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下手な交渉の行く末

ブックマークが3件も増えて48になりました。 ありがとうございます。

 ドウシテコウナッタ……


 レフィクルの方はスエドムッサとルベズリーブ、ナータス達で勝手に盛り上がりだし、レフィクルはそれを黙って見聞きしている。

 そして俺はルースミア、アリエル、エラウェラリエルに囲まれてどういう事かと問い詰められていた。



「詳しい話は後でする! 今は要件が先だ!」

「……後で取り調べ決定ね」

「そうですね」

「覚悟しておくがいい」


 ……俺なんか悪い事した?




 というわけで? レフィクルに神となる話とアロンミットの討伐を改めて尋ねる。



「……断る。 と言ったらどうする?」

「さすがに手強いな。 では最後の条件だ。 これが受け入れてもらえないのであれば……諦めるしかないだろう」

「続けろ。 余の心を動かせるものを用意しているのだろう?」

「当然だ」


 ここで俺はラーネッドの事を話す。 即座に反応を見せたのはスエドムッサで、レフィクルは何の反応も示さず黙っている。 そして俺の背後の3人からなぜか呆れ声が聞こえた気がした。

 何の返事もなく失敗に終わるかと思った時、口を開いたのはルベズリーブだった。



「レフィクル様! これ以上の条件はありませんよ! 是非お受けください!」


 片腕とも腹心とも言えるルベズリーブが、その気味の悪い顔から涙を流しながら訴えた。

 この展開に予想もしなかった俺はただ驚くだけしかなく、レフィクルがどの様に返答するか待つのみだった。



「ふん、断る」

「レフィクル様、何故ですか!」

「陛下!」

「お父様!」


 直後レフィクルがルベズリーブ、ナータス、スエドムッサ3人をギロリと睨みつけて黙らせ、俺に目を向け小馬鹿にするかの様にクククッと笑った。



「背後の3人は気づいていた様だが、貴様、交渉ごとが下手だな。

そちらの条件はそれで全ての様子、それでは余はそこに加えて条件を提示しよう。 それを呑むならば、神の、創造神の傘下に降ってやろう」


 そこで初めて俺の失敗に気がつき、慌てて振り返って背後の3人を見ると、呆れた顔のアリエルと頭を抱えたエラウェラリエル、溜息をついているルースミアの姿がある。


 ……オ、オーマイガー。



「う……悪かったな、交渉とかやったことがないんだ。 それに決裂なら俺がアロンミットを倒すだけだ。

サッサと条件を言ってみろよ!」


 取り乱す俺を見つめながらレフィクルが耳を疑いたくなる様な事を言ってきた。



「まず、ムッサを妻として迎え入れろ」

「……は?」

「ちょ、ちょっと!お父様何を」

「親心というものだ。 お前をこのままここに置き去りにしていってはラーネッドに合わせる顔もなかろう?」

「お、お父様……」


 なんか感動的な感じに話が勝手に進んでますが俺の気持ちは考えて貰えないんですかねぇ。 しかも背後の3人から殺気が感じられるんですが……でも、まず?……そういう事か。



「交渉は決裂だ。 主よここにはもう用はない、帰るぞ」


 我慢しきれなくなったのかルースミアが声を上げた。 それを無視してどうする? とでも言う様にレフィクルは俺を見てくる。



「要するにあんたは自分以外の心配をしているんだろう?

安心しろ、あんたら全員の罪は消えた……と言うか、神々の責任だ。

世界(ワールド)守護者(ガーディアン)の権限を持って全員ここから出してやる」

「レフィクル様!?」

「陛下!!」


 何気にレフィクルは仲間……いや、部下を大切にするんだな。 これも意外だったかもしれないが、今までの感じを見ればわからなくもないか。



「貴様は交渉ごとは苦手のようだが、心情を読むのは得意のようだな。 だが、以降余の心情を読むようなら殺す」


 ツンデレかよ! あ、でもデレてはいないから、この場合なんていうんだっけか?


 ダシに使われたスエドムッサは訳が分からず「え? え?」と言っていて、少し可哀想に見えた。



「しかしあれから相当の年数が経っているのだろう、そこはどうなる?」

「さっきも言ったが、生き返らせることはできない。 だからあんた以外は通常通り輪廻に還って貰うしかない」


 ふむ、とレフィクルが頷き「交渉成立としてやろう」と言ってきた。


 フゥ〜と息を吐いて無事に済んだ事に安堵する。 そこで一つ疑問がありレフィクルに聞いてみることにした。



「そういや誰が地上に悪魔(デヴィル)悪鬼(デーモン)を送り出していたんだ?」


 最初に反応を示したのはルベズリーブだった。 死極から抜け出れるのであればとっくに出ていると叫ぶように言った。

 地上で悪魔(デヴィル)が人種を堕落させていることを話すとレフィクルが目を細めて眉間にしわを寄せて怒っているようだった。

 では一体誰がどの様にして不可能を可能にしたのだろうかということになってくる。



「ナーサイヴェルを呼べ」


 元兵士だった悪魔(デヴィル)に命じ、暫くしてヘラヘラとしながらナーサイヴェルが姿を見せた。 こいつにも俺は嫌な思い出がある。 死姦を愉しむクズの中のクズだ。



「陛下、ナーサイヴェル参上いたしました」


 妙に嫌な予感がする。


 早速レフィクルが問いただすとナーサイヴェルはさも当たり前の様に答えてきた。



「ここは(わたくし)を満たしてくれないんです。 誰も死なない。 こんな苦しみしかないところすぐにでも出たいじゃないですか?

だからログェヘプレーベに頼んでいたんですよ」


 要するに悪魔の契約による召喚の様だった。そうする事で付随して悪鬼(デーモン)も少数連れ出すことが出来るのだという。

 だがいろいろと欠点があり、未だ実験段階でしかなかったというものだった。



「これがうまくいけば(わたくし)達は地上に戻れ、レフィクル様はまた支配を愉しむことも出来ます!

……ところでそいつらは誰です? まさか生者! さすがレフィクル様! 是非背後の3人は(わたくし)めに……」


 言い切る前にレフィクルがナーサイヴェルを殴り飛ばした。



「誰がそのような命令をした」


 レフィクルが殴られてひっくり返っているナーサイヴェルを見下しながら静かに、しかし怒りがこもった口調で言い、殴られたナーサイヴェルはヒッヒと気味の悪い声で笑い出した。



「やはりあの方が言った通りでしたね」




私事ですが、今ここまで登場した登場人物の中で誰が印象に残っているんだろう、または好きなのだろうと思ったりしました。

当初の設定では有無を言わさずセーラムでした。ではここまで描いてきてどうなのかというと少しずつ変化が出てきました。


格好いいなと思うキャラになってしまったのが実はセッターで、タバコの銘柄通り7に重点を置いて、7つ星の騎士と7つ星の剣以外当初はあまり設定がないという存在だったりします。

しかも元ネタもなく、物語が進むにつれて人間性が作られていったという扱い。 立派に育ったものです。



読んでくれている方たちは誰か印象に強いとかこのキャラ好きとかあるんでしょうか?


といった感じで少しづつネタでも書けたら書いていきますね。



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