表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールド・ガーディアン〜新たなる転生者〜  作者: 小さな枝切れ
第15章 ワールド・ガーディアン
190/212

忘却神召喚

「レフィクル、お前1人でアロンミットとニークアヴォをなんとかできそうか?」


 俺の目をじっと見つめたあと……



「是非も無し」

「ルベズリーブ、ナータス、スエドムッサ、ログェヘプレーベもここに残ってローラ姫達を守ってくれ」


 4人は当たり前だとでもいう顔をみせる。 スエドムッサはついてくるとか言い出すと思っていたから少し驚いた。



「だけどサハラ達がいなくなれば兵力差がありやがりますよ」

「それは大丈夫だ」



 俺はルキャドナハに見せてもらった事でわかった世界(ワールド)守護者(ガーディアン)の持つ権限の1つを行使する。





「はじまりはいつも『破壊(ブリゼ)』」


 すると漆黒の甲冑姿の人物が現れる。



「次に『恐怖(フリューゲル)』が訪れる」


 ログェヘプレーベがグエェと声を上げると、何かが引き剥がされ、やがて神官姿の人物が現れる。 神官帽から垂れる布のせいで顔は見えないが男であることはわかる。



「やがて多くの『(リネ)』が流れ」


 ドロウのような肌が薄青い肌のやたら色っぽい女性が姿を見せた。



「『(デセ)』が訪れん!」


 リッチのようなガイコツ姿にボロローブを纏った姿が現れる。 バルロッサとは違い、元人だった者がリッチになったのとは違い感情の様なものは感じられない。 死神が適している表現だろうか? もっともこの世界の死神といえば【死の神ルクリム】なのだが。



世界(ワールド)守護者(ガーディアン)の名の下に世界崩壊を阻止に力を貸してくれ!」


 すべて言い終えると現れた4人が顔を見合わせて首を捻っている。


 なんかおかしな事言ったかな……




「我らは世界(ワールド)守護者(ガーディアン)の手足、望むがままに我らを使役ください」


 破壊を司るブリゼが礼儀正しく答える。



「お久しぶりです。 此度の阻止すべき相手はどちらにおりますでしょうか?」


 恐怖を司るフリューゲルが昔とは違い、手を胸に当てて頭を下げて礼儀正しく聞いてくる。 僅かに顔に垂れ下がる布から顔が見え隠れしていて、理由があって隠そうとしているわけではないようだ。



「ぅうん、すぅっごく久しぶりの目覚めだわぁ。 今度の世界(ワールド)守護者(ガーディアン)は随分と紳士なのねぇ。 あ〜ら、黒目黒髪でとぉっても可愛らしい」

世界(ワールド)守護者(ガーディアン)に失礼だ。 デセ召喚に応じ馳せ参じました、何なりとお申し付けください」


 ゾクゾクっと背筋に悪寒が走る様な甘ったるいお色気な口調でリネが俺の顎を持ち上げたところでデセが止めてくれる。



「ぅふふ、世界(ワールド)守護者(ガーディアン)が望めば、いつでもこの身も心も捧げますわ」

「いや、望まないから。 それと頼みたいのはこの先で交戦中のこの国の貴族とその兵士を守ってもらい、その後押し寄せるであろう神以外の敵から守ってもらいたい」


 またしてもここで4人が不思議そうな顔をみせる。



「我らは世界(ワールド)守護者(ガーディアン)の手足、武器や物の様なものでございます。

頼むなどと言わず命令を下していただいて構いません」

「目下の命は私、フリューゲルがお受けしましょう。 それでは早速向かわせていただきましょう」


 ブリゼが忘却神は世界(ワールド)守護者(ガーディアン)に従う奴隷か道具の様に扱えといってくる。 そしてフリューゲルは俺に一礼すると早速姿を消してしまった。



「えっと、前の世界(ワールド)守護者(ガーディアン)がどんな人だったか知らないけど、俺は俺だから……」


 ブリゼ、リネ、デセが跪いて頭を下げてきた。

 なんかこんなのばっかりな気がするな。




 俺は忘却神にあとの成すべきことは【闘争の神レフィクル】に従う様に頼み、マルボロ王国に向かう準備に入る。



「レフィクル、ヴェジタリアン、ローラ達を頼む」


 例によってレフィクルは顎を上げて答えただけだ。 どうやら忘却神の登場は気分が良くなかった様だ。

 ヴェジタリアンはセーラムを頼みますと逆に頼まれてしまう。



「御武運を」


 ローラ姫が祈るような仕草をしながら言ってきたため笑顔で返しておいた。




 アリエル、エラウェラリエル、ルースミア、キャス、ブリーズ=アルジャントリー、そしてルキャドナハが俺の元に集まる。



「待ってください、私、私も連れて行ってください!」


 アルナイルも一緒に行きたがるが、マルボロ王国はここよりも危険な場所だ。

 ゼロを知るルースミアはやはりいい顔を見せてはいない。 だからハッキリ言う事にした。



「これから行く先は死と隣り合わせで、君は俺達のような……人外じゃない。 だからアルナイルはここに残るんだ。 ここにいれば忘却神もレフィクルも居るし、もう少しすればエアロ王女も来るから……」

「私の選択した結果によって、もし死ぬ事になっても構いません」

「アルナイルなんでそこまで貴女は一緒に来たがるのよ? サハラさんといたいからなんて理由なら、元クラスメイトでも怒るわよ」


 アリエルが怒気を込めてアルナイルを見るが、アルナイルもアリエルを見返しにらみ合う様な格好になってしまった。



「……ベネトナシュ、王妃がいるからです。 私のミラ以外で初めてできた友達なんです!」


 アルナイルが真剣な表情でアリエルに訴えかけた。 学院時代を思い出しながらそうだったのか思い出そうとしたが、あの頃の事があまり思い出せない。 だけどそれを聞いたアリエルが俺を見てきてどうしようとでもいう顔を向けてくる。



「知らない人達に囲まれて不安そうにしているベネトナシュを見たのも事実だしな。

一緒に来てもいいけど、ベネトナシュについてあげてるというのでいいか?」


 パァッと笑顔を見せて「はい!」と返事が返ってきた。 アリエルは仕方がないなぁとでもいうような苦笑いを見せた。


 急がないとならなかったのも理由だったが、自分が不安なのに俺を元気づけてくれたベネトナシュも放ってはおけなかった。


 アルナイルも加わりウェラの出す魔導門(ゲート)に飛び込んだ。




忘却神覚えているでしょうか?

始原の魔術師でその姿をチラと見せたと思います。

詳しくは書けませんが、今回はサハラが強制召喚しています。


次回更新は明日通常通り更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ