表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第四章。

「…………」


「…………」


沈黙が続いた。

その間に、先程まで騒がしかったクラスメート達は散ってしまった。


そして。


「何となくよ」

カグヤが沈黙を破った。


「は?」

泪は再び呆けた。


「だから。何となく。」

繰り返してカグヤが言う。ともすれば邪悪ともとれる笑みを浮かべて。


「…自分の名前がカグヤだから、カグヤ姫のことに興味があるとかじゃないわけ?」

カグヤの意外な答えに戸惑いながら泪は言った。


「…ああ。なるほどね。んじゃそういうことにしといてもイイわ」

「Σなんだそりゃ」


「…で。どう思うの?」

突然、雰囲気が変わる。


「…なにが?」


ひどく張り詰めた雰囲気。

「『どうしてカグヤ姫は月に帰れたのだと思う?』」

カグヤは、初めてカグヤと会った時と同じ台詞を同じ表情、同じ雰囲気で繰り返した。


気圧された。

カグヤの、その強い眼に。

「…おじいさんとおばあさんを幸せにしたからじゃないの?」


泪も、あの時思ったことを繰り返した。


「一般的だなぁ」

カグヤは可愛く笑いながらそう言った。


「違うとでも言いたそうじゃん」


「違うよ」

あっさりはっきり。


「じゃあなん…」


キーンコーンカーンコーン。

『じゃあなんで?』と泪が聞こうとした瞬間、チャイムが鳴った。


「そのうち解る。」


ボソリとカグヤが言った。


「………」


それは、辛うじて聞き取れるくらいの小さな声だったが確かに泪の耳に届いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ