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現実世界で2週目始めます  作者: 柳翠
第二章 一学期
7/9

【確認】

ピーンポーンピンポンピンポンピンポーン


ひたすら鳴らされる呼び鈴。


「だれだよっ、うるさいなぁー」


布団に潜っていた俺は携帯を探して手であたりを探る。


――ふにっ


不意に手に当たった感触に驚く。


「ひっ」


な、な、なんだ、この感触は?ふにふにゃとそのまま触っている。


「ふにっ」の感触の招待を突きとめるべく顔を布団から出すと……俺はふとももを、わしずかみにしていた……四葉の。


四葉は怒るわけでもなく「どこ触ってるんですか?――正解は太ももでした残念」などと言っている。


確かに触る場所によっては大正解………いやいやいや、別にどことかないから。


俺は布団から飛び起き土下座のポーズ。


その完璧な土下座の流麗された一連の動き……完璧だ。


そして深呼吸して大きく吸って思い切りこの言葉に乗せて発生した。


「ごめんなさぁぁぁあぁぁい!」


バサバサバサと俺の声に驚いた鳥達が飛び立って行った。


□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□


「えぇと、さっきはごめんなさい」


あの時俺の目覚ましが壊れていたらしく寝坊寸前で四葉が起こしに来てくれたのだ。


「もうそれ聞きあきましたよ。私は気にしてないので気にしないでください」


そう言うとホームルームのチャイムが鳴った。


あの後猛ダッシュで走ってなんとか間に合ったのだ。


「みんなおはようホームルーム始めるぞ」


椎名先生は少しだるそうに入って来た。昨日と同じように。


そのあとの出来事は昨日と何ら変わることなく一日がすぎた。


あれっ、でも待てよ。朝にあんなイベント機能は発生しなかったよな?なんでだ?


四葉に聞くか。


そう思い四葉の方を見ると、「四葉デーすよろしくぅ」「よろぴくぴく」とまたもギャル女子に絡まれていた。


あれ?そういえば、今日吉川が「お前ら付き合ってるの?」と聞きに来るはずじゃ?あれっ?



□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□


始業式の校長の話の内容は変わらずそのまま昨日と同じ時刻に下校した。


今日は四葉を校門で待つことにした。


するとひとりの男子……吉川がこちらにやってくる。


「よぉ、宇都。おまえ四葉と付き合ってるのか?」


今その質問が来るのか。やはり昨日と微妙に内容が違うな。


「………」

「その沈黙は肯定ととっていいんだな」


なんでちょっとカッコつけてんだよ。顔が顔だけにかっこいいな。


しかし俺が考え事をして黙っているのを肯定と思ってしまったらしい。


「まてまてまて。違うぞ。あの――従兄弟同士だから、たまたま会ったんだよ。だからあの女子達には違うって伝えておいてくれ」


そう言って俺は校門の前で喋っている昨日と吉川と話をしていた女子に指さして言った。


「えっ。あの女子達は関係ないけど」


「えっ!?」


昨日の話の流れは女子達に良いように使われた吉川が俺達に付き合っているのかを聞きに来たところなんだが。


………後で四葉に聞いてみよう。


「なぁ、宇都一緒に帰ろうぜ」


「いいけど、お前と家反対方向だからここでお別れだぞ」


俺は校門から左に行った山の中。吉川は右に行った街の中。つまりここでさようなら。


「あっー、そっか。ならしょうがないな。じゃあな。また明日」


「ああ、また明日」


はぁ、良い奴だな。


……社会に出てもあんな良い奴なかなかいない。


俺の行ってた会社はそこそこブラックだったから優しいやつなんて全然いなかったな。


優しいやつと言っても仕事押し付けて偉そうにしてる奴らしか思い出せん。


……人の優しさが心に染みる。


苦いブラックコーヒーに牛乳が混ぜこまれてさらに砂糖を流し込まれている気分だ。


「何考えてるんですか?ちょいキモですよ」


「四葉よ。なんかお前口悪くなってきてないか?ギャル天使は売れないぞ」


またも「きもっ」と言ってカバンで背中を叩く。


「あっそうだ聞きたいことあったんだ」


「太ももフェチには教えてあげません」


ツーンとしてる。


いつぞやの可愛らしい四葉はどこえ行ったのか。


これはこれで可愛いんだけど。


「その説は誠に申し訳ありませんでした」


学校の校門なので土下座は出来ないが深深と頭を下げた。


□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□


「なるほど。昨日と内容が少し違うと」


俺達はいつもの公園で今日の疑問を聞いてみることに。


すると答えは簡単だった。


「それの原因は多分朝のことでしょう」


なに?まだふとももつかんだこときにしてるんですか?ごめんなさい。


「まぁ、その事もあるんですけど。昨日と今日で身の回りのことで変わったことはありませんか?」


自分のこと?うーん………あっ、いやでもな。とても些細なことだ。


「えーと些細なことではあったけど、目覚し時計が壊れていて鳴らなかった事が昨日と少し違ったかな」


「じゃあ。多分それが原因ですね」


「えっ!目覚し時計壊れていたことが?」


そんなことで色々変わっちゃうの?


「そうなんですよ。例えば(仮日)にただ登校するのと(本番)1分でも遅く登校しただけで色々変わっちゃうんです。私も(仮日)の記憶は忘れているので、そこら辺宇都くんだけで頑張ってください」


「マジですか」


つまり(本番)みんなの行動が同じになるのは(仮日)と同じ行動を俺がするしかないってことか。


きっついなー。


□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□


その夜。俺は今日から日記を付けることにした。頭がゴチやごちゃにならないように(仮日)と(本番)を分けて書くことに。


明日は4月2日の(仮日)である。できるだけ意識して行動してみよう。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


deiri-4月1日(仮日)


→今日から中学生活初めての仮日。『吉川』と話す。


→先生は『椎名』国語担当。


→四葉はギャル


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


deiri-4月1日(本番)


→遅刻ギリギリ。目覚まし時計を治さなくては。


→四葉の太ももを触り俺は土下座した。(感触は良し)


→校門で『吉川』に話しかけられる。良い奴。


→やはり四葉はギャル


メモ


少しの変化で(仮日)と(本番)は内容が変わることがあるので注意。







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