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Cinderella1
「あったぁ♪」
私は棚から1冊の本を取り出す。
それは・・・。
「シンデレラの本?」
私の目の前に出てきたのは私の彼氏・祐だ。
1週間ほど前に祐に告白され、付き合っている。
今はそのデート中なのだ。
「うん」
「好きなのか?」
「うん♪」
私はシンデレラの本を抱きしめる。
私は子供の頃、一番初めに読んだ絵本はシンデレラなのだ。
それから私はこの本が好きになったの。
「買ってやろうか?」
「へ?」
私は目を丸くする。
買って・・・くれるの?!
ホントは嬉しい。でも・・・。
「別にいいよっ」
「遠慮すんなって!」
でも・・・3000円だよ?
ってか、高すぎっ!!
この頃色々値上がりしてるしなぁ。
しょうがないか。
「そうか。それじゃぁ帰ろうぜ」
「うん」
私が本を棚に戻そうとした時、本が急に光り出した。
・・・なっなに?!
私は本の中に吸い込まれた。
「ん・・・っ」
私は目を覚ました。
よく見ると、私は見覚えのない野原に倒れていた。
「ココ・・・どこ?」
私・・・本屋にいたよね?
なんで野原にいるの?
ってか祐は?
私は辺りをキョロキョロと見渡す。
「あら?」
私の耳に入った女性の声。
それは・・・。