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誤解を解く

 話もまとまり今度はどう攻めるか? という話になる。

 レフィクルがローラ姫に公爵領の作りを確認し、地面に書かれていく図を見ながら説明するのを途中途中疑問を聞きながらやり取りをしている。

 真剣な顔で確認しているレフィクルを見て、さすがのウィンストンの貴族達もレフィクルがふざけて公爵領を優先したりしたのではないのがわかったようだ。


 兵を率いるわけでもない俺は一息ついていると、ヴェジタリアンが声をかけてきた。



「サハラ殿、先ほどは見事な采配でした」

「ん、そうかな? そういやヴェジタリアンは手を上げなかったけど反対だったのか?」

「中立を保っただけです」

「ああいう場で中立を保つって事は……」

「わかっています。 どの様な決定であっても意見を言うつもりはありません」


 そっかと返事を返すとヴェジタリアンがレフィクルに呼ばれて離れていった。



「サーハーラーさん」


 コメカミをピクピクさせながらアリエル達が俺のそばに集まってくる。



「サハラさん、怒りませんので理由をちゃんとしてくださいね?」

「怒るも何も……」


 俺が武闘大会の後で起こった話をして、ローラ姫がもう姫でもなんでもないと言った時のことなどの事を教えると、アリエルはホッとした様に、エラウェラリエルは頭を下げて謝ってきた。



「俺は浮気はしないよ」

「この3人見てどの口が言うんだか」

「ウェラは死んで神になったからもう会えないものだと思っていたし、アリエルとも転生して見つけ出すまで会えないと思っていた。 ルースミアは出会った頃は余裕がなかったし、何よりあの頃は竜と恋に落ちるとか考えられなかった。 最も再会して告白された時は抵抗なく受け入れられるようになってたけどな」


 3人が俺の想いをわかってくれたのかはわからないが、俺の気持ちははっきりと伝えたつもりだ。



“ちなみにサハラはアリエルが死んだ時から、言い寄ってくる女全部断ってたぞ”

「許すぅ」


 フェンリルのこのナイスなサポートでアリエルが俺に飛びついてきた。



“でもアリエルにシェイプチェンジしたシアを何度か襲おうとしてたけど”

「してないわい!」


 そこで余計な事を犬っころがふかしやがった。

 恐る恐る抱きついているアリエルを見るが、ご機嫌な顔のままなので良かった。



「私はなんかモヤモヤしますけど……」

「我はある程度は覚悟してるけどな」


 ルースミアは許容している様だ。 おそらく人種と竜族との違いなのだろう。



「なら私が加わっても問題ないですね?」

「ダメ!」

「嫌です!」


 いつの間にかそばに来ていたスエドムッサが、アリエルとエラウェラリエルに即答で却下されていた。

 猫獣人であるスエドムッサの耳は非常に良いため、今の話を聞きつけてきたのだろう。



「悪いが俺は元々ハーレムを作るつもりは無かったんだ。 だからこの3人以上は恋人とかなるつもりはない。

ゴメンな、スエドムッサ」

「ムッサでいいですよ、サハラ」


 ……俺の考えなんか聞いちゃいなさそうだな。



「でもルースミアはあっさり後からなのに恋人にしたよね?」


 そこでアリエルが余計なところに気がついてしまう。



「そ、それはだな……」

「それは違いますよアリエル。 私が告白する以前に既にサハラさんの中にはルースミアがいましたから、むしろ私達の方が後なんです」


 そんな事はない、ないはずだ。 それはエラウェラリエルの思い過ごしだ。


「ほぉ、主よ、そうだったのか?」


 ルースミアが嬉しそうな顔を向けてくる。 このままだと押し倒されて頬擦りでもされそうだ。



「そうね、いつもなら即答で否定するのにそれもないし、エルフの勘は鋭いから間違いなさそうね」


 ……いい加減恥ずかしくなってきた。



「とりあえずそういう事でローラとの誤解も解けたし、スエドムッサを迎え入れるつもりもない!」


 よしっ、言い切ったぁぁぁ!



「ムッサでいいですよ?」

「サハラ様、わっちが抜けてありんすんでありすけど、わっちはもう要らなくなりんした んでありんすか?」


 ぐっはぁぁぁ、真打登場。 じゃなくて今の今まで黙っていたじゃないか! スエドムッサもスエドムッサで都合の悪い会話は無視してやがるみたいだ。



「っなぁぁぁ!?」

「冗談でありんすぇ。 サハラ様がいつなるときも未来のサハラ様の事を心配していんす様でありんしたので。 未来のサハラ様はいちど でもわっち達に手を出した事はありんせん。 本日この時まで言う機会が無かったのでこなたの場を借りて伝えさせてもらいんした」


 あれ? そっちか。 というか……



「これは死亡フラグじゃありんせんよ」



 ははは……




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