第四話:「魂の値段、いくらですか?」──金と祈りと、マーケットの神話(混乱編)
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そこは、魂のマーケットだった!
・ 看板・商品類
「祈り」
「焼きとうもろこし」
10¢(10セント)
GSY(Good Soul Yard):魂通貨単位(「グッドソウル・ヤード」)
・ トランプ風キャラ:
「ちょっと待て、魂ってETFで買えるのか!?」
・ ローブの商人:
いらっしゃいませ。純度の高い魂ですか?それとも再構成品?
・ トランプ風キャラ(契約書)
全部買ってやる!
・ 契約書のラベル
SOUL CONTRACT
「魂の契約書」
そこは、魂のフリーマーケットだった。
天井から吊るされたLED十字架。焼きトウモロコシの隣で念仏が売られており、通貨単位は「MP」ではなく──「GSY」。
「ちょっと待て。魂って、ETFで買えるのか?」
ドーナル・トランプが叫ぶ。異世界に来てもなお、金と権力のにおいには敏感だった。
「買えるどころか、レバレッジかけられるらしい」
イセカイ・マスクが、魂チャートのタブレットを覗きながら呟いた。
【市場速報】
魂/祝福 = 1:3(買い時)
誠実さ先物:急落中(不祥事系クエスト多発)
信仰バブル崩壊のおそれアリ
「なんだこの世界……仏陀もキリストも株価指数なのか……!?」
トランプは震える手で“魂ATM”と書かれた魔法陣を指差した。
すると、ローブを被った店主が寄ってくる。
「お客様、お求めは“純度高めの魂”ですか? それとも“訳あり再構成品”?」
「こ、これは…アウトだろう…!」
マスクが顔を覆う。祈りと魂が完全にサプライチェーン化されている。
「おいマスク」
トランプが急に真面目な顔をした。
「この魂、アメリカの選挙に使えないか?」
「おまえ今、ディープステートより深いとこに触れたぞ」
そのとき、マーケットの中央に巨大な看板が現れた。
今週の特価
・処女の純粋魂(ハイレゾ版)1.2GSY
・廃課金者の執着魂(要冷蔵)0.8GSY
・トランプの信者魂(在庫過多)→緊急値下げ!
「……おいマスク、なんで俺の魂が“在庫過多”なんだよ」
「そもそもおまえの信者、魂よりグッズ買ってるから」
トランプはキレた。
「くそっ! こうなったらこの市場、全部買ってやる! 魂ジャックだッ!」
「やめろって、だから言っただろ。ここで暴れたら“契約”が飛んでくるって!」
バシュッ!
空間が歪み、炎の中から巻物が出現。
『三日間の市場支配権と引き換えに、貴殿の魂の15%を譲渡すること』
《署名:ルシフェル第13代CEO》
トランプは躊躇いなくペンを取った。
マスクは全力で止めた。
「おまえは“世界構造”を、ローンで買おうとしてるんだぞ……!」
その瞬間、天から「約定!」という声が響き、魂マーケットに雷が落ちた。
「……これが、神の与信枠……!」
次回予告:「メモリウムってなに味?」──記憶が通貨になる世界の話
※この物語に登場する人物・団体・概念はすべてフィクションです。
実在の人物・団体・国家・超富豪・超天才とは一切関係がありません。
むしろ、異世界の住人です。
※本作およびその世界観、登場用語(例:メモリウム™、魂経済、共感通貨など)は、シニフィアンアポリア委員会により創出・管理されたオリジナル作品です。無断転用や類似作品の公開はご遠慮ください。