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崖上小屋で今日もハイヒールを眺めます  作者: 小原みん


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21/69

20: コハナの通り道

コハナに案内され、崖の下に到着した。

ルシナがいつも降りる場所より少し離れており、崖の近くは木々に覆われている。


「ここ」

コハナは、崖の壁にある木々に隠れるように設えられた扉の前に荷物を置いた。


「ここは一体……?」


年季の入った扉を前に、ルシナは思わず問いかける。


“ずっとまえからあるのー”

“みんなわすれちゃったのー”


妖精たちが得意げにくるくる舞う。


コハナが扉を開けると、そこは四畳ほどの砂地の床になっていた。

見上げると、天井は見えないほど高く、縦にぽっかりと空間が抜けている。


そして――


「滑り台!?」


見えない上方へ向かって、一本の滑り台がまっすぐ伸びていた。


「ここから来た」


コハナがそう言って、じっとルシナを見る。

あなたはどうやって?と、無言で問いかけているようだった。


「こんなところがあったんだね。えっと私は……」


ルシナはその場でふわりと浮かび、ひらりと一回転して着地する。


「女神さまの加護で、飛べるようになっちゃった」


“ルシナすごいのー”

“ぼくたちといっしょー”


妖精たちが興奮したように、ルシナのまわりをぐるぐる飛び回る。


どうやら、以前飛び方を教えてくれた妖精とは別の個体らしく、情報は共有されていないようだった。


コハナは、珍しく少し間の抜けた顔でルシナを見つめている。


「ルシナも、ここを見つけたと思った」


「コハナはここを滑ってきたの?」


「うん」


「でもこれ、どうやって上までいくの?」


そう言うと、コハナは滑り台の前に立ち、何のためらいもなく踏み出した。


「え、ちょっと待って、それ登るの!?」


ぎゅ、ぎゅ、と靴底が滑り台に吸い付くように止まり、身体がずり落ちない。


滑り台には手すりがついており、それにつかまりながら登っていく。


「え。逆走?!」


「うん。登りは摩擦強い。降りは摩擦少ないから早い」


「仕様なの!?」


淡々と登っていく背中は小さいのに頼もしい。


“コハナいつもこれなのー”

“にもつは、ぼくたちがはこぶのー”


「そんな使い方なのー!?」


妖精たちの言葉がうつりながら、ルシナが思わず声を上げる。

その横でコハナは、変わらない調子で淡々と登り続けていた。


数体の妖精が後ろからお尻を押し、別の妖精たちは荷物を抱えて上へ運んでいく。


ルシナも試しに滑り台を逆走しようとして――すぐにやめた。


(これ、このまま登り続けたら腰と膝をやるやつだ……)


その場でふわりと浮かび、そのまま飛んでコハナを追いかける。


荷物を抱えて飛んでみるが、途端に速度が落ちた。


(荷物重いと飛べないなんて、仕様がシビア!)


結局ほとんどを妖精たちに持ってもらうことになる。


その横で、妖精の一体がニヤニヤしながら並走していた。


コハナと妖精たちの「よいしょ、よいしょ」という掛け声を聞きながら進むと滑り台の入り口が見えてきた


崖下の砂地の空間と同じような場所にたどり着く。

天井は低く、身長百六十センチほどのルシナが跳ねれば頭をぶつけてしまいそうな高さだった。


コハナが扉を開けると、そこは野草が一面に生えている場所へとつながっていた。


振り返って見ると、扉は草木に紛れてほとんど見えない。

長いあいだ放置されていたことがすぐに分かる。


コハナを追いかけて少し進むと、見慣れた群生地の近くだった。


「はへぇ〜……ここに出るんだ。もしかして、出かけてる時って町に行ってたの?」


周囲を見渡しながらルシナが尋ねると、コハナはこくんと頷いた。


(思い返せば、調味料とか卵とか、モーヴェ便に入ってないもの持ってたもんね……。どこで手に入れてたのか気になってたけど)


妖精たちから荷物を受け取り、小屋へ戻る。


するとフーが、待っていましたと言わんばかりに尻尾をぶんぶん振って迎えてくれた。


一話の文字数が少ない気がしてきたので、少しずつ増やしていこうと思います…。物語書くの難しい…。

コハナの滑り台逆走が可愛いと思ったら、星をポチッと評価頂けると嬉しいです

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