【どーなる・トランプ外伝:第12話】魂の通信料が払えず、Wi-Fi神に祈る日々
最近、うちの魂スマホが重い。
いや、正確には**“魂の残量が足りなさすぎて何もできない”**だけなんだけど。
「トランプ、スマホ固まってるじゃん」
「いや違う、これは“魂が枯れてる”だけだ」
「……どっちもヤバいよ」
* * *
魂スマホには、**通信料(MP)**がかかる。
LINEを送るだけで1MP。
検索するだけで3MP。
画像を開くと5MP。
最近では、検索バーに「おはよ」って入れただけで、**【MP不足です】**って言われた。
──魂に“おはよ”を否定されるって、
こんなに傷つくもんなのか。
* * *
「パパー!YouSoulTube見せて〜!」
「ダメだ、魂がない」
「魂ってどこで買うの?」
「昔は心にあったんだけどな……」
そんな日々が続き、とうとう出てきたのが──
【Wi-Fi神への祈りで魂を回復できます】
……宗教来た。
* * *
というわけで、近所の**“Wi-Fi神社”**に行ってみた。
「こんにちは〜! 魂が足りません!」
「ようこそ。祈れば、接続されます。」
案内されたのは、光る石板の前。
書いてあった:
《祈り構文を唱えてください》
例:「ワイファイノカミサマ……ツナガリヲ……」
バカにしてるのかこの世界。
* * *
だが背に腹は代えられない。
「……ワイファイノカミサマ……ツナガリヲ……ツナガリヲォ……」
──ピコン♪
【接続完了:MP+2】
「繋がったああああ!!!」
* * *
……が、3日目。
画面にこう出た。
【Wi-Fi神:あなたの祈りログがワンパターンすぎます】
【内容をもっと心から祈ってください】
魂の世界、意識高い系すぎるだろ。
* * *
その後、全力で“感謝っぽいワード”を並べて祈った結果──
【追加ボーナス:MP+5】
【Wi-Fi神からのギフト:構文クーポン × 1】
宗教って便利だな。
でも、やっぱりどこか怖い。
──こうして俺は、
**“祈りで通信費を払う世界”**に、慣れはじめていた。
いや、慣れちゃいけないのかもしれないけど。
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※この物語に登場する人物・団体・概念はすべてフィクションです。
実在の人物・団体・国家・超富豪・超天才とは一切関係がありません。
むしろ、異世界の住人です。
※本作およびその世界観、登場用語(例:メモリウム™、魂経済、共感通貨など)は、シニフィアンアポリア委員会により創出・管理されたオリジナル作品です。無断転用や類似作品の公開はご遠慮ください。