表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

作者: 月桂樹


ねぇ、あなたは



どこにいますか?




一度目は、気まぐれで。


かいなに抱いた、小さな子猫。


真っ白で、傷ついて、擦り寄ってきた。

可愛い子猫。


気まぐれで構って。

遊んで。

餌をあげたら。


自分でも驚くほどに。


情が移ってしまっていた。


心の中に。

彼女あのこの存在があった。


なのに。


私は、拒絶をしてしまった。


彼女を。

あの子を。



子猫は。


どこかへ姿を消した。



私には、止めることはできなかった。


拒絶をしてしまった私には。

何も、言えることはなかった。


思わず抱きしめようと。

伸ばした手は。腕は。


空中で止まって。


そのまま、力を失って落ちた。




二度目は、彼女の意思で。


時々訪れていた、小さな公園。


そこに座っていたら、擦り寄ってくる白い影。


今度こそ。


大事にしようと思った。


腕の中の温もりを。

離すまいと。



なのに。



また、彼女は。

姿を消した。



歩いて、歩いて。


探して、探して。


途方にくれて。


もう会えないのかと、一人泣いた。



子猫は、見つからない。



ねぇ



どこにいるの?



ちゃんと、食べているか。



ちゃんと、生きているか。



心配で、心配で。



もしも、再びキセキが起きたら。


私は。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ