雪
ねぇ、あなたは
今
どこにいますか?
一度目は、気まぐれで。
腕に抱いた、小さな子猫。
真っ白で、傷ついて、擦り寄ってきた。
可愛い子猫。
気まぐれで構って。
遊んで。
餌をあげたら。
自分でも驚くほどに。
情が移ってしまっていた。
心の中に。
彼女の存在があった。
なのに。
私は、拒絶をしてしまった。
彼女を。
あの子を。
子猫は。
どこかへ姿を消した。
私には、止めることはできなかった。
拒絶をしてしまった私には。
何も、言えることはなかった。
思わず抱きしめようと。
伸ばした手は。腕は。
空中で止まって。
そのまま、力を失って落ちた。
二度目は、彼女の意思で。
時々訪れていた、小さな公園。
そこに座っていたら、擦り寄ってくる白い影。
今度こそ。
大事にしようと思った。
腕の中の温もりを。
離すまいと。
なのに。
また、彼女は。
姿を消した。
歩いて、歩いて。
探して、探して。
途方にくれて。
もう会えないのかと、一人泣いた。
子猫は、見つからない。
ねぇ
どこにいるの?
ちゃんと、食べているか。
ちゃんと、生きているか。
心配で、心配で。
もしも、再びキセキが起きたら。
私は。