、プリン、だということは。
その後、橘は出されたプリンを食べる。
心なしか、いつもより食べる速度が上がっていた。
そして、
(やっぱ、優の出すプリンは美味いな~♪)
ヤクザですらビビるほどの眼力を持つ男とは思えないほど、内面はとろけていた。
(さて、残りも頑張るか。)
そして、やる気となった橘はいつもより仕事を早く終わらせ、終業時間とともに家に帰る。
家に着いた頃、
「あ、こんばんは~。宅配便です。お届け物を届けに参りました。」
どうやらタイミングよく宅配便が来ていたらしい。
橘はその荷物を受け取り、その荷物を持ったまま家に上がる。
差出人を見てみると、
「菊池先輩?」
あれ?
住所とか郵便番号、教えていたっけ?
そういえば、俺が『極竜会』と繋がっていることも最初から知っていたって言うし。
ほんと、あの人は何者なんだ?
橘にそんな疑問が浮かびながらも段ボールを開けてみると、中には、
「こ、これは!??『プリン堂』のプリン、しかも、『ハッピーセット』じゃないか!?」
『プリン堂』。
それは、プリンを中心とした、様々な甘味スイーツを売っている店である。
そして、そこのプリンは絶品で、休日は午前中に売り切れ必死。
買いに行くなら平日の午前中しかない、と言われているほどの人気店である。
そして、その店で一番人気なのが、店の売りにしているプリンを五種類詰め込んだセット。
この五種類はみんなの人気投票から厳選されたプリンで、通称、『ハッピーセット』。
プリン好きなら泣いて喜び転げまわる逸品である。
そして、これを買えるのは『プリン堂』の会員でもごく僅か、のはず。
かくいう俺も会員なのだが、根気よく通っていても、未だに買えない。
それをどうしてあの先輩が…?
ん?
よく見ると、下に手紙が。
“今回はありがとう。今後も頑張りなさい。”
それだけだった。
これだけでは、何を伝えたいのかがよくわからない。
何を頑張ればいいのだろうか。
だが、今の橘には、そんなことを考える余裕はない。
何せ、
「さ。あのお気に入りのスプーンで美味しくいただくか♪」
目の前のプリンに夢中なのだから。
次回予告
『小さな会社員と何でも出来るOLのお仕事代理生活』
今年は言ってきた新人社員、桐谷の仕事指導も大体終わり、優の負担が軽くなった頃、他の課で仕事のトラブルが発生する。そして、その時たまたま近くを通っていた優に罪をかぶせようとする。だが、そんな理不尽を菊池はいともたやすくはねのける。そして、その課の者達はその仕事を、仕事が一番出来る菊池に頼もうとする。そのお願いに菊池はどう対応するか!?
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか?
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