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憲法に書いてある?

作者: 竹仲法順

     *

 <何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。>と日本国憲法第二十二条第一項に記載がある。これは日本国民にとって一つの大切な権利だ。ちゃんと法律に記載があるから、その通りになっている。居住・移転の自由ぐらい、憲法を深く知らない人――つまり法律に関してはずぶの素人でも知っている。小学校の社会科で教えるレベルの代物。

 今年の夏に叔父が電話で「お前、将来生活保護受けるんだったら、狭いアパートに移れよ。憲法に書いてあるからな」などと言ってきた。ハア?憲法のどこにそんな条項の記載があるんだ?仮に行政がそういったことをした場合、社会的な問題になる。生活保護は資産価値の少ない家に住んでる人なら、持ち家を持ったまま申請し、受給できる。そんな簡単なことも分からないのか?全くの盆暗。

 オヤジや妹、叔父、叔母、従兄弟たちなどは全くの愚昧。何にも知らない。理由は簡単。受験勉強以外まともな勉強は何一つとしてしてないからだ。試験に出るところしか覚えてない。そんなものは単なる勉強レベルだ。学問でも素養でも何でもない。

     *

 叔父と会うことはもうほとんどないかもしれないが、さすがに笑えるよね。狭いアパートに移ることを行政が指導していて、それが憲法に書いてあるって?バカじゃねえのか?あまりのバカバカしさに発する言葉を失ってしまう。そんなことをした自治体など今までない。あったら大問題だ。

 法律というものは人間を守るように出来ている。特にボクのように将来は生活保護など最低給付に頼らざるを得ない人間にとっては、だ。生活保護法というものもあり、ちゃんと規則が定められている。まかり間違っても、狭い部屋に移るなどの指導は絶対にしてない。

 ボク自身、元々叔父・叔母・従兄弟たちのことが嫌いなんだ。会わなくていいなら、半永久的に会いたくない。受験勉強の頭はいいにしても、人間としては全く血が通ってないからである。叔父など東大の経済学部まで出ていて、こんなこと平気で言うぐらいだから、どんな人間か察しが付くだろう。まずくてまともに飲めやしない、およそ売れないような酒大量に作って。

     *

 それにしても、憲法に書いてあるというのは、極めて突飛な発想だね。憲法の<け>の字も知らない人間の言うことだ。こんなこと平気で言ってると、そこら辺りの小中学生に笑われるよ。まあ、笑われても仕方ないだろうが……。前述したように試験に出るところしか覚えてないから、こんなユニーク極まりない発想が生まれるんだよな。全くもってしてバカだ。そんな人間とは今後一切話をいたしません。

 ちなみに生活保護受給の際の援助は三親等、つまり親兄弟や甥・姪までなので、叔父たちは一切関係ない。まあ、バカに付ける薬はないと言うが、まさにその通りだね。将来のボクのこの持ち家でのささやかな暮らしと、最低生活費は法律で保障されている。門外漢にあーだこーだ言われる筋合いはないね。明言しておきますが。

 本当に恥でしかない身内の話を書きましたが、引用した日本国憲法第二十二条第一項のことなど、小学校時代から知ってたよ。なぜなら、ボク自身、ああいった盆暗の手合いよりも数段賢いんでね。モノを知らないというのは、実に恐ろしいことですな。ちゃんと勉強してきた人間と、そうじゃない人間――差は歴然としている。

 ひとまず叔父の言ったユニークな発言に関して一筆書かせていただきました。笑ってやって結構です。東大出た人でも、こんな大間違いするんだからな(笑)。

 ではまた。

                                (了)


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