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ワールド・ガーディアン〜新たなる転生者〜  作者: 小さな枝切れ
第4章 学院生活とアリエル
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偽物

 温泉に浸かりホッと一安心する。それにしても朝っぱらから謝罪に来たフリして実は個人風呂が狙いだったのか。

 そして疑問が1つ残る。


「ミラ、アルナイル、何で今日は湯着着ているんだ?」

「え? うん、サハラさんになら見られてもいいかなって言うか?」

「わ、私は皆さんが必要ないと言ったからでして、べ、別に変な意図はありませんよ」


 2人はモゴモゴ言いながら俺から離れていく。


 うーむ、果たして喜んでいいのだろうか? 相手は10歳、10歳と言えば小学校高学年程度だぞ。うん、そうだ俺はロリコンじゃない。エルフスキーだ!



 1人頷きながら浸かっているとビクターが俺の側にやってきた。


「サハラさん少しいいですか?」


 そう言ってくるビクターは、ミラや後から入ってきたベネトナシュと話をしているアリエルから視線を離さない。


 コイツ実はアリエルが好みだったとかか?


「少し失礼な話になりますが怒らないで聞いてください」


 ビクターは俺とは視線をほとんど合わせず、アリエルの動きに注意する様な目線で、エロ目線では決してなかった。


「内容によるな」

「ではハッキリ言いますが、声を決してあげないでください」

「一応努力してみるよ」

「まず前置きに言っておきます。私は犬の獣人で、鼻は凄く効きます。

いいですね?」


 ビクターは何やら必死の様だ。俺も警戒して話を聞くかのように姿勢を正した。


「昨日は余裕がなかったのでわからなかったのですが、こちらに来てから……その、してないんですか?」


 はい!? と声を上げそうになる俺の口を手でふさいでくる。真面目に聞いた俺が馬鹿だと思った。


「だから言ったでしょう。重要なんです、答えてください!」

「ビクターってそう言う趣味でもあったのか?」

「違います! 学院にいるときはほぼ毎日アリエルさんからサハラさんの匂いが嗅ぎ取れたのですが、今日のアリエルさんからは全くしないんです」



 つまりそれは俺の……だよな。


「こっちに来た日には……したぞ」

「そう、ですか……そうなるとおかしいですね……」


 何がおかしいのかを聞こうとしたが、デノン達が来たのでそこで話を辞めてしまった。


 昼前辺りには温泉から出て、今日はどうするかなどの話をしていると、ドゥーぺにモリス、エアロが来て内緒でダンジョンに行ったことを文句を言いに来た。



「まぁ何はともあれクラスメイト全員が揃ったんです。今日は皆さん一緒に何かしませんか?」


 ドゥーぺが珍しくリーダーシップを取ってきた。


「何かってそりゃあ良いけど、11人も揃って何をするって言うんだ?」


 全員がデノンの意見に頷いた。そこでドゥーぺが提案してきたのが、何とリリスの館に行ってみようというものだった。


「何でもその昔、マルボロ王にまで昇りつめたマルス王の幼少期に利用していた別荘のような館がこの町からそう離れていない場所にあるそうなんですよ」


 普通に考えてマズイだろ。というか場所を知っているのか?


 一応皆んなの顔を見ると乗り気なようで、中には肝試し気分の奴までいた。不安そうというか反対しそうなのはデノンとミラだけのように見える。


「場所は分かっているのか?」


 仕方がなく俺が聞いてみることにすると、ドゥーぺは顔を曇らせ首を横に振ってくる。リリスの館はリリスによるものか分からないが、ちょっとした魔法の力か何かで見つかりにくくしてある。


「なので探してみませんか?」

「良いっすね! まるで冒険者みたいじゃないっすか。ねぇデノ先輩」

「俺は反対だ。ここの出身だから言っておくが、その館を探しに行って見つけて帰った者は誰もいねぇ。それに昔の大戦以前に既に使われなくなった場所だから、もう誰も住んでいないのは明確で、下手すりゃ……出るぞ?」


 やはり出身者の言葉は強かったのか、デノンの言葉で悩む顔を見せだした。



「何を焦っているか分からないけど、この人がいれば平気でしょう? 凄く強いんだし」


 アリエルが突然そんな軽口を叩き出し、慌てて俺が繋がって注意する。


『アリエル何言ってんだ。俺たちの事は秘密だろう!』


 しかしアリエルからは返事が返ってこないどころか、余計なことまで話しはじめた。


「それにアラスカ先生にはマスターと呼ばれる間柄だし」


「「「「「なんだてえぇぇぇぇぇっ!!」」」」」


 どういう事だ! いくら喧嘩したとはいえこれはありえない。これ以上喋られては困る。どうしたら良いか必死に考えるしかないが、良い案が浮かばなかった。



「アリエルさん、サハラ様が強いかどうかの話は良いので、今日どうするかの話をしないと時間が無くなる一方ですよ」

「あ、そっか」


 俺の素性を当然知っているエアロが、機転を効かせてくれて話を戻してくれてひとまず助かった。


「そ、それじゃあ、サハラさんの強さを信じて行ってみましょうよ。ねぇドゥーぺさん?」

「ええ、別に見つからなくても良いんです。皆んなで何かをしたと言う思い出を作りましょう!」


 それじゃあと早速準備に取り掛かる事になり、一度解散するのだがビクターとエアロは準備は出来ていると残った。



「じゃああたしもちょっと準備して来るわね」


 アリエルが準備なんて初めてで、しかも宿屋を出て行った。




 俺とエアロとビクターだけになると、ビクターが気まずそうに話しかけてくる。


「非常に言いにくいのですが、おそらくあれはアリエルさんじゃないような気がします」


 するとエアロも同じ様に頷いてきた。そして俺自身も正直違和感しか感じていない。


「エアロ王女がいるので言いにくいのですが……」

「あ、ああ、俺の匂いがしないという奴だな」

「ええ、薄くはなりますが通常2〜3日は残るものなんです」

「一体それは何の話ですか?」


 アリエルが戻るまでの時間しか無く、はっきり言うしかないと思い、ビクターと俺が言っている事を言うとエアロがもしかしたらと声を上げた。


「急げばまだ十分間に合うと思います。たぶんあれはアリエルさんに化けたシェイプシフターですよ!」




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