表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールド・ガーディアン〜新たなる転生者〜  作者: 小さな枝切れ
第4章 学院生活とアリエル
55/212

結婚式

 訓練場に辿り着いた俺とアリエルがその光景に驚く。訓練場の姿が神殿になっていたのだから。


 俺とアリエルが顔を見合わせる。


「ほらほらそんなとこで固まってんなよ。予想外に早く来ちまったから焦ったけどよ、何とか間に合ったぜ!」


 デノンがそう言ってきた。


「ほ〜らっ、アリエルさんはこっちこっちぃ」

「え? え! ええぇぇえ!?」


 アリエルがアルナイルに引っ張られ訳がわからないまま連れて行かれ、俺も後を追おうとするとデノンに引き止められ、俺が退かそうとする。



「サハラはこっちだぜ。っとぉ! ちょっと待ってくれよ!」

「何のつもりだ!」

「サハラさん、今だけは私を信じてこっちに来てください」


 ビクターまで引き止める。



「どういう事だ。事と次第によっては……」

「ええ、サハラさんの好きにしてくださって構いませんよ」


 ビクターは恐れる事なく言ってくる。


 信じてみるか……


 ビクターとデノンに付いて神殿に変えられた訓練場の奥に連れて行かれる。

 一室に連れて行かれるとアリオトが待っていて、ニヤついた顔で俺に衣服を渡してきた。


「これに着替えてください。サハラ先輩」


 これは……神官着? 似ているが違う。


「いいから早く着ろって〜の」


 本当になんなんだ……


 仕方がなく学院生のローブを脱いで渡された服を着込んだ。色は白でピシッとした格好で……これは、これはまるで……



「おら、着替えたらサッサとあっちに行くべ」


 デノンに手を取られカーテンの先に押し出される。

 赤い絨毯が敷かれた通路があり、その両サイドに席が並んでいて沢山の生徒達、おそらくほぼ全学院生徒が座って待っていた。

 俺が姿を出すとワーーッと声が上がりだし拍手し始める。

 そして、真っ直ぐ先の正面には……純白のドレスを着て、手元に花束……いや、ブーケを持ったアリエルが立っていた。



「こ、これは?」

「おら、サッサと行ってやれよ!」


 アリエルのいる場所まで歩いていく。髪を編み込んで束ねたアリエルはとても綺麗でとても美しい……そしてアリエルの元に辿り着いた。



「アリエル……とっても綺麗だ」

「サハラさん」


 素直な感想を言ったらアリエルが照れて顔を赤くして下を向いてしまう。

 そこへ正装したエアロ王女が少し不機嫌な顔で出てきた。


「ん、うん! 神官ではありませんが、私、エアロが務めさせていただきます」


 これは間違いなく結婚式だ。まさかデノン達が俺たちのために?


 そんな事を考えている間にエアロ王女が祈りを捧げ、俺に問うてきた。


「サハラは【魔法の神エラウェラリエル】に近い、アリエルをつ……妻として愛すると誓いますか?」


 俺は生まれて初めての結婚式に気が動転していると、小さな声でエアロ王女が嫌なら嫌って言っていいんですよと言ってくる。


「あ、いや、もちろん誓います」


 チッとかエアロ王女が舌打ちをした後しぶしぶ続け、同じようにアリエルにも聞いてきた。


「ち、誓う。誓います!」


 エアロ王女が続けて行き、誓いのキスをするように言ってくる。


「サハラさん……」


 潤んだ瞳で見つめてくるアリエルを見つめ抱きよせる……そしてそっとキスをした。


 ワーー!!っと神殿内が湧きあちこちから祝福の声が上がった。


 退場した俺たちを特Aクラスの生徒全員が待っていて、そこでもおめでとうを言われる。


「サハラ、アリエルさんおめでとうな!」

「これ考えて言い出したのデノンなんですよ」

「おかげでお腹ペッコペコですよサハラ先輩」

「皆んなすっごい走り回ったんだからね!」

「……モリス君と……エアロ王女以外」

「嫌だー! 俺は諦めねー!」

「わ、私だって諦めません!」

「2人共諦めましょうよ。神に誓いを立てた以上、【魔法の神エラウェラリエル】様のお怒りに触れても知りませんよ」

「ぶーー」

「ぶーー」


 そんな皆んなの姿を見つめ、俺とアリエルは頭を下げた。


「ありがとう皆んな、それとデノンごめん」

「お! やっと俺の事呼び捨ててくれたな!」

「あ、ごめん」

「いやいいんだよ、その方が仲間になれた気がするってもんよ!」

「皆んなありがとう。まさか結婚式してもらえるなんて、しかもこんな大勢に祝福されるなんて思わなかった」

「アリエルさん、いつでもサハラさんと別れて貰っても構いませんから」

「うん、たっぷり見せびらかすからねエアロ」


 アリエルがエアロ王女を呼び捨てると、少し照れた顔を背けて小さくおめでとうと言った。


「うおぉぉぉぉお! 俺の、俺のサハラさんがぁぁぁぁ」

「モリス、悪いがそれだけは今後世界がひっくり返ろうが絶対にないぞ」



 その後俺とアリエルは自分達の部屋へと戻った。

 デノンがこの後夕食までにパーティできるようにしておくから、それまで待っててくれと言われたためだった。


「サハラさん、うううん、あなた。後どれぐらい生きていられるかわからないけど、あたし今すごく幸せだよ。生きてて1番幸せ」


 俺は黙り込んでしまう。そんな俺をアリエルがそっと抱きしめてきた。


「そんな顔をしないで。最後まで笑顔でって約束したでしょ?」

「そう、だったな」



  アリエルを見つめる。アリエルも俺を見つめている。そこに咳払いする声が聞こえた。


「サハラさん、アリエルさんおめでとうございます」


 そこにウェラとスネイヴィルスがいた。



ちょっと鈍くさせすぎましたね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ