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門を抜けた先に待つもの

第12章です。

本編とはほぼ関係ありません。

 視界が通るようになると前方からワゴン車が明らかに制限速度以上の速度で走って向かってくる?

 横道からも車が徐行運転することなく飛び出してきたって、あれ?

 あっという間もなく前方から猛スピードで走ってきたワゴン車の横っ腹に激突し、衝撃を受けたワゴン車は速度を落とすことなく進路を変えて俺の方へと突っ込んできた。


 次の瞬間何者かに強引に後ろに引っ張られ、俺の前をワゴン車が走り抜けて壁に激突する。



「あっぶな!」

「大丈夫かサハラ!」


 はい? っと振り返るとルースミアとアリエルとエラウェラリエルがいて、後ろに引っ張ってくれたルースミア以外の2人はキョロキョロと辺りを見回している。


 ……まてどういう事だ? 俺達は死極の門を抜けたはずだというのに、ここは俺の全ての始まりの場所じゃないか。



「サハラさんここどこ? って言うかあの鉄のイノシシみたいなのは何!?」


 遠くからサイレンの音が近づいてくる。 誰かが通報でもしたのだろうか。


 そこで俺は、俺の格好やルースミア達の姿を見てマズいと判断してエラウェラリエルに俺達の姿を消す魔法を使えたら使うように頼む。



「者、物を視界より消し去る球体よ、我が中心に現れよ!不可視球体(インヴィジビリティスフィア)


 魔法が使えるのか不安だったが、エラウェラリエルが頷いたため問題なく使えたようだ。

 これでひとまず安心し、3人についてくるよう合図を出した。


 もうみんな帰って誰もいなくなった会社に向かい、建物には鍵が掛かっていて中には入れないが、敷地内には入れるため人目のつかない場所まで行く。



「たぶんここなら大丈夫だ」

「ねぇ、ここどこ!?」

「さっきの巨大な鉄のイノシシみたいなのは何ですか?」

「……主の元の世界、か?」


 俺が答えるまでもなくルースミアが正解を言う。



「ここがサハラさんのいた世界……」

「凄い! 夜なのにあちこち明かりがついていて昼みたいに明るいし、お城みたいに大きな建物だらけだよ!」

「とりあえずお前達、今から俺が良いと言うまで絶対にしゃべらないでくれ、いいな?」


 無言で3人が頷くのを確認すると、鞄からこっちの世界で使っていた鞄を取り出し、財布を引っ張り出す。


 ……よかった、これだけあればタクシーで帰れるな。 後は……格好だなぁ。



 俺自身を見れば、ここだと明らかに見るからに怪しい黒いボロを纏った男だ。 なのでローブを脱ぎ、続いてブーツインされたズボンを引っ張り出す。 これならまぁなんとかなりそうだ。

 3人にもローブを脱がせてズボンも俺と同じ様にするように指示し、これで服装は多少変だがなんとかなりそうだ。


 問題は髪の毛で、エラウェラリエルはパッと見金髪の外国人でなんとかなりそうで、アリエルもウェーブのある赤毛の女性で十分いけるのだが、ルースミアが問題で、染めてもあり得ない燃えるような赤い髪をしている。


 ……誤魔化、せるか? いや、やるしか無いだろ。



「いいか、言いたい事は後で聞いてやる。 今は俺を信じていう事を聞いてくれ!」


 コクコクコク



「よぉし! じゃあ今からいう事を耳をかっぽじってしっかりと聞けよ!」





「ほら乗って」


 素直に黙って従う3人がタクシーの後部座席に座るのを確認してから俺は運転手の横に座り、俺の賃貸の自宅近くまでの場所を伝える。


 タクシーが走り出すとチラチラと運ちゃんが後部座席に座る3人を気にしだす。



『お客さんの友達かなんかですか?』

『そんな感じですねぇ』

『外国の方……言葉はわかるんですか?』

『……いえ、わかんないですよ』

『そうですか……いや美人さん揃いですね。 長い事運転手やっててこんな美人見たのは初めてですよ、はっはっは』


 どうやらこの運ちゃん、エラウェラリエルの少し尖った耳や、ルースミアの真っ赤な髪の毛よりも顔しか見てないようで助かった。



『お客さんあれでしょう? あのぉなんって言ったっけかな。 あ、そうそう、コスプレっていうやつですよね?』

『あはは、バレちゃいましたか。 そうなんですよ』

『やっぱりそうでしたかぁ』


 そんな感じでどうやらなんとか凌げたようで、目的の場所まで到着するとお金を支払いサッサと降りる。 自動で扉が開いたにも関わらず3人は座ったままだ。

 もちろん俺がそう言ったからであって、すぐに3人をタクシーから降りるように指示をする。


 タクシーが走り去るのを確認してからマンションに3人を連れ込み、オートロックの扉を解除してエレベーターで部屋のある8階まで行き、部屋の扉を開けて3人を部屋に入れた。


 パチっとボタンを押して電気をつけ部屋が明るくなる。



「よし、ここで靴を脱いで上がっていいぞ」


 コクコクと3人が頷き、ワンルームの狭い玄関で靴を脱いで素足になると俺の後について部屋に上がり込んできた。



「もう喋っても大丈夫だ」


 当然聖徳太子でもない俺に、3人から一斉に質問攻めにされたのは言うまでもないだろう。

 とりあえずの質問攻めを全て答えきる頃は日が変わっていた。



「しかしここが主の家か? 随分と狭いのだな」


 まぁ男の一人暮らしでワンルームだから仕方あるまい。



「ここがサハラさんのいた世界なんですね。 夜なのに昼のように明るくて凄いですね」


 電気というか、科学がない世界だもんな。



「でもなんでサハラさんの世界に来ちゃったのかしら?」


 そこが大問題なんだよ。 死極の門をくぐったら帰ってきちまった。 しかも俺が異世界に行くきっかけになった現場からで、最初のあの時あの場所から時間が全く経っていない。




 ……そもそも


 なんで俺達は死極の門をくぐったんだ?

 まぁいいや、今日は遅いから寝よう。



第12章は今後の展開上、あまりアリエルとエラウェラリエルとルースミアの3人がサハラとイチャイチャするシーンが無さそうなので作られたような話です。

あまり長くならないと思いますが、退屈させてしまったら済みません。


懐かしいシーンから始まりましたね。 覚えていますか?

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