表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/132

第五十六段 露の宿り

【本文】

 むかし、男、臥して思ひ、起きて思ひ、思ひあまりて、


 わが袖は草の(いほり)にあらねども

  暮るれば露の宿りなりけり 



【現代語訳】

 昔、ある男が、好きな女のことを寝ても想い、起きているときも想い、想いの気持ちが高ぶって次のような歌を詠みました。


 私の袖は草葺きの庵ではないけれど、夕暮れになると露で濡れるように私の涙でびっしょり濡れてしまっています。



【解釈・論考】

 現代でも「寝ても覚めても…」という言い方があります。後には大体「思い悩む」とか「あの人のことを思う」といった言葉が続くわけですが、この段の「臥して思ひ、起きて思ひ…」はまさしくこの表現と同じであるとみていいでしょう。

 この歌は「草」「露」が縁語です。「夕暮れになると露が私の袖に宿ってきますよ」という擬人法表現が、「私は朝も夕べもずっと貴女を想って泣き暮らしていますよ」という詠嘆になっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ