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仲間達に託して……

 ひとまず全てを話すからと2人には言ってその場は黙らせ、王宮に入り事の成り行きを説明しようとするのだが、やはりアリエルを知る人たちはその姿を見てそれどころじゃなくなる。

 そしてアリエルはアリエルで、ベネトナシュが王妃になった事に驚いていた。



 順を追って俺とブリーズ=アルジャントリーが説明する事で、アリエルの事もラーネッドの事も他全てに繋がり面倒が省けることになる。



「つまりレフィクル様は悪魔王の烙印が撤廃されやがるということですか? しかもラーネッド様ともまた一緒になれやがると?」

「レフィクルが素直に受け入れればの話だがな」

「なら私も一緒に連れて行きやがればいい。 そうしたら私がレフィクル様を必ず説得して見せやがる!」

「悪いが決められたメンバーでしか行けないと言われている」


 ログェヘプレーベはまだ言何かいたげだったが、最後に頼みやがりますとだけ言って黙った。



「レグルスが動き出す前にことを済ませたいと思う。 今から急いで俺達は死極の門に向かおうと思うんだが……ヴォーグ」

「ああ、任せておけ」

「不死王とリリスも」

「任されよう」

「わかりましたわ」

「セーラムも頼んだぞ」

「もぉおしょぉおがないなぁぁ」

「キース、アラスカ、頼む」

「「マスターと共にあらんことを!」」

「サハラ気をつけてね。 特に……」


 キャスが自分の股間を指差して笑って言った。



「おいキャスそりゃどういう意味だよ、俺達は遊びに行くんじゃないんだぞ!」

「あたしはそのつもりあるよ?」

「わ、私は別にその様なことは……」

「主よ、股をどうかしたのか?」


 三者三様の見事な返事だった。



「んー、これはちょっと神の陰謀の匂いがするわ」

「陰謀ってなんだよ。 それにレイチェルだって神だろう」

「そうだけど、今は神界追放されている身だしね。 それに見てよ、3人共サハラと……あ、ルーねえ様は違ったわね、あれ? あれぇ!? 私は!?」

「婆様ボケたか?」


 ぐわぁぁぁぁっと叫んだかと思うとレイチェルは何処かへと走って行ってしまった。


 レイチェルがいなくなり、残った人達にも自分達がいない間頼むと言ってからアリエルとエラウェラリエルとルースミアを連れて一度部屋に向かうことにした。




 なぜ俺が一度部屋に戻ったのかというと、当然アリエルとルースミアの事だ。 エラウェラリエルは単純にあの時、アリエルの姿を見て驚いただけだった様だが、ルースミアの場合は最初の態度が気に入らなかった様だった。

 あの場はとりあえず俺が報告が先だと言って黙らせただけだったため、今こうしてルースミアがアリエルに食ってかかっている。 そんな状態だ。



「貴様の態度が気に入らん!」

「気に入らんと言われても事実を言っただけですよ?」

「だからといって当て付けがましく指環なぞ見せなくてもいいだろう!」


 とまぁこういう状態なわけだ。 なので俺は蚊帳の外になっているエラウェラリエルを抱き寄せて終わるまで待つことにする。



「サハラさん2人をほっといてもいいんですか?」

「俺が口を挟んでも納得はしないと思うから、こうして待つしか無いかな」

「っあ……」


 抱き寄せたエラウェラリエルにキスをする。 僅かに抵抗する素振りを見せただけで、あとは流されるまま身を任せてくる。

 調子に乗った俺はエラウェラリエルのローブの中に手を入れて胸に触れ、その感触を確かめるように揉んでいると、エラウェラリエルの息が少し荒くなって色っぽい表情を見せてきた。



「ウェラ、可愛いぞ」

「サハラさん……」


 と、その時俺の首をグリンと強引に回され、むくれた顔のアリエルが映り、その隣にルースミアの顔もあった。



「おっ、話はついたのか?」


 むくれた顔から呆れた顔に変わったアリエルが頷いて答えたため、そこでエラウェラリエルの胸に触れていた手を引っ込めると、「……あ」と惜しむようなエラウェラリエルの声が聞こえた。



「っもう、こっちは言い合いで大変だったのに、サハラさんは何をしてるのよ!」

「痴話喧嘩に他人が口を挟むのは良くないだろ?」

「サハラさんはその当事者じゃない」


 俺は笑いながらどうなったのかを聞くと、今後は3人仲良くやっていこうというふうになった様だった。



「ルースミアもそれで納得したんだな?」

「うむ、魅力的な雄に雌が集まるのは仕方がない事だからな」


 ここで本当ならこの雰囲気のまま3人といちゃいちゃするところなんだろうが、今はそんな悠長な事をしている場合じゃ無い。

 なので恋人になった順番のエラウェラリエル、アリエル、最後にルースミアに抱きしめて口づけをしていく。



「じゃあのんびりもしてられないから行くか!」

「行くか! ってサハラさん死極の門までどうやっていくつもり? あたしは魔導門(ゲート)は出せないよ?」

「私も行った事が無いので無理ですね」

「我も知らないぞ?」


 あの時一緒にいたセーラムも魔導門(ゲート)は出せない。

 ……ダメじゃん!



「ヤバい、ヴァリューム湖遺跡から行ってたら間に合わないぞ!」

「サハラさんが言っていたロストワールドとかいうところの上空からはどうかしら?」

「位置がわからないから当てずっぽうになるだろ?」

「それならもう一度神殿に行って【死の神ルクリム】に聞くというのはどうですか? サハラさん」

「ルクリム苦手なんだよなぁ……嫌味言われそうだしさ」

「あ、それ私もわかります……」

「主よ、今アリエルが言ったロストワールドとはなんだ?」

「わかりやすく言えばデカいトカゲがうようよしてるところ……かな?」

“あと暑い”

「主、もしかしたらその場所、我が知っている場所かもしれないぞ?」

「なんとなく理由がわかった気がするが、一応聞こうか?」

「うむ、我の餌場だ」

「間違いないな」

「間違いないわね」

「となるとどこが一番近いかですか?」


 エラウェラリエルが察した様に聞いてくる。 俺が頷いてルースミアを見ると、城塞都市ヴァリュームからなら1時間程で辿り着けると答えた。



「行こう、ヴァリュームへ!」




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