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ワールド・ガーディアン〜新たなる転生者〜  作者: 小さな枝切れ
第6章 アロンミット武闘大会
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再会

 アロンミット武闘大会の会場はウィンストン公国で行われる。俺は既に侍女を一時休暇という事でヴォーグの元を離れ、元の男の姿になり、さも個人参加のように参加登録をするために受付に向かった。



「大会出場希望者の登録はこちらになりまーす!」


 そう叫ぶ声の場所まで行き登録を済ませに向かった。参加人数が多いのか、大会ルールが張り出されていて、納得できた者のみ登録をしに来いとあった。


1、刃物は刃をつぶしたものを使用し、鈍器は衝撃を和らげる素材を巻く

2、いかなる魔法の使用禁止

3、いかなる魔法武具の使用禁止

4、反則行為が見つかった時点でも敗北とする

5、勝敗は戦闘不能もしくは負けを認めた時点で決する

6、対戦相手を死亡させた場合、敗北及び奴隷落ちとする

7、参加者が死亡しても責任は請け負わない



 これは随分と凄いルールだな。つまるとこ死んでも知らないよって事か。


 まぁいいか。


 登録をしに行くとかなりの人数が登録をしていた。


「参加ですか? それでは証明証の提示をお願いします」


 証明証を渡すと驚いた顔をする。早速ばれたのかと思ったが、単にドルイドが参加という事で驚かれただけのようだった。


「ルールはご覧になられたんですよね? ドルイド魔法も使用禁止ですがよろしいんですね?」

「ええ、よろしくお願いします」



 登録を済ませると参加証を渡され、そこにはナンバーが書かれていた。対戦相手をナンバーできめておき、直前まで対戦相手をわからないようにしておくためらしい。

 最後に参加者は問題を起こさないようにと注意される。問題を起こした場合は参加権利の剥奪及び罪人として捕らえられるらしい。



 そして登録を済ませた俺に早速粉をかけてくる輩が現れる。


「おいおい、ドルイド様はこの大会を分かってらっしゃるのかい?」

「魔法の使用は禁止だぞ?」

「分かって登録をしたつもりですよ」

「なら最初にあんたと当たる事を願うよ。ちょろそうだからな!」



 笑いながら去っていった。あれはすぐに負けるタイプだろうな。




その後俺は、ウィンストン公国の首都を見学していた。

 首都は多くの人で賑わいごった返していた。となれば当然ナンパや喧嘩という祭りも起きていて、怪我人が運ばれる姿も見られる。

 そんな中またしてもナンパらしい姿が見え、呆れながらフェンリルと歩いていた。



 女の子を強引に引っ張っていこうとしている男達の姿が見え、これは流石にマズイだろうと俺が近寄り声をかける。


「そこまでしたらナンパを通り越して人攫いになっちまうぞ? ってお前らかよ!」

「……サハラさん?」


 俺の姿を見た3人が慌て出す。振り返ったナンパされていた女の子はベネトナシュだった。


「ベネトナシュ久しぶりだな」

「お、お、お、お知り合いでしたか! 道に迷っていると思って声をかけただけですよ! 攫おうとかしてないですから。

お嬢さん良かったですねぇ、それじゃー」


 慌てながら3人は走り去っていった。



 振り返ってみるとベネトナシュがフェンリルを抱きしめて撫でていた。


「……フェンリル久しぶり……サハラさんも」


 お、俺はオマケ!?


 と思ったが違ったようだ。俺に声をかけにくそうにしているところから、アリエルの事でどうしたらいいのか迷っているようだ。



「とりあえずどこか落ち着く場所にでも行かないか? 俺も色々聞きたい事もあるんだ」


 ベネトナシュが頷き、適当な店に入り込んだ。

 気にしていた俺自身の事を先に教え、一応吹っ切れたと思うと笑って答えておいた。

 そして学院の皆んなの話とここにベネトナシュがいる理由を聞いてみる。



 デノンとビクターは冒険者業に戻ったそうで、ドゥーぺは魔導兵になるか英雄達の所縁の地を探求する冒険者になるかで、もうしばらく学院に残る事にしたらしい。

 アリオトとアルナイルは冒険者登録ができるようになる15歳まで学院に残る事にしたそうで、エアロ王女は学院を途中で辞めて王宮に戻ったそうだ。

 ミラは俺の一件を見て恐ろしくなり、冒険者になるのをやめて親元で暮らす事にしたと言う。そしてベネトナシュはモリスがここウィンストン公国に戻るときに一緒に連れてきてもらった。と、これが全てらしい。

 また俺が辞めた直後にアラスカも学院を去ったらしい。



「それでなんでベネトナシュは1人でいたんだ?」

「……冒険者登録」

「冒険者登録は15歳からだろ?」

「私、15歳」


 てっきり学院には10歳で入ってきたと思っていたがそれは違ったようで、ミラが10歳になった時に一緒に入学しただけだったらしい。


「という事はベネトナシュはミラより年上だったのか?」


 頷いて答え、冒険者証を嬉しそうに見せてきた。いかにもまだ登録して間もない綺麗な状態だ。


「仲間とかは?」


 ベネトナシュが指差す先は俺だ。


「……約束、私の師匠になって」

「あれは俺の師匠に許可が出たらって言っただろ?」

「……ダメ?」



 ほとんど表情を見せないベネトナシュが俺を覗き込むようにそう言ってきた。




 


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