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学園戦争  作者: 奥村しんや
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学園生徒会

まだ学園から出ていませんがこれからどんどん人が増えていきます。


 転送が終わると、それぞれに会場から出ていく。

 場所は姿形全く同じで安全に戦闘行為ができるようにデータ世界に送られているだけの状態である。

 会場から外に出ると学校の敷地から外は黒く、何も無い世界が広がっている。聞いた話では準備期間が始まると同時に外の世界のデータが造られるらしい。今はそのダウンロード状態らしい。

 まずは外交のために車を確保しておこうと駐車場に向かった。


学園駐車場

 ここには、戦争時に使う車がある。

「車をお探しかね?」

 赤みがかった髪を後ろに纏めたポニーテール。スラッと伸びた背を綺麗な姿勢で保ち、両腰には日本刀を提げている女子からモテそうな女性が明るいトーンで商売人っぽく話しかけてきた。

 彼女は生徒会副会長、神威かむい佐々ささみや。開会式で司会をしていた女性だ。

 同じ中等部4年で桐也に次ぐ二位の実力を持っている。

がばに頼まれごとをされてな、人数乗れる車は残ってるか?」

「そうねー。これならどうかな?」

 そう言って少し離れた車に案内してくれる。

 大きなワゴン車中も広く八人は余裕で入る大きさだが、

「外観が凹みすぎじゃないか?別に俺は気にしないけど。」

 少し笑いながら口にする。

 この車は数ヶ所大きく凹んで事故でも起こしたのかと言わんばかりの物々しさだった。

 神威も苦笑いを浮かべて付け足す。

「誰が凹ませたのかは分からないけど、走行検査はおこなったから走ることは出来るよ。」

「・・・他だとどんなのがあるんだ?」

 最初に出してきた車が見た目廃車だったので期待をせずに聞いてみた。

「他だと、少し小型になって・・・」

 と案内されたのは4人乗りの車だった。

 少しどころでは無くかなり小さくなった。

 まあ、見た目はこの際関係ないだろう。大勢乗れて走れるだけでありがたいと思うことにした。


「で、頼まれごとってのはやっぱり?」

 神威は内容を知ってかいつもの面倒事かと思ってか聞いてきた。

「外交に選ばれてな。仲間を集めて隊を組むように言われたんだ。」

「まあ、外交は戦うことも多いって聞くし、学校一位エースの君が行ってくれるのは妥当な判断だと私は思うな。君ならすごい選手を連れてきそうな予感も含めて。」

 それだけ信用されてるのか、期待の目を俺に向けてくる。

「そういう佐々は外交には行かないのか?お前も実力はかなりの物だと思うがな。」

 そう、彼女とも戦ったことが何度もある。彼女の二刀流は剣先が速くどれだけ苦労したものか。

 学年トーナメントでも毎回決勝で戦うのは彼女だったほどで、学年だけで無く学校では三位の実力をもっている。

 そんな彼女なら俺に言ったことは自分に返ってくるはずだが。

「私は生徒会の仕事があるから、学校を離れられないんだよね。他の委員は何もしてくれないから。」

 そう言いながら神威はすこし力なく肩をすくめた。

「大変だな。先輩のお守りは。」

 少し茶化すように明るく返す。

「そうね。やれる人は私しかいないからね。じゃあ、私は事務作業に戻らなきゃだから。頑張ってねー。」

 そう明るく振る舞い神威は踵を反した。

「お互いににな。」

 神威は満面の笑みでうん!と答え、髪を揺らし走って行った。


 さて、25日に日が変わらないと出発出来ないから時間までどう時間を潰そうか。

 夜通し車を走らせるから一眠りしようかな。

 などと考えていたら見知った顔を見かけた。

「よう、健二。お前準備期間は暇か?」

 高橋たかはし健二けんじ。小学校からの仲で弱々しく運動があまり得意ではなかったため、色々な技を教えていた。

 弟子かと言われるとそういうわけでは無く、教えながら自分も練習していた。いわば仲間だ。

「ごめん。ちょっと調べないといけないことが出来てさ。この準備期間中はそれに当たることになったんだ。」

 手を合わせてごめんと訴える健二。

「依頼か?」

 彼は戦闘は進んで行うことはないが、偵察、密偵が得意でこのような依頼は彼を知っている人からはよくされている。しかし彼のことを知っている人は限りなく少ない。

「うん。でも、僕も怪しいと思ってた事柄だったからね。依頼を受けることにしたんだ。それに副会長の依頼は無下むげにはには出来ないでしょ。」

 神威からの依頼ということに驚いた。

 彼女には自分の隊を持っている。今までならこういう依頼はしないで隊の者に調べさせていたはず。

 それほどまでに彼女達が追い詰められているのか。それともかなり危ない事柄の案件なのか。

「どんな依頼か聞いていいか?」

 ダメ元で聞いてみることにした。

「生徒会長についてと、クーデター、もとい外部からのスパイについて。」

 小声だがあっさりと教えてくれた。

 いいのかそれで・・・。

「聞いといてなんだが、依頼内容って言っていい物なのか?」

「桐也にはいいって言われたんだ。桐也は絶対にスパイな訳が無いってね。たぶん僕も依頼されたことから信頼はされてるんだろうけど。」

「それで、生徒会長とスパイに何か関係があるのか?」

「それを今から調べるんだ。神威さんが言うには、怪しい動きがたまに目撃されてるらしくて、もしかしたら、そうかもしれないって。だから調べるのさ。」

 えっへんと胸を張る健二。実に子供っぽい。

 確かに生徒会長には色んな事が噂されている。

 なぜ下級生に人気が無いにもかかわらず生徒会長なのか。どうやって成ったのか。

 強くはあるが確実に神威よりも弱く、学校二位の座も生徒会長の権限で手に入れているとか。

「桐也も何か依頼があったの?」

 子供っぽく首をかしげて聞いてくる。

「いや、隊を組むことになったから入って欲しかったってことで、入るなら一緒に仲間捜しに行こうと思っただけだよ。」

「そっか。隊に入るのはいいよ。仲間捜しも依頼の事が終わったら行けるかも。」

「来れるのか?っていうかそんな短い期間で調べが付くのか?」

「たぶん付くよ。準備期間なら生徒会長、もといスパイが動きやすい期間だからね。それに一般生徒に怪しまれる人ならすぐにボロがでるに決まってるんだよ。」

 それだけ今回の相手はチョロい人だということだった。

 いたずらっぽい笑顔を浮かべ自信のほどを示す。

 身長はあまり変わらないのにやっぱり子供っぽかった。


 しばらくして健二とも別れ自室についた。

 そこには手紙が一通机の上においてあった。

 差出人田中佳子たなかよしこ。頼んでいた学園情報がそこには書いてあった。

 衛生兵を探すなら石川県立衛生専門学校に行くといい。

 明日の目的地が決まった。

 夜通し車を走らせるためにもう寝ることにした。


次は石川県にレッツゴー

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