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ワールド・ガーディアン〜新たなる転生者〜  作者: 小さな枝切れ
第7章 世界恐慌のはじまり
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悪夢の再来

 とりあえず仕切り直し、シリウスとパーラメントにこれからする事、なそうとしている事を全て説明していった。


「やはり、私がサハラと同行する事は間違いではない様だ」

「我が一族代々受け継がれている力を持ってその様な輩は倒さねばならないでしょう」


 シリウスは贖罪の為、パーラメントは正義感といったところなのだろうか。どちらにせよ、味方につけば心強い事に変わりはない。



「それでサハラよ、わざわざ俺とベネトナシュのプレイを鑑賞しに来たわけじゃあるまい。 どうするのか決めたのか?」

「ああ、今アラスカに頼み事をしてある。それが上手くいけばあっという間に解決するんだけどな」

「なら俺は急ぎ王都に戻るとするか」




 ヴォーグは護衛の兵士を引き連れて国へと戻っていった。入れ替わる様にアラスカが駆け寄り俺に報告をしてくる。


「マスター! 現在キャス様は学院恒例のイベントで旅行に出ていました!」


 何をそんなに慌てているんだろうと思っていると、アラスカが加えて報告する事に衝撃が走る。


 霊峰の町で麻薬が横行し始めていたのだ。



「キャス様は生徒達に決して手を出さない様に指示を出し、宿屋に生徒全員を集めて慌ただしかったため、一先ず戻って報告しに戻りました!」

「なんだと! レグルスが15歳までまだ数年あるはずだぞ!」


 レグルスが自由に動くにはまだ早いはずだ。にもかかわらず行動に出たのは一体なぜか。しかしその答えは簡単なものだった。

 15歳と決まりはあるが、それを証明するものはない。つまり偽る事だって簡単な事だし、何よりあいつは前世の記憶があるだけに精神年齢は高い。


「くそぉ! なんでもっと早く気がつかなかったんだ!」

「後悔しても遅い。どうするか決めようでは無いかサハラ」


 意外にも冷静にシリウスが俺を諭してくる。伊達に7つ星の騎士団の高位にいるわけでは無い様だ。


 だとするなら急ぎ王都にポットを連れて安全の確保を急がねばならないだろう。しかし馬を飛ばしたところで相当なロスが生じてしまう。



「私の意見を聞いてもらえるかサハラ」

「何か考えがあるのか」


 シリウスが頷いて答えた。


「まず7つ星の騎士団だけが使える転移装置で、私は7つ星の騎士団領に戻って援軍要請と各国の王に警告を発する様、評議員に持ちかける。

アラスカには霊峰の町の事態の沈静化に向かってもらい、後任が来次第可能であればキャス殿を伴って戻ってもらう。

その間にサハラ達にはここウィンストン公爵に麻薬の事を警告して頂きたい。

落ち合う場所はアラスカが戻るまでには私も戻れるからここで待ち合わせる。というのでいかがだろうか」



 策士か何かかと思うほど的確なアドバイスをしてくれる。


「よし、それでいこう! アラスカ、シリウス、頼めるな」

「「ハッ!」」




 早速2人が行動に移し、残された俺達は公爵の館に舞い戻る事になった。


「マズい、俺公爵を知らないぞ」

「……大丈夫。私が知ってるから」

「そりゃ心強い」

「じゃが7つ星の騎士でも無いのに公爵様が儂等なんかの言葉に耳を貸すかのぉ」

「最悪俺が代行者だと明かす」



 走りながら話、公爵の館に辿り着いた。急ぎ取り合う様に兵士に言うが、当然取り次ごうなどとはしない。


「……ヴォーグ様の婚約者がきた。……そう伝えて」


 兵士だけではなく俺や仲間達も驚く。


「済まない、ベネトナシュ今なんて言った?」

「……ヴォーグ様の婚約者が、きた……と」

「マジ?」

「まじ?」

「本当に?」

「……ダメ、だった?」


 あれのどこがいいんだ? ドM王だぞ? まさかベネトナシュはドSか!?

 そこでハッと思い出し、アルを見ると首をコクコクと頷かせていた。それでアルはベネトナシュを様付けで呼んでいたわけだ。



「ちなみにベネトナシュ、プロポーズは正式にされたのか?」

「うううん、口約束……だけ」

「何て言われたんだ?」

「俺を……毎日踏んでくれ……と」

「「「「それは間違いない」」」」



 俺達が納得する中、なぜかウンウンうなずく兵士が話を通しに行き、俺達は無事に公爵と謁見できる事になる。

 ふと疑問に感じたのは、ヴォーグのドMは有名だったのだろうかという事だが、気にするのもバカバカしくなりやめておいた。




 ウィンストン3世に謁見するや否やとんでもない光景を目にする。

 何と既に公爵が麻薬の匂いを嗅いでいたのだ。


「公爵それは!」


 思わず叫んでしまう。


「誰だ貴様は? 私はヴォーグ王の婚約者がきたと聞いていたはずであるぞ」


 全員跪いている中、俺だけが頭も下げず立ったまま口を出したためか、不機嫌な顔を見せた。


「俺はサハラ、【自然均衡の神スネイヴィルス】の代行者です。公爵今すぐそれをやめてください!」

「本物かどうか怪しいものだな。証拠でも見せてからにしてもらおうか……代行者……サハラ、殿?」


 片眉を上げ、ニヤけた顔つきをさせながら挑発でもする様に言ってくる。


「自然均衡の力は大自然の始原の力、お見せするとなると国が滅ぶ覚悟はしているのですね?」


 すると突然ウィンストン3世は馬鹿にするかの様に笑い出した。


「脅しなど通用せんぞ、無礼千万こ奴をひっ捕らえろ!」



 兵士達が俺の元に大人しくしろと詰め寄ってきた。




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