実際の乙女ゲーム、「悪役令嬢」も「婚約破棄」もなかった。
「〇〇! お前との婚約を破棄する!!」
「このままでは処刑されてしまいます! どうしましょう……」
なろうで多くの方が目にしたであろう展開、「婚約破棄」。ほとんどの場合、タグには「悪役令嬢」そして、「乙女ゲーム」と書かれています。
私は一時期この乙女ゲームが舞台になった小説を読み漁っていました。煌びやかな世界観や新鮮なキャラクター。どれもとても魅力的でした。
……と乙女ゲーム小説にハマった私。実際の“乙女ゲーム“にも興味を持ちました。
早速、乙女ゲームをプレイしたことがあるという友人に、おすすめの作品を教えてもらい、ソフトを貸してもらえることに。
そのソフトは野球や鉄道のゲームで有名な会社が制作した「と◯めきメモリアルGirl's Side 4」。通称「と◯メモ」。超有名タイトルだそうで、友人曰く「乙女ゲームの王道」らしいです。
ではここからプレイして感じた、なろうの乙女ゲームとの違いについて述べたいところですが……。ここで注意書きをさせていただきます。長いので飛ばしていただいても、全く構いません。
・いわゆる、なろう風の乙女ゲームではありません
お察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、このゲームは日本の架空の市が舞台であり、魔法も、貴族制度もありません。(名家出身の子はいます)
「そもそもの世界観が違うではないか!」と思われた方、申し訳ありません。ただ、実際の乙女ゲームに興味をお持ちでしたら、気になる箇所だけでも見ていってくださると嬉しいです。
・小説家になろう、そしてゲームを批判するものではありません
この話の都合上、少し批判的ととれる言葉がありますが、そのつもりは一切ございません。どちらも私にとってかけがえのない、大好きな作品です。ただ、ご不快に思われた方がいらっしゃれば訂正いたしますので、お伝えください。
・プレイしたのは一作品のみです
世の中には様々な作品があるため、ここでは「ない」といった要素がある可能性があります。
長々と失礼しました。
では、ここからなろうと、実際の乙女ゲーム「と◯メモ」の相違点について書いていきます。
◆なろうとの違い◆
① 悪役令嬢はおらず
悪役令嬢。結構楽しみにしていたのですが、いませんでした。また、主人公のライバルキャラもいないようです。
その代わりと言うべきかは迷いますが、主人公を熱心にサポートしてくれる可愛い女の子が2人いました。相手の好感度や服の好みを教えてくれます。そして、親友エンドを迎えられるそうです……!
②攻略対象に恋人、婚約者はいない。
なんと、イケメンで尖った個性の持つ彼らには恋人がいません。もちろん婚約者も。ですが、乙女ゲームなので当たり前と言えば当たり前な気もします。
③ルートは存在しない!?
よく「〇〇のルートに入ってしまいました!」という展開をなろうで見たのですが、ありませんでした。
実際、A君の好感度が上がっていて、デートを沢山していた。
一方で、B君の好感度を上げたり、デートしたりすることも可能。
さらに、最終日にA君よりも好感度が高ければB君に告白してもらえる。(その逆も然り)
〇〇ルートに固定されるという概念がないのかもしれません。
④逆ハーレムエンド、ありません。
よく、悪役令嬢ものの小説ではヒロイン(ゲームの主人公)が逆ハーレムエンドを迎えますが、ありませんでした。
一応、複数人で迎えるグループエンド、というものは存在するようです。が、やはり逆ハーレムではないそうです。
⑤主人公ちゃん、良い子すぎる……!
「付き合ってないよね!? 何様!?」と相手に文句を言いたくなるシーンでも、
「服がダメ!? 君も指摘できるほどか!?」と思うような時でも。
主人公ちゃんは怒ることなく、むしろ心配したり、反省したりしていました。イラっとした私がいかに狭量だったか気付かされました。主人公ちゃんは穏やかで優れた人格の持ち主です。
⑥メインヒーロー(王子様枠)。曲者すぎた。
なろうでメインヒーローは王道キャラと設定されることが多いと思います。文武両道、人格者でちょっぴり腹黒い、そんな性格をよく見た記憶があります。
が、とき◯モのメインヒーロー枠、とんでもない奴でした。
モラハラっぽいです。
ヤンデレ気味です。
重いです。
他のキャラの攻略が億劫になる程、彼の主人公ちゃんへの愛は深く、危険性をはらんでいました。
恐らく、王道ではないと思います。
まだまだ書きたいことはたくさんありますが、とんでもない文字数になるので「なろうとの違い」は終わらせていただきます。
ここまでつらつらと書いてきましたが、このエッセイで私が述べたいのはなろうとの違いだけではありません。もう一つあります。
それは「どんなぶっ飛んだ設定でも問題ない!」です。
例を挙げると、
・みんな優しい
→ 年相応で不器用な子達がわんさか。
デートで間違った選択肢を選んだだけで、好みではない服なだけで、あからさまにため息をつかれます。成績が悪いと、順位表を見ている攻略対象から「君の名前まだ見つからないんだ(悪意0)」と言われます。大丈夫です。躊躇うことなく、個性豊かな性格の男の子達を登場させてください。
・学園舞台の貴族たちの恋愛
→ミステリーもの、アブナイ街、現代、歴史物……etc
とき◯モしかプレイ経験のない私が言うのは説得力が欠けてしまいますが、乙女ゲームには様々な作品があります。年齢制限のある過激なものから、と◯メモのような青春ものまで、なんでもあるそうです。(友人談)
なろうでは乙女ゲームのタグがついている場合、中世ヨーロッパ風の世界が舞台の作品が大半ですが、必ずしもその必要があるわけではないです。むしろ、実際の乙女ゲームではなろうのような世界観の方が少ないような気もします。(ただ、読まれることを考えると、いわゆるナーロッパ、の世界観の方が良いのかもしれません)
いかがでしたか? 皆様に何かしらの新しい発見、小説のネタなどが生まれたら嬉しいです。そして、「どんな設定でもいい」と感じていただけたら、もっと嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。
番外編:乙女ゲームは面白い。
これまで色々と書いてきましたが、想像していた5倍以上面白かったです。相手の好みに合わせた服を買ったり、ステータスの調整に四苦八苦したり、デートの会話や日常会話でときめいたり……。モラハラ、と書いてしまった彼も、悪意0のキャラたちも、みんな大好きになりました。いわゆる「箱推し」です。
今では友人のソフトを返してしまい、手元にはありませんが……。
ダウンロード版を買ったので、いつでも遊べます。最近は寝る前にちょこちょこ進め、二次創作を読んで笑ったり感動したりしています。
底なし沼でした。