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死極の内部へ

第13章に入ります。

 暗闇を超え視界が通る様になる。 直後感知(センス)で目の前に何かいるのがわかり、更にそれが予測(プレディクション)のおかげで俺目掛けて攻撃してくるのが分かる。

 まだ感知(センス)に3人の気配が無いためこのまま避ければ、タイミングが悪ければ3人の誰かが被る事も考えられ杖でその一撃を受け止める。



「チッ! 騎士魔法使ってやがったか」


 一撃を受け止めた俺は攻撃してきた相手の顔を見て驚く。



「お前……スレイドか?」

「扉が開いたからここから抜け出せると思って来てみりゃサハラ、お前が出てくるじゃねーかよ!」


 俺とスレイドが武器を構えて向き合っているとアリエルとエラウェラリエルが姿を見せるが、俺の時と同じくまだ視界がはっきりしていない様だ。



「お前もここに送られたと思ったんだが、どうやら違う様だな? ぁあっ!」


 アリエルとエラウェラリエルの姿を見たスレイドはニヤつくのと同時に俺の少し後ろにいるアリエルよりも少し離れたエラウェラリエルに斬りかかったが、神となったエラウェラリエルには騎士魔法と言われるもの全てを備えているため、咄嗟に手を突き出して防壁(バリア)で防ぎ……最速の詠唱で反撃した。



「魔法の矢よ敵を打て! 魔法矢(マジックアロー)!」


 光弾が12本その突き出した手から放たれ、スレイドを撃ち抜き吹き飛ばす。

 その速度はまるで剣を受け止めて斬り返したぐらいの速度だ。



「くぐって直ぐ襲われるとはさすが死極ですね」


 倒れた相手を見つめそれがスレイドである事に気づいた様だ。

 「スレイド……」そうエラウェラリエルが言うのと同時にルースミアが姿を見せた。 キョロキョロした後体を起こそうとしているスレイドの姿を見つけると、俺ですら恐怖を覚えそうなほど狂気に満ちた笑みを見せた。



「スゥーレーイドォー! 貴様にはもう一度会いたかったぞぉ!」

「な! る、ルースミアだと!?」


 焦った表情を見せたが直ぐにヘラヘラと笑いだす。



「チッ! 後から後から……でもいいぜ、ここじゃ俺は死なねぇ」

「それはあんたがもう死んでるからじゃない。 馬鹿っぽい顔をしていると思ったけど本当に馬鹿なのね?」


 アリエルが速攻でツッコミを入れてくる。



「ですが……痛覚などは普通にあります」


 神であるエラウェラリエルが死極の住人にそう告げる。 それはつまり弱い者は永遠と殺され続け、永劫の苦しみを味わうということだ。



「つまり我の気が済むまで貴様を殺せるというわけだな!」


 ……あらやだ、なんか3人が怖い。


 そんな事をしている間に得体の知れない奴らもこちらに気がついて向かって来始め、それに気がついたスレイドも俺達より近づくもの達を気にしている。



「今だけ手を組まねぇか?」

「またそうやって裏切るんだろ?」

「断る」

「馬鹿が感染るから勘弁」

「罪人とは手を結べませんね」


 ほぼ即答で返され「知らねぇからな」と負け惜しみの様な事を言って、身を守らんと剣を俺達ではなく近づいてくる者へ向けたことから、相当な相手なのだというのは間違いなさそうだ。



「フェンリル、イフリート、出れるか?」

“おう! サハラ久しぶり!”

“呼ばれて飛び出て……”

「それ以上言わなくていい!」

“……oh”


 どうやらここでは精霊力も働く様でフェンリルもイフリートも具現化出来るようだ。

 突然姿を見せ、喋る氷狼と赤黒いマッチョな男にスレイドは驚いていたようだが、フェンリルとイフリートが近づいてくる者に気がついて、その姿をフェンリルはゾウほどの大きさまで巨大化し、イフリートは全身炎に身を包み、腕組みをした姿に変わったところで「最上位精霊……」とスレイドが呟く声が聞こえた。



「死極の連中がどの程度か……見てやるとしようじゃないか!」


 近づく数はおおよそ30ほど、その中には腐ったドラゴンの様な姿をしたものや、頭がタコだかイカの人型までいる。


 ウィザードであるエラウェラリエルが気になって顔を向けたが、力強く頷いたため信じることにして俺も集中することにした。



 一気に死極の魔物に飲み込まれて分散されてしまい、3人の姿が見えずどうなったのかはわからなくなった。 だが、フェンリルとイフリートが次々と凍らせ、焼き尽くしていくのは確認でき、目には見えないがアリエルが始原の魔術で雷の嵐を起こすのが見えた。

 そして俺も近づく相手を杖で握り変えをしながら殴り倒していった。



 ものの数分後には近づいてきた者全てを粉砕し倒し尽くした様に思えたが、息の根を止めたであろう状態からしばらくすると、甦ると言うよりはまるで時間が巻き戻ったかの様に傷一つなく起き上がり、同じ様に攻撃を繰り返してくる。



“キリがないぞ!”

「私も魔法の記憶分が残り半分ほどです!」


 聞いてはいたが確かに死ぬことがなく、それがどれだけ厄介なことかを思い知ることになる。 ただルースミアだけは1人で蘇ってくる奴を嬉々として潰して行っていたが……


 そこで俺は以前創造神に聞いた死極にレフィクルの魂を封じる事を思い出し、贖罪を試してみることにした。



「ルースミア、1匹だけ残しておいてくれ!」


 そうルースミアのいる方を見ると、どさくさに紛れてスレイドをぶちのめしているところだった……


 ……ルースミアさんってばちゃっかりしてらっしゃる。

 アリエルとエラウェラリエルもそれには苦笑いを浮かべるしかなかったようだ。




第13章になりました。

タイトル未定なのはどこまでこの章で描くか決まっていないためです。

ちなみに現在のサハラはおそらく最強クラスに近づいています。 といっても断罪と贖罪の力のおかげですけどね。



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