表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/132

第五十七段 われから

【本文】

 むかし、男、人しれぬ物思ひけり。つれなき人のもとに、


 恋ひわびぬ海人(あま)の刈る()に宿るてふ

  われから身をもくだきつるかな



【現代語訳】

 昔、ある男が、人知れずある女に恋をしていました。男の恋心を素知らぬふりをしている女に次のような歌を詠みました。


 恋に思い悩むあまり私は、漁師がとってくる海藻に宿るという割殻(われから)のように、自らを身を砕いてしまいそうです。



【解釈・論考】

 「われから」は割殻と書き、小型の細長い甲殻類でエビの仲間にあたるそうです。海藻に付着して生息していますが、海藻と共に水揚げされて乾燥させられているうちに自然と外骨格が割れてしまうことからこの名前がつけられたそうです。

 この割殻という名前が「我から」という言葉に転じやすいため、平安時代には和歌によく詠まれたようです。伊勢物語の中でも、この後の第六十五段の歌にもみられます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ