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ワールド・ガーディアン〜新たなる転生者〜  作者: 小さな枝切れ
第15章 ワールド・ガーディアン
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レグルス捜索

 サハラが1人でゼロを相手に防戦している最中、【魔法の神エラウェラリエル】は【自然均衡の神スネイヴィルス】に提案を持ちかけていた。



「レグルスの使う武器ならばもしかしたら……」

「【魔法の神エラウェラリエル】よ、彼奴がおとなしく寄越すと思うてか?」

「ですから条件をつけてはどうでしょう」


 【魔法の神エラウェラリエル】はその条件を言ってみる。

 レグルスの今までの行いをなかった事にし、今後余生をおとなしく生きるのであれば、監視下の元になるが怪しい動きさえしなければ関与は一切しない。


 「ふむ」と【自然均衡の神スネイヴィルス】は頷くがチラとゼロと戦うサハラとそれを心配そうに見つめているアリエルを見る。



「それが上手くいったとして、果たして2人が納得すると思うかの?」

「しないかもしれません。 ですが私が説得してみせます」

「それで彼奴に嫌われても、か?」


 【魔法の神エラウェラリエル】は【自然均衡の神スネイヴィルス】の目をまっすぐ見つめながら頷く。



「実際目にして確信を持ちましたが、ゼロはこの世にいてはいけない存在です。 昔に一度戦ったと聞きましたが、このまま模倣していけば私やサハラさんに限らずこの世界自体がなくなりかねません」


 ほぉと【自然均衡の神スネイヴィルス】が驚いた顔をみせる。



「アレを見ただけで見抜きおったか」


 【魔法の神エラウェラリエル】が首を振る。



「サハラさんの世界に行った時に見せて貰った本にありました!」


 ポカーン……

 それが一番適している表情だろう。 【自然均衡の神スネイヴィルス】が口を開いたまま何も言えなくなっていた。



「そ、そうか、それならサハラも知っているはずではないのか?」

「いえ、サハラさんは赤帝竜(ルースミア)を知りませんでした。

その本はTRPGとかいうゲームだそうで、物語をダンジョンマスターという役割の人が作って、プレイヤーと言われる冒険者の役割をする人達に冒険させて楽しむもののようですが、赤帝竜(ルースミア)を相手にするような物語はやったことがないため、そういった神がかった相手のデータと言われるものの知識はないようでした」


注,本物にそのようなモンスターデータはありません。


 なるほどと【自然均衡の神スネイヴィルス】が頷く。



「それでゼロは倒せるのかの?」


 【魔法の神エラウェラリエル】は渋い顔を見せたことで全てが物語っているようだ。

 しかし【自然均衡の神スネイヴィルス】も自身の力ではゼロに模倣させ、より危険な存在にさせてしまうことも、そしてこの世界にない力であれば模倣されないのも理解している。



「わかった、主の好きにせよ。 じゃが儂も一緒に行かせてもらうぞ」

「念のため赤帝竜(ルースミア)にも一緒に来てもらおうと思います」


 【魔法の神エラウェラリエル】は赤帝竜(ルースミア)にも同じように説明し、一緒に来てもらえる算段をつけると3人はそっとその場から姿をくらませる。

 アリエルは相手が相手なのと、貴重な神聖魔法の使い手でもあるため連れて行くのをやめたようだった。




 少し離れた場所までくると【自然均衡の神スネイヴィルス】が当たり前のことを口走る。



「さてどの様にしてレグルスを探すかじゃが、当然何か方法は考えてあるんじゃろうな?」


 【魔法の神エラウェラリエル】が一度頷いてから魔法の詠唱をしはじめる。



「我求めし者、物の在り処を捜索しだし、その所在を明らかにしたまえ……位置同定(ディサーン・ロケーション)!」


 ウィザードではないが【自然均衡の神スネイヴィルス】も魔法の知識だけはある。 初めて聞く魔法とその詠唱に驚きを隠せない。



「今の魔法は一体なんじゃ!?」

「すみません、今捜索中なので少し待ってください」


 目を閉じて集中しながら【魔法の神エラウェラリエル】が答える。



「やはり実際に触れたことがあるか見ていないと捜索は厳しい様だな」


 その魔法を知っている様な口振りで赤帝竜(ルースミア)が答えると【自然均衡の神スネイヴィルス】が今度は赤帝竜(ルースミア)に問いただす。



「今のがお主にもわかるのか赤帝竜(ルースミア)よ」

「サハラの世界にあったスペルブックに書いてあったものだ。 サハラが知ったら怒るだろうから、もし言ったら……貴様が序列1位の人種の神であろうが、殺すぞ」


 もちろんサハラの世界にスペルブックなどはない。 あったのはTRPGのルールブックで、タイトルにスペルブックと書かれていたものだ。


 知らない【自然均衡の神スネイヴィルス】は、サハラの世界がどんなところなのか興味を持ったのと同時に赤帝竜(ルースミア)の本気の脅しに背筋に冷たいものを感じていた。



「おおよその居場所がわかりました。 魔導門(ゲート)を開きます」


 言うなり電光石火の如く魔法の詠唱に入り魔導門(ゲート)を出現させる。



「一応町中になるので危険はないと思いますが……」


 チラと【魔法の神エラウェラリエル】が赤帝竜(ルースミア)を見る。



「フム、我に任せておけ」


 赤帝竜(ルースミア)がそう言うと一番に門に飛び込んでいき、後に【自然均衡の神スネイヴィルス】、【魔法の神エラウェラリエル】が続いた。



実際にはいろいろなTRPGが混ざってはいます。

そして今回そんなルールブックから実際に魔法の行使が出来るようになったのは、サハラが会社に行っている間の彼女ら3人の秘密の努力の結晶なのですが、サハラは当然その事を知りません。


明日の更新では、サハラの持ついろいろなTRPGのルールブックの中から覚えた魔法の中でもとんでもないやつを赤帝竜(ルースミア)が使います。

魔法の表現も凄く頑張ってみたのでお楽しみに……




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