オレ+悪魔=早朝
目を開くと真っ暗だった。
(・・・すんげー息苦しい。しかも暑いし。)
顔の辺りには何かやわらかいものが当たっている。
起き上がろうとすると細長い何かにものすごい力で引っ張られた。
(むにゅ)
引っ張られた勢いで体勢を崩し、結果、そのやわらかいなにかに再び顔を埋めることになった。
その上先ほど引っ張られた細長い何かが後頭部をがしっ、とつかんでこれまたやわらかい何かに引き寄せたのでさらに顔は埋まっていく。
「はう〜。闘矢君〜。もっと、もっと〜。ああん!」
そして頭の上のほうからはリンのロリボイスが・・・
「ってお前か!!」
強引に細長い何か、つまりリンの腕を後頭部からはがしやわらかい何か、つまりリンの胸から顔を上げる。
「ふにゃ?ああ闘矢君。どうしたの?」
リンが目をこすりながら答える
「どうしたの?じゃねえだろがこのすっとこどっこい系悪魔!何でオレがお前と一緒に寝てるんだよ!」
「寒かったから暖めてもらおうと思ったの♪」
リンがまったく悪びれていない様子で答える。
「お前なあ・・・」
「あはっ。闘矢君照れてる〜。かっわい〜」
さすがに突っ込む気もうせた闘矢は、洗面所へ行こうとして布団を跳ね除けた時、はじめてリンの下半身の状態に気づく。
「何でお前は下着しか着てないんだ!!」
形のよいふくらはぎは美しい曲線を描き、驚くほど白い太股へと続く。
「だって服着たままじゃぬくもり感じにくいし。」
無邪気に言うリンに、もういっそこいつの望むがままにさせるか。と思わないでもない闘矢であった。
「ってか、とりあえず何か着ろ。」
「じゃあ制服に着替えるね。」
そういってリンはベッドから立ち、つかつかとタンスの前まで歩いていって制服を取り出した。
「おい着替え終わったら言えよ」
鉄壁の理性はリンの体を持ってしても破ることはできないようだ。
普通の男ならチラッと見たりすると思うのだが闘矢は見ない。
ええ、断じて見ませんとも。
「終わったよ」
「おいおい、着替えんの早・・・」
否、見た。というよりも見てしまったといったほうが正しいか。
前方には上半身も下着姿になったリンの姿。
「闘矢君だまされてる〜。でもそこがまた萌えるのよね〜」
(こいつとこのまま生活してたらマジでおかしくなりそうだ)
家出ようかな?と闘矢は一人決意を固めた。
「もういい。おれはとりあえずお前とは行かないことに決めた。」
「え〜。制服も用意してあったのに〜」
「いらん。制服ならもうある。」
オレの言葉にリンが残念そうに言う。
「でも闘矢君の制服間違って消したからないよ。
だから、これ着てね。」
そういって差し出されたのは・・・
オレの高校の女子が着用しているセーラー服。
「闘矢君って実は女の子って言っても通じるくらいの美形でしょ?だから。」
・・・切れてますか?
・・・キレテナイッスヨ・・・
「じゃすまねえんだよ、このボケーー!!」
毎日続く怒鳴り声は後に都市伝説となった。