表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/132

第五十五段 え得まじうなる女

【本文】

 むかし、男、思ひかけたる女のえ得まじうなりての世に、


 思はずはありもすらめど言の葉の

   をりふしごとにたのまるるかな



【現代語訳】

 昔、ある男が想いを寄せていた女がいましたが恋人になることができなくて、次のような歌を詠みました。


 貴女は私のことなど想ってはくださらないでしょうけど、貴女の言葉が折にふれて思い出され、それを支えに私は過ごしているのです。



【解釈・論考】

 ついには結ばれなかった恋を悲しく振り返る歌です。この話の男と女の関係性を業平と二条后(藤原高子)であると見る解釈もあるようです。ただ、この段に関しては物語文も短く端的ですので、二条后との恋にあてはめずに普遍的な失恋の歌とみてもいいでしょう。

 この歌は、恋というものを経験した大人ならば誰しもある程度は共感できるものではないでしょうか。この歌の感傷を多くの読者が自分の物として共感できるように、あえて背景となる状況描写を描かなかったものと僕は推測します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ