モーニング・ラブホテル
女子高生2人とラブホテルに泊まった男はバスタブの中で目覚めた。
自分は今、ラブホテルの浴槽にタオルと枕を敷いてその上に寝ている。
寝ていると言っても、何やらゴソゴソと周りが騒がしくなったので寝ぼけながらも目を覚まし。目を覚ましたと言っても、まだ目を開けてゴソゴソの原因を探ろうとは思わない程度に寝ぼけている状態である。
昨日からの疲労がまだ睡眠を欲し、体が自分を夢の中に誘おうとするが。ゴソゴソの原因がなんなのかを目視せよ。と脳内の危機管理部門が騒ぎ、疲れた体に鞭を打が、まだ眠いと自分の怠惰が体勢を変え危機管理部門に背を向けるように横を向くが、何か柔らかいものが頭に当たる感触がしてすぐにその感触は消えた。
「キャッ、おじさん動いたヒナも早く早く」
なんだ朝っぱらから。と眠い目を擦り、目を開けると、寝起きでぼやけた視界にリコらしき影が見える。どうやら浴槽の縁に腰を掛けて、無理やり上半身を自分の頭の方に屈めているようだ。
「目が開いたよ、はやく」
「分かってるって、コレどうやって内側にするの」
何やら2人が声をひそめて会話をしている。自分の視界は焦点が合わず相変わらずぼやけたままだったが、浴槽の壁側にリコが座りしゃがみ込んでいて、反対側の縁にヒナが座っているようだ。視界も徐々にクリアになってくると、何故か2人が制服に着替え直しているのがわかる。
「そこのボタン押すの、そしたら内側になるから」
「あっ、コレ。なったなった、じゃーいくよ」
そう言うや否や、カシャッ。と言う聞き慣れた音が聞こえる。聞き慣れてはいたが、寝ぼけた頭ではまだその音がなんの音か思い出せずにいる。
「あっ、目つぶっちゃった。もう一回もう一回」
「えぇ、じゃーもう一回行くよ」
カシャッ
あぁコレはカメラのシャッター音だと思い出す。何処で写真を撮ってるんだコイツらは。
「あぁ、おじさん完全に起きちゃってるじゃん。じゃーさー、おじさんもあっち向いて、ホラ」
そう指さす方を向くと、そこにはヒナに掲げられたスマートフォンがある。
「ヒナ、もう一回シャッター押して」
「う…うん、わかった」
そして意識にあるだけで3度目のシャッターが押された。
自分は何事が起こっているのかと。うぉぁ、などとあくびをしながら起きようと、上半身を起こすが。今度は顔に柔らかいものがぶつかる。
「キャッ。ちょっとおじさん待ってよ、すぐにどくから」
リコはそう言いスカートを押さえながら自分の下半身の方を跨いで浴槽の外に出る。それとほぼ同時にゲンコツが飛んできた。
「いってぇぇ」
先程までの眠気や気だるさが一気に吹き飛ぶ。殴ったのはヒナだ。
「なにすんだ」
殴られた頭の頂上を押さえながらヒナの方に非難の視線を向ける。
「別に、なんでも無い」
そう言ってヒナはそっぽを向いた。訳がわからなかったが、コレで完全に目が覚めてしまった。
完全に目が覚めると、リコは胸を両手で抱え込むように押さえていた。なるほど、先程から当たっていた柔らかい感触がリコの胸だった事がわかる。同時に殴られた原因も分かり、釈然としない気持ちが少しスッキリとした。もうちょっと覚醒している時なら、胸が頭に当たった事で多少なりとも興奮していたかもしれないが、いかんせん寝ぼけていて何も考えていなかったので、もったいないことをしてしまった。一生懸命その時の感触を思い出そうとしていたが、思い出すより早く次の話題をふられる。
「それよりおじさん分かってる。今何されたのか」
リコがイタズラそうにそう問いかける。おっぱいに当たって殴られたた。と言いたいところだが、そう言うことでは無いだろう。何か特別なことがされたのか。と体のあちこちを確認してみるが。寝ている間にバッタ強化人間にされたわけでもなければ、片腕にサイコなガンを埋め込まれた訳でも無いようだ。思い当たることといえばシャッター音だろうか、どうもラブホテル記念にスマートフォンで写真を撮っていたようだが、それが何かあるんだろうか?
「あぁ、写真を撮っていたことぐらいしか思い当たる節はないが。まさか…顔に落書きとかしてないだろな」
喋っている途中に顔に落書きをされるかもという事に思い当たる。顔への落書きは気が付きにくい最悪の悪戯だ。心配になって顔をさする。
「落書きなんでして無いよ、写真だけ」
リコがそう言って、ヒナの持っている携帯電話を取り上げコチラに画面を向けた。
そこには、バスタブで薄目を開けている自分と左側にリコが屈み込んで左手でピースサインをして、左側にアップのヒナが自撮りに慣れない感じで何処を見ていいのかわからない様に、視線をカメラから外している画像が保存されていた。
ヒナの目は昨日泣いたせいか赤くなっているが、何故かリコの目も赤くなっていた。
「コレがどう言うことかわかる?」
ヒナがまだ、つっけんどんとした態度で横柄に質問してくるが。コレがなんだと言うのだ。ただ単に、3人が写った写真だ。良くわからなかったので素直に首を横に振った。
「カンの悪い男ね、コレでおじさんは逃げれなくなったってこと」
そういって、リコの持ってる携帯を奪い返して、画面を更に近づけて見せる。
「ここ、このリコの右手に持ってるお店の名刺」
ヒナが携帯の画面を指さす、その先にはリコが確かに名刺のようなものを持っていた。お店の名刺…ショップカードか何かか。どうやらリコはこのホテルのショップカードを持っているようだ。
まだコレがなんだとよく分からない顔をしていると。
「あぁもう。だから、おじさんが女子高生とラブホテルに来たって証拠写真が撮られたって事。コレでおじさんが私達から逃げようとしても、この写真公表するから社会的に死ぬって言ってんの」
ヒナが面倒くさそうにそう言って携帯を自分の目の前から引いた。
なるほど、だから制服に着替えていたのか。なかなか考えたものだ。
そんな事をされなくても逃げる気など無かったのだが、それを態度や言動から察する事は難い。彼女達なりに保険が欲しかったと言うことだ。しかし大きな疑問が残っていたので聞かずにはいられなかった。
「この写真を公開すると自分も社会的に死ぬかもしれないが、君達2人も。おじさんとラブホテルに来た女子高生になってしまうんじゃないのか」
そう質問すると、ヒナは。あっ、と言い固まってしまう。自分達にとっても不利益な写真と言うことを失念してしまっていたようだ。
そうするとリコが。「ふっふっふ」と不敵に笑って見せた。なんだとそちらに目をやると、何やら大急ぎでスマートフォンの画面を操作している。どうしたのかとしばらく待ってみると。
「おじさんは知らないでしょうけどね…携帯で撮影した画像なんていくらでも加工出来るんだよ」
そう言って得意げに自分のスマートフォンの画面を突き出した。どうやらいつのまにか写真は2人で共有されているらしい。
そこには、リコとヒナとは似ても似つかない体型、顔面、肌の色をした2人が写っていた。しかし、大急ぎで加工したせいだろう、お風呂の縁や、ラブホテルにいますと言う肝心のショップカードが、次元の捩れに巻き込まれたように引き伸ばされグニャグニャになってしまっていた。
写真の加工技術の事は自分も多少は知っている。
昔はパソコンで、特別なソフトを使ってその技術に精通した人間が写真を編集していたものだが。今や誰でもスマートフォンでお手軽に出来るようになっているようだ。コレからSNS等で上がってくる写真は、全て編集されていると言う色眼鏡で見ても問題なさそうだ。
「今はパパッと済ませたからこの程度だけど、本気出したらもっと凄いよ」とリコが凄んで見せた。その意見を聞き固まっていたヒナも‘どや’と言う顔をしているのは納得出来ないが、その点はスルーしておいた。
「その手のソフトは、加工を解除するソフトもしばらくしたら出回ったりするから。見せたく無い部分は物理的に覆って、それを撮影した方が取り扱いがより安全になるぞ」
受け売りの知識だが、一応アドバイスとして忠告しておいた。しかし、リコはそれを聞いても素直に‘はい’とは言わず拗ねたような顔をする。
不利益を被る自分が親身になってアドバイスをする余裕が気に食わなかったのか。アプリ関連の知識では確実に自分達若者に分があるとふんでドヤ顔でマウントを取ったら、おじさんから妙な横槍を入れられたのが気に食わなかったのか分からないが。どちらにしても、そんな顔になるのも納得出来る。それを咎めるほど自分は子供では無いし、こう言う知識は聞いた直後より後で染み渡り理解でき実行出来るようになる事を自分の経験から知っていた。
「それはいいとして、おじさんは逃げれなくなったの。分かった」
リコはそう吐き捨て風呂場を出ようとヒナの手を引き扉の方に向かい。振り向いて。
「今から今後のこと話すから早く起きて、こっち来て」
と素っ気なく風呂場を後にした。
自分はそう言われたので仕方なくバスタブの縁を掴み、重い体を腕の力で立ち上がらせた。
「ちょっとお風呂の片付けをするから少し待ってくれ」
2人にそう声をかけて、バスタブの中のタオルやら枕を取り出し。畳んで使用済みと分かるように洗面所の端に置いて置く。ある程度片付けが終わると、着替えだ。お気に入りの上着はリコを助ける為に引っ張られた事で片腕だけ伸びに伸び、明るいところで見るとかなり薄汚れた悲しい状態になっていた。それらに着替え終わっると枕を鷲掴みにしてベットルームに向かった。
洗面所を出ると、リコはブランコに跨り。ヒナはベットの縁に腰掛けていた。自分はその向かいにあるフカフカの椅子に鷲掴みにした枕を置き、振り返った。
「お前らなぁ。来た時のように綺麗にしろとは言わないが、もうちょっとこう、整える事は出来なかったのか」
バスルームから部屋に出ると。脱ぎっぱなしのバスローブにタオル。乱れたベットのシーツや掛け布団。枕なんてベットから転げ落ちた状態で放置されている。
「え、いいじゃん掃除の人来るでしょ」
リコは悪びれる様子もなく、そんな事を言ってのける。
少しの付き合いではあるが、リコもヒナも。良くニュース等で放送されるような現代っ子からは、かけ離れた意識を持ち合わせていると感じる。
ニュース等で放送されるZ世代と一括りにされる人間は。明らかに思いやりがなく思慮に欠ける、同世代でも特殊な部類になるのだろうが。TVなどによるメディアでしか若い子達の生態を知る事のない自分のような大人は、大多数の若者が。‘’思慮に欠ける短絡的な思考の持ち主‘’と感じてしまう。そんな若者ばかりではないだろうと頭で分かっていても、若い世代を型にはめてしまう。それは大人の悪い癖だ。
そして、この2人はそうではないと少し話して感じていた。若くて向こう見ずな部分は…まぁ大いにあるのだが、リコからはヒナ以外への思いやりの気持ちも汲み取れるし、ヒナからは…どうだろう。暴力的な一面しか思い出せないが、いたる所作から厳しく躾けられたであろう規律正しさ…のような物を感じなくもない。そんな2人だから、もしかしたら話せば考えを改める機会になるかもしれないと、自分の考えを喋り出してしまう。
「こんな事を君達に言うのは本当は嫌だけど。掃除に来た人が汚い部屋で嫌だと思うより、綺麗な部屋でラッキーと思う方が仕事に対するモチベーションが上がると思わないか」
そう問いかけると、リコは釈然としない様子を見せながらも一応頷く。
「そうかもしれないけど、だからなんだっていうの」
どうやらモチベーションと仕事への取り組む姿勢が結びついていないようだ。
「モチベーションの下がった状態と、高い状態では仕事の質が変わってくるだろ。自分達は利用者は、提供者がいない事には外食も出来ない、買い物もできない、電車に乗ることも出来ない。対価を支払い様々なサービスを享受させてもらっている。お互いに利益を得る同等の関係なんだ」
「ちょっと待って、お金払う人が偉いじゃないの」
リコは、客とサービス提供者が同等の関係という部分に引っかかったらしい。
「ある一面ではそう言うこともある。例えば先輩が奢ってくれる様な場合は、奢ってくれた先輩を礼儀として立てなければならない場合とかな。でも、客とサービス提供者は同等の関係だ。お金がいくらあっても砂漠の真ん中では使い道がないだろ。サービス提供者はいわば、砂漠のオアシスだ。客が欲する水を提供してくれる代わりに我々は代金を支払う」
「さっきから何の話してるの。それと部屋を綺麗にすることと何か繋がりがあるわけ」
長い話にヒナがイライラとする様子が伝わってくる。少し早いが結論を先に言っておくべきだった事を後悔し、今からでも遅くないとそれを実行に移す。
「あぁ、つまりは。いいサービスが受けたかったらいい客でいろって事が言いたいんだ。もし今後、旅館やホテルに泊まる事があるなら。客が荒らした部屋でモチベーションの下がった従業員が適当に掃除した部屋より、綺麗に使って貰えた事でモチベーションの上がった綺麗な部屋に泊まりたいだろ」
リコはそれを聞いて少し考えるようなポーズを取る。
「でも、綺麗に使ったからってモチベーションが上がるとは限らなくない。それって人によるでしょ」
確かにもっともな意見だが、その意見で見落としている部分を指摘する事にする。
「汚い部屋を掃除させられると考えると、確実にモチベーションが下がるだろ。その可能性を減らすと言う意味では綺麗にする事がより良い選択なんだ。自分にできる事をできる範囲でした方が、お互いにとってより良い関係が築ける。と言う事が言いたいんだ。相手がどう受け取るかは分からないが。単純に考えて、1部屋10分間の掃除時間があったとすると。汚い部屋を10分で掃除するより、綺麗な部屋を10分で掃除する方がより綺麗にする事が出来るだろう。もちろん綺麗な部屋では手を抜く奴も出てくるかも知れないが。余ったリソースが従業員の心の平穏に繋がれば、仕事の意欲も下がり難くなるとは思わないか」
ここまで言い切り、少し後悔する。今話した内容は自分の中のルールだ。必ずしもそれが正解ではないし、それ故に他人に押し付ける物でもない。それをダラダラと話しては反発されても仕方ないだろう。
「ふーん、おじさんってそれを誰から教えてもらったりしたの」
思ってもみない返事がリコから返ってくる。てっきり、自分だけがそうしても、他人がしてなかったら一緒じゃん、などと反論されると思っていたが、そこまで察しが悪いわけではないようだ。
「いや、特に誰から聞いたとかじゃないけど」
何と返せば良いのか、よく分からなくて中途半端な返事になってしまう。
「ふーん、それってさ "ジョングアダグア、ジョンドウダアドウ" って事」
は?じょん…何だって?今のは日本語なのか?
戸惑い何を言われたかよく分からない顔をして困っていると。
「因果応報みたいな事」とヒナが何語かも分からない言葉を翻訳してくれる。
「因果応報、あぁ、まぁそうだな。いい事をするといい結果が返ってくるし、悪い事をすると悪い結果がかえってくる…かもしれないって事だな」
リコは目を見開いてヒナの方を向いて。
「ねぇヒナ、おじさんってなんかシフみたいじゃない」と問いかける。
シフってなんだ。人の名前か、もしくはあだ名かなにか。あだ名にしても変な気がする。
「えぇ、シフの方がカッコいいよ。こんなおじさんと一緒にすると可哀想。それにおじさんになったら同じような事考えるようになるだけじゃないの」
おじさんになったら同じような事を考えるようになるかどうかは知らないが、そのシフって人にも何だか失礼な事をサラッと言ってのける。
しかし、そのシフと言う人のおかげかは分からないが、意外と素直に自分の意見は受け入れられたようだ。リコとヒナは渋々と言った態度ではあるが片付けを始めた。自分もその片付けに参加するために、取り敢えず落ちている枕を椅子に置き、掛け布団やシーツなどを適当に整え、椅子の上から枕を1つ取り畳んだ掛け布団の上に置いた。
リコとヒナは寝る時に着ていたバスローブを丁寧に畳んで掛け布団の横に置いている。
自分は椅子に残っている枕を手に取り椅子に腰掛ける。腰掛けたら枕を抱き込み顔を埋めて大きく息を吸った。
あまり褒められた事ではないが、自分の匂いが好きなのだ。何と言うか落ち着く気がする。いつもは自分の匂いなどわからないものだが、枕など一晩頭を預けていた物からは微かに匂いがするのだ。
今、別段心を落ち着かせなければならない様な心理状態ではないが。家にいる時の癖でつい、いつもと同じ行動をとってしまっていた。
しかし、何か違和感を覚える。いつもの自分の匂いとは明らかに違うのだ。
自分の匂いは嫌な香りでもないが特にいい香りというわけでもない。しかし、この枕からは明らかに良い香りがするのだ。
鼻を枕に付けて違和感を感じ、すぐに枕を顔の近くから離し枕を凝視し付着していた髪の毛をつまみ上げる。それは明らかに自分の髪の毛では無い長く薄い茶髪の毛だった。
しまった、これは完全にリコの毛である。部屋を綺麗にする時に椅子に枕を置き、それを畳んだ掛け布団の上に戻したつもりだったが、間違って自分が使っていた枕を戻してしまっていたようだ。
ヤバイと思い、慌てて顔を上げ見られていないか確認してすると。ヒナはズレた靴下を履き直していて下を向いていたが、リコはこちらをガン見していた。
リコがこちらをガン見しているのに気が付き固まっていると。リコは咎めるでもなくそっぽを向いてしまう。
完全に変態おじさんに自分の枕を嗅がれた女子高生のリアクションである。終わった。このままヒナに報告されて、自分はボコボコにされてしまうのだろう。今回の事は100%自分に非があるので言い訳のしようがない。間違ったとは言え、枕に顔を埋めてそれを吸っていたわけだからどうしようもない。
しかしリコはいっこうに次の行動に出ない。ヒナは靴下を履き直せたのか顔を上げ、リコを見る。
「どうしたのリコ大丈夫」
大丈夫なわけがない。変態オヤジに匂いを嗅がれた女子高生の気持ちを考えると胸が痛くなる。
「顔赤くなってるよ体調とか悪くない」
そっぽを向かれた事で自分からはリコの顔は確認できないが、赤面するほど怒りに震えているのか。それとも枕を吸うおじさんに恐怖し泣き出しそうなのか。もう腹を括るほかない。切腹前の侍になった気持ちだ。リコは何と報告するのだろう。どう報告されても自分の不利は揺るがないのだから考えるだけ無駄だと諦めていると。
「なっ、なんでもない。なんでもないよ」
何故か慌てたような様子でヒナにそう答えた。ボコボコにされるであろう自分を可哀想に思っての行動かどうかはわからない。弱みを握って更なる要求をされるかもしれないが、なんにせよ。今、暴行を受ける心配は無くなったことに安堵する。
後でお礼を言っておこう。今言うとややこしいから、今はヒナがいるのでまずい、とにかく後でだ。
自分は何事もなかったようにそっと枕を取り敢え、また椅子に座り直した。
さて、今後の話をしよう。枕をしっかりと抱き込み、気持ちを入れ替えた。
次回でラブホテル編は終了です。
タイトルには毎回ラブホテルと入れていたのですが、これがもう苦痛で、自分で勝手に決めたルールなんですが、やっとそれから解放されるのが嬉しいです!
本当は今回でラブホテル編を終わらそうと思っていたのですが。話が長くなり過ぎて、1話を半分に割って少し加筆修正を加えた話がこの話になります。
と言う事で、次回はもうほとんど出来上がっています。順調に行けば今週中にはアップできると思います。
まぁ…それは私のモチベーション次第なんですが…頑張りすぎないように書いていきます。
よろしくお願いします。